<憑依>”性”徒会①「復讐」

とある高校ー。
今日も穏やかな1日が流れていた。

秩序が保たれた平和な高校。
しかし、ある生徒の黒い意思が、”生徒会”を汚染していくー。

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生徒会室ー。
今日は、2週間後に控えた文化祭の話し合いが行われていた。

メガネをかけた、少し気の強そうなポニーテールの少女が言う。

「--D組の出し物、私は良くないと思うけどな…」
2年生の、生徒会副会長の村瀬 京香(むらせ きょうか)が言う。

彼女は、堅物で、高校の平和を守るために躍起になっている。
堅物すぎて、融通が利かないのがたまにキズだ。

2年D組が文化祭で
メイド喫茶をやると言っているのが気に入らないようだった。

「いいじゃないですかぁ、村瀬先輩!」
1年の生徒会書記・吉田 茉莉(よしだ まり)が言う。

彼女は幼い顔立ちで、愛嬌のある生徒で、
生徒会内でも可愛がられている。

「ふふ・・・
 でも、羽目は外さないって、言ってたし…
 見守るしかないんじゃないかなー?」

整った綺麗な黒髪と、
可愛らしい顔立ち、それでいて勉強もスポーツもできる、
少女―

2年生で、生徒会長の朝倉 晴美(あさくら はるみ)が笑う。

彼女はクラスでも人気が高く、
真面目で心優しいことから、
先生からは信頼され、後輩からも慕われていた。

「ま、、まぁ、会長が言うなら」
副会長の京香が不満そうにつぶやく。

「---村瀬さんも、会長にはヨワイカラなぁ!」
坊主頭の男子生徒・田口 譲治(たぐち じょうじ)が笑う。
彼も2年生の生徒だ。

他の2名の男子生徒もそれに続いた。

「---チッ、、あんたは黙ってなさいよ」
副会長の京香が不満そうにつぶやき、
ちらっと生徒会長の方を見る。

京香は、
密かに”会長の座”を狙っていた。

だが、生徒会選挙で破れ、
京香は副会長に甘んじていた。

最初は、会長である、晴美の弱みを握って
会長の座から蹴落としてやろうと思っていた。

だがーーー。
無理だった。

会長の晴美は、全てにおいて完璧だった。

”裏の顔”など存在しないー。
どこまでも優しくて―
まさに女神のような存在ー。

蹴落とせるはずが無かった。

一緒に生徒会活動をして
”レベル”の違いを知った。

生徒会室を出た京香は呟く。

「面白くないーー…」

ふと、廊下で、男子生徒二人が目に入った。

2年の問題児、
田久保 万次(たくぼ まんじ)。

その田久保が、気の弱そうな生徒の髪を
引っ張って、何やら脅しているようだった。

「--コラ!なにやってるの!」
京香は強すぎる正義感を持つ生徒だった。
それが時としてトラブルのもとになることも。
学校を想う気持ちは本物なのだけれどもー。

「なんだ、副会長?」
万次が笑いながら、京香の方を見た。

「アンタ、またいじめ?
 アンタみたいなやつ、本当に退学になればいいのに。」

京香が言う。

その言葉に万次は不快そうな表情を浮かべる。

「---なんだよ、いきなり…
 ただ、コイツと遊んでただけだろ?」

万次は、気の弱そうな男子生徒を指さしながら、笑う。

その態度が気に入らなかった。

私は、より良い高校生活を送りたいだけなのに。
どうして、みんな、真面目に出来ないのか?

