軽い気持ちで妹に憑依した兄ー。
しかし、そのことを妹に知られてしまい、
怒った妹は自分も”憑依薬”を手に入れて
兄に対して”仕返し”を試みるー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー来たー…これが、憑依薬ー…」
恭介の妹・菜々美は険しい表情を浮かべながら
届いた荷物を見つめていたー。
”憑依薬”ー。
数日前に兄の恭介が菜々美に憑依する際に
使用したものと同じものだー。
自分が憑依されて好き勝手されていたことを知った菜々美は、
兄の部屋に忍び込んで”憑依薬”の入手先を突き止めて
自分も、高校入学後にバイトで貯めたお金を使って
憑依薬を買ってしまったのだー。
全ては兄・恭介に仕返しをするためー。
「ーーーー…」
流石に、怪しげな色の液体を飲むことには
少し躊躇するような表情を見せはしたものの、
菜々美は意を決してそれを飲み込むと、
そのまま”幽体離脱”するのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方、兄の恭介は
まだ”憑依したことに気付かれてしまった”とは
夢にも思っておらず、のんきにいつも通りの
生活を続けていたー。
「ーーこの前は最高だったなぁ…
まさか俺が本当に菜々美になれちまうなんて
夢にも思わなかったしー」
そんな言葉を呟きながら、恭介は
先日の”菜々美への憑依”の瞬間を思い出して
一人でニヤニヤと笑みを浮かべるー。
「ーー”次”はいつ憑依しようかなー…?
まぁ、あまり続けて菜々美に憑依するのも悪いし、
週1に1回ぐらいにするかー。
毎週金曜日の夜とかー」
恭介はそんな言葉を一人で口にすると、
自分で納得したかのような表情を浮かべるー。
本人なりに妹の菜々美には気を遣っているのかもしれないー。
ただ、憑依される側の菜々美からしてみれば、
憑依されるだけで、不愉快極まりないのも事実だったー。
”ーー最低ー。まだ憑依するつもりなんてー…許せないー”
仕返しのため、兄・恭介に憑依しようと
恭介の部屋にやってきていた菜々美の霊体は、
たまたま恭介のそんな言葉を聞いてしまったー。
さらに怒りを膨らませた菜々美は、
何も気付いていない兄・恭介を霊体の状態で見つめると
意を決して、兄・恭介に”憑依”したー
「ーーーうっ…!?」
恭介は今まで感じたことのないような感触と衝撃を感じて
ビクッと震えるー。
そして、その瞬間に意識は途切れて、
恭介に憑依した菜々美は
「ーーこれが、お兄ちゃんの身体ー」と、
不思議そうな表情を浮かべながら
”男”の手を見つめたり、”男”の身体に戸惑ったり、
色々な反応を部屋の中で見せ始めるー。
ただ、菜々美が恭介に憑依したのは、
あくまでも”仕返し”のためー。
菜々美と恭介では異性に対するドキドキの度合いに
違いがあるのと、
恭介は菜々美のことを”かわいい”と思っているものの、
菜々美の方は”特に何とも思っていない”ことからも
憑依後の対応に”差”が出たー。
「ーーーう~ん…仕返しって言っても何をしようかなー…」
恭介の身体でそんな言葉を口にする菜々美ー。
パッとは、どうするべきか、頭の中に浮かんでこないー。
「ーーう~ん、お兄ちゃんの身体でお兄ちゃんの顔を
パンチしても、お兄ちゃんは何とも思わないだろうし…」
恭介の身体で、菜々美はそんな言葉を口にするー。
菜々美自身、”憑依されていた間”の記憶はない。
何か痛みを感じたり、その他様々な感覚を感じるようなことは
なかったー。
その”憑依された経験”からー、
仮に今、恭介の身体で、恭介の頬をパンチしても、
恭介の意識には痛みも何も伝わらない、というのは
安易に想像できることだったー。
「ーー……~~~」
恭介に憑依した菜々美は少し表情を歪めると、
偶然、憑依される直前に恭介がいじっていたと思われる
スマホの画面に”恭介のSNS”が表示されていることに気付いたー。
「ーーー!」
それを見て、恭介に憑依している菜々美は「ふふふふ…」と、
少し不気味な笑みを浮かべると、
「これなら、ちょうどいい仕返しができるかもー」と、
そんな言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
