<入れ替わり>声も身体に合わせてほしい①~声~

入れ替わり棒を使って
入れ替わった二人ー。

しかしー…問題が一つあったー。

それは”声が中身の声”であることだったー。

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現在同居中の大学生カップルー。

二人は”ある共通の趣味”がきっかけで
付き合い始めたカップルだったー。

その”共通の趣味”とは”入れ替わり”ー。

道端でぶつかったり、何らかの薬を飲んだり、
敵の魔法によって身体を入れ替えられてしまったりー、
階段から転落したり、乗り物の事故に巻き込まれたりー…
様々な原因によって起きる”入れ替わり”ー

そんな物語の数々が、二人は大好きだったー。

お互いに”入れ替わりが大好き!”などとは、
表立ってはなかなか言えず、
周囲にはあまり”入れ替わり”の話はせずに、
生きてきたものの、
大学の学園祭の最中に、偶然大学内で
”ぶつかった”ことをきっかけに
二人は相手が入れ替わり好きであることを知り意気投合ー、
それから1年以上経過した今、
こうして一緒に暮らすまでの間柄になっていたー。

「ーーやっぱりこうやって入れ替わった後に恥ずかしがったり、
 戸惑ったりしてる姿っていいよね~」

そう言葉を口にしながら、ご飯を口に運んでいるのは、
彼女の笹倉 詩織(ささくら しおり)ー。

「ーーはははーそうだなぁー
 でも、慣れてきて”元の自分に戻れなくなるかも”みたいなやつも
 俺は好きだなー」
彼氏の村岡 尚道(むらおか なおみち)も、笑いながら
”入れ替わりトーク”を楽しむー。

今日も”入れ替わりモノ”のアニメを二人で見ながら、
食事をしていた二人ー。

ふと、尚道が彼女の詩織が食べているご飯を見つめながら
苦笑いするー

「またー…”入れ替わり”をおかずにしてるのかー?」
尚道がそう言葉を口にすると、
何もかけていない真っ白なご飯を食べながら
詩織は「ーーえ?うんーそうそうー」と、笑いながら頷くー。

「ーー入れ替わり見てるだけで、ご飯が美味しいしー」
詩織はそう言うと、
「尚道も、やってみなよ~!美味しいよ?入れ替わりご飯!」と、
そんな言葉を口にするー。

「いやぁー…俺はおかず欲しいかなぁ…映像じゃなくて食べ物のー」
と、ご飯の上に鮭フレークを乗せながらそれを口に運ぶー。

彼女の詩織は
”入れ替わりだけでご飯は何杯でも食べられる”と、豪語していて、
”入れ替わりを見ながら食べるご飯は何よりも美味しい”などと
言っているほど、入れ替わりが大好きだー。

実際には、常に体重も気にしていて、そんなに何杯も
食べることはないけれど、
その気になれば、入れ替わりだけで何杯でもおかわりできるー…
と、本人はそう言っていたー。

「ーでも、詩織みたいに入れ替わりが好きな人がいるなんて、
 ホントに、大学に入るまでは思わなかったよー」
尚道が懐かしむようにしながら言うと、
詩織は「ふふー確かにそうだよねーわたしもびっくり」と、
穏やかに笑うー。

「ーいや、特に女子にそんな子がいるなんてー」
尚道が心底驚いたようにして言うと、
詩織は「ーーえ~?普通にいるでしょー?」と、
少しだけ笑うー。

「別に入れ替わり=男子なんて決まりはないんだしー
 わたし以外にも好きな人いっぱいいると思うよー」
詩織が笑いながらそう言うと、
尚道は「そうかなぁ~…?」と、不思議そうに呟くー。

「ーーいるいる!
 ほら、フォロワーさんにも”いちごさん”って人、
 いるでしょ?
 あの人もそうだしー」

詩織が、SNSの話題を口にするー

”いちごさん”とは、詩織や尚道ともSNSで繋がっている
入れ替わり好きの女性のことのようだー。

「ーーま、まぁーー確かにー」
尚道はそう言いながら、
「でも、俺と詩織の場合、出会い方もあんな出会い方だったしなぁ」
と、当時のことを思い出すー。

尚道と詩織はー、
同じ大学に通っていながら、
特に深い接点はなくー、
”見たことがある”ぐらいの間柄だったー。

そんな二人が”ちゃんと相手を認識するきっかけ”になったのが
去年の学園祭ー。

去年の学園祭の際ー、
二人は大学内を移動している時に”偶然”
曲がり角でぶつかってしまったー。

結構、思いっきりぶつかってしまいー、
尻餅をついた尚道は、”つい”
入れ替わりモノの見過ぎか、自分の身体を確かめるような、
そんな仕草をしてしまったのだー。

そんな様子を見て、詩織が少しだけ笑うー

「ーー…あー」
尚道はすぐに我に返って、
”入れ替わったりしていないか確かめる”ような行動を取ってしまったことに
顔を赤らめながら
「い、いやーそ、そのーごめんー俺の不注意でー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーううんー。わたしこそごめんなさいー
 怪我はないー?」
詩織がそう言葉を口にすると、尚道は静かに頷くー

