※本作品は、Skebでご依頼を受けて執筆・納品済みの作品デス!
内容はSkebに納品したものと同じデス!
※SKebでリクエスト内容も含めて
誰でも見られるようになっているので
こちらでも、誰でも見れる部分は同じように掲載しています~!
(※リクエスト非表示希望でリクエストを頂いている場合を除きます~)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
★リクエスト内容★
※ご依頼者様から頂いた内容デス!
(非表示希望でリクエスト頂いている場合は表示しないので安心して下さい~!
※後から非表示にしてほしい場合は、ご連絡頂ければ対応します~!
※リクエスト本文内に「ネタバレ」がある場合もあるので
先に見たくない場合はそのまま少し↓に進んでください~!
★★★★
お疲れ様です!
ご迷惑でなければ「夏休みを終わらせたくない」シリーズの完結編で、
凛音ちゃんも救われて、登場人物全員がハッピーエンドになる展開の物語をリクエストしたいです!
具体例としては
①・前回の作品で「10年前」に凛音ちゃんが行方不明になったと説明あったので、
美桜ちゃんが新たに憑依薬を使い10年前に飛び、
凛音ちゃんを救い、現世で無事再会する展開!
もしくは
②・前回の作品ラストに渡した「友情の髪飾り」に宿る
「何らかの善なる力・存在」により、憑依薬を使わないで、
凛音ちゃんが救われて、美桜ちゃんと現世で再会する展開!
以上のパターンを具体例で考えたのですが、
登場人物全員がハッピーエンド展開にしていただけるなら、
作品内容は無名さんに「全て」おまかせ致します
長々と失礼しました。
ご迷惑でなければ、リクエストよろしくお願い致します。
★★★★
↓ここからスタートデス!
・・・
”夏休みを終わらせたくない~再会編~”
★リクエストありがとうございます~~~!★!
夏休みを終わらせたくないの
更なる続編…★!!
物語をここまで楽しんで頂けて、
感謝デス~!!
新たに広がった物語も、
ぜひ楽しんでくださいネ~~!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー凛音ちゃんは、わたしの親友だよー」
”夏休みを終わらせたくない”ー
その想いから、軽い気持ちでネットで見かけた”憑依薬”を手にして、
夏休み開始直後の自分自身に憑依した
吉原 美桜(よしはら みお)ー。
その憑依薬には、霊体となったあとに
”時間を遡る”力もあって、その力を用いて、
約1か月前の自分自身に憑依したのだー。
しかし、その憑依薬は使ったあとには使用者は”消滅する”という
副次的作用を持つもので、美桜は消滅ー、
消滅後に目を覚ました”現世でも、あの世でもない世界”で、
”同じ理由で”過去に消滅した少女ー、凛音(りおん)と出会った美桜は、
凛音と共に”無限の休日”を楽しんでいたものの、
やがて、凛音から
”「楽しい時間は、限りがあるから楽しい時間なんだよー
ずっと続けば楽しい時間は、地獄になるーーー」”
と言われて、美桜は凛音の力を借りて、現世へと舞い戻ったー。
無事に帰還を果たした美桜は、
”沖村 凛音”は10年前に消息を絶っている子でありー、
自分と同じように”夏休み”を楽しもうと憑依薬を使い、
そして消滅してしまった子であることを知ったー。
「ーーー凛音ちゃんのことも、諦めないからー」
美桜はそう呟くー。
そう、美桜は、諦めていなかったー。
”凛音ちゃんー、ありがとうー”と、自分が助かって、
それでめでたしめでたしで終わらせるつもりはなかったー。
「ー凛音ちゃんも、戻って来なくちゃ、ダメー」
美桜はそう言葉を口にすると、
その方法を、頭の中で必死に考え始めたー。
「ーーーー…」
凛音が憑依薬を使って消滅してしまったのは”10年前”ー。
「ーー」
美桜は”憑依薬をもう一度使う方法”を頭の中に思い浮かべるー。
憑依薬を飲んで、霊体になれば、
時間を超えることができるー。
それを使って、凛音が憑依薬を使ってしまう”10年前”に戻ることができたらー。
けれどー…
それは”ダメ”だったー。
美桜自身が再び消えてしまう”危険”は、もちろんあるー。
が、それ以上にー…
”それができない”理由があったー。
最初に憑依薬を飲んだ時に読んだ説明を思い出す美桜。
