海王星周辺で事故により、孤立してしまった宇宙船。
ワープのための装置も故障し、救助にも時間がかかる状況の中、
孤独に耐える彼女を励まそうと”憑依”を利用し…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーあ!身体が動く!声も出せる!」
宇宙船・アイオーン号内部ー。
真理愛が嬉しそうに手を振りながらそう言葉を口にすると、
真理愛に憑依している龍太は
”ははー、ようやく真理愛に身体の主導権を返せたー”と、
中からそんな言葉を口にするー。
真理愛に憑依して、
身体の主導権は真理愛に残したまま、
真理愛の内側から真理愛と会話するー。
そういった、理想の形にすることがようやくできたー。
”ーーそれで、何が起こったのか、具体的に聞かせてくれるかー?
真理愛を救出するための参考にもなるだろうし、
地球側にも伝えられるからー”
通信手段が失われてしまったことで、
アイオーン号と、地球側の意思疎通もできない状態ー。
が、こうして宇宙通信用のシステムに流し込む形で
霊体を転移させ、真理愛に憑依すれば
真理愛の話を聞くこともできるー。
真理愛は一人のクルーが発狂して暴走したこと、
他のクルーはその際に一人を除いて死亡、
残りの一人も騒動の際に負傷したことで
後日死亡したことを伝えたー。
”そうかー…”
龍太はそう言葉を口にすると、
”わかったー。状況はみんなにも伝えておく”と、
そう言葉を口にするー
「ーーあのー…龍太くんーそれで、わたしはー…」
真理愛がそう言うと、
中にいる龍太は答えるー。
”救助の方法を今、検討している最中なんだけどー
ここのワープポイントが破壊されちゃったからなー
修理するにも、迎えに来るにも、最寄りのー…
土星のワープポイントに、ワープドライブを積んだ宇宙船でワープして
そこからは自力でここまで来るしかないー。
今の技術だと、5年はかかるー。”
その言葉に、真理愛は「5年かぁ…」と、ため息を吐き出すー。
「じゃあ、わたしはあと5年ー
ワカメを食べてないとダメなんだねー」
真理愛が悲しそうに言うー。
宇宙船に積まれている”宇宙海藻”は、宇宙船内で簡単に増やすことができ、
栄養も豊富であるため、食糧問題は発生しないー。
ただー、それでも、毎日”ワカメ”などと呼ばれる宇宙海藻ではやはり飽きるー。
”ーー食べ物を持ってくることができればいいんだけどー
すまないー
俺の魂が飛んでくるのがやっとでー”
龍太が真理愛の中からそう言うと、
真理愛は「ううんー」と、首を横に振るー。
「5年ー、待てばいいんだよね?」
真理愛がそう言うと、
龍太は”まだ救助チームの選定と、作戦の準備中だから
すぐには出発できないけど、できる限り早く、
チームが真理愛のところを目指すように、俺も努力するからー”と、
そう言葉を口にしたー。
「ーうん。ありがとうー」
真理愛は”5年は長い”と思いつつも、龍太も来てくれたし、と
希望を抱くー。
”ーと、今日は帰るよー。
俺の身体、幽体離脱した状態だし、
俺も向こうでやらないといけないことだらけだからさー”
龍太はそう言うと、
”本当は一緒にずっといてあげたいけど、ごめんなー”と、
そう言葉を口にしてから、これからも”憑依”で行き来することを
約束して、そのまま真理愛の身体から抜け、
通信システムを経由し、10分ほどで地球へと舞い戻ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー杉沼 真理愛の救出計画は、
海王星付近のワープポイントが故障したため、
最寄りのワープポイント、土星付近のものを使用し、
そこからは宇宙船で自力で航行するー。
5年ほどかけてアイオーン号の元に到着後は、
アイオーン号に取り残された杉沼 真理愛を救出ー、
可能であれば海王星付近のワープポイントを現地で修理し、
そのままそれを使用し、地球へと帰還する計画だー」
宇宙調査組織の日本支部で、真理愛救出の会議が行われていたー。
「ーーもしも海王星付近のワープポイントを現地で修理できない場合は?」
職員の一人が、そう質問をするー。
「その場合は土星に引き返し、10年かけて帰還する計画だー」
説明をしていた職員はそう答えるー。
「ー10年、ですかー」
会議は難航ー
この日は、具体的な救出作戦決行の日程を決めることはできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”真理愛ー。
救出作戦の準備は順調に進んでるー。
だから、心配するなー”
海王星付近のアイオーン号内部では、
今日も真理愛に憑依した龍太がそう言葉を口にしていたー
「ねぇねぇ龍太くんー
わたしの身体で”ワカメ”食べてみてよー」
真理愛がそう言葉を口にすると、
龍太は”えぇ?ははー、まぁ、じゃあーせっかくだし”と、
真理愛の身体の主導権を握って、
「いただきますー」と、そう呟いてから宇宙海藻を口にするー。
「ん~~~~真理愛の言う通り、やっぱ味気ないなー
俺も火星調査にいったときは食べたけどさー」
真理愛の身体で笑う龍太ー。
真梨香は”あははーやっぱり龍太くんもそう思うよねー?”と、
そう言葉を口にすると、楽しそうに”ねぇねぇ、わたし、
ワカメで料理も考えたんだけどー”と、そんな言葉を口にしたー
来る日も、来る日も、真理愛に憑依し、
時間は短くても、1日1回は真理愛に憑依したー。
”本当にありがとう!助かる!”