「ーな、な、なんだよこれ!?」
正気を取り戻した恭介は、
自分のSNSのアカウントを見て、驚きの表情を浮かべたー。
変顔の自撮りや、
変なポーズの自撮りー、
恥ずかしい格好をした自撮りー、
そういったものが勝手に投稿されていたのだー。
全ては、恭介に憑依した菜々美の仕業だー。
「ーま、まさか、菜々美のやつー…?」
戸惑いの表情を浮かべる恭介ー。
が、菜々美は部活の用事で今日はいつもより少し早く
家を出ていて、菜々美に問い詰めることはできなかったー。
「くそっ!!くそくそくそっ!」
恭介は慌てて自分のSNSに投稿された”恥ずかしい写真”を削除すると、
そのまま慌てた様子で大学に向かったー。
しかしーー
「お~!恭介!あの写真何だったんだー?マジでウケるんだけどー」
大学に到着すると同時に、
友人の一人がニヤニヤしながらそんな言葉をかけて来たーー。
「ーー~~~…い、いや、あ、あれはー…」
恭介は青ざめながらそう言葉を口にすると、
別の友人も「これとか、マジで笑えるんだけどー」と
パソコンのモニターに美少女キャラを表示して
キスをしている恭介の写真を表示しながら、そう言葉を口にしたー
「お、おまっ…そ、それ、削除したやつー!」
恭介が戸惑いの表情を浮かべながら
そう言葉を口にすると、
友達は「へへー…絶対削除すると思ったからスクショしたんだよ」と、
ニヤニヤしながらそう言葉を口にしたー。
恭介はー、SNSで大学の友達たちと繋がっているー。
そのせいで、昨日、菜々美に憑依された恭介が勝手に投稿した
”恥ずかしい写真の数々”は、瞬く間に拡散され、
広がってしまっていたー。
「ーーーーごめんー。わたし、今日はちょっと用事がー」
恭介には”彼女”もいるー。
彼女の沙織(さおり)は、いつもより余所余所しい態度で
そう言葉を口にすると、
そのまま逃げるようにして立ち去っていくー。
そんな反応を前に、恭介は「いや、ちょっと待ってくれ!
あの写真は乗っ取りでー!」と、そう叫ぶも、
沙織は相手にしてはくれなかったー。
”乗っ取り”というのは嘘ではないー。
ただし、乗っ取られたのは
アカウントではなく”身体”ではあるけれどー…。
「ーーー…くそっ…なんでー…」
友達の間で笑い物にされて、さらには
彼女にまで引かれてしまった恭介は
呆然としながら、その場に立ち尽くすー。
そして、しばらくすると、
半分涙目で歯ぎしりをしながら
「菜々美めー…」と、そう言葉を口にしたー。
菜々美が、自分に憑依したに違いないー。
憑依薬を使ったからこそわかるー。
きっと、仕返しのつもりなんだー。
そう思った恭介は「くそっ…俺はただ部屋で遊んだだけなのにー」と、
自分が先に憑依したことは棚に上げつつ、
”俺は菜々美にこんな恥をかかせるようなことはしていない”と、
そう心の中で不満を募らせるー。
そして、帰宅した恭介は、怒りに身を任せて
ネットで過激なコスプレを菜々美に秘密で注文すると、
「ーー菜々美にも恥をかかせてやるぞ!」と、
菜々美に対して”仕返しの仕返し”を仕掛けようと画策し始めたー。
その数日後ー、
その”コスプレ”が家に届くと、
恭介は、注文したものがちゃんと届いたことを
確認した上で、邪悪な笑みを浮かべるー。
そのまま、その日のうちに恭介は菜々美に憑依ー、
菜々美の身体を乗っ取って、
菜々美の身体でバニーガールの格好をしたり、メイド服を着たりして、
ニヤニヤと笑みを浮かべるー。
「ーーくそっー…可愛いー」
今回は”仕返し”のための憑依ー。
1回目の時の欲望を満たすための憑依とは違う。
けれど、メイド服を着た菜々美が想像以上に可愛くて
悔しそうにドキドキしながら、恭介はそう言葉を口にするー。
一瞬、菜々美の可愛さに負けて
”このままお楽しみをするだけで済ませようか”とも
思ってしまったものの、すぐに、
自分が恥をかかされたことを思い出すと、
「いやー…ここで許したら負け犬だー」と、
そう言葉を口にするー。
そして、ドキドキしながら
自分がされたように、菜々美のSNSに”自撮り”を
投稿しようとするー。
「ーへへへーメイド服姿を全世界に晒してやるぜー」
ニヤニヤしながら、菜々美の身体で
そう言葉を口にする恭介ー。
しかしー…
「ってー…あ~…くそっ」
菜々美の身体で不満そうな表情を浮かべる恭介ー。