憑依薬は、”どのぐらい前に戻りたいのか”、で、
飲む分量が異なるー。
”今の時間”で憑依する場合は少量、
そして、前の時間で憑依する場合は指定の量を飲む必要があり、
備え付けの容器にその分量の目安が表示されている。
がー、最大量を飲んでも”1年”過去に戻るのが限界で
2本以上憑依薬を手に入れたところでそれ以上、
霊体の状態で過去に戻ることは無理なようだった。
”沖村 凛音”ー
美桜がこの世界から消滅してしまって、
現世でも、あの世でもないあの空間で出会った”凛音”は
最後にそう名乗ったー。
戻って来てから調べたところ、
”沖村 凛音”という名の子が10年前に消息不明に
なっていることが分かったー。
恐らく、あの時会った”凛音”だと思うー。
でも、憑依薬で霊体になっても、遡ることができる時間が
”1年”では、どうすることもできないー。
「ーーー憑依薬を使っても、凛音ちゃんを助けられないー」
美桜はそう言葉を口にしながらも、
”わたしは諦めないからねー…凛音ちゃん”と、
あの世界で凛音と過ごした時間のことを思い出すー。
永遠にも思える楽しい時間だったー。
不安もあったけれど、
凛音と色々なことをしたあの時間は、
とても楽しかったー。
凛音の言う通り、”あれ”がずっと続けば、
いずれ楽しい感情も消えて
地獄のような苦しみになるのだとう思う。
でもー…
こうして戻って来ることができた美桜にとっては
本当に、忘れられない思い出になったー。
「ーーーー今度は”こっち”で遊ぶんだからー」
あんなー、永遠の世界じゃないー。
今度は、”こっちの世界”でー、
現実世界で遊ぶんだから、と、美桜は
力強く、そう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーもう、ここに来ちゃ、だめだからねー」
凛音は、夕暮れの砂浜で、
美桜が最後に残してくれた髪飾りを手に、
寂しそうに微笑んだー。
「ーーはぁ…」
この感覚は何だろうー。
そうー、友達が家に遊びに来て、
帰っちゃったあとの、何だか寂しい気持ちー。
あの気持ちに似ている。
「ーーーーー美桜ちゃんー帰っちゃったかぁ」
凛音は、一人そう呟くと、
もう、数えきれないほど食べた豪華な食事を見つめるー。
それを食べるー。
食べ終えて、指を鳴らすとまた食べ物が出て来るー。
好きな食べ物を何度でも空腹の状態にして、
何度でも味わうことができるー。
でもー…
「ーーー美桜ちゃんー帰っちゃったー」
美桜の前では強がって見せていた凛音は、
そう言葉を口にすると、
もうきっと、誰も来ないその世界で、
一人涙をこぼしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
美桜は、早速行動を起こしたー。
まず、美桜が動いたのは、
”10年前に失踪したという沖村 凛音”と、
あの異世界で出会った”沖村 凛音”が
同一人物であるかの確認だったー。
”たまたま同姓同名”の可能性も0ではなかったし、
”凛音ちゃん”を救うためには、
最初に確認を行っておく必要があったー。
「ーーーー」
美桜は、”沖村 凛音”が住んでいた場所が
当時のニュースから、そう遠くないことを確認すると、
意を決して、”凛音が住んでいた家”を訪れたー。
「ーーあなたはー…?」
凛音の親が驚いた様子で言葉を口にするー。
美桜は必死に、
”凛音”のことを探している、とそう言葉を口にしてー、
以前、”沖村 凛音さんに助けられた”と、
その理由も説明したー。
嘘ではないー。
あの時、凛音に助けられたのは事実だー。
あのまま、”永遠の楽しみ”に囚われて、
この世界に戻って来るための”ルート”が消えてしまっていたら、
美桜もまた、凛音と同じように”消息不明”になってしまうところだったのだからー。
美桜は、凛音と知り合いであることを証明するために、
”向こう”で凛音と話したときの思い出を振り返るー。
凛音とは色々なことを話したー
親のことも、思い出話も色々聞いているー。
それらを凛音の母親に伝えるー。
でも、凛音の母親からすれば、”凛音”とは歳が離れすぎていることに
違和感を感じずにはいられないー。
”凛音”と”美桜”は、あの場所で出会ったときには”同年代”だったー。
でも、実際には凛音は”10年前”に消息不明になっている子で、
