<入れ替わり>分かってて結婚したはずなのに②~感情~(完)

学生時代に男と入れ替わってしまった過去を持つ”妻”から、
”元に戻る方法が見つかった”と、そう言われた夫ー。

元々、プロポーズした際に
”元に戻る方法が見つかったら元に戻る”と、
そう言われていて、それを受け入れていた彼はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー今日は、なんだかいつもよりおしゃれだなー」

翌日ー
和雄が部屋から出て来ると、
いつもよりおしゃれな雰囲気の妻・百恵(明信)を見て、
和雄は少しだけ笑うー。

「ーーあ、和雄ーおはよ~…」
百恵(明信)はそう言いながら
少しだけ照れ臭そうにすると、
「ーもうすぐ、男に戻ると思ったら
 なんだか急に、”今のうちしかできないこと”を楽しんでおこうかなってー」と、
そんな風に笑いながら、
いつもよりおしゃれな理由を語るー。

「ーははー…そっかー
 でも、確かに女になったり、男になったりー…
 色々、不思議な感覚なんだろうなぁ…」
和雄はそこまで言うと、
「俺からすると、”百恵は百恵”だし、
 中身が男、なんてことは普段も全然意識しないんだけどさー」と、
そう言葉を口にするー。

和雄と”百恵”が出会った時点では、
既に百恵(明信)は入れ替わって数年が経過していてー、
和雄は”元々の百恵”を知らないー。

明信(百恵)と会ったことはあるものの、
和雄からすれば、百恵(明信)が百恵であり、
明信(百恵)が明信である、というそんな認識だー。

だからこそー、
あまり和雄からすれば”妻は入れ替わっている”という実感は
あまりないー。

ずっと、本人から聞かされていても、
なかなかイメージが沸いてこないー。

そもそも、出会った時は”百恵(明信)”は、既に男のような振る舞いを
一切しない状態になっていたために、
余計に実感がないー。

「ーー昨日は、ごめんねー」
百恵(明信)が改めてそう言葉を口にすると、
和雄は「いや、いいんだー」と、そう言葉を口にすると、
「俺の方こそ、受け入れるのに時間がかかってごめんー」と、
そんな言葉を口にしたー。

残された時間はあとおよそ10日ー。
その間、せめてたくさん思い出を作ろう、と、そう考えた和雄は
”百恵だって不安なんだー”と、できる限り百恵(明信)を
元に戻るその日まで楽しませてあげようー、と、
一晩考えに考え抜いて、そんなことを決意していたー。

「ー”今しかできないこと”たくさんするかー」
和雄はそう言うと、
”こうして夫婦でいられるのも”あと少しかもしれないから、と、
仕事も有給を取るから、一緒に遊びに行こう、と、
そう言葉を口にするのだったー。

初めてデートした遊園地を訪れてー、
よくデートした映画館を訪れてー、
一緒に買い物をしたり、外食をしたりー、
毎日のように、夫婦の時間を楽しんでいく二人ー。

1日、また1日と時は過ぎていきー、
いよいよ”3日後”には、百恵は
学生時代に入れ替わった相手の明信と共に
北海道にある研究所を訪れて”元に戻る”ー
そんな日が近付きつつあったー。

「ーーーー」

がーー
”今しかできないことを楽しもう”と、
そんな前向きな考えに至っていたはずの和雄はー、
”その日”が近付くにつれて、再び黒い感情に支配されつつあったー。

”百恵と一緒に過ごす時間”は本当に楽しいー。
百恵(明信)と最後の思い出作りになるかもしれない時間を
全力で楽しめば楽しむほどー、
まだ一緒にいたいー、まだ一緒にいたいー、
元に戻らないでほしい、というそんな思いが膨れ上がって行くー。