とても、不愉快だった。

「アンタのこと、先生に言っておくから」
優しい顔つきとは裏腹に、キツイことを言う京香。

「おいおい、ちょっと待ってくれよ!」
万次が焦って言ったものの、京香は聞く耳を持たなかった。

「ごめんね。今日、私、色々ムカついてるの」
京香が苛立った様子でそう言い、職員室の方に歩いて行く。

「おい!ふざけんな!いつもいつも気取りやがって!」
万次が叫ぶ。

生徒会副会長の京香は、きつい性格のため、
本人にその気はないのだが、人を見下しているように
見えることもある。

そのため、敵を作りやすい。

「--ったくよぉ」
万次はそう呟いた。

その日ー
京香は、生徒会長と、自分を比べてしまったことで
イライラしていた。

職員室で、万次のことを必要以上にひどく報告し、
あることないこと報告した。

先生からも厄介者扱いされていた万次は、
ーーー副会長の京香の言葉を鵜呑みにして、
”停学”になったのだった。

「----あなたは問題ばかり起こして・・・」
生活指導担当の女性教師が言う。

彼女はまだ教員になってから日が浅く、
その容姿から、男子生徒にもファンが多かった。

だがーーー
”出来の悪い生徒”を見下す悪い癖もあった。

「あなたのような生徒は、この学校にはふさわしくありません!」

先生の言葉に、
万次は歯ぎしりしながら、停学処分を受け入れた。

夜ーー。
自宅で万次は暴れ狂った。

「糞が!
 俺が喫煙??
 副会長の野郎!何を吹きこんだ??

 確かに俺は素行不良だよ!
 そうだよ!!

 だがゆるせねぇ…
 どいつもこいつも、俺を馬鹿にしやがって!」

”やってないこと”まで鵜呑みにされて
停学にされた万次の怒りは頂点に達していた。

そしてーーー。

ある日、雑誌の懸賞で、当選した
”憑依薬”というものに目をやった。

アダルト雑誌の懸賞で1名様に当たる、と書かれていたのを
興味本位で応募したら当選したのだ。

「くだらねぇ」

そう思って、部屋にぶん投げてから3か月。

「--いや、待てよ…」

”もし、これが本当ならーーー”

万次はそう思い、その憑依薬を
ひと思いに飲みほした。

”生徒会”を壊してやるー。
副会長の京香をーーー

いや…
あの高校を全てーー
ぶち壊してやるーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日の放課後。