真理愛の意識がそう言葉を口にするー
今日は宇宙船内のとある機械が故障しているのを
真理愛の身体を使って龍太に直してもらったー。
直す道具はあったものの、真理愛の専門ではなく、
専門だった飛行士は”騒動”で死亡しているため
どうすることもできなかったのだー
「ーこれで、立体映像システム、使えるようになったよ」
真理愛の身体で龍太がそう言うと、
宇宙船内で地球の風景をVRで楽しめるシステムが使えるようになったことを
真理愛の意識は喜ぶー。
「ーに、しても、真理愛の手だと意外と修理も大変だったよー。
人によって、随分違うんだな」
と、真理愛の身体で笑う龍太ー。
そんな言葉に、真理愛の意識は”はいはいーわたしは不器用ですよ~”と、
少し拗ねてみせたー。
それからも、憑依は続きー、
1年が経過したー。
「あと、4年かぁ…」
真理愛がそう言葉を口にすると、
龍太は”そうだなー”と、呟くー。
「今頃、どのあたりかなー?」
真理愛が言うと、
龍太は”土星のワープポイントからそっちに向かってるからー…土星と天王星の間だろうな”
と、そう言葉を口にしたー
「あはは、まだまだ道のりは遠いね」
真理愛がそう笑うと、龍太も少しだけ笑うー。
”そうだー今日はさー、この前言った話の続きなんだけどー”
龍太はそう言葉を口にすると、真理愛に
地球での出来事を聞かせてみせたー。
1年ー、また1年と時間が経過し、
4年が経過したー。
真理愛は、龍太のおかげで、孤独に狂わずに、
4年間、宇宙船内で生き続けていたー。
「あ~~~来年には帰れるかも~~!!」
真理愛が笑いながら言うー。
”ーーーー…”
最近の龍太は少し暗くなりがちだー。
真理愛が心配そうに「大丈夫?」と返すと
龍太は”ん?あぁーいやー”と、言葉を口にしてから
”救助隊がそこのゲートを修理できなかったら、また土星まで
真理愛を乗せて引き返すから、さらに5年かかっちゃうなぁってー”
と、そう呟くー。
「ーー…ま、まぁー…でも、それでも他の人と一緒に過ごせるようになるから!」
真理愛がそう言うと、
龍太は口を閉ざすー。
「ー最後に会ったときから5年も経ったら、龍太も変わってるだろうなぁー…」
真理愛が笑いながら言うー。
龍太とこの4年、毎日のように話をしているものの、
あくまでも”真理愛に憑依している龍太”と話しているだけのため、
龍太の姿は見ることはできていないー。
通信の受信のシステムが破損していることで、
メッセージや写真の受け取りもできない状況だー。
”ははー、そうだなー”
龍太はそれだけ言うと、
少しだけ寂しそうに
”俺は真理愛の姿を毎日見ることができてるけど、
真理愛からすれば、俺の声しか聞けてないんだもんなー”と、
そんな言葉を口にしたー。
そしてー、
さらに時間が経過して、いよいよ5年が経過したー。
「まだかな~!」
真理愛が嬉しそうに笑うー。
”ーーーま、およそ5年だからなー
今日かもしれないし、明日かもしれないー”
最近、龍太の口数が異様に少ないー。
「もうすぐ、ワカメも卒業だね!」
真理愛が嬉しそうに”宇宙海藻”を食べながら言うと、
龍太は”そうだなー”と、そう言葉を口にしたー。
龍太は、何かを口にしようとしたー。
がー、ほんの少し、何か言葉を口にしただけで、
そのまま龍太は口を閉ざすー。
「ー今、何か言おうとした?」
真理愛は、もうすぐ迎えが来ると言うこともあって、ご機嫌だー
「あ、もしかして告白ー!?」
真理愛がそんな言葉を口にすると、
龍太は”ーーーそれができたら、そうしたいよ”と、
小声でそう言葉を口にしたー。
その数日後ーー
真理愛は、自分の身体の意識が飛んでいたことに気付くー。
気になって船内映像のログを確認すると、
真理愛は、自分の身体を弄びながら、
無心で喘ぎ狂っていたー。
「真理愛ーごめんー 真理愛ーごめん」と何度も口にしながら、
真理愛自身が、乱れ狂っている映像ー
「な…なにこれ…?」
呆然とする真理愛ー。
真理愛本人にこんなことをした記憶はないー。
昨日、意識が飛んでいることを考えると、
龍太が真理愛の身体を乗っ取って、意識まで封じた上で
真理愛の身体を楽しみつくしたことになるー。
「ーーーーもう!!わたしに一言も言わないでこんなことするなんてー」
真理愛は記録映像を見ながら、不満そうに呟くー。
