幼馴染と入れ替わってしまった彼は、
幼馴染のために、
とにかく耐えて、耐えて、耐える道を選択するー。
しかし、その先に待っていたのはー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
”森谷さんのために、僕が耐えるんだー”
涼花(雄平)は内心でそう言葉を口にしながら、
ベンチで深呼吸を繰り返すー。
「ー涼花、大丈夫かー?」
彼氏である治樹は、涼花(雄平)を心配そうにしているー。
確かに治樹はそこそこイケメンだし、
雄平のように、”人と話すのがあまり得意ではない”タイプでなければ、
悪い人間ではないとは思うー。
雄平自身も、治樹からいじめられているわけではないし、
悪口を言われたことは確かにないー。
ただ、雄平のような大人しいタイプの人間からしてみると、
やっぱり治樹は苦手だったし、好きにはなれなかったー。
「ーーー!」
治樹の手が涼花(雄平)の肩に振れると、
涼花(雄平)はゾワッとしてしまうー。
生理的な激しい嫌悪感を覚えたー。
がー
「ー大丈夫ー。だんだん調子よくなってきたからー」
必死に”涼花”として振る舞い、なんとかデートを成功させようとする雄平ー。
”僕が我慢すればー”
”僕が我慢すればー”
そう思いながら、練習した笑顔をにこっ、と
振りまいてみせると、
そのままゆっくりと立ち上がるー。
「ーも、もう大丈夫なのかー?」
治樹はそう言うと、
いつものように、ペラペラと色々な雑談を口にし始めるー。
雄平が知る治樹と同じだー。
いつも、彼はこんな感じでとにかく喋りまくるー。
話にはユーモアもあるし、雄平よりも全然面白いとも思うー。
「これじゃ、僕に勝ち目なんてないやー」
自虐的な表情を浮かべながら、
涼花(雄平)は小声でそう言葉を口にすると、
治樹は「ん?」と、不思議そうな表情を浮かべるー。
「ううんー!なんでもない!大丈夫ー」
涼花(雄平)はそう言葉を口にすると、
「えっと、まずは、そうー映画を見に行くんだったね!」と、
涼花(雄平)はそんな言葉を振り絞ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーユウくん、大丈夫かなぁ…」
雄平(涼花)は時々、涼花(雄平)から連絡を受けながら、
雄平を巻き込んでしまったことを申し訳なく思いつつ、
スマホを見つめるー。
彼氏の治樹とのデートは成功させたいー。
涼花にとっては初めての彼氏だったしー、
絶対に失敗したくない。
けれどー、
雄平に必要以上に負担をかけてしまっている状況を
申し訳ないとも思っていたー。
「ーーごめんね…ユウくんー…」
雄平(涼花)はそう言葉を口にすると、
ふと、窓に反射した自分のー、”雄平”の顔を見つめるー。
「そういえばー…大きくなったねー」
最近、昔よりも会話する機会も減ってしまった
涼花と雄平ー。
涼花の頭の中では、まだ小さい頃の雄平のイメージが
完全に抜けきっていないー。
でも、改めてこうして見て見ると、
随分と大きくなったー。
そんなことを思いながら、雄平(涼花)は
自分の顔を触ると、
少しだけ寂しそうにため息を吐き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
映画を見終えた涼花(雄平)と治樹は
映画の感想を話し合っていたー。
”映画を見ている間”はー、
自分が涼花であることや、女になっていることー、
そういった状況を忘れることが出来て、
雄平としても少し楽だったー。
上映中は暗いから、表情とかいろいろなことまで
意識しなくていいし、
治樹も、基本的に映画を見ている最中は
ちゃんと静かに見るタイプの人間だったようで、
そういった意味でも助かったー。
が、映画が終わり、
再び、雄平にとっては地獄のような
”デート”の時間が始まるー。
”耐えろー…耐えろー、耐えろー、僕ー”
脂汗をかきながら、ひたすら耐える涼花(雄平)ー。
全ては幼馴染のためにー。
そして、嫌いな相手とは言え、治樹のためでもあるー。
昨日、”僕”が脚立から落ちたりしなければー、と
そんな風に思ってしまうー。
治樹にとっても、今日この時間は楽しみだったはずだー。
だから、いくら好きじゃない相手とは言え、
雄平は申し訳ない気持ちでいっぱいだったー。
「ーどこで食べるー?