元に戻ってー、百恵が本来の百恵に戻ったときー、
”和雄の知る百恵”がいなくなってしまうのが、
とても、とても、怖かったー。

「ーーーーー」
しかし、和雄はもう”百恵(明信)”の前で
暗い顔をしたり、嫌そうな顔をするつもりはなかったー。

あの日、百恵(明信)から打ち明けられたあの日ー、
和雄が嫌そうな反応を示してしまったことで、
心底悲しそうにしている百恵(明信)の顔を見てしまったからー。

「ーーーーーーーー」
けれどー、和雄はそのまま”百恵(明信)”を送り出してあげることは
できなかったー。

和雄はその翌日ー、
”明後日には、百恵と明信が元に戻る”タイミングで、
突然、”ある行動”を起こしたー。

「ーーーー」
その日、百恵(明信)が朝、目を覚ますと、
既に和雄の姿は家の中にはなかったー。

戸惑いながら、家の中を見渡す百恵(明信)ー

すると、机の上に1枚のメモ書きが書かれていたー。

”急に会社で欠員が出て、
 今日と明日、出張することになったー。
 明日の夜までには戻るー”

とー。

百恵と明信が、
”元に戻る”のは明後日ー。
それまでには戻って来るとそう書かれた紙ー。

がー、百恵(明信)はそんなメモ書きを見つめると、
「ーーー……和雄ー」と、
寂しそうにそう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

和雄が家を突然留守にしたのはー、
会社の”出張”などではなかったー。

和雄がやってきたのはー
”北海道”ー。

百恵(明信)から聞いていた
”入れ替わりを元に戻す”ために訪れる予定の研究所に
いち早く足を運んでいたー。

「ーーそれは、どういうことですかなー?」
その研究所にいた男・佐久間 洋一郎(さくま よういちろう)が
首を傾げるー。

「ーですから、百恵と、男が来ても
 二人を”元に戻さないで”欲しいんですー」
和雄はそんな言葉を口にするー。

「ーーーーーー」
洋一郎はそんな言葉を聞きながらも
ため息を吐き出すと、
「お気持ちは分かります。ただー、
 二人は元に戻ることを選択しましたー」と、
そう言葉を続けるー。

「私は、親戚が”同じ状況”になりましてねー
 入れ替わった二人を間近で見続けて来たー

 本当に辛そうだったー。
 前向きに過ごしてはいたし、
 楽しいこともあったとは思うー。

 でも、やっぱり、元に戻れる時は
 本当に嬉しそうだったー。

 だからこそ私はー、
 他人とは言え、私のことを調べて、
 相談してきたあの二人を、元に戻してあげたいー」

洋一郎がそう言うと、
和雄は少し表情を歪めながら言ったー。

「ーーけどー”今のまま”でも、
 百恵もー、相手も、十分幸せなんですー。

 百恵たちは入れ替わってからもう、何年も経ってますー
 今更二人を元に戻すのは、二人を余計に苦しめることになるんですー。

 男が女になって、女が男になってー
 やっとその生活に慣れたと思ったら、またもう1回、
 ガラリと生活が変わってしまうー

 そんなの、辛いと思いませんかー?

 だからー、”上手く行かなかった”ってことにして、
 二人を元に戻さないでくれませんかー?