美桜からすれば”10も年上”の子だったー。
「ーーお願いしますーーー
沖村 凛音さんのこと、もっといろいろ知りたいんですー
そして、助けたいんですー」
美桜は目に涙を浮かべながら言ったー。
また、もう一度ー、
もう一度、絶対に会うんだからー…
そんな思いで、美桜は必死にお願いを続けたー。
やがて、美桜の真剣な表情に、
凛音の母親も折れて、家の中に上げてくれて、
凛音のことを色々と話してくれたー。
”間違いないー…あの凛音ちゃんだー”
話を聞くだけで分かるー。
ちょっと無邪気で、
でも、困っている人を放っておけなくてー、
そして、自分が悩んでいても、
周囲には明るく振る舞うー。
凛音の母親から聞いた”沖村 凛音”の振る舞いは、
あの時、あの場所で出会った凛音と同じだったー。
「ーこれが、いなくなる直前の写真ねー」
凛音の母親が”沖村 凛音”の写真を見せてくれたー。
「ーーー凛音ちゃんーー…」
美桜は、笑顔で写真に写っている凛音の姿を見ると
思わず、目から涙をこぼすー。
美桜を助けてくれた凛音本人だー。間違いないー。
あの場所で出会った”沖村 凛音”は
現実世界で10年前に消息不明になった”沖村 凛音”と、同一人物だったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
凛音は、高校生活を楽しみながらー、
その一方で”あること”を調べ続けていたー。
それは”憑依薬”を販売していた業者の正体ー。
その結果ー…
”憑依薬”を販売していたのは、
未来のための技術開発を行う企業であることが判明したー。
憑依薬はその一環として開発されていて、
将来的には”医療用”としての運用が見込まれている様子だったー。
例えば、医師が患者に憑依して
”体調”を、言葉で聞くのではなく、直接体験して
より正確な診断を下すという用途や、
注射など、痛みを伴う治療を嫌がる患者のために、
看護師などが一時的にその患者に憑依して、
痛みや恐怖を肩代わりする、という用途などが
想定されている様子だったー。
本当は、凛音のことを一刻も早く助け出したかったけれど、
美桜は冷静に、慎重に、そして”普段の日常生活”も
しっかりと送りながら、そのことを時間をかけて調べて行ったー。
それには、いくつかの理由があるー。
ひとつはー、
”あの空間とここは、時間の流れが違う”ためー。
急いだところで、あの空間と現実世界の時間の流れが違うために、
急ぐことが必ずしもプラスに働くとは限らないことー。
そして、もう一つは、
”凛音を救うために、自分の人生の全てを投げ打つ”ようなことを
したら、きっと凛音は怒るー…
そう思ったからだー。
だから、美桜は凛音が助けてくれたこの命を、
この人生を、”ちゃんと送りながら”ー、
その中で、凛音を救うためにできることを
力の限りしたー。
やがて、美桜は高校を卒業、
大学生になると同時に、
”研究機関”に足を運び、学生として大学に通いながら、
そこでも、働くことになったー。
”凛音ちゃんを救うため”には、ここで働くのが一番手っ取り早いと、
そう思ったからだー。
「ーーーーありがとうございますー」
学業をこなしつつ、熱心に研究機関でも働き、
上司からもその功績を認められた美桜は、
”憑依薬”の開発・研究を担当する部署に希望通り配属されたー。
「ーー君は本当に優秀だなー。
でも、学生なんだし、あまり無理はするなよー?」
先輩であり、指導役でもある研究員・田原 幸則(たはら ゆきのり)が、
心配そうに言葉を口にするー。
「ーーはいー。倒れちゃったらダメですからー気を付けますー」
美桜は微笑みながらそう答えるー。
そうー、
”わたし”が倒れてしまったら、凛音ちゃんを救う人間がいない”からー…
だから、倒れるわけには行かないー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
美桜は大学生活を送りながら、
必死に、研究施設でも働いたー。
勿論、友達と遊んだりもしたし、
家族との時間もちゃんと大事にしていたー。
そんな生活を続けるうちに、美桜はあることを突き止めていたー。
それは、この会社自体が”憑依薬”を売ったりはしていないことー。
あの時、美桜は確かにネット上で憑依薬を購入し、
それが届いたー。
しかし、この企業では研究・開発を行っているだけで、