涼花の好きなお店でいいけどー」
治樹がふと、そう言葉を口にするー。
「ーえっ、あっー」
涼花(雄平)は、全然治樹の話が耳に入っていなかったことに気付いて、
戸惑いの表情を浮かべると、
治樹も少し困惑した表情を浮かべながら
「ーもしかして、退屈?」と、そう言葉を口にしたー。
「え、ううんー
そ、そんなことないよー。
ほら、は、は、は、ハルくんとの初めてのデートだし、
わたしも緊張しててー」
涼花(雄平)はそう言葉を口にすると、
治樹は「ははー、そっかぁ」と、そう返事を返して来たー。
そのまま二人は、近くのファミレスへと入るー。
ファミレスに入ると、涼花(雄平)は、
いつもこういうお店に来ると食べるピザやハンバーグ、ポテトを
見つめるものの、
”森谷さんは、パスタとか、スイーツが多いって言ってたっけー”と
そう思いつつ、”涼花らしいもの”を注文して見せるー。
治樹も、適当にいくつかのメニューを注文すると、
涼花(雄平)と楽しそうに話をし始めたー。
涼花(雄平)は、体調の悪さを感じながらも、
そのままひたすら耐えるー。
”体調が悪い”のも、精神的な問題であることは分かっているー。
だから、涼花(雄平)はとにかく耐えて、耐えて、耐えたー。
あまり食欲がなかったために、パスタはやめて
パフェを注文した涼花(雄平)ー。
雄平自体はそんなに甘いものは好きじゃなかったけれど、
”涼花の口”であるせいか、
パフェの味自体は美味しかったー。
「ーーーー」
治樹はとても楽しそうに会話を続けているー。
ただー…涼花(雄平)にとっては
やっぱりこの時間は地獄だったー。
好きな相手のデートを自分が変わっているー
その上、その相手は雄平にとって嫌いな相手ー。
体調はますます悪くなり、
ファミレスを出るころには、
今にも吐きそうなぐらいに体調が悪化してしまっていたー。
「ーーーあ、そうだー。
お揃いの何か、買ったりするのはどうかなー?」
ファミレスを出ると、治樹は歩きながらそんな言葉を口にするー。
「ーーお揃いのー?」
涼花(雄平)が体調の悪い中、なんとかそう返事をすると、
治樹は「ほら!お揃いの指輪とか、何でもー」と、
そう言い放つー。
”森谷さんと、お揃いのー”
それを聞いた瞬間、今まで何とか耐えていた涼花(雄平)は、
ふわっと、よろめくのを感じたー。
「えっ!?おっ…?だ、大丈夫かー?」
治樹が慌てた様子でそう言葉を口にして、
涼花(雄平)を抱きかかえるー。
その抱きかかえ方は、別に特別イヤらしいものではなかったー。
目の前で彼女がよろめいたら、そういう反応をする人もいるだろうー、と、
そう思えるぐらいの普通の反応だったー。
がー
「ーさ、触らないで!」
涼花(雄平)は反射的にそう言葉を発すると、
その場で嘔吐してしまうー。
”あ…ぼ、僕はー、耐えないと…絶えないといけないんだー”
雄平は心の中で何度も何度も必死に、
耐えるんだー、耐えるんだー、と自分に対して言い聞かせるー。
しかし、その場でさらに胃液を吐き出して
しゃがみこんでしまった涼花(雄平)ー
そんな涼花(雄平)を見て、
治樹は慌てふためいたような表情を浮かべるとー
そのまま逃げ出してしまったー。
治樹はペラペラと煩いけれど、悪さをするような人間ではないー。
涼花のことも騙すとかそういうつもりはなく、好きだったー。
彼女に対する気配りもそれなりには出来ているー。
ただー、治樹は本質的な部分は
とても”臆病”な人間だったー。
突然路上で吐いてしゃがみ込んでしまった彼女を前に、
どうすることもできずにパニックになって、
治樹はそのまま逃げ出してしまったのだー。
「ーー君!大丈夫かい?」
近くにいた通行人が涼花(雄平)に駆け寄って来るー。
涼花(雄平)は貧血状態にも陥りながら
必死に呼吸を繰り返すと、
「ごめんー…ごめんー森谷さんー」と、
そればかりを何度も何度も繰り返していたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーごめんーーー」
一旦、病院に運ばれて軽い治療を受け、
すぐに外に出てきた涼花(雄平)は
事態を聞いて駆け付けた雄平(涼花)に対して
そんな言葉を口にするー。
「僕のせいでー…僕のせいでーごめんなさいー」
涼花(雄平)が涙ながらに、
自分のせいでデートが失敗したことを告げるー。
「ーーー……」
雄平(涼花)は悲しそうな表情を浮かべながらも、
「ううんー。わたしの方こそ、ユウくんに無理を言ってごめんねー」と、
そう言葉を口にするー。
「ーーえ…い、いやー、そ、そんなー