 そうすれば、あなたも”上手く行かなかった”というだけで
 二人から恨まれたりはしないと思いますしー」

とにかく、百恵(明信)に元に戻って欲しくないー。
その一心で、そう言葉を口にする和雄ー。

がーー

「ー申し訳ありませんが、お断りしますー
 二人が、そう願っているのですから、
 ーいくら、あなたが当事者の夫だとしても
 それは聞くことはできませんー」

と、洋一郎は首を横に振ったー。

「ーーーっっ」
和雄は表情を歪めると、突然、
鞄から何かを取り出して、
それを洋一郎の座っている机に差し出したー。

「ーーこれは?」
洋一郎が不思議そうな表情を浮かべながら
和雄のほうを見つめると、
和雄は「ーー500万あります」と、そう言葉を口にしたー。

悪いお金ではないー。
学生時代のバイト、そして社会人になってから
貯金を続けてちゃんと貯めたお金だー。

それを、全て洋一郎に差し出すー。

「ーーこれを支払いますー。
 だから、お願いしますー
 百恵を元に戻さないでくださいー」

和雄は、自分がしていることを百恵が知ったら
どれほど悲しむかは理解しつつも、
そうせずにはいられなかったー。

とにかくー、
黙ってこのお金を受け取って、
そして、百恵と明信の二人には
”元に戻すことができなくなった”と、そう言ってくれればー
それでいいー。

和雄がそう思っていると、
洋一郎は封筒を受け取らずに差し戻して来たー。

「ーーー?」
和雄が洋一郎を見ると、洋一郎は
「ーーこのお金は受け取れません。二人は元に戻ることを願っていますー」と、
そう言い放つー。

和雄はその返事に目に涙を浮かべながら
「ーなんでだよ…!!!」と、洋一郎の腕を掴むー。

「ーーーー君だって分かっているはずだろうー!?
 君の大事な人は、元に戻ることを願っている!」
洋一郎が臆せずそう言葉を口にすると、
和雄は「くそっーー…分かってる…分かってるよ!」と、声を荒げるー。

「ーーでも、でもーーー
 このお金を受け取って、”やっぱり元に戻すことはできません”と
 してくれれば、
 俺もあなたも、そして、百恵も相手も
 今の生活を変えずに、そのまま今までの幸せを続けられるんだ!

 それの…それの何が悪いんだ!」

和雄はそう言い放つー。

「ーそれは、君が決めることじゃない。
 本人たちが決めることだー」
洋一郎がそう言うと、和雄は「あんたが決めることでもない!」と
目に涙を浮かべながら声を荒げるー。

「ーーー…」
ふぅ、とため息を吐き出してから、洋一郎は首を横に振ると、
「ーー”約束”したのでしょう?結婚する前にー」と、
そう言葉を口にするー。

百恵と明信の二人から、話を既に聞いているのだろうー。

「ー私が決めたんじゃない。本人たちが決めたことだー」
洋一郎はそれだけ言うと、
「ーこのお金は必要ない。持って帰りなさい」と、
そう言葉を口にして、”もう話すことはない”と言わんばかりに
そのまま背中を向けるー。

「ーーーー」
ギリッと歯軋りをする和雄ー。

そしてー、

「ーー分かりましたー。
 今から、相手のところに行って説得しますー。」

和雄はそう言い放つと、
そのまま立ち去ろうとするー

こうなったら”百恵(明信)”の入れ替わり相手である
明信(百恵)を説得するしかないー。

”元に戻るのはやめよう”と、明信(百恵)の方から
言ってもらうことができればー

「ーー馬鹿な真似はやめなさい」
洋一郎が、和雄の腕を掴むー

「ーうるさい!離せ!この分からず屋!」
和雄は不満そうにそう叫んで、洋一郎の腕を振り払うと、
そのまま「ーーー確かに俺は約束しましたーでも!!!」と、
そう声を上げるー。

「ー分かってるー。分かってはいるんですー!
 俺がしてることが、百恵や相手を傷つけることだってー

 このまま俺が黙って受け入れて、
 百恵たちが元に戻るのを暖かく見守ってあげるのが
 一番いいことだって!
 
 でもー、それでもーーー…」

和雄はそう言葉を口にしながら、
目に涙を浮かべながら振り返ったー。

がーーー

そこで、和雄は言葉を止めたー

「ーーーえっ……???」
和雄は、青ざめるー。

振り返ると、そこには”分からず屋”と叫んで
腕を振り払った際に、机の角に後頭部を勢いよく打ち付けて
目を見開いたまま血を流している洋一郎の姿があったー

「ーーえっ…!?えっ…!?えっ!?」
和雄は思わずそう言葉を口にすると、
「だ、だ、大丈夫ですかー?」と、そう言葉を口にして、
洋一郎に駆け込むー。

が、洋一郎は頭から血を流したまま
目を見開いて、全く動かない状態ー。

「ーそ、そ、そんなー!?」
和雄は思わず尻餅をついてしまうー。

そして、悲鳴を上げてその場所から逃げてしまったー。

”約束したのにーー
 百恵が、学生時代に入れ替わってることを知っててー
 元に戻す方法が見つかったら、元に戻ることも受け入れて
 結婚したはずなのにー”

