事故で女子大生と赤ちゃんが入れ替わってしまったー…!?
赤ちゃんになってしまった女子大生は
自分の身体がどうなっているのか、見に行くこともできないままー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ー最近、少し疲れてるように見えるけど、大丈夫かー?」
同じ大学に通う彼氏の島野 佳弥(しまの けいや)が、
心配そうにそう言葉を口にするー。
そんな言葉を聞いて”心配かけちゃったかなー”と、思いつつ、
彼女の星川 希海(ほしかわ のぞみ)は、
「ーあははー大丈夫ー」と、笑いながら、
”最近、バイト先で一人辞めちゃってー、シフトが増えちゃっただけだからー”と、
少し疲れてそうに見えている理由を口にするー。
嘘はついていないし、
他に特に悩んでいることはないから、
疲れているとすれば、多分、シフトが増えたことだと
自分でもそう思いながらそう答えると
「ーーえぇ…?あんまり無理するなよー?」と、佳弥は心配そうに
言葉を口にしたー。
「うん。店長もバイトの募集かけてるし、新しい人が来れば
また元通りになると思うからー」
希海のバイト先は書店ー。
バイト先の設備や、店長などの一緒に働く人々たち、
そういった環境はとても良いらしく、希海も今のバイト先を
気に入っていると言っていたー。
だからこそ、急に人が減って困っているバイト先を
助けたいという思いも強いのだろうー。
「ーーそれならよかったー。」
彼氏の佳弥も少し安心した様子で静かに頷くと、
希海は「ーちゃんと睡眠時間は確保できてるから大丈夫!」と、
そう言葉を付け加えたー。
「ーーーあ!希海~!
また、彼氏とイチャイチャしてるの~?」
そこに偶然通りがかった希海の親友の
騒がしい性格の女子ー、
住谷 美彩(すみや みさ)が声をかけて来るー
「ーべ、別にイチャイチャしてるわけじゃー…!
普通に話してただけだよ!」
希海が少し顔を赤らめながら言うと、
美彩と希海のやり取りを見つめながら
彼氏の佳弥は”またやってるー”と言わんばかりの表情を
浮かべつつも、微笑ましそうに
その様子を見つめていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その帰り道ー。
電車に乗って家を目指していた希海は、
”今日はバイトはないけどー、明日はまた朝からだから、
早めに寝ないと”と、
そんなことを考えつつ、電車に揺られていたー。
明日は大学は休みー。
ただ、書店のバイトが朝からのシフトであるために、
結局、朝早くに起きなくてはいけないー。
「ーーも~泣かないの~!」
ふと、そんな言葉が聞こえて希海は
少しだけその声がした方向を見つめるー。
そこには、ベビーカーに乗せられた
まだ歩くことも、きちんとした言葉を発することも
できなさそうな感じの赤ちゃんがいたー。
赤ちゃんがなかなか泣き止まずに
母親は困っているようだー。
”ーー大変そうだなぁー…”
希海は、赤ちゃんが泣いている光景を見つめながら
そんなことを思うー。
電車に揺られながら、特にやることもなかったために
”わたしもいつかあんな風になるのかな~…”などと、
彼氏の佳弥との未来について考えるー。
もちろん、佳弥とそのまま結婚までたどり着くかどうかは
分からないー。
佳弥のことは好きだし、順調にいけば
そんな未来を希海は望んでいるけれど、
相手もいることだし、
希海自身、この先佳弥と付き合っていくにつれて
何か嫌なところが見えて来る可能性も
完全に”0”とは言い切れないー。
”もしも、子供が生まれたりしたらー
名前はどうしようかなぁ~…”
”ー出産とかやっぱり痛そうだよねー”
電車の中の空き時間で、
そんなことを考えていたその時だったー。
電車が突然、急ブレーキを踏んだーーー
あまりにも強い急ブレーキーー。
希海も、周囲の乗客も、
身体ごと吹き飛ばされてしまうー。
「ー!?!?!?」
何が起きたのか分からないまま、
身体ごと宙に浮かんだ状態で、
希海が見たのはーー
目の前に迫ったベビーカーに乗る赤ちゃんの姿だったー。
それと同時に強い衝撃を感じて、
希海は意識を失ってしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーーーーー」
希海が、意識を取り戻すー。
そこはー、駅のホームのようだったー。
ただー、目の見え方が何だかおかしいー
それに、声も上手く発することができないし、
何より身体が上手く動かないー。
”何か”に乗せられているような、
そんな感じがするー。
”わたしー…怪我したのかなー…?”