夕暮れの中、
生徒会会長の朝倉 晴美と、
書記の吉田 茉莉が笑いながら下校していた。

「文化祭、楽しみです!」
茉莉が言うと、晴美がほほ笑んだ

「茉莉ちゃんのクラスって何やるんだったっけ?」
晴美が訪ねると

「私のクラスは男子が焼きそば、焼きそばうるさいので
 焼きそばです。

 なんか、魂の焼きそばを焼いてくれるみたいですよ」

茉莉が呆れた様子で言うと、
晴美は「ふふ、魂の焼きそばってどんなのだろうね」とほほ笑んだ。

その時だったー。

「---会長、ちょっと話、いいか?」
停学中の万次が、校門で会長の晴美を呼んだ。

「--わたし?」
晴美が不思議そうな顔をして、自分を指さす。

「あぁ、、朝倉さんにちょっと話があって・・・」

万次に指名された会長の晴美は、
優しく微笑んで、後輩の茉莉に「じゃあまた明日ね」と
微笑みかけると、万次の方に歩んで行った。

万次はニヤりと笑みを浮かべて、晴美を人気のない方に連れて行く。

「---副会長の村瀬のやつだけどさ」
万次が言う。

そして続けた。

自分がやっていないことまで生徒指導部に吹きこまれて
そのせいで、自分が停学になってしまったと。

話を終えると晴美がため息をついた。

「ごめんねー、田久保くん。。

 京香ちゃん、いい子なんだけど、ちょっとやり過ぎちゃうところが
 あるから…」

晴美が申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする。

「あ、、あぁ…」
万次は拍子抜けした。

確かに晴美は優しいと評判だが、
クラスが違うので、ほとんど話したことはなかった。

副会長の京香とは大違いだ。

「---京香にはよく言っておくね…
 あ、あと、田久保くんのこと、一応生徒指導の先生にも
 言っておくから…。
 停学が取り消されるかは分からないけど」

晴美の優しい配慮に、
万次は、一瞬、これからしようとしていることを
止めようかと思った。

心が揺らぎそうになったー

だが、

副会長の京香や、
生徒指導の先生の見下す顔を思い出すー。

停学が決まった時のクラスメイトたちの顔を思い出す。

再び、万次の中で憎しみが巻き起こった。

「…ぶっ壊してやる」
万次がつぶやく。

「えーー?」
晴美が聞き返した。

「--俺は、こんな腐れ学校 ぶっ壊してやる!」
怒りを込めて、そう叫んだ。

「--ちょ、、田久保くん!落ち着こうよ!
 私が先生に話してみるから!」
晴美が慌てた様子で言ったー

けれど、万次が止まらなかった。

「会長!ーー
 お前も俺と一緒に復讐するんだ!!!」

万次の叫びに
晴美は少しだけ、声を大きくして言いかえした

「何言ってるの?私はそんなことー」

そう言いかけて晴美は目を見開いた。

”万次”が居ないー?

「えっ…ちょっと、、田久保くん?」

そしてーー
ヌッ、と体に何かが入り込んでくるような感触がした。

「ひっ…!?」
晴美が体を震わせる。

今まで味わったことのないような気持ち悪い感覚。
言葉に形容しがたい感覚。

血の流れが逆流しているかのような、
体中が凍りつくような、得体の知れない感覚

「な、、、なに…なんなの・・・」
晴美が困惑の表情を浮かべる。
その表情には焦りも浮かんでいたー。

「-----あぎっ!?」
脳を握られたような感触がして、頭を抱えて
その場に蹲る。

「---あ、、、あ、、、や、、やめて」
晴美は理解したー

”何かが自分に入ってこようとしているー”

綺麗な黒い髪を乱しながら、
頭を掻きむしるようにして、もがいている

「あ、、、入って、、、、こないでぇ!」
晴美は叫んだー。

「---会長?」
下校のため、近くを通った生徒が不思議そうに晴美を見る。

「--大丈夫?」
心配して声をかけると、晴美はゆっくりと立ち上がった。

そして振り向く

「うん。大丈夫よ。心配かけてごめんね」
晴美は微笑んだ。

声をかけた生徒は安心した様子で走り去っていく。

「---くふふ・・・大丈夫よ…
 わたし…明日からこの学校を地獄に変えるの…
 
 うふふ・・・学校の風紀なんてもの、全部壊してやるわ…
 くくくくく…ははははははははは!」

晴美は意地悪そうな笑みを浮かべながら
その場を立ち去った・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日の昼休み。