そう思いながら、必死に走る和雄ー

”分かってて、結婚したはずなのにー、
 ーー俺は、馬鹿だー”

これでーーー
和雄の人生は終わったも同然ー
研究者の洋一郎の人生も奪ってしまったー

百恵と明信も、もう元には戻れないー。

誰もー、誰も、幸せになることはできないー

「ーー俺は…バカだー」
近くの木々が生い茂る場所まで逃げ込んだ和雄は
そう言葉を吐き出すと、目に涙を浮かべながら
そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー和雄ー…」

数日後ー
百恵(明信)は、研究者の洋一郎の死を知ったー。

入れ替わり相手である明信(百恵)も
そのことを知って、困惑しているー。

「ーーーーー…」
百恵(明信)は、夫である和雄がやったことなのだろうと、
理解しつつも、
一人、静かに言葉を口にしたー。

「ーーごめんねー…わたしのせいでー…」

こんなことになるならー…
結婚しなければ良かったのかもしれないー

元に戻ろうなんて言い出せなければ良かったのかもしれないー

そんな、自責の念に駆られながら、
百恵(明信)は悲しそうな表情を浮かべたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

バッドエンドな結末になってしまいました~…★!

何かが違っていれば、
ハッピーエンドな結末が待っていたかもしれませんネ~…!

お読み下さりありがとうございました~~~!★

コメント

  1. TSマニア より:

    ありそうで今までなかった入れ替わりストーリーですネ!!

    和雄も考える時間あったし冷静に考えていたらバッドエンドは逃れていたかもですネ!☆

    前の話しになりますが

    むみょ警察、ってネーミング気に入っちゃいました笑

    無名さんのカラダと入れ替わってミニスカポリスを可愛くセクシーに着こなして、むみょ警察の一員になるのデス~\(^o^)/笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~~!★
      冷静な対応ができれば、こんなひどいことには…!?★

      私と入れ替わったらむみょ警察そのものになっちゃうのデス~笑

      • TSマニア より:

        今回のはストーリーも和雄、次第で結末変わりましたよネ!★

        無名さんがむみょ警察だったんですネ!笑

        むみょ交番よりスケールでかいのデス(*´艸`)笑

        無名さんのカラダと入れ替わって無名さんのカラダにジャストサイズなミニスカポリスのコスをオーダーメイドしてセクシーに可愛く着こなして性犯罪の取り締まりするのデス~☆\(^o^)/☆笑

        かなりミニなので椅子などに座れないのデス~( *´艸`)笑

        ミニスカポリスもバスガイドも帽子のあるコスも可愛くていいですネ♪♪

        • 無名 より:

          わわわ~!?
          やっぱりTSマニア様がそのものになるつもりなのデス…?★!

          • TSマニア より:

            いえいえ(^o^)

            無名さんのカラダになって個室でミニスカポリスを可愛くセクシーに着こなして姿見に見とれたいだけなのデス…多分(*´艸`)笑

            むみょ警察になった場合は性犯罪防止の取り締まりをしちゃうのデス(´∀`)b☆笑

          • 無名 より:

            わわわ~~!?!?
            自分で自分を取り締まることにならないように
            気を付けて下さいネ~笑☆

  2. TSマニア より:

    あわわわ~!☆!★笑

    取り締まりの練習するのに

    無名さんのカラダになってミニスカポリスのコス着てその姿を見て興奮してる自分のカラダになってる無名さんを個室でエ◯チな取り締まりの練習しちゃうのデス~(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      わわ~~!?!?
      取り締まりの練習にHな練習~!?

      ぶるぶるデス★

      • TSマニア より:

        ただ単に個室で自分が無名さんのカラダになってミニスカポリスになって自分のカラダになった無名さんを興奮させていっぱい見てもらって気持ち良くさせて楽しみ合いたいだけの口実なのデス(*´艸`)笑