電車の走行中に急ブレーキが踏まれてー、
そして、電車内で宙に投げ出されたところまでは
覚えているー。
ただー…
そのあとは分からないー。
けれど、いずれにせよ”駅”の風景で目を覚ましたということは
死んではいないー。
希海は、そんなことを最初に思ったー。
「ーーこの子は救急車へー。
他の乗客は、重度なけが人はいませんー」
駅員たちが何やら話しながら、
若い女を担架のようなものに乗せて運んでいるー。
「ー身元は?」
「ーー大学生のようですー」
そんな会話も聞こえたー。
”ーーーわたし以外にも、怪我した人、いたんだー”
そう思いつつ、自分もあの担架と同じようなものに
乗せられているのだろう、と、そう感じつつ
身体を起こそうとするも、やはり身体を起こすことができないー。
目がぼやけるー。
何故だろう、と思いつつ、
何とか周囲の状況を少しだけ確認しようとすると、
自分が”ベビーカー”のようなものに乗せられていることに気付いたー。
「えっ…!?」
思わず困惑の声をあげてしまうー。
がー、その声は自分で発しようとした言葉とは違い、
”うめき声”のようなものになって発されたー。
「ーーあ、優斗(ゆうと)ーよかったー
全然起きないから、心配したのよー?」
うめき声に続いて、そんな言葉が発されて
知らない女性が、顔を覗き込んでくるー。
妙に大きく見えるその女性はーー
先程、電車内で泣き叫ぶ赤ちゃんに困り果てた表情を
浮かべていた”母親”だったー。
「ーーー!?!?!?!?」
希海が困惑の表情を浮かべるー。
「優斗ー、大丈夫だから、もうちょっと待っててね~」
母親らしき人物がそう言葉を口にするー。
そんな言葉と共に、母親が希海の手を握って来るー。
希海のことを、”優斗”と呼びながらー。
そして、掴まれた希海の手はーーー
”な、な、何これー…!?”
掴まれた希海の手は”赤ちゃんの手”のような形をした
小さな手になってしまっていたー。
”ーーい、いったい、どうなってるのー!?”
希海は、自分がベビーカーに乗せられていることー、
そして、電車内にいた赤ちゃんを連れた母親らしき人物が
自分のほうを心配そうに見つめながら”優斗”と呼んでいるー。
加えて、自分の”手”はまるで赤ちゃんのような状態ー。
”ーーー……ど、どういう…ことー?”
そう考えながら、困惑の表情を浮かべる希海の身体はーー
電車の中で泣いていた赤ちゃんー…”優斗”の身体に
なってしまっていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”希海”は病院に運び込まれていたー。
電車の急ブレーキの際に頭を打ち付けて怪我をしていること、
その希海がずっと”赤ちゃん”のように泣き続けていて、
何も喋らないことから、
駅から、病院に緊急搬送されていたー。
が、幸い、”脳”には異常はなくー、
頭を打ってはいたものの、
数日間安静にして様子を見ることで
”それに関しては”大丈夫とのことだったー。
しかしー…
どうにも、希海の様子がおかしいー。
脳に異常はないはずなのに、
ずっと、まるで赤ちゃんかのように泣き続けていて、
周囲と意思疎通をすることはできなかったー。
病院の医師や、看護師たちはその状況を前に
只々困惑するー。
「ーーーー希海ー」
そんな状況を聞きつけた彼氏の佳弥も、
入院中の”希海”の元を駆け付けるー。
”希海”はベッドの上で足をばたつかせては
赤ちゃんのように泣きじゃくっているー。
「ー希海ー俺だー分かるかー?」
佳弥がそう言うも、”希海”は、さらに大声を上げて
泣き出してしまうー。
「~~~~~~~」
そんな希海の反応を前に、心底戸惑ったような表情を浮かべる佳弥ー。
今の希海が、ひらすら泣きじゃくっている状況かつー、
佳弥のことも認識できていないのは、無理もないー。
何故ならー、希海の中身はー
ベビーカーに乗せられていた赤ちゃんの”優斗”なのだからー。
「ー先生…希海はいったいー?」
