<女体化>使った二人と使わなかった一人②~姉と妹~

①にもどる!

小さい頃から仲良しだった三人兄弟ー。

3年前、そのうちの二人が”女体化薬”を使用した時から、
兄弟たちの日常は一変していたー。

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長男・奏斗と三男・幸也が女体化薬を使ってから
三年後ー。

長男の奏斗と次男の勇雄は大学生に、
三男の幸也はそれぞれ高校生になっていたー。

「ーー唐島くんって、兄弟いるの?」
大学内で、”彼女”ー…とまではいかないけれど
親しい間柄の女子生徒・野中 遥香(のなか はるか)が
そんな言葉を口にしたー。

「えっ…あ~~~~~……」
勇雄はそう言葉を口にすると、
頭の中に”奏斗”と”幸也”のことを思い浮かべるー。

二人が女体化してから3年ー。
あの時、”する”ことを選んだ二人と、
”しない”ことを選んだ勇雄自身ー。
もし、選択が異なっていたら今頃はどうなっていただろうかー。

そんなことを思いながら、
「ー兄と弟ーーいや、違うかー…姉と妹が一人ずついるけどー」と、
勇雄はそう言葉を口にするー。

「ーえっ…?あ、じゃあ、お兄さんとか弟さんはいないんだねー?」
最初に”兄と弟”と勇雄が言ったからだろうかー。
遥香は少し不思議そうな表情を浮かべながらそう言うと、
勇雄は「は、はははー…まぁ…」と、困惑した様子で言葉を口にしたー。

まさか、二人が3年前までは男で、
今は女になっているー…などとは言えないー。

そうー、女体化薬を長男の奏斗と、三男の幸也が飲んでから3年ー。
今でも、二人は女体化したままでの生活を続けていたー。

女体化薬を飲んだ二人と、飲まなかった勇雄ー。

そんな状況で、兄弟の時は流れていたー。

「ーーーただいま~」
大学から帰宅した勇雄が、そう言葉を口にすると
「あ、お兄ちゃん!おかえり!」と、
まるでアイドルのような可愛さを振りまく
セーラー服姿の三男・幸也が姿を現したー。

「ーーはは、ただいまー」
少し戸惑いながらも、勇雄はもう”妹”がいるような生活にも
流石に慣れたのか、
すぐに気を取り直して、
「そういえば今日、大学の友達と”兄弟”の話題が出てさ~」と、
その話題に戸惑ったことを少しだけ愚痴るようにして口にするー。

「ーあははー、戸惑わなくてもいいじゃんー
 ”可愛い妹がいる”って言ってくれれば大丈夫大丈夫ー」
無邪気に笑う女体化した幸也ー。

女体化してから3年ー
幸也は、あの時からどんどん可愛くなっていって
今では”元々女子だった子”だちよりも可愛いし、
おしゃれにも詳しいー。
振る舞いも、”せっかくこうなったんだから、僕、頑張る!”と、
3年前に宣言した通り、今ではすっかり女子らしくなってしまっていて、
過去を知らなければ確実に、
幸也が”元男”だったなどと気付く人間はいないー。

「ーーま、ま、まぁー…そ、そうかー」
勇雄は戸惑いながらそう言うと、
「お兄ちゃんもあの時、女体化薬飲んでおけばよかったのに~!
 色々なおしゃれもできて女子って楽しいよ?」
と、女体化した幸也は身体を密着させながら笑うー。

不覚にもドキッとしながら、
勇雄が幸也の方を見ると、
女体化した幸也はクスクス笑いながら
「ーえへへー男子はそうやってすぐにデレデレしてくれるし♡」と
あざとい表情を浮かべながらそう言葉を口にしたー

「ぐぐー、あ、あんまり小悪魔になるなよ???」
勇雄はそう言葉を口にすると、「は~い」と言葉を口にした
幸也に背を向けて、そのまま自分の部屋に向かって歩き始めるー。