そしてーー
「ーところでさっき、”何”をしてたの?」と、
笑いながら詩織はそんな言葉を口にしたー

「えっー…いや、あのー」
尚道は顔を赤らめたまま目を逸らすー

まさか”入れ替わっちゃったりしてないかどうか確認した”
などとは言えないー。

入れ替わりモノの見過ぎで、
つい無意識のうちに、そんなリアクションを取ってしまったのだー。

「ーーーー」
詩織は、そんな尚道のほうを見つめながら、
”何かを言いたげ”な表情を浮かべるー。

実は詩織も、似たようなリアクションをうっかり取りそうになってしまい、
尚道のほうを見たら”自分の身体を確認するような動き”をしていたのが見えて
”あれ?もしかしたらこの人ー?”と、入れ替わりの話題を
口にしたかったのだー。

しかしー、
詩織の”入れ替わりのことを聞きたい”と、何か言いたげにしているのを見て、
尚道は”あぁ、俺、変な人に思われてるー”と、誤解して、
慌てた様子で「あ、あのー…えっとー、き、昨日ー、ちょうど
そういう映画を見てー」と、咄嗟に誤魔化すような言葉を口にするー。

この時点の尚道は、詩織のことは”見たことある”程度の認識だったし、
親しいわけではなかったけれど、
でも、こんな優しそうな子に”変なやつ”だと思われたくない、と
そう思ったのか、必死に言い訳を続けるー。

”昨日、ぶつかって入れ替わっちゃう映画を見たから
 つい、それがまだ印象に残っていてー”などと、
相手次第では、余計に引かれてしまいそうな、そんなことを必死に
口にするー。

「ーーーー入れ替わりー?」
必死に喋っていた尚道に対して、それを聞いていた詩織は
そう言葉を口にすると、
尚道は顔を真っ赤にしながら「ご、ごめんーわ、忘れてー
と、とにかく、俺の不注意でごめんー」と、
それだけ言い放つと、足早に立ち去ろうとするー。

がーー

「ーー好きなの?入れ替わりー」
立ち去ろうとした尚道を、詩織がそう呼び止めたー。

「ーーーえ?」
まだ赤らんだ顔のまま振り返った尚道は
「ーーえ…いや、あのー…」と、
変な目で見られると思い込んで、
「す、す、す、す、好きというかー、たまたまー」と、
そう言葉を口にするー。

詩織はそんな尚道のほうを見つめながら
意を決して「ーーわ、わたしも、そういうの好きー」と、
そう言葉を吐き出すと、
尚道は「え」と、困惑した表情を浮かべてから
「ーーホントに?」と、そう聞き返すー。

「ーー嘘じゃないよー。
 えっとー」
詩織はそう言葉を口にすると”入れ替わりモノ”の名前を
複数挙げてみせるー

それを聞いた尚道は「ーーーす、すげぇー…」小声で呟きつつ、
”よく知ってるなぁ”と、感心した様子でそう言葉を口にすると、
詩織は「あ、そうだーせっかくだし、このあと、お昼一緒に食べないー?」と、
そんな言葉を口にするのだったー。

それが”二人の入れ替わり好き”の出会いー。

そして、それから1年ちょっとー
今では二人で同居するような状態になっていたー。

「俺、絶対、変な奴だと思われてるって思って
 滅茶苦茶焦ってたなぁ」
当時を思い出しながら、尚道が苦笑いすると、
詩織は「あははー…わたしはー”えっ!?えっ!?もしかしてこの人!?”
って感じで、”入れ替わり好きなのか聞かないと!”ばっかり
考えてて…」と、笑うー。

「ーはは、でも、詩織が勇気を出して聞いてくれてよかったー
 あのまま、会話が終わってたら今、こうして一緒にいることも
 なかったと思うしー」
尚道がそう言い放つと、詩織も「うんーそうだねー」と、嬉しそうに笑うー。

そんな、入れ替わり好きのいつもの日常ー。

がー、詩織が”それ”を見つけたのは
その翌日のことだったー。

「ーねぇねぇ、これ、面白そうじゃない?」
詩織がスマホを手に、何やらそれを見せて来るー。

「ん?どれどれ?」
尚道が詩織のスマホを確認すると、
そこには”お互いに握ることで、相手と入れ替わることができる棒”の
商品紹介ページが表示されていたー

「ーははは、確かに面白いなぁー
 しかも、ホントに入れ替われるみたいなこと書いてあるー」
笑いながらそう呟く尚道ー。

詩織は「飾りに買っちゃう?」と、笑いながら尚道に確認すると、
尚道も「ははー、じゃあ、買っちゃおうか」と、そんな言葉を口にしたー

もちろん、二人とも
その”入れ替わり棒”などと書かれたものが、
本当に入れ替わることができるものであるなどとは微塵も思っておらず、
あくまでも”家に飾るもの”として、購入しただけー。

