生徒会長・晴美の豹変の元凶が待つという
倉庫に、イケメン生徒会男子、目黒と共に向かう
副会長の京香。
倉庫に足を踏み入れた京香を待っていたのは…
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倉庫の前に立つ二人。
既に日は暮れている。
不安そうに京香が、目黒の方を見ると、
目黒は優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ。もし何かあっても村瀬さんのことは
俺が絶対”守るから”」
目黒の言葉に、京香はうなずく。
この倉庫の中に、
生徒会長の晴美や、後輩の茉莉、
そして原坂先生が豹変した元凶が居るのならばー。
京香は意を決して倉庫を見る。
目黒が手で合図をして、先に倉庫の扉を開ける。
男子として、女子を守ろうとする目黒の
優しさだった。
倉庫に入るとー、
そこには、茉莉と原坂先生が、
メイド服を着て微笑んでいた。
「---き、、来ちゃダメ!」
倉庫の中央部に生徒会長の晴美が
制服姿のまま、縛り付けられていた。
「---晴美!」
京香は叫ぶ。
その様子は、”いつもの晴美”のように見えた。
「---ダメ!京香ちゃんは来ちゃダメ!」
晴美が懸命に叫ぶ。
最近、学校で見せていた
高飛車な雰囲気ではないー。
いつもの優しい晴美だ。
「--どういうこと?」
京香が訪ねる。
すると晴美は叫んだ。
「わたし…体をアイツに乗っ取られてたの!!
茉莉ちゃんと原坂先生はアイツに変えられちゃって…」
そこまで言うと、晴美は目に涙を浮かべた。
「わたし…心の中に抑え込まれていて…
自分が何をさせられていたか…全部、分かってるの…」
晴美の目から涙が零れ落ちる。
「---ごめんね…京香ちゃん…
わたし…生徒会長なのに、、あんなことしちゃって…」
”あんなこと”
生徒会室で、生徒会メンバーの田口と抱き合ったりだとか、
挑発的な言動を繰り返したことだろう。
「--いいの!晴美は悪くない!
私のほうこそ、気づけなくてゴメン」
京香はそう言い、
晴美の方に駆け寄る。
そして、尋ねた。
「あいつって誰なのー?」
京香が訪ねると、
倉庫の奥から、一人の男子生徒が姿を現した。
ーーその生徒は、
停学処分中のはずの、田久保万次だった。
「よぉ…副会長」
万次が、京香を睨む。
「アンタ・・・」
京香が負けじと万次を睨み返す
「全部テメェのせいだぜ。
俺のあることないことをこの先生に吹きこみやがって。
おかげで俺は停学になっちまった」
万次がうつろな目でメイド服を着ている
原坂先生の頬を、いやらしい手つきで触りながら笑う。
「---あんたが、悪いんでしょ!
普段から素行が悪いから!」
京香が言うと、万次は言った。
「ケッ…お前はいつもいつも
いちいちうぜぇんだよ…。
お前の復讐のために、俺は”憑依薬”ってのを使ってなー。
ここにいる会長に憑依した」
万次が晴美の方を見てニヤリとすると、
晴美は悲しそうに目を伏せた。
「---酷い…
ねぇ!早く、茉莉ちゃんと先生を元に戻して!」
京香が叫ぶと、
万次は笑う。
「そいつは無理な相談だ。
この二人はな、俺が憑依して
”脳”を塗り替えちまった。
俺の意識を強く送り込んだ結果
本来の人格は”上書き”されて、俺色に染まっちまったんだよ。
なぁ!茉莉!」
万次が茉莉を呼ぶと、
茉莉は「はい、ご主人様…」と幸せそうな表情で呟いた。
「ちょ……ふざけないで!
茉莉ちゃん!そんなのでいいの!?
あんたの大切な弟くんが、悲しむよ!!
ねぇ、目を覚まして」
そう言って、茉莉の腕をつかむ。
しかし、茉莉は腕を振り払った。
「わたし、変えられちゃったんです 先輩。
今のわたしは、ご主人様にお仕えすることが
何よりの幸せなの…♡
あっ…ご主人様ぁ…♡」
万次の方を見て、うっとりとした表情を浮かべる茉莉。
「---ま、、茉莉ちゃん…」
唖然とする京香に茉莉は言う。
「変えられちゃったけど…わたし、幸せ♡
これからは一生、ご主人様に尽くすの!