僕が…僕がただ、力不足だっただけだからー…」
涼花(雄平)は申し訳なさそうにそう言葉を続けると、
「ー僕のせいだから、森谷さんは悪くないよ。何も」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーーーーーーー」
雄平(涼花)は、そんな涼花(雄平)のほうを見て
少しだけ微笑むと、
「昔からー…変わらないね」と、穏やかに言葉を口にするー。
「ーーーーえ」
涼花(雄平)は「そ、そうだよねー
僕、子供っぽいよねー」と、どこか自虐的に呟きながら、
何度か頷くー。
しかし、雄平(涼花)は言ったー。
「そうじゃないよー」
とー。
少し驚いたような表情を浮かべる涼花(雄平)ー。
「ーー小さい頃から、ユウくんは優しいよねー。
そういうところ変わらないし、
今でも、一緒にいると安心するー」
雄平(涼花)は穏やかな表情で言葉を口にすると、
涼花(雄平)は涼花の身体のままドキッとしてしまいながら
「え…え、え、…そ、そんなことはー」と、
挙動不審な動きをしながら、苦笑いするー。
そんな様子を見て、雄平(涼花)は
「何か褒められるとそうなっちゃうのも、昔と同じだね!」と、
少し悪戯っぽく、揶揄うような口調で
そう言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、その翌日ー…
雄平と涼花の身体は元に戻ったー。
何か特別なことをしたわけではないー。
しかし、入れ替わった当日と入れ替わった翌日…
涼花と治樹のデートの日が終わったその次の朝ー、
二人は元に戻っていたー。
「ーーも、戻ってるー…」
治樹は自分の手を見つめると、
どこか安心したようなー、
そして、どこか寂しいような、
そんな複雑な表情を浮かべるー。
ただ、家の中を少しウロウロしてみると、
やっぱり住んでいる場所もそうだし、
使っている身体もそうだしー、
とにかく、色々な意味で”安心”することができたー。
しばらくすると、涼花からも連絡が入りー、
”わたしたち、元に戻れたみたいだね!”と、
どこか安心したような、そんな口調でそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから1ヵ月が経過したー。
あのあと、治樹は、嘔吐した涼花を置いて逃げた、という事実からか
次第に涼花と居づらくなってしまったらしく、
一方の涼花も、治樹が”嘔吐した涼花を見捨てて逃げた”ということを知り、
気持ちが少しずつ離れて行き、
別れることになったー。
そのことを知った雄平は、すぐに涼花に謝罪するも、
涼花は「大丈夫大丈夫ー。入れ替わりがなかったとしても、
多分そのうち同じ結果になっていたと思うし」と、
そんな言葉を口にしながら笑うー。
「ーーでも、ごめんー
あの日の僕のせいなのは間違いないと思うしー」
雄平が申し訳なさそうに、改めて謝罪の言葉を口にすると、
涼花は「そんなことないよー。入れ替わったのがユウくんでよかったー」と、
雄平だから信頼してお互い家に帰ることもできたのと、
そう説明しながら微笑むー。
雄平は少しだけ照れ臭そうにしながらも
「ぼ、僕も…森谷さんでよかったー」と、そんな言葉を返すのだったー。
入れ替わりをきっかけに、雄平と涼花は
また少しだけ、昔のようによく話すような間柄に近付いたのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最終回でした~!★!
デートには失敗…しちゃいましたケド、
穏やかな結末でしたネ~!!
この先も、二人は良き幼馴染(?)でいられそうデス~!!
お読み下さり、ありがとうございました~!★!
★作品一覧★

コメント
元に戻れて良かったですネ!☆
2人は仲良い幼馴染みって感じで…付き合うことはなさそうですネ…
涼花の好みは…雄平じゃなさそうですネ…
苦手な人とデートは大変ですよ…
過去に年下の可愛い子に猛アプローチされてたんですが
アプローチやデートのお誘いがスゴ過ぎてお断りしましたが…
またアプローチやデートのお誘いがきました笑
無名さんと楽しい入れ替わりデートは定期的にしたいです♪♪
無名さんのカラダで季節ごとや目的地に合わせてオシャレしたり
お出掛けして偶然、無名さんに似合う服やアイテムあれば間違いなく購入しちゃいそうデス(^_-)☆笑
もちろん自分のお財布から(*´艸`)笑
感想ありがとうございます~~!★
あえて、恋人同士には発展しない感じの
結末にしました~~!★
わわっ…!