憑依薬の販売はしておらず、
”使用者が消える”などということも起きていなかったー。
あくまでも憑依薬は”人助け”ー
将来的な医療分野での活動を目指した開発が進んでいて、
美桜自身も”人助けになるなら、頑張りたい”と、
凛音を救うだけではなく、この研究機関での仕事にも
やりがいを感じるようになっていた。
その一方で、
”何か、裏があるー”
美桜は、そう思い、研究を続けながら調べたー。
その結果ーーー
研究施設の副所長である間宮 和美(まみや かずみ)という人物が
”研究中の憑依薬”の一部を持ち出して改造ー、
ネットで販売して資金を稼いでいたことが分かったー。
そして、”証拠隠滅”のために、
憑依薬を購入した人間が、霊体となって1か月後に消滅するように
仕組んでいたこともー。
美桜が、そして凛音が”夏休みを終わらせたくない”という思いから
憑依薬を使いー、消えてしまったー…
その元凶は、この間宮 和美にあったのだったー。
「ー君のしたことは許されないことだー」
所長が残念そうに言葉を口にするー。
間宮 和美は悔しそうにしながらも、
「ーーわたしは、ただー…」と、そう言葉を口にするー。
当然、言い訳はできないー。
まだ、研究段階のものを”外”に勝手に持ち出して、
不正にお金を稼いでいたのだからー。
そして、美桜や凛音のように
”それを使って消えてしまった人間”がいる以上、
間宮 和美のしたことは、人の命を奪ったのも同然だった。
「ーーーー」
間宮 和美は懲戒処分となり、以降、
研究施設への一切の出入りが禁じられたー。
警察にも連絡、行政も絡む極秘研究の”憑依”は、
”法律上”の扱いが難しいため、あとは、警察に委ねることになったー。
「ーーあのー」
そんな和美に、美桜は話しかけるー。
「ーー”救いたい”子がいるんですー。」
そう言葉を口にすると、美桜は、
和美から”憑依薬をどのように改造したのか”
そして、どんな仕組みにしたのか、それを聞きだすのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学生生活も最後の1年を迎えてー、
美桜はより、”凛音を救うため”の研究に没頭したー。
勿論、ちゃんと研究所での仕事もこなしていて、
所長からも、今や美桜は憑依薬の研究のエースとしても
期待されるにまで成長していたー。
”凛音ちゃんを助けたい”という思いが、
美桜をここまで優秀にしたのかもしれないー。
所長にも、美桜はその事情を説明し、
本来の仕事をこなしながら、凛音を救うための研究を続ける許可も
既に貰っていて、
バックアップも受けているー。
”就職活動”については、大学卒業後、そのままここに就職、
1本化していくつもりであったために、その点では時間に
余裕もあったー。
けれど、大学生活・プライベート・研究所での仕事ー。
全てをこなしている美桜は、多忙だったー。
「ーねぇ、美桜ー大丈夫?無理してないー?」
美桜の母親が、そんな日々を送る美桜を心配する。
そんな言葉に、美桜は穏やかに微笑むと、
「無理はしてないよーー。
わたしー、助けたい大切な友達がいるからー」と、
そんな言葉を口にするー。
「友達ー?」
美桜の母親が不思議そうに首を傾げるー。
「うんー。とっても大事な友達ー」
あれから、もう何年も経ったー。
でも、美桜は決して忘れないー
凛音のことをー。
そして、執念深く研究を続けて、
ついに”憑依薬”を使い、”あの世界”に再び足を踏み入れる方法ー、
そして、あの世界から、何とかこっちの世界に”繋ぐ”方法を
美桜は確立することに成功したー。
途中で、資金的な問題が生じたものの、
”凛音ちゃんを救うため”と出資者が現れて、
資金的な問題もクリアできたー。
”匿名のクラゲさん”という人からの出資で、
美桜には覚えはなかったものの、
美桜はその人にも感謝しながら、研究を続けたー。
「ーー本当に、行くのか?」
この研究所で働き始めた時から世話になっていた
先輩・田原 幸則が心配そうに言葉を口にするー。
美桜は静かに頷くと
「ーーそのために、わたしは頑張って来たのでー」と、
そう呟くー。
憑依薬を飲んで、霊体になったあとにすぐに”消滅”するタイプの
憑依薬を開発した。
夏休みを終わらせたくない、という願いを疑似的に流し込みー、
これを飲めば”また”あの場所に行ける…はず。
