<入れ替わり>幼馴染のために僕は耐える①~トラブル~

ある日、彼は幼馴染と入れ替わってしまったー。

しかし、その幼馴染は翌日、
彼氏とのデートを控えていて、
やむを得ず彼は、代わりに彼氏とのデートに臨むことに。

が、その”幼馴染の彼氏”は、
彼が苦手な相手でもありー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」
蔵野 雄平(くらの ゆうへい)は、
ふと、教室の窓側で楽しそうに話をしている
女子生徒のほうを見つめたー。

その相手は、雄平にとって幼馴染の女子、
森谷 涼花(もりや りょうか)ー。

昔は近所に住んでいたこともあって、
とても仲良しで、よくお互いの家に遊びに行くようなことも
あったほどだったー。

しかし、今はそうではないー。
別に嫌われてしまったとか、喧嘩したとか、
そういうことではないし、
涼花が不良になってしまったとか、そういうことでもないー。

けれどー…
どちらかと言うと雄平は大人しいタイプの男子で
友達はそれほど多くないのに対し、
涼花は明るい性格でとても友達が多いタイプの女子であるために
”自然と”距離感が生まれてしまったー。

同じ高校にいるのにー、
同じクラスにいるのにー、
”住む世界が違う”ー。
そんな状況が続いていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」

昼休みー。
雄平は、いつものように自動販売機に飲み物を
買いに行こうと、のんびりと歩いていたー。

帰ったら何をしようかな、とか、
今度のテストヤバそうだな…とか、
色々なこと考えながら、自動販売機のある場所まで
たどり着いた雄平は、少しだけ表情を曇らせたー。

「ーーおっ、蔵野くんじゃんー」

自動販売機の前にいた、隣のクラスの男子生徒、
高塚 治樹(たかつか はるき)がそんな言葉を口にするー。

「ーあ、あははー、どうもー」
雄平は少し苦笑いしながらそう言葉を口にすると、
治樹は「どう?最近元気ー?」と、軽い調子で言葉を口にするー。

「ーあははー…まぁ、それなりにはー」
雄平がそれだけ言葉を口にすると、
治樹は「そうかぁ~それなりにか~」と、言いつつ
次々と色々な雑談を口にするー。

雄平は表情を曇らせながらも、
その治樹に対して、適当に相槌を打ったり、
返事を返したりを続けるー。

治樹はー、友達があまりいないタイプの雄平に
何故かいつも話しかけて来て、
ペラペラと一方的に喋っていくー。

いじめられたり、嫌がらせをされたりしているわけでは
ないものの、目が合うたびに
ペラペラと色々話しかけられて、
言いたくないようなことまで聞かれるために、
雄平としては苦手だったし、
正直、あまり好きではなかったー。

「ーーぼ、僕、そろそろ教室に戻ってお昼を食べないとー」
早く話を終わらせたい雄平がそう言うと、
治樹は「あ、そうだねー。はは、ごめんごめん」と
軽い調子で手を振ったー。

「ーーはぁー。ヤな人と会ってしまったー」
雄平はそう言葉を口にしながら
疲れた様子で自動販売機で購入したジュースを手に、
移動を始めると、
教室に向かって、足早に移動し始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その数日後ー。

校内では、もうすぐ文化祭ということもあり、
文化祭の準備が進んでいたー。

そんな状況の中、
放課後ー、雄平が図書室に本を返してから廊下を歩いていると、
文化祭の飾りつけに”苦戦”している涼花の姿が見えたー。

「ーあっ…」
ちょうど、そんな涼花と目が合う雄平ー。

「ーーあ、ユウくんー。
 今、帰りー?」
涼花がそう言葉を口にするー。

昔のように積極的に話すことは
なくなってしまったけれど、
今でも、こうして会話をすることはないわけではないー。

「あ、う、うんー」
雄平は少し恥ずかしそうにそう言葉を口にするー。

涼花は、小さい頃から今に至るまで、
どんどん可愛くなっていて、
特に高校に入学してからの涼花は、
雄平からすれば”もはや手の届かない可愛さ”だー。

全く別の世界に住んでいると言ってもいいぐらいに、
雄平から見る涼花は、ひたすらにキラキラと輝いていたー。

「ーーーーーーあ、そっかー…森谷さんは
 文化祭実行委員だったよね」

雄平はそれだけ言葉を口にすると、
涼花は「うん!そう!だから会場の準備をしてて」と、
手に持った飾りを見せながら微笑むー。

「ーそっかー」
雄平はそれだけ言うと、
口を閉ざすー。

会話が続かないー。
昔はペラペラと色々なことを喋っていたけれど、
今は何を話してよいのか、分からなくなってしまうー。

「ーーーーー」
雄平が表情を曇らせながら沈黙していると、
涼花も少し戸惑いの表情を浮かべながら
「ユウくん、文化祭当日、行きたい場所とかあるの~?」と、
そんな話題を口にし始めるー。