苦手な人とのデートは…
やっぱり大変ですよネ~!!!
入れ替わりデートは私も楽しそうなのでしてみたいデス~笑
無名さんになって超ミニやショーパン履いてオシャレに着こなしてる姿見てもらいたいし
お互いに元のカラダと向かい合って美味しい物を食べて味覚の違いを楽しみたいですよネ(*´艸`)笑
無名さんのカラダになった自分が
自分のカラダになってる無名さんにア~ンして食べさせたり\(^o^)/笑
二人っきりになった時は、さりげなく美脚アピールしたいのデス(^_-)☆笑
わわ~~~!!!
味覚の違い…★!
TSマニア様の口には何が合うのか
色々実験しちゃいたいですネ~!!
わわわ~!!笑
パスタの好みは無名さんと近いので入れ替わり初級にはいいかもですネ(^_-)☆笑
ちょっとだけアーンしますネ(*´艸`)笑
自分はオレンジジュース飲み過ぎないように気を付けますネ(^o^ゞ笑
お部屋やラブホで美脚アピールもドキドキしますけど…
偶然エレベーターで二人っきりになった時に…ちょっぴり美脚アピールもドキドキしますよ(^_-)☆笑
無名さんのカラダでミニスカやショーパン履いてオシャレに着こなしてお出掛けしたいし
お外でも無名さんのカラダになってる自分を自分のカラダになってる無名さんに眺めてもらいたいのデス☆\(^o^)/☆笑
入れ替わり後の初級ミッション~!!
パスタタイムですネ~!!!
お部屋やラブホは
上級ミッションデス!!
わわわ~!★!★笑
ラブホは上級ですが
お部屋は
自分が無名さんのカラダでオシャレやコスプレにお着替えする練習でもあるから
初級~中級ですネ!☆
自分のカラダになった無名さんが
無名さんのカラダになった自分のお着替えをみるだけでドキドキしますネ(*´艸`)笑
自分もドキドキですが…(^_-)☆笑
無名さんの美脚アピールしながらお着替えしてドキドキし合いたいですネ(^_-)☆笑
お部屋でおしゃれ&コスプレは
中級レベルですネ~~!!☆
まずは初級から色々チャレンジなのデス!
ふふふ…
もちろん
入れ替わり初級→中級→上級ですよ!☆
無名さんのカラダと入れ替わって
少しずつ入れ替わり体験学習デス(^o^ゞ笑
時にには二人で協力しながら体験したり…
お互いに異性のカラダに慣れてからじゃないとお楽しみの方は楽しめないですし
男性もいきなり本番する人はいないですからネ笑
男性も最初はみんな1人で修行をつんで…笑
無名さんの色白で綺麗なカラダを眺めながら活用してオカズにするのも良し…笑
自分のカラダになった無名さんの場合は無名さんのカラダになった自分が優しくリードしながら教えちゃいますネ(^_-)☆笑
わわわ~~!
初級からコツコツステップアップ…!
とっても大事なことですネ~~!!!
上級も問題なくこなせるようになったら、
”超上級”が待っているかもしれないのデス…!笑
初級からコツコツステップアップして
無名さんも自分もお互いに入れ替わった異性のカラダにも心の反応にも慣れてきたら楽しめ過ぎると思いますネ\(^o^)/笑
無名さんのカラダに慣れたらイベントコンパニオンのバイトかスポットでお仕事してみたいのデス(^_-)☆笑
無名さんのカラダでイベコンのコスチューム着てメイクや髪型も合わせて可愛くしてキラキラしながらお仕事してみたいのデス☆\(^o^)/☆笑
お互いに入れ替わって超上級になったら…
2人でお楽しみするレベルも上がってるので…
お互いのカラダや心のツボも理解してるので病みつきになるくらい入れ替わりに沼りたいですネ(^_-)☆笑
わわわ~~!
私も初級から順番に
ステップアップしていかないとですネ~!!
入れ替わったペア同士で超上級になれたら
完璧なのデス★