好きな子に告白したものの、
”わたし、女にしか興味がないの”と振られてしまった男子高校生ー。
彼は”女体化”して、その子に再度告白したもののー…!?
”女にしか興味がないあの子と付き合うために”の後日談…!
※先に本編を読んでくださいネ~!
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男子高校生の本田 典弘(ほんだ のりひろ)は
隣のクラスにいる好きな子・入江 愛梨(いりえ あいり)に
告白したー。
けれど、結果は”失敗”ー
愛梨は”わたし、男子を恋愛対象に見ることはできないのー”と、
自分の恋愛対象が男子ではなく同性の女子であることを明かし、
だから典弘と付き合うことはできない、と、そう言葉を口にしたー。
そうして、失恋してしまった典弘。
けれど、典弘は”偶然”女体化薬という、
飲めば女になることができる薬を見つけてしまったー。
愛梨に振り向いてもらいたい一心で、
後先考えずにその薬を口にしてしまった典弘はそのまま女体化ー。
愛梨に再度告白して、
愛梨は驚きながらも、その告白を受け入れてくれたー。
がーーー
後に、愛梨から
”振る舞いも含めて女になってくれないとお別れって言ったよね?”と
言われて結局振られてしまった典弘ー。
しかし、その数日後ー、典弘は
愛梨が友達と話しているのを偶然聞いてしまったー。
「ーーホントに女になってきちゃったから
そこで断ったら、ホントに暴れ出しそうだし、
だから1回付き合って、上手く理由をつけて別れたのー。
ようやく諦めてくれたみたいだしー、
ホントによかったー」
実はー
愛梨が”女好き”というのは”嘘”だったー。
かねてから、典弘のことを愛梨は良く思っておらず、
”適当な理由をつけて”断ったのだー。
が、本当に女体化してきてしまったため、
”付き合ったふり”をして、上手く理由をつけて別れてー、
そのまま穏便に済ませようと、愛梨は画策していたのだー。
「ーーーー入江さんーいいや、お前のために女になったのにー
俺をー、俺を騙してたのか!」
それを聞いた女体化した典弘は激怒するー。
愛梨は青ざめながら後ずさり、逃げていくと、
一人残された女体化した典弘は、
口を開いたー。
「ー仲良しだと思ってたのはー俺だけだったのかー
俺は何のために女体化したんだー ははっ…バカみたいだー
俺はバカだ!!馬鹿だ!」
とー。
髪を振り乱しながら、一人暴れ続ける典弘ー。
やがて、教室を滅茶苦茶にした状態で、呆然としていると
騒ぎを聞きつけた先生によって、そのまま生徒指導室へ連れていかれてしまうー。
がー、生徒指導室に連れていかれたあとも、
先生の言葉が耳に入らないぐらいに、
女体化した典弘は強い怒りを感じー、
歯軋りをしながら、目から涙をこぼしていたー。
「許せないー…許せないー絶対に許せないー」
そう言葉を口にする典弘ー。
結局、先生の言葉も耳に入らないまま、
教室内で暴れて、教室を滅茶苦茶にしてしまったことで
停学処分を受けてしまった典弘は、
そのまま帰宅すると、部屋に引き籠ってしまったー。
”女にしか興味がないー”
愛梨から、そう言われたからこそ、典弘は女体化したのだー。
元々、女になりたいという願望も特にはなかったし、
女体化したのは本当に、”愛梨のため”だけー。
愛梨が”もしも女だったら付き合ってくれる”と、そう言ったからこそ、
女体化したのだー
「ーーくそっーーー…
ー俺は、何のために女になったんだー
俺はーーー俺はーーーー」
床に這いつくばりながら、ひたすら涙をこぼす
女体化した典弘ー。
”許せない”
”許せないー”
そんな思いが、典弘の中で爆発したー。
髪もボサボサの状態のままー、
服も男の時に着ていたラフなシャツを着てー、
ひたすらに”何か”を調べ続ける典弘ー。
もはやー、愛梨と付き合い始めて