本来であれば、勇雄は実の兄弟にドキドキしてしまうような
人間ではないー。

しかし、”女体化した幸也”のことは
”見た目”だけを見ると、どうしても”妹”だと頭が認識しないのだー。

それもそのはずー。
小さい頃からずっと、幸也が妹だったのであれば、
ちゃんと頭の中で、”この見た目の子は妹”だと、
認識できたはずだー。

しかし、幸也が女になったのは3年前ー。
どうしても、”この見た目の美少女”が、妹だと
気持ちの中では理解していても、
頭の理解が追い付いてくれないー。

そのせいで、勇雄の頭もバグって、
時々、兄弟ではあるのにドキドキしてしまうー。

「ー弟ーいや、今は妹かー?
 いや、どっちでもいいー
 とにかく、家族にドキドキするなんてダメだー」

勇雄は自分に言い聞かせるかのように
ブツブツとそう言葉を口にすると、
やがて、自分の部屋がある2階の廊下へとやって来るー。

すると、ちょうど、先に大学から帰宅していた
兄ー…女体化した長男の奏斗が
自分の部屋から姿を現したー。

「ーーお、勇雄ー。おかえり」
長男の奏斗とも、もちろん、今も仲良しだー。
が、三男の幸也と同じく3年前に女体化した奏斗は、
幸也とは違う反応を現在は示していたー。

「ーーあぁ、兄さんー。今日は先に帰ってたんだな」
勇雄がそう言うと、
女体化した奏斗は「まぁな」と、そう言葉を口にしながら、
「ーーへへへーそういえばさー、今日大学でさー」と、
大学であった”面白い出来事”を口にし始めるー。

相変わらず、奏斗も3年前の女体化薬を飲んだ時と同じ感じで
明るい性格で好奇心旺盛なところは変わっていなかった。

けれどー、髪はバッサリと男のように短く切っていて、
その姿も、男だと誤解するような感じの状態ー。

声を聞くか、胸のあたりの膨らみを見たりしない限り、
女とは分からないような、そんな容姿に変わっていたー。

と、言うのも、奏斗は女体化してからしばらくして
”飽きた”のだー。

別に”元に戻りて~~~!!!”と言い出したわけではなかったものの、
最初は新鮮な感覚で楽しんでいた”女ならではの要素”に、
半年もしないうちに飽きてしまい、
今に至っているー。

結局「髪が長いと手間がかかるだけじゃね?」と言い出したり、
「スカートも普通に履けるようになると、ドキドキしなくなるんだよなぁ」と
言い出したり、そんなことが続いて、
3年が経過した今ではすっかりと、
性別学的に”女性”になってしまっただけで、
生活スタイルや、中身は何一つ変わっていないような
そんな状態に戻っていたー。

「ーーはははー、それヤバいなー」
女体化した奏斗から”今日、大学でさ~”と振られた話を
笑いながらそう返事をすると、
勇雄は「そういや、兄さんってさー、大学では”香奈枝(かなえ)”って名乗ってるんだろ?」と、
そう言葉を口にするー。

「ん?あぁー、まぁ、”奏斗”じゃ、色々誤解されるし、面倒だからな」

女体化した二人は、あのあと、両親に”赤い石のせいで女になっちゃった!”と
嘘の理由を説明、女体化してしまったことをなんとか両親に信じて貰ったー。

が、両親同伴で病院に行くことになってしまい、病院でも
”赤い石”のせいだと説明ー、
今でも大学病院の研究室で赤い石の研究が行われていて、
もはや”本当の理由”を言い出せない状態になってしまっていたー。

そしてその後、両親の尽力により、
長男の奏斗は大学からは女子大生・香奈枝として、
そして、三男の幸也は高校からは女子高生・雪菜(ゆきな)として、
女子として通うことになって今に至っているー。

二人が元男だと言うことは、現在通っている学校では
誰も知らない状態だー。

兄・奏斗は、女体化後の名前である”香奈枝”を大学やバイト先では
使っているものの、家では「香奈枝じゃなくて奏斗でいいから」と
家族にそう伝えているー。

逆に、三男の幸也は、今ではもう
「幸也って呼ばないでね?」と、そう言う状態で、
長男の奏斗が以前、おふざけで「幸也!」と呼んだ時には
「わたしはもう雪菜なの!!」と、本気で怒っていたぐらいに、
”前の名前”とは決別している状態ー。

奏斗も幸也も”元に戻りたい”とは言っていないものの、
どちらもこの3年間で対照的な状況になっているー。

…とは言ってもー…
やっぱり二人は女で、勇雄だけが”男”の状態ー。
どこか気まずいところはあるー。

元々、三人で遊びに行くことはよくあったものの、
二人が女体化した直後は、
まるで”女子会に迷い込んだ男”のような気分になったりすることも多かったー。

「ーーへへーまぁでも、女体化したことは後悔はしてねぇけどなー
 こうやって女になってみないと分からねぇことも色々あったしなー」
好奇心旺盛な長男・奏斗は女体化した自分の身体を
触りながらそう言うと、
「あとはせっかく女になったんだから、そのうち出産もしてみたいよなーへへ」
と、ニヤニヤしながらそう言葉を口にするー