弟なんて、もうどうでもいいの!うふふふ♡」
京香は言葉を失い、
万次の方を見る。
「---アンタ、最低!」
京香が叫ぶと、
万次はニヤリと笑みを浮かべる。
「本人は幸せだってよ。
警察にでも通報するか??
でも、意味ねぇよな?
本人が幸せだと言ってるんだからよ…。
なぁ!先生!」
万次が言うと、
先生も満面の笑みで、
「このエロい体は、ぜんぶあなたのためにあるの♡」
と嬉しそうに呟いた。
「---悪魔!」
京香が叫んで、晴美の方に近づく。
「晴美!今、助けるから!
こいつのこと、全校中に教えて、茉莉ちゃんたちを助けよう!」
京香が晴美の方を見て、力強く言う。
すると、晴美は涙を浮かべた。
「ダメ――――!
今すぐ逃げて!!!」
晴美が叫ぶと同時に、京香は背後から掴まれて投げ飛ばされた。
「--きゃっ!」
投げ飛ばされた京香が顔をあげる。
そしてーー
目を震わせた。
「め…目黒くん…?」
一緒に来たはずのイケメン男子・目黒が京香を投げ飛ばした。
「ごめんね~村瀬さん…
ちょっと手荒になっちゃってさ」
目黒がいつものように優しい笑みを浮かべる。
「…ど、、どういうこと・・・?
アンタ!目黒くんにも何かしたの!?」
京香が万次を睨む。
だが、目黒は笑った。
「俺はコイツに何かされるほどバカじゃないよ」
目黒の言葉に、万次が苦笑いしている。
「俺さ、コイツと同じ中学の出身でさ、
実は親友なんだよね…。
まぁ、俺は”表面上優等生”で居たいから
表だっては万次のやつと絡まないけどさ」
目黒の言葉に万次は笑う。
「ずるがしこいヤツだよ。
俺の憑依薬の存在を知って、こいつも話に乗ってきた」
京香は恐怖に体を震わせた。
味方だと思っていた目黒も、
万次の味方をするーー
つまり、憑依側の人間だった。
「--さぁ、そろそろ俺たちも体を手に入れようぜ!」
目黒が笑う。
「そうだな…”俺の復讐”が終わったら、
”やる”約束だもんな…」
そう言うと、万次が憑依薬を口にして、
体が透き通った色になり、やがて見えなくなった。
「さぁ、村瀬さん、始まるぞ!
最高のショーが…
くくく…」
目黒がイヤらしい笑みを浮かべて笑う。
「ひっ…!?」
晴美は体をビクンと震わせて、
うめき声をあげる。
「は…晴美!?」」
京香が叫んで晴美の方に駆け寄る。
「--万次が、晴美ちゃんに憑依したよ。
でもさ、もう晴美ちゃんの意識は必要ないから
”染め上げるってさ”」
目黒が笑いながら、京香の顔を覗きこみ、続けた。
「今から見られるぞ…
”生”で染め上げられる様が…。
この十数年、晴美ちゃんが積み上げてきた
”人生”が塗りつぶされる瞬間を!
はははははは!」
笑う目黒に京香が叫ぶ。
「ふざけないで!やめて!やめて!」
だが、目の前の晴美に異変が起きた
「いやぁ…わ、、私の…
わたしの頭の中が…へん…
た、、、助けて京香ちゃん…」
晴美がもがきながら、
涙を流している。
「あ、、、、、ちがう、、、ちがう、、やめて!」
晴美が体をビクンビクンと震わせている。
「--あ、、、わたしの、、ごしゅじんさまは、、まんじさま…」
うつろな目になって呟き始める晴美。
そんな晴美の様子を見て、京香は慌てて晴美に近づいた。
そして、晴美を縛っているロープを乱暴にほどく。
束縛から解き放たれた晴美は
頭を抑えてうずくまっている。
「---ごしゅじんさま…ちがう…ちがう…
私は…、、……」
懸命に闘っている様子の晴美に、京香は叫んだ。
「そんな奴に負けちゃダメ!