”楽しそうにしていた可愛い美少女”のような面影は
どこにもなく、
只々、自分を裏切った愛梨に対する怒りと憎しみに
典弘は支配されてしまっていたー。
そしてーーー
彼は、見つけてしまったー。
停学期間中に”恐ろしいもの”を、見つけてしまったー
それはーー…
”男体化”薬ー
「ーーーー」
鏡を見つめながら、典弘は女体化した自分の身体を
怒りの形相で見つめるー。
「俺は、お前のせいで、慣れた性別を捨てて
女になっちまったんだー
ーー色々分からないことだらけだし、
やっぱ、慣れてないから不便だしー
ーーでも、お前が俺が女だったら、付き合ってくれるって
言ったからーーー」
典弘はそう言葉を口にすると、
可愛らしい声なのに、恨みの籠った恐ろしい声で
続けたー
「お前にも、俺と同じ苦しみを味合わせてやるー」
そう言葉を口にした典弘は
”男体化薬”をそのまま注文するー。
不本意な女体化をすることになってしまった自分と同じ苦しみを
愛梨にも味合わせるためにー。
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停学が明けると、
女体化した典弘は、男体化薬を手に、
学校にやってきていたー。
隣のクラスにいる愛梨と廊下ですれ違った際には、
愛梨はかなり気まずそうに目を逸らして、
足早に立ち去ってしまったー。
「ーーーお前も男にしてー、俺と同じ目に遭わせてやるー」
女体化した典弘が、そんな言葉を口にするー。
既に今日、典弘は”男体化薬”を持ってきているー。
それを愛梨に”盛る”チャンスがやってきたら
迷わずに愛梨に男体化薬を盛って
愛梨を”男”に変えてやるつもりだー。
そんなことを思いながら、教室へとやってきた
女体化した典弘ー。
そんな典弘に対して、
典弘とそこそこ親しい男子生徒が近付いてくると、
「ーなぁなぁー最近ー、
せっかく可愛いかったのに、どうしたんだよー?」
と、そんな言葉を残念そうに口にするー。
女体化して、愛梨と付き合っている最中は
長かった髪も既にバッサリと切って短くしていて、
おしゃれも一切しなくなったー。
制服も学校側に許可を取って、ズボンを履いてやってきているような
状態で、”女体化した直後の可愛い雰囲気”は
まるでなくなってしまっていたー。
”女にしか興味がない”と、嘘をついていた
愛梨と付き合うためだけに女体化した典弘からすれば、
”愛梨ともう付き合える可能性が0パーセント”になった以上、
女として過ごす必要もなくなってしまったのだー。
別れた直後はまだ、
”今後の振る舞い次第では”愛梨と復縁できるかもしれない、と、
そう思っていたー
けれどー、愛梨の
”女にしか興味がない”という言葉自体が嘘で、
典弘を”振る”ための口実だったことを知ってしまった以上、
もはや”女”として振る舞う必要もなくなってしまい、
邪魔な髪はバッサリと切り、おしゃれも何もしなくなってしまっていたー。
「ーうるせぇー俺は男だしー」
女体化した典弘が言うと、
友人は「その声と、その胸で言われてもなぁ~」と、
揶揄うようにして言葉を口にするー。
「ーーっっ…!し、仕方ないだろ!
こ、これはこれ以上どうすることもできないんだからー」
声を荒げる女体化した典弘ー。
「へへっ、ムキになるとより可愛い声が出ちゃうよなぁ」
さらに揶揄う友人ー。
「く、くそっー」
不満そうにしながらも”低い声を出す”意識をして
女体化した典弘は黙り込むー。
愛梨の本心を知って以降は、
”女のような声”をなるべく出したくないと、
普段は”低い声”を出すように意識している典弘ー。
しかし、感情的になったり、
咄嗟に声を出すと、ついつい可愛い声が出てしまうー。
「ーお前も女体化させてやろうかー?」
不満そうにそう呟く女体化した典弘ー。
「ーへへー、そんなことできるのかよー?