そして、美桜は自分自身に事前に事前に投与しておいた
特殊な薬で”霊体になってもその居場所を探知できる”システムも
作り上げたー。
これによって、美桜が再びあの世界に到着後ー、
憑依薬を不正に売りさばこうと改造した間宮 和美から聞いた
”霊体であれば時空を超えられるシステム”を利用して、
研究所の先輩たちの知識と、技術の結晶によって開発した
”時空干渉システム”によって、
あの世界に”歪み”を生じさせ、
凛音をこっちの世界に呼び戻すー。
凛音が、”どんな形で”この世界に戻って来れるかは
未知数だったけれど、それが、美桜にできる最大限の”方法”だったー。
「行きますー」
美桜は、憑依薬を口にすると、
瞬時に霊体となって、そのまま”消滅”したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー」
遊園地で、もう完全に飽きてしまった乗り物に乗り、
死んだ目で、永遠の時間を過ごしていた凛音ー。
凛音はため息を吐き出すと、
指を鳴らして、夕暮れの砂浜にやってくると、
そこに並んだ豪華な食事を口にし始めたー。
「ーーーーー」
もう、味も感じないぐらいに、
長い時間ー、ひとりだー。
終わらない永遠の夏休みー。
死ぬことも、消えることもできない、永遠の時ー。
「ーーー」
凛音は、無表情のまま大好きだったメロンを見つめると、
それを無表情のまま、食べ始めたー。
がーー
その時だったー
”美味しそうなメロンだねー”
背後から、声が聞こえたー。
「ーーー!?」
何年ー?何十年ー?
時の流れすら分からないこの空間で、
久しぶりに”人間の声”を聞いた凛音は
驚いて振り返るー。
そこにはーー、
美桜がいたー。
あの時より、少し年齢を重ねたー、
大学卒業間近の美桜がー。
「ーーえ…美桜ちゃんー?」
疲れ果てた表情の凛音がそう言うと、
美桜は「あははー…覚えててくれたんだー?よかったー」と、
そう返すー。
すると、凛音は「ーー少し、歳取ったー?」と、
冗談めいた口調で笑うー。
「ーーうんーー少し凛音ちゃんの”先輩”になったかもー」
美桜が笑いながらそう返すと、凛音は
「ーどうして、”また”ここに来ちゃったのー?
もしかして、また夏休みをー?」と、心配そうに呟くー。
美桜は首を横に振ると、
「ーわたしねー…凛音ちゃんを助けに来たのー」と、
そう言葉を口にして、
これまでのことを説明し始めたー。
全てを聞いた凛音は、
「あははー…わたし、ここも好きだったんだけどなぁー…
今更、元の世界に戻っても不安なこともいっぱいあるしー」と、
少し冗談めいた口調で強がって見せるー。
それでもー、
凛音は、少しすると目に涙を浮かべて
「ありがとうー」と、そう言葉を口にしたー。
”元の世界”に戻ったら、どうなるのだろうかー。
凛音は、”このまま”の姿で元の世界に戻るのか、
それとも、憑依薬を飲んだ時点に凛音は戻って、
”そこから先の歴史”は変わるのかー。
実際に戻ってみないと分からないー。
美桜は、”憑依薬を飲んだあの日”に戻ったー。
ただ、凛音は”無理矢理”この世界から引っ張り出す形であるため、
美桜と同じようになるかは分からないー。
そんなことを考えていると、
夕暮れの海に映し出されていた”現実世界”の映像ー…
現世への道が、突然消え始めたー。
「ーえっ」
驚く美桜ー。
「ーど、どうしたのー?」
凛音が不安そうに言うと、
美桜は「で、出口が急にー…?」と、そう言葉を口にするー。
”元の世界に戻るための出口”が突然消えたー。
美桜と仲間たちが開発したシステムによって
”現世との繋がり”を保っていたはずなのにー。
「ーーーーそ、そんなー…」
美桜は、慌てて出口があった場所のあたりを見回すー。
しかし、出口は消え、
美桜は”また”この世界に幽閉されてしまったー。
それはーーー
現実世界にいる先輩の研究員・田原 幸則の陰謀ー。
美桜の先輩として、指導もしていた幸則は
美桜が優秀過ぎて嫉妬し始めていたー。
そして、この機会に美桜を消してしまおうと
不正なプログラムを組み込み、
現実世界と、美桜が飛ばされたあとの空間の繋がりを
”遮断”するように仕組んでいたー。
もちろん、今の美桜にそんなことを知る由もないー。
「ーー美桜ちゃんー」
凛音が悲しそうに呟くー。
「ーー…わたしのせいでー……ーー」