「今日、龍太が来たら文句を言わなくちゃ!」
真理愛はそう言葉を口にすると、朝食に宇宙海藻を食べ始めるー。
がーーー
龍太は、その日を境に現れなくなったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーーーごめんーーー」
龍太は、悔しそうに言葉を口にするー。
”救助部隊”は、結成されなかったー。
5年もかけて、何人もの船員を乗せた救助船を派遣し、
”たった一人の人間”を救うことに対する
コストとリスクを天秤にかけた結果ー、
”真理愛の救出作戦”は、中止されていたのだー。
既に、4年前に計画は中止ー
真理愛は事実上、見捨てられたー。
龍太はそれを受け入れることが出来ず、
上層部にずっと、真理愛の救出を進言してきたー。
その間も、憑依で真理愛を励まし続けて来たー。
けれどー…
救助を楽しみにしている真理愛に、最後までそれを言えなかったー。
そして、先日、”いつまでも杉沼 真理愛に構うな”と言われて、
それでも反論したところ、”解雇”されてしまったー。
もう、真理愛に憑依することもできないー。
真理愛と会うこともできないー。
そう思ったら、悲しくなって、真理愛の身体で自暴自棄になって
お楽しみをしてしまったー。
「ーーーーー…」
それを、謝ることも、もうできないー。
「ーー真理愛…いくら待っても、救助隊は来ないんだーごめんー」
龍太はそう言葉を口にすると、悔しそうに、
”解雇された宇宙調査機関の施設”を後に、涙を流したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
50年後ー。
人類は長い年月をかけて、ワープポイントを増設ー、
再び、土星の先にもワープポイントの設置を続けていたー。
最初にワープポイントを海王星付近まで広げるにも
長い時間がかかっていて、今回は、
天王星付近にまず、ワープポイントを設置、
そして、50年前に故障した海王星のワープポイントの修理のため、
宇宙船が、海王星付近までたどり着いていたー。
「ーーー……あれは?」
宇宙船の船長が、そう言葉を口にすると、
「ーーー50年前にここで事故を起こしたー…えー、アイオーン号です」と、
船員が言葉を口にするー。
船長は、中の調査をすることを決めて、アイオーン号に
宇宙船を”接続”すると、
その中へと足を踏み入れたー。
そしてーーー
その中にはーーーー
”ーー許さないー”と、
血で書かれた文字で、その近くで力尽きている人の亡骸があったー。
「ーーーー」
宇宙船の船長と、船員たちは、
”50年以上も前の当時の事情”を知らないー。
そんな真理愛の亡骸を見て、
船長と船員は、困惑の表情を浮かべることしかできなかったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
宇宙はとっても厳しい環境なのデス…
安全にササッと行ってくることができるようになったら、
私も見てみたい気はします~★!
お読み下さりありがとうございました~!!★
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コメント
真理愛かわいそうでしたネ(;∀;)
助かるかもしれない希望を持ってワカメしか食べれなくて龍太に憑依されて…お楽しみされて…
無名さんが宇宙に行って帰れなくなったら自分が無名さんのカラダに憑依しますネ(*´艸`)笑
感想ありがとうございます~~~!★
一緒に宇宙海藻を食べましょうネ~笑
無名さんのカラダで宇宙海藻食べるのデス~飽きない程度に…笑
宇宙海藻だけど無名さんのカラダ元から細いのにもっと細くなりますネ…泣笑
宇宙旅行行く時にお気に入りのコスプレ3種類くらい持って行ってくださいネ(^_-)☆笑
退屈な時間にコスプレちゃいますネ☆\(^o^)/☆笑
もぐもぐもぐもぐ…!
遭難した時用に、持てる限りに
持って行きたいですネ~!笑
ワカメもぐもぐもぐもぐ…!☆
避難して退屈な時間に無名さんのカラダでコスプレ楽しんじゃいます(^_-)☆笑
無名さんのお気に入りのコスは持って行くからメイド、バニーガール…♪♪
宇宙空間でひとりだったら、
いくらでも楽しむ時間がありますネ~笑☆