生徒会の話し合いのために
生徒会副会長の京香が、生徒会室を訪れる。

生徒会室の部屋の扉を開いて、
京香は驚いた。

そこではーー
生徒会の男子・田口と、生徒会長の晴美が抱き合って
キスをしていたーー

「---んふっ…♡
 あ~あ、堅物がもう来ちゃった…」

甘い声で、田口に語りかける晴美。

「なんだよ~お預けか~、
 でも会長が、こんなことしてくれるなんてな!」
イヤらしい笑みを浮かべて喜んでいる坊主頭の田口。

乱れた制服姿でほほ笑む晴美。

いつも優しく、穏やかで、
真面目な晴美とは思えない、妖艶な姿に京香は動揺したー。

「……晴美…な、、なにしてるの?」
唖然とした表情で言う京香。
晴美がこんなことをするなんて、信じられなかった。

「--なにって?エッチしようとしてたのよ?
 見て分からない?」

晴美が愛想なく言う。
お調子者の生徒会メンバー、田口はニヤニヤしている。

憧れの生徒会長、晴美の唇の感覚と抱き着いたときの
感覚が忘れられず、興奮しているようだ。

「-------」
言葉を失う京香。

「---京香ちゃんはね…
 真面目すぎるのよ… 
 
 ねぇ、どう?わたしと一緒にこの学校を
 性でおぼれさせてみない?」

晴美が自分の胸を触りながら笑う。

「ちょ、ちょっと!どこ触ってんのよ!」
京香が落ち着きなくメガネをいじりながら叫ぶ。

生徒会長ともあろう晴美が何をしているのか。

「ーー今のうちにいっぱい経験しておかなくちゃ。。
 何でも風紀だの校則だのでしばりつけるの…
 わたし、良くないと思うな?」

上目遣いで京香を見る晴美。

舌をペロペロしながら、妖艶な様子で、
京香に語りかける。

「んふっ・・・
 もっともっとエッチなこともちゃ~んと学ばなきゃ…。

 わたし、そのことにやっと気づいたの…」

晴美がスカートを整える。

そのスカート丈はいつもより短い。

「--メイド喫茶、もっと派手にやるようにD組に言っておいたわ」
晴美が言う。

「はぁ?晴美!ふざけないでよ!」
京香は叫んだ。

京香と晴美は、1年の時からの知り合い。
2年になって、生徒会の会長と副会長の関係になってからは
京香が一方的にライバル視していたが、
同時に晴美のことを認めても居た。

「---ふざけてないわよ。。
 あとね、私もメイド喫茶にゲストとして顔を出すことにしたの。

 男子のみんなを、わたしのエロい体で喜ばせてあげなきゃ!
 んふふ・・・」

あまりの豹変ぶりに京香は身を震わせた。

「な…なに言ってるの…」

そんな強化に、晴美は笑いながら近づき、
そのまま京香の胸をわしづかみにした。

「んふふ・・・京香ちゃんの胸、意外と小っちゃいんだね!
 わたしの胸の方が大きくて気持ちイイ…♪」

そう言いながら、晴美は京香の胸を揉み始めた。

パチン!

京香が晴美の頬にビンタを喰らわせた。

「最低!何考えてるのよ!」
京香が目に涙を浮かべながら叫ぶ。

「あんた、生徒会長でしょ!
 この学校を乱す様なマネを晴美がして
 どうするのよ!

 田久保みたいなふざけたやつを取り締まるのが
 私たちの…」

突然、京香のアゴをつかんで、
晴美はそのまま京香を壁に押し付けた。

「---調子乗るんじゃねぇよ」
晴美が低い声で、京香を睨みつけた。

「ひっ…」
京香があまりの恐怖に震えあがる。

「わたしは会長。
 京香ちゃんは副会長。
 わかる?
 あんたは大人しく会長のわたしにしたがってればいいの」

晴美の言葉に京香が「…ふ、ふざけないで!」と必死に叫ぶ。

晴美はその言葉を聞いてほほ笑んだ。

「ふざけてなんかいないわー。
 うふふ・・・もっと、もっと、わたしはこの学校を良い学校にするの…
 ”からだ”を使って…ネ」

晴美がいやらしく笑う。

その様子を見て京香は叫んだ。

「最低!見損なった!」
泣き叫ぶようにしてそのまま生徒指導室から走り去る京香。

その様子を見て、晴美は
「くふふふふふふ・・・最高だよ!
 …こんなもんじゃ済まさない…本番はこれからだ」

と小声でつぶやいた。

「---先輩、遅れましたっ!」

後輩の生徒会書記、茉莉が部屋に入ってきた。

「--あれ?今、副会長が走り去っていきましたけど
 何かあったんですか?」

茉莉が可愛らしく尋ねる。

生徒会の男子、田口が気まずそうにしていると、
会長の晴美は微笑んだ。

「別にー。
 ちょっと今日は、京香ちゃん、機嫌わるいみたい!」

晴美が悪びれることなく言うと、
茉莉が笑いながら「そうなんですか~」とつぶやいた。

着席した茉莉を横目で見ながら、
晴美は不気味にほほ笑んだ。

”次は、お前を下僕にしてやるー”と。

晴美は、グッショリと濡れた下着の感覚を
味わいながら、生徒会の話し合いを始めるために
座席につくのだったー。

地獄はここから始まる―。
全ては副会長の京香への復讐のためにー。

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

一旦延期していた性徒会ですが、
ようやく書くことができました!
今日はプロローグです!
明日からはさらに闇におぼれていきます!
ふふふふふ・・・

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憑依<”性”徒会>

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    これは憑依洗脳かな?
    NTRが無ければ大好物です( ˘ω˘ )

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > これは憑依洗脳かな?
    > NTRが無ければ大好物です( ˘ω˘ )

    む・・・
    それは…(汗)