佳弥が、偶然病室にやってきた担当の先生に対して
そんな言葉を投げかけると、担当の医師も
少し困り果てたかのような表情を浮かべながら口を開いたー。
「星川さんはー、精密検査の結果、脳自体には
異常は見つかっていませんー」
とー。
意識を取り戻した希海(優斗)が、赤ちゃんのように
泣き続けていて、意思疎通が困難である状況を前に、
脳の精密検査が行われたー。
しかしながら、いずれの検査を行っても、
希海の脳には異常は見当たらなかったのだと言い、
担当医はこう推測したー。
「恐らくは電車の事故に巻き込まれた
ショックによるものであると思われますー。
一種の記憶喪失のようなー…
いつ、とは具体的には申し上げられませんが、
しばらく休んで落ち着けばだんだんと回復していくと、
そう考えていますー」
担当医の言葉に、佳弥は「ーそ、そうですかー。それじゃ希海は
元に戻るってことですねー?」と、そう確認するー。
「恐らくはー
ただ、医学的な異常が見つかっていないために、
確実にそう、とは現時点では申し上げることはできませんー」
担当医はそこまで言葉を口にすると、
希海(優斗)の様子を確認し始めるー。
希海(優斗)は少しだけ笑ったりすることもありながら、
まともな言葉を発さず、
うめくような声を出したり、まるで”赤ちゃん”のような
言葉にならない言葉を発しているー。
「希海ー……」
佳弥は、そんな希海(優斗)の様子を心配そうに見つめながら、
静かに言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤ちゃんになってしまった希海ー、
優斗(希海)は、ようやく自分が
電車内で見かけたベビーカーに乗せられていた赤ちゃんに
なってしまっていることを理解していたー。
”どうして、こんなことにー…?”
優斗(希海)はそう思いながら、
家の赤ちゃん用のベッドで寝転がっていたー。
先程、”立ち上がろうと”したものの、
自分で立ち上がることもできずに、
ハイハイをするのがやっとで、
満足に移動することもできなかったー。
そして、まだ言葉をちゃんと発することもできない様子で
”優斗”の母親の幸恵(ゆきえ)にも、状況を説明することができないー。
”ーーーどうしようー…これじゃ、どうにもできないよー…”
心底戸惑った様子で優斗(希海)は、心の中でそう呟くー。
心の中で呟くことは出来ても、
それを外に伝えることができない状態もまた、心苦しいー。
”それにー…”わたし”はどうなったんだろうー…?”
優斗(希海)は言いようのない不安に襲われるー。
自分が、この赤ちゃんの身体になっているということは、
希海の身体はどうなってしまったのだろうー。
それを”確認”する方法すら存在しないー。
”希海”は死んでしまって、幽霊になって
近くにいたこの赤ちゃんに取り憑いてしまったー…
そんな可能性も当然あるし、
希海自身は死んだわけじゃないけれど、
何らかの理由で、希海は優斗になってしまって、
希海の身体は昏睡状態になっている可能性もあるー。
希海は、”入れ替わっている”などという可能性には
今のところ考えが及ばずに、こうなってしまった直前の
電車の事故のことを思い出すー。
”たしか、わたしが最後、電車の中で投げ飛ばされた時ー…”
必死にその時の記憶を自分の中で探っていく希海ー。
たしかー、意識を失う直前に
ベビーカーに乗っているこの子に激突しそうになったー、
そんな記憶が残っているー。
「ーーーー……」
優斗(希海)は少しだけ息を吐き出すとー、
”ダメ…分からないー”と、
困惑の表情を浮かべるのだったー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
赤ちゃんと入れ替わってしまって、
”自分”がどんな状況になってしまっているのかも
確認できない状態…!
色々と大変そうですネ~!
続きはまた明日デス~!★!

コメント