恭介は菜々美のスマホの暗証番号も、
菜々美のSNSのパスワードも知らないー。
自撮りを撮影することはできるものの、
撮影してもそれ以上は何もすることができなかったー。
「く、くそっー…」
菜々美の身体で怒りの形相を浮かべながら
”どうにか仕返しをする方法はないか”と、
頭の中で必死に考え始めるー。
「ーーーー!!」
そして、思いついてしまったー。
菜々美はニヤッと笑みを浮かべると
「こうなったらー…このままお散歩してやるかー」
と、そんな言葉を口にするー。
最初、恭介は、
自分がされたように、
菜々美の身体を乗っ取って
菜々美の身体で本人が恥ずかしがるような”自撮り”を撮影、
それを菜々美のSNSに投稿して、
菜々美に恥をかかせてやろう、と、
そう思っていたー。
しかし、菜々美のスマホの暗証番号が分からないし、
菜々美がSNSをやっていることまでは知っているけれど、
正直に言えば、それも”うろ覚え”に過ぎない。
それが無理だと悟った恭介は、
さらに”エスカレート”した報復をしようとしていたー。
”メイド服を着せたまま、菜々美の身体で散歩する”
という報復をー。
「へへー…い、いいよなー?
仕返しは倍にして返すって言うしー」
菜々美の身体で下品な笑みを浮かべると、
恭介はそのまま家の外に向かい始めるー。
妹の身体でー、
しかもメイド服で外に出るとなると、
背徳感やゾクゾク、色々なものを感じて
心臓がバクバクしてしまうー。
「ーへ…へへへへー…い、いいよなー?
俺だって酷い目に遭ってるんだしー」
菜々美の身体でそう言葉を口にすると、
ようやく玄関の前までたどり着き、
さらに心臓をバクバクさせながら、
玄関の扉に手を掛けるー。
そして、思い切って外に飛び出すと、
全身に今まで感じたことのない快感を覚えながら
メイド服姿のまま、外を歩き始めるー。
歩いているだけで、顔が真っ赤になるぐらいの
強い興奮を覚えながら、
「ーー菜々美が悪いんだぞー?俺に恥をかかせるからー」と、
まるで自分が最初に憑依したことを忘れているかのように、
菜々美の身体でそんな言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーえっ…!?」
菜々美は、突然、駅前の繁華街で意識を取り戻したー。
周囲の視線を感じて、菜々美が戸惑いながら
キョロキョロと視線を逸らすとー、
自分が”メイド服姿”になっていることに気付いたー
「ちょっ…!?えっ…!?」
”憑依されていた時”とは違う意味で顔を真っ赤にすると
菜々美は身体を震わせながら
「~~~~~」と、言葉すら失って、
慌てて周囲の視線から逃げようと、その場から走って去っていくー。
”ーーこれ、お兄ちゃんのせいだよねー?
ーーあり得ないー…!何なのこれ!?”
菜々美は顔を真っ赤にしながら
恥ずかしさのあまり、メイド服姿で全力疾走ー、
ようやく家にたどり着くと、
「ちょっと!!どういうつもり!?」と、
メイド服姿のまま、兄・恭介の部屋に殴り込みをしたー。
恭介は、ニヤニヤしながら
「ー菜々美、俺に憑依したよなー?その仕返しだよ」と、
そう言葉を口にするー。
しかし、菜々美は「最初に憑依したの、そっちでしょ!?」と
怒りの形相で反論するー。
普段、そんなに口数が多くない菜々美が
心底怒っているのが分かるー。
そんな様子を前にしても、恭介は
反省する様子は見せずに少し笑うと、
「ーまぁまぁ、これでお互い様ってことでー
俺も大学で酷い目に遭ったんだからー」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーはぁ!?あり得ない!最低!」
菜々美はそれだけ言うと、メイド服姿のまま激怒して
扉を閉めるー。
そして、部屋に駆け込んだ菜々美は、
憑依薬を手に、”更なる仕返し”を始めようとしていたー…
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
どんどんエスカレートしていく二人…!
こうなってしまうと、大変ですネ~…!!
今日もありがとうございました~!☆

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