晴美!意識を強く持って!」
晴美を抱きしめるようにして京香が言う。
「お願い晴美!負けないで…」
他にかける言葉が見当たらない。
だがーー。
「---万次様は…私のごしゅじんさま…」
晴美がそう呟いた。
「違う!違うよ!晴美!ねぇ、しっかりして!」
晴美の体を揺さぶる。
けれどーー
もう、意識の改変は止められないーー
「・・・万次様は、私のご主人様」
ハッキリとした口調、ハッキリとした目つきでそう言う晴美。
「---は、、、晴美…」
京香が唖然とした様子で呟く。
目黒は笑いながらその様子を見ている。
「--うっ、、あぁぁっ!」
再び晴美が頭を押さえてもがきはじめた。
白目を剥き、
ビクンビクンと体を反り返らせている
「はっ、、、や、、やめてぇ…
わ、、わたし…やめて…おかしくなっちゃう!」
晴美が仰向けに倒れ、そのまま体をえびのように反り返らせている。
「ひぃぎっ♡ あ、、、わたし、、、
そんなえっちなこと… あ、、、あ♡ やめ♡ やめ、らめぇ…♡」
だんだんと、晴美の声が甘い声に変わっていく。
唖然として涙を流すことしかできない京香の
ポニーテールに手を触れながら、目黒は背後から
京香の耳元でささやいた。
「万次のやつが、
晴美の脳の仲で、思考を染め上げているんだよ
万次色にな。。
大丈夫、心配いらないよ。
晴美ちゃんはすぐに、幸せになれるから・・」
その言葉に京香はひざを折って涙を流す
「は…晴美ぃ…」
そして…晴美は立ち上がった。
「うふふふ…わたし、生まれ変わっちゃった♡
本当はうまれかわりたくなかったのに、
一生、万次様のために尽くす、えっちな女の子に
なっちゃった…♪」
晴美が笑う。
「---」
京香は涙ぐんだ目で晴美を見るー。
晴美は京香を見て言った。
「---あなたのせいよ。
わたしはあなたのせいで変わっちゃったの。
私は、、あなたを許さないー
----永遠に」
晴美が京香の方に近づいて京香を睨む。
「--晴美…ごめんね・・・
巻き込んでごめんね…」
京香はその場に泣き崩れた。
自分が、、万次のことを停学にしようとなんか
しなければーーー
晴美は巻き込まれなかった。
茉莉もーーー
原坂先生もーーー。
「----わたし…将来の夢があったのに
それもぜ~んぶ奪われちゃった。。。えへへ…」
晴美が笑う。
そして言う。
「あぁ…興奮してきた…
わたし、えっちな女に作り替えられちゃった…
もう、、、もう我慢できない!」
そう言うと、晴美は自分の制服を引きちぎるように
して脱ぎ始めた。
「やめて!!もうやめてよ晴美!」
晴美に近づこうとする京香を
茉莉と原坂先生が押さえつける。
京香はーーー
真面目だった晴美が、一人喘ぎ狂い、
絶頂に達する様を見せつけられたー。
目を逸らすことさえ、許されなかった
「あっ・・・♡ あ・・・♡」
放心状態の晴美。
そして、晴美がビクンと震えると、
ニヤリと笑みを浮かべた。
「どうだー?
晴美本人はもう、塗り替えちまった」
晴美の口調が変わる―。
憑依している万次が表面に現れたのだ。
「これから俺はー、
いや、わたしは、晴美として生きていくから…」
思考を変えられた挙句、
さらにその上から意識まで乗っ取られた晴美が笑う。
「--あんたのおかげで、わたし、人生狂っちゃった♪」
京香が泣き叫びながら地面に蹲る。
晴美はそれを見て、笑いながら立ち上がった。
そしてー
「目黒…、俺の復讐は終わった。
あとは好きにしろ」
目黒にそう呟くと、目黒はニヤリと笑みを浮かべた。
いつも偉そうな生徒会副会長の京香の絶望する顔が見たかったー。
ただ、それだけのために晴美、茉莉、先生の人生は壊された。
晴美と、それに続いて茉莉、原坂先生がメイド服を
揺らしながら、倉庫の外へと出て行った。
「----村瀬さん」
泣いたままの京香の方を見て、目黒が優しく微笑む。
「--俺、ずっと村瀬さんのこと好きだったんだ。
好きで好きで、たまらなかった。
いつしか、俺、”村瀬さんになりたいー”
そう思うようになったんだ。
毎日、毎日、夜に村瀬さんになっている夢を見ては
夢精したよ」
目黒が狂気の笑みを浮かべながら言う。
「-村瀬さんの着ている私服を調べて、全部買ったよ。
村瀬さんのポニーテールそっくりのウィッグも買って、
村瀬さんの服を着て、髪をまねて、
化粧をして…
俺、村瀬さんになりきったこともある。
超興奮したよ!」
目黒が熱く語る。
「でもさぁ、やっぱ違うんだよ!