そして、脚立の上で高いところに飾りを付けようとする涼花ー。
ただ、涼花は背がそんなに高くないために、
飾りをつけたい場所になかなか手が届かないらしく、
苦戦した様子を見せるー。

「ーーぼ、ぼ、僕がやろうかー?」
雄平は、恥ずかしそうにしながらもそう言葉を口にすると、
「ーえ?大丈夫大丈夫ー。ユウくんだって
 疲れてるだろうしー
 心配してくれてありがとう!」と、涼花はそう言葉を口にして
再び背伸びしながら、飾りつけの続きをしようとし始めるー。

がー……

やっぱり、その手は届かない。

そんな様子を見て、雄平は
「や、やっぱり僕がー」と、再度そう言葉を口にすると、
涼花も、”これ以上遠慮するのは申し訳ない”と、そう思ったのかー、
「ーじ、じゃあ…お願いー」と、そう言葉を口にして
脚立から降りるー。

雄平は、涼花と目を合わせることもできないまま、
涼花がつけようとした飾りを受け取ろうとするー。

が、ちょうどそのタイミングで、
涼花の手が雄平の手に触れてしまい、
涼花の方は気にしている様子はなかったものの、
雄平はドキッとして顔を真っ赤にしてしまうー。

「ーご、ごめんー」
雄平が”手が触れてしまったこと”を慌てて謝罪すると、
涼花は「え??ど、どうしたの?」と不思議そうに首を傾げるー。

涼花には、”何を謝られているのか”
そもそも分かっていないようだー。

雄平は、そんな状況のまま脚立に足をつけると、
そのまま、高い場所への飾りつけをしようとするー。

”背”に関しては涼花より雄平の方が背が高いー。

涼花が飾り付けをしようとしていた位置も、
雄平であれば問題なく届く位置だったー。

しかしー…

涼花の手に触れてしまったことをずっと引きずって
ドキドキしっぱなしだった雄平は、
そのことばっかりで頭がいっぱいになりー、そしてーー

「あっ…!?」
脚立の上で足を滑らせて、バランスを崩してしまう雄平ー。

その真下には涼花がいるー。

「ーえっ…!?」
涼花はすぐに、脚立から落下してきた雄平に
気付きはしたものの、
既に回避するような時間はなく、
そのまま落下してきた雄平に
巻き込まれてしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーー」
困惑の表情を浮かべる雄平ー。

「ーーーーーーーーーーー」
顔を赤らめながら、
戸惑いの表情を浮かべる涼花ー。

脚立から転落してしまった雄平と、
それに巻き込まれてしまった涼花ー。

二人の身体は、信じられないことに
”入れ替わって”しまっていたー。

「ーーぼ、僕のせいでこんなことにー、
 ほ、ほ、本当に、ご、ごめんなさいー」
涼花(雄平)は、涼花になってしまった自分の身体を
直視することもできないまま、
そう言葉を口にすると、
ハッとしたような表情を浮かべて、
今は自分の手となった涼花の手で、”涼花の口”を塞ぐー。

”ぼ、僕なんかが森谷さんの身体で話すなんてー”と、
涼花の声で喋っている自分に対して
強い罪悪感を感じてしまったのだー。

「ーーーー仕方ないよーユウくんは手伝ってくれようとしたんだし、
 わざと落ちたわけじゃないでしょ?」
雄平(涼花)は少し複雑そうな表情を浮かべはしながらも、
そんな言葉を口にするー。

「ーーーーーー」
涼花(雄平)は、その言葉に頷くと、
自分の持ってた鞄から、紙とシャーペンを取り出して、
”うんー…そうだけどー”と、そう書き始めるー。

「ーーー?」
雄平(涼花)は、突然筆談を始めた涼花(雄平)を見て
首を傾げると、「え?ど、どうしたのー?」と、
戸惑いの表情を浮かべながら言葉を口にしたー。

涼花(雄平)の方は申し訳なさそうに
”今説明するから”と言わんばかりのジェスチャーをすると、
そのまま紙にシャーペンで続けて文字を書き始めるー。

そこにはーー

”森谷さんの声で喋ったりするのはよくないと思ってー”

と、そう書かれていたー。

僕なんかが森谷さんの声で喋るなんて良くない、と、
どうやらそんなことを言いたいようだー。

「ーー…えぇ…?」
雄平(涼花)は、心底困惑した様子で表情を曇らせると、
「そ、そんなこと気にしなくていいよー?ふ、普通に喋って?」と、
心底戸惑ったような表情でそう言葉を口にするー。