けれどーーー

それが届いた当日ー。

「ーわ~!すごい!何だか本当に入れ替われそうな気がするね!」
詩織が、届いた”入れ替わり棒”を見つめながら嬉しそうに笑うと、
尚道も「ははー随分、詳しく説明書に色々書いてあるー」と、
説明書のほうを、面白そうに見つめるー。

「ーーどれどれー」
興味深そうに説明書をじっくりと眺める尚道。

やがて、説明書を読み終えると、
「このスイッチを入れてお互いに棒を握って30秒待つと
 身体が入れ替わるんだってさ」と、笑いながら言うー

「あはは!なんだかおもちゃみたい!」
詩織はそう言いながら、「一度、やってみる?」と、
ついでに”入れ替わりごっこ”でもしようかなー?などと
考えながら、入れ替わり棒を手にするー。

「ーーって電池式だー。単4電池8本ー」
尚道が説明書を読みながら言うと、
詩織は「えぇっ!?電池式?しかも本数多くない?」と苦笑いするー

「はははー確かにー」
尚道はそう言いながら、ちょうど他のことで使っていた乾電池を
用意して、それをセットするー。

「おもちゃの鉄砲みたいにピカピカ光るのかな?」
そんなことを口にしながら、説明書に書かれた通りに
”入れ替わり棒”を握る尚道ー。

反対側の部分を握りながら詩織も
「30秒、握っていればいいんだよね?」と確認するような言葉を
口にしながら、ワクワクした様子で、
時計のデジタル表示を見つめるー。

入れ替わりが好きなカップル以外からしたら、
二人が何をしているか分からない、そんな光景ー。

そして、30秒が経過するとー、
突然、入れ替わり棒が光を発し始めたー。

「ーーおぉ!?」
「あっ!」

思ったよりまぶしい光に驚く二人ー。

そしてーーー

「ーーーえ…?」
気付いた時には、
”自分”が目の前にいたー。

「ーーーえ…????」
尚道は驚くー。

目の前に”尚道”ー
つまり、自分自身がいるー。

それが、示すことはーー…
”何”なのか、入れ替わり好きの彼には、すぐに理解できたー

「ーーーう、嘘だろー?」
そう言葉を口にしながら、自分の身体を見下ろすと、
そこには、自分自身の本来の身体ではなく、
彼女である詩織の身体が見えるー。

「ーーーわ、わたしたちー、本当にーーー?」
尚道になった詩織も、呆然としながら
目の前にいる詩織(尚道)を見つめるー。

「ーーい、入れ替わってー」
詩織(尚道)がそう言い放つとー、
ふと”あること”に気が付くー。

入れ替わったことに対する驚きと、
”いつもの声”だったから気付かなかったー。

がー……
入れ替わりにおいて、
少なくとも二人にとっては、とても”大事なこと”に
気が付いてしまったー。

それはーーー

「ーーーって…”声”そのままじゃん!」
詩織になった尚道が思わずそう叫ぶー。

「あっー…た、確かにー」
尚道になった詩織も戸惑いながら言葉を口にするー

そうー
入れ替わってしまった二人はー、
”声”は自分のもののままー…

詩織になった尚道が発する声は、
詩織の声ーーー
ではなく、中身ー…”尚道”の声のままだったーー。

②へ続く

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コメント

入れ替わり好きの二人が
入れ替わるお話デス~~!!!

声が…中身のまま…!!

物語の中の二人にとっては、
とっても大事なことなのデス…!

続きはまた明日~!★!

コメント

  1. TSマニア より:

    フォロワーのいちごさん!?名前カワイイのデス笑

    平和な入れ替わりカップルのステキな出会いですネ♪♪

    入れ替わり棒で入れ替わりに成功っ!!

    入れ替わっても声は魂のままだとドラゴンボ◯ルのボディチェンジですネ!☆

    無名さんと入れ替わり棒で入れ替わりたいのデス( *´艸`)笑

    個室から出なければ安心ですネ笑

    無名さんのカラダと自分のカラダが入れ替わって声は魂のままのギャップ面白いのデス(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!

      いちごさん(※架空のひと)とも
      話が合いそうですネ~笑

      私の身体からTSマニアさまの声が…!?

      • TSマニア より:

        いちごさんって名前もいいし入れ替わり好きなのもいいですよネ!☆

        入れ替わり棒に電池が必要で別売だし重要ですよネ笑

        個室で無名さんと入れ替わる時に電池が足りなくなったりしないように

        アルカリ乾電池を沢山、用意しておきますネ(^_-)☆笑

        無名さんのカラダから自分の声が…!?笑

        自分は気にしないで無名さんのカラダでミニやショーパン履いてオシャレしちゃいますネd=(^o^)=b笑

        続きの②も楽しみにしてますネ♪♪

        • 無名 より:

          入れ替わり棒のために電池を
          たくさん買っておかないとですネ~!!

          でも、入れ替わる時だけ電池が
          入っていれば大丈夫なのかも…?デス!