まぁ、俺は女になれたら喜ぶけどなー」
友人のそんな言葉に、
女体化した典弘は
”そうだー、こいつは女になれたら喜ぶようなやつだったー”と、
そう思いつつも、「俺はこんな風になりたくなかったんだよー」と、
不満そうにボヤくような言葉を口にするー。
「ーーへへへー
代われるもんなら、代わってやりたかったぜー」
ニヤニヤしながらそう言葉を口にする友人ー。
そんな彼が立ち去って行くのを見つめながら
”ーーだからこそー、許せねぇんだよなー”と、
再び、自分が女体化する原因となった”愛梨”への憎しみを
心の中で膨らませていくー。
愛梨が”女にしか興味ないの”などと言わなければ
こんなことにはならなかったのだー。
”見てろー…絶対に俺と同じ目に遭わせてやるー”
そう思いつつ、女体化した典弘は
”復讐のため”の最大のチャンスが到来する時間を
ひたすらに待っていたー。
最大のチャンスー
それは、”4時間目”だー。
4時間目の授業は、典弘のクラスは
”美術”の授業で、
隣の教室…、愛梨のクラスは家庭科の授業だー。
つまり、どちらのクラスも”教室移動”があるー。
そして、そのタイミングこそ
女体化した典弘が”男体化薬”を愛梨に盛る
最大のチャンスだったー。
「ーーぐぐー…トイレに行ってきますー」
典弘は、美術室で美術の先生にそう言葉を口にするー。
”わざと”そのために、3時間目が始まる前ぐらいから
友人の前で”なんか今日は腹の調子が良くないナァ”と
わざとらしく呟いておいたー。
”美術の授業中に”トイレから抜け出しても
誰も不思議に思わないようにするために
”下準備”をしておいたのだー。
そして、目論見通り美術室から抜け出した
典弘は、教室の方に行くと、笑みを浮かべるー。
家庭科の授業を行っている隣のクラスの教室は
当然、鍵が閉まっているー。
がー、典弘は非常階段を経由して
校舎の外から、隣の教室に入り込めることを知っていたー。
隣の教室は一番非常階段に近いためー、
非常階段から外壁を伝って
窓から侵入できるのだー。
しかも”今”はちょうど
”エアコンを使うほど暑くはないけど、窓を開けていないと暑い”という
中途半端な気温ー
隣のクラスの教室も、窓は開けっぱなしであることを既に確認しているー。
「へへへー」
素早く隣の教室に入り込んだ典弘は、
”愛梨”の水筒に”男体化薬”を盛ることに成功して
邪悪な笑みを浮かべるー。
そしてー
「帰り道に落っこちないようにしないとなー」
と、再び教室の窓から外に出ると、
外壁、非常階段の順番に移動して
無事に廊下側へと戻って来るー。
そして、何食わぬ顔で自分の授業が行われている美術室に
戻ると、そのまま授業を受け始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー」
昼休みー
何も知らない愛梨は、教室で友達とお昼を食べながら
水筒のお茶を飲んでいくー。
”すぐには”効果が出ないタイプの男体化薬で
効果が出るのは”次に愛梨が寝るとき”ー
寝ている間に身体の組織を作り変えて、
愛梨を男体化させてしまうー
そんな、恐ろしいものが混ぜられてしまった、ということも
知らずに愛梨はそのままいつものように
水筒のお茶を飲み干してしまうのだったー。
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「ーへへへへへー」
女体化した典弘は、放課後になると
廊下から愛梨の様子を見つめるー。
愛梨が、そんな典弘の視線に気づいたのか、
慌てた様子で帰る準備を始めると、
廊下に出てきて、そのまま逃げるようにして立ち去って行くー。
「ーへへへへへー
明日から、お前も仲間だー。
今までとは違う性別で生きる戸惑いを
一緒に味合わせてやるー」
可愛い顔を歪めながら
女体化した典弘は、そう言葉を口にすると
満足そうにそのまま自分も下校を始めるのだったー。
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その翌日ー。
女体化した典弘は意気揚々と学校にやってきていたー。
「ーさぁ、アイツがどんな風になっているか楽しみだぜー」
そんな言葉を口にして、階段を上るー。
愛梨のいる教室の方にまで足を運んで、
愛梨の姿をチラッと確認するとー
そこにはーーーー…
「ーーーーーー!?!?!?!?!?」
いつも通りの愛梨の姿があったー。
風邪を引いたのか、マスクをしてはいるものの、
いつも通りに見える愛梨の姿を前に、
典弘は表情を歪めるー
愛梨は男体化したはずー?
それなのにー…?
戸惑いの表情を浮かべると同時に、
女体化した典弘は悔しそうな表情を浮かべると
一旦、そのまま自分の教室へと戻って行くのだったー
<後編>へ続く
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コメント
今週から私のお仕事の都合上、
予約投稿の日が土曜日になりました~!!
(火曜日はその日に書いて普通に更新する日に戻りました~!)
なので、土曜日の作品はその都合で
続きが来週になってしまいますが、
気長に待っていて下さいネ~!!
今日もありがとうございました~~!

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