”で、でもー”
涼花(雄平)はそれでも”筆談”を続けながら
戸惑いの表情を浮かべるー。

そんな涼花(雄平)を見て、
雄平(涼花)は、”やれやれ”と言いたげな表情を浮かべると、
あくまでも筆談を続けようとする涼花(雄平)から紙を取り上げて
「これは必要ないよー。普通に喋ろ?」と、
そんな言葉を口にするのだったー。

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結局、涼花(雄平)は、筆談ではなく、
涼花の声で喋ることになり、
二人は”元に戻る方法”がないかどうか、
その場で色々と試してみたー。

もう一度、脚立から落ちてぶつかれば元に戻るのではないかと、
涼花(雄平)が脚立から落ちてみたり、
”逆”も試して見たり、
色々としてみたものの、残念ながら
二人の身体が元に戻ることはなかったー。

試しても、試しても、
元に戻ることはなかったために、
結局、”これ以上やると本当に大怪我しそう”という話に
なって、二人は入れ替わった時の状況を試すのをやめて、
色々話し合いを続けていたー。

「ーーこのまま、明日になれば元に戻るかもしれないし、
 今日はわたしがユウくんとして、ユウくんの家に、
 ユウくんがわたしとしてわたしの家に帰る感じでどうかなー?」

雄平(涼花)がそんな提案を口にすると、
涼花(雄平)は「えっ…ええっ!?」と、顔を赤らめながら
挙動不審な反応を見せ始めるー。

「ーーだ、だって、どっちかの家には帰らないといけないしー、
 流石に”入れ替わっちゃったの~!”なんて言いながら
 家に帰るわけにはいかないでしょ?」
雄平(涼花)はそこまで言うと、さらに、
「それと、わたしとユウくんは小さい頃、よくお互いの家も
 行き来してたからー、相手の家のことも知ってるしー」と、
そう説明したー。

確かに、それはその通りだけどー、
と、涼花(雄平)は思いながらも、
涼花の身体で一晩を過ごす、ということに戸惑いを覚えるー。

「と、と、トイレはどうしたらー?」
涼花(雄平)ー

「あ、あと、服はー…
 着替えない方がいいよねー?」

「ー部屋は目をつぶってればいい?」

質問攻めを始める涼花(雄平)ー

そんな反応に、
「そ、それはー…もちろん、恥ずかしい気持ちはあるけど、
 でも、トイレ行かないで漏らされちゃったりした方が大変だからー」と、
トイレも、部屋の中の行動も、着替えも、
”普通に生活するのに必要な分”は、普通にしてー、と、
そう言葉を口にする雄平(涼花)ー。

「ふ、ふつうに…」
涼花(雄平)はゴクリと唾を飲み込むと、
ふと、雄平(涼花)が言葉を口にしたー。

「ーーーー…その代わりー
 わたしも、お願いがあるんだけどー」

雄平(涼花)がそう言葉を口にするとー、
涼花(雄平)は少し戸惑った様子で
「お、お願いー?」と、そう聞き返すー。

すると、雄平(涼花)は静かに頷いてから
言葉を続けたー。

「ー実は、明日、最近付き合い始めた彼氏とのデートで…
 もし、もしも、元に戻れなかったらー
 …わたしの代わりに、お願いできるかなー?

 …どうしても、失敗したくなくてー」

雄平(涼花)は心底申し訳なさそうに、
そして、心からのお願い、という様子で
涙ぐみながらそう言葉を口にするー。

「ーーーー…か、か、代わりにー!?」
涼花(雄平)は、”そ、そんなこと僕にできるかなー?”という不安と、
“森谷さんに彼氏がいる”ということにショックを受けたりもしながら、
そう言葉を吐き出すのだったー。

②へ続く

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コメント

幼馴染と入れ替わっちゃった男子…★!

しかも、何だか大変なことをお願いされちゃいそうですネ~!!

続きはまた明日デス~!!

「幼馴染のために僕は耐える」目次

コメント

  1. TSマニア より:

    苦手な人とデートはキツいですネ!★!★

    どんな展開になるのか!?

    2人は元に戻れるのか!?

    無名さんと楽しい入れ替わりデートしたいのデス(^_-)☆笑

    目的に合わせてオシャレしたり変えたり同じ場所でも季節に合わせてオシャレしたり…自分のカラダになってる無名さんに…さりげなく美脚アピールしたり…(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~!!!★

      同じ趣味を持つTSマニアさまとなら、
      楽しい入れ替わりデートが出来そうですネ~!!