凛音は、”美桜ちゃんがわたしを助けに来たせいで、
美桜ちゃんもここにずっといることになってしまった”と、
心底落ち込んだ表情を見せるー。
がーーー
その時だったー
”美桜”が、以前、凛音にプレゼントした髪飾りー、
凛音がまだ大事に身に着けていたそれが、突然光を放ち始めるー。
「ーこ、これはー!?」
美桜が驚くー。
「ー美桜ちゃんがくれたー…」
凛音がそう言葉を口にすると、
二人は、”光”に包まれていくー。
それは、奇跡だったのかもしれないー。
美桜と凛音ー、別れてしまった二人を唯一繋ぎとめていた絆の証ー。
美桜と凛音の強い絆が、不思議な、奇跡の力を生んだのかもしれないー。
”絶たれた繋がり”を突破してー、
美桜と凛音は、その世界から”現実”の世界へとー、
舞い戻っていくのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーーー…!」
美桜が目を覚ますとーーー
そこはーー
高校時代の”あの夏休み”だったー。
「ーーー…ーーー」
慌ててスマホを見ると、
”憑依薬を飲んだ夏休み”の終盤ーーー
美桜が消えたあの時に戻っていたー。
「ーーあははー…ここまで戻っちゃうかぁー」
美桜は笑うと、
すぐにハッとして、”沖村 凛音”はどうなったのかー、
それを調べ始めるー。
するとーーー
”10年前に消息不明の高校生ー 発見”
と、そんなニュースが表示されていたー。
10年前に消息を絶った”沖村 凛音”が発見された、とー。
10年前と同じ姿のままで、DNA鑑定なども行われたものの、
沖村 凛音本人で間違いない、と、
そんな結果も出たと、そこには書かれていたー。
「ーー!」
美桜は、そのニュース記事の下の方に、
凛音本人のコメントが出ているのを見て、
思わず微笑んだー
”ー大切な友達が、わたしを助けてくれましたー”
凛音は、インタビューでそう答えていたー。
そしてーーー
その数日後ーーー
美桜は、”凛音”と会うことになったー。
待ち合わせ場所の遊園地の前にやってきた美桜ー。
まさかまた”この時代”から、人生を送れるとは思わなかったけれどー、
”本来であれば”研究に費やす人生を送るはずじゃなかったし、
それに、あのままあのタイミングに戻ったら、
凛音との年齢差とか、色々問題もあったかもしれないー。
だからきっと、神様がこの時代に戻してくれたのだと、
美桜はそう思ったー。
”今度こそ、自分の人生をちゃんと送りなさい”
と、いうことなのかもしれないー。
「ーー美桜ちゃんー」
背後から声がして振り返るー。
そこには、”凛音”の姿があったー。
「ー凛音ちゃんー!」
美桜がそう言葉を口にして、凛音に駆け寄ると、
凛音は「本当に、ありがとうーー」と、そう言葉を口にするー。
美桜は、”わたしだけじゃなくて、みんなのおかげ”と、そう言うと
研究所の仲間や、出資者の”クラゲさん”のおかげだと、そう伝えるー。
「ーーふふー。そっかー。じゃあ、そのクラゲさんにもありがとうだねー」
凛音が嬉しそうに笑うー。
再会を喜ぶ二人ー。
そして、美桜が口を開くー。
「楽しい時間は、限りがあるから楽しい時間ーだったよね?」
美桜が、あの世界で凛音に言われた言葉を口にすると、
凛音は微笑みながら頷くー。
「ーじゃあ、早速、色々乗ってみよ!
楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうから!」
美桜がそう言うと、凛音は「ふふー、そうだねー」と、笑いながら
美桜と共に歩き始めたー。
楽しい時間は、限りがあるからこそ楽しい時間ー。
だからこそ、そんな時間を大切にしていきたいー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
リクエストありがとうございました~!★
今度はしっかりハッピーな結末デス~!!!
このあと、憑依薬を研究していた研究機関には、
美桜ちゃんが匿名で”副所長の不正”を、伝えて、
その結果、憑依薬が不正に売られたり、
二人みたいに消えちゃう人もいなくなって
無事に解決~★という設定デス~~~!!!
リクエスト&お読み下さり、ありがとうございました~~~!!!

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