”女の身体”には飽きたし、”おしゃれ”にも飽きた様子では
あったものの、まだそういう部分への興味は尽きないようだー。

「マジかよー」
次男・勇雄は困惑した様子で言うと、
「アレ、かなりつらいんだろ?俺は男だから分からないけど」と、
そう言葉を口にするー。

「おいおい、”辛いんだろ?”なんて聞かれても
 俺にもまだ分からねぇよー
 女体化したって言っても、俺もまだ未経験なんだからー」

女体化した奏斗は苦笑いしながらそう呟くー。

女だからと言って、”出産”の辛さを聞かれても、
出産したことがなければ、それは分からないー。
知識の量としては、男とさほど変わらないー。

「ーはは、そりゃそうかー」
勇雄はそう言葉を口にすると、
女体化した長男・奏斗は「だからこそ、いつかしてみてぇんだよな
キツそうだけどさー」と、そう言葉を口にするー。

「ーーーふ~ん……いや、でも、それには相手も必要だろ?」
勇雄がそう指摘すると
女体化した奏斗は「そうなんだよなぁ」と、そう言葉を口にすると
短くした髪を掻きむしりながら、
「でも俺、今でも恋愛対象は女だからさぁ、なかなか…な」と、
彼氏はいないことを口にする。

「ーじゃあ、むずくね?」
勇雄の指摘に女体化した奏斗は
「なんかねぇかなー?代理でどうこうとか」と、呟くー。

「いやいや、それこそ俺に聞かれてもって奴だよー」
勇雄はどこか困惑した様子でそう呟くと、
女体化した奏斗は「へへーだな」と、笑いながら
そのまま立ち去っていくー。

そんな会話をした数日後ー

女体化した三男の幸也が、彼氏を連れて家にやってきたー。
すっかり女子な幸也は、同じ高校に通う彼氏もいるー。

「ーーあ、雪菜の彼氏の浦本 英介(うらもと えいすけ)ですー
 初めましてー」
幸也の”女体化”したあとの名前を口にして
ぺこりと頭を下げる英介ー。

「ど、どうもー。兄の勇雄です」
勇雄がそう返事を返すと、同じく近くにいた長男の奏斗が
「ー長男のーー」と、そう言いかけたために、
慌てて勇雄が奏斗の口を塞ぐー

「に、に、兄さん!!!幸也の彼氏さんは、
 幸也と兄さんが元男だって知らないはずだから!」
小声でそう指摘すると、
女体化した長男・奏斗はもごもごしながら”そ、そうだったー”と、
そう返すと、
「ーーえっと、姉の奏斗ーーいや、香奈枝ですー」と、
そう言葉を口にしたー。

「ーーーーあ、は、初めましてー」
三男・幸也の彼氏である英介は戸惑いながらそう呟くー。

一度”奏斗”と名乗ったのが聞こえてしまったようだー。

勇雄はすかさず、
「あ、え~っと、姉さんはさー、こんな感じで男っぽい雰囲気だからー、
 ”奏斗って呼べよ~!”ってよくふざけてて」
と、そう理由を説明するー。

「ーあ、あははーなるほどー」
幸也の彼氏・英介も納得した様子で頷くと、
女体化した三男・幸也が「英介~!わたしの部屋はこっちだよ~!」と、
可愛らしく英介を読んだー。

「あ、じゃあ、雪菜が呼んでるので一旦失礼しますー」
ぺこりと頭を下げて立ち去っていく英介ー。

そんな、女体化した幸也の”彼氏”の後ろ姿を見つめながら
女体化した長男・奏斗と、次男の勇雄は困惑の表情を浮かべたー。

「なぁ、アイツ、”彼女”が元男だって知ったらどんなリアクションすんのかな?」
女体化した長男・奏斗がそう言うと、
「いやいや兄さんーさすがにそれはやめとけよ?」と、
次男の勇雄は困惑した様子でそう言葉を口にするのだったー。

③へ続く

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コメント

次回が最終回デス~!!

女体化した二人と、しなかった一人、
それぞれの生活がこのまま上手く行くのかどうかは…
まだ秘密デス~!

今日もありがとうございました~!

続けて③をみる!

「使った二人と使わなかった一人」目次

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