俺は、村瀬さんそのものになりたかったんだよ!
だから、俺、万次のやつから憑依薬の話を
聞かされたときに決めたーーー
”俺が村瀬さんになる”ってなー」
目黒が万次から渡された憑依薬を手にしたー
精神崩壊状態の京香は泣き続けている。
目黒は、京香の耳元でささやいた。
「約束したよね?
”何があっても村瀬さんのことは守る”って」
目黒が笑う。
「つらいよな。
自分のせいで友達が変えられちゃって…。
その気持ち、分かるよ。
だからー楽にしてあげるよ。
村瀬さんの心、俺が守ってあげる」
そう言うと、目黒は憑依薬を飲み干した。
「--俺が村瀬さんになって、体も心も守ってあげる―」
目黒の体が消え、
京香はーー自分の中に入ってくるそれを、
受け入れてしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日。
生徒総会が開かれた。
体育館に集まる生徒たち。
いつものように、適当な話が生徒会から行われる
退屈な集まりだ。
生徒会の一人、坊主頭の田口は
「目黒のやつ、最近いねぇな」とつぶやく。
そしてー
生徒会の話が始まった。
会長の晴美、副会長の京香、そして後輩の茉莉が
3人でマイクの前に立つ。
3人とも最近は男の噂が絶えない。
どことなく、行動も色っぽくなった。
「---今日は全校生徒のみなさんに
お話があります」
晴美が笑う。
京香が怪しく微笑んでいる。
そして、京香が手にしていたポスターのようなものを
掲げた。
「--今日から生徒会は、
”性”徒会に改名します」
高らかに宣言する晴美。
京香が性徒会と書かれた紙を掲げている。
どよめきが起きる。
先生の一人が「おい、何言ってんだ?」と不思議そうに尋ねる。
「ーー最高の性教育を!」
先生たちの列にいた、原坂先生が叫んだ。
その言葉に万次が憑依している晴美は笑う。
”全校生徒”を全員、
下僕にしてやるー と。
晴美と京香は、新たに手に入れた
「分裂憑依薬」で、自分たちの魂を全ての生徒に憑依させようと考えていた。
「さぁ、みなさんー喘ぎ狂いましょう!」
晴美はそう宣言して、
自分と、目黒の魂を、体育館中に放出させたーーー
もう、戻れないー
全校生徒はーーー
性に狂うーーーーーーー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
救いのないお話しでした(汗)
生徒会系統の作品は、出尽くしていると思うので
なかなか大変でした!
やっぱり私は”変わった題材”の方が得意かもしれません(笑)
ご覧いただき、ありがとうございました!
・・・目黒くん、変態すぎですね(笑
コメント
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ほんと良く思いつきますよね(感心)
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> ほんと良く思いつきますよね(感心)
色々思いつきますが、私は危険人物ではありません!(笑)
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ただ巻き込まれただけの人間が目の前で憑依され、塗り潰されていくのを見せ付けるとは良い追い詰め方ですね!
心を折ったところでもう1人の変態外道が待ち構えているというのもナイスな構造です!
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> ただ巻き込まれただけの人間が目の前で憑依され、塗り潰されていくのを見せ付けるとは良い追い詰め方ですね!
> 心を折ったところでもう1人の変態外道が待ち構えているというのもナイスな構造です!
ありがとうございます!
とことん絶望する内容になりました(笑)