<憑依>身体を賭けたおとり捜査②~作戦~

憑依を悪用する犯罪組織に
あえて”憑依”されることで、
組織の情報収集をしようと、自らの身体を賭けた女性捜査官ー。

その先に待っている運命はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー”憑依”には無事に成功しましたー」
憑依された野々花が笑みを浮かべながら、
捜査官らしいスーツ姿のままそう言葉を口にすると、
犯罪組織・アビスのリーダー、魔崎は
「言われなくてもわかるさ」と、それだけ言葉を口にすると、
飲んでいたワインのグラスを飲み干してから、
そのまま野々花にキスをしたー。

「ーー!?!?!?!?」
驚きの表情を浮かべる野々花ー。

魔崎はそんな野々花から離れると、
「ー何だ?イヤか?」と、笑みを浮かべるー。

「い、いえー」
野々花は顔を赤らめながら、
「ーーまだ憑依したばかりで、男とキスをすることの心の準備がー」と、
野々花に憑依している犯罪組織アビスの幹部・敷本は
そう言葉を口にするー。

「ーーククーそうか。
 まぁ、今夜は存分にその身体を楽しむといいー。」
魔崎がそう言うと、
野々花はニヤニヤと自分の胸をスーツの上から見つめながら
「ありがとうございますー」と、そう言葉を口にすると、
「ー”例の部屋”使っても?」と、邪悪な笑みを浮かべながら確認するー。

「ーーあぁ」
魔崎はそう言葉を口にすると、そのまま野々花の前から立ち去っていくー。

”例の部屋”とは、憑依で乗っ取った身体を使って
楽しむための部屋だー。
そこには、数々の”衣装”や、”おもちゃ”が置かれているー。

”他人に憑依した構成員”たちの娯楽のために作られた部屋ー。

「ーーへへへへへー
 どうだー?自分が捜査してた組織の男に憑依されて
 好き放題される気分はー」
野々花はニヤニヤしながら、今や自分の身体になった野々花の
身体を見下ろしながら嬉しそうにそう言葉を口にすると、
「ーふふふー今夜はわたしの全部を見せてあげる♡」と、
野々花本人に言わせているかのようなセリフを口にしながら
嬉しそうにそのまま”憑依部屋”へと向かって行くのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーそうかー」
”アビス対策班”の班長・宮根は、
捜査官の葵から”先輩は無事に憑依されたようですー”と、
そう報告をするー。

偵察・尾行を得意とする彼女は、
憑依されるために行動していた野々花のことも、監視していて、
野々花が無事に憑依されたことを確認していたー。

「ーでも班長ー。
 記憶を読まれたりする心配はないのですかー?」
葵が不安そうに聞くー。

がー、宮根班長は言うー。

「現在、犯罪組織アビスが使っている憑依薬は
 ”記憶”を読むことができないタイプだー。
 憑依された西山の記憶が読まれてしまう可能性は低いー」

とー。

もしー、憑依された野々花から記憶を読み取られてしまえば、
野々花の目的も分かってしまいー、
下手をすれば犯罪組織アビスに処分されたり、利用される可能性があるー。

がー、その点は事前調査でしっかりと調べてあるー。

現時点では、犯罪組織アビスは”記憶を読めるタイプの憑依”は出来ず、
しかも、記憶を抽出するようなそんな技術は有していないー。

「ーーーーー」
葵は、憑依された後の野々花の表情を思い出すー。

”憑依”された人間のことは、アビス対策班に所属する葵も
見たことはあるー。

しかし、やはり、何度見ても恐ろしい。
身も心も一瞬にして支配されてー、
外見以外は別人になってしまう光景を目の当たりにするのはー…

「ーー引き続き、監視を頼むー。
 万が一、西山の身に危険が迫っている兆候を感じたら
 すぐに石島に連絡するんだー」

宮根班長はそう言葉を口にするー。
派手な髪型の軽そうな男性捜査官・石島 暁人が、葵の方を見つめながら
「ーヤバい時は、俺がすぐに西山さんを確保するからなー」と、
そう言葉を口にすると、葵は「はいー」と、そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーねぇ、それでーわたしに教えてほしいことがあるんだけどー」

数日後ー
憑依された野々花は、妖艶な格好で”男”を誘惑していたー。

犯罪組織アビスと敵対する組織の男から、
色目を使って情報を引き出しているようだー

”ーーーー”
その様子を物陰から監視している葵は心を痛めるー。
作戦のためとはいえ、憑依されている先輩を見るのは、苦しかったー。

「ーーふふー」
野々花は男にキスをしながら笑みを浮かべるー。

妖艶な服装に、派手なメイクー
喋り方も含めて、とても”よく知っている先輩”とは思えなかったー。

でもー、正真正銘、
あそこにいるのは野々花ー。

やがて、野々花は、別の犯罪組織の男と移動を始めて、
そのままホテルへと入っていくー。

”ーー先輩ー”
葵は怒りに震えながらも、
任務のためと、それに耐えるー。

先輩に憑依した人間が好き放題していることに、
激しい怒りを覚えつつも、葵は私情で行動を起こすことはしないー。

「ーーー」
特殊な方法で、部屋の様子を探る葵ー。

野々花の喘ぎ声が聞こえてきて、葵は思わず耳を
塞ぎたくなるも、それに耐えるー。

やがて、野々花は男から情報を聞き出すことに成功したらしく、
笑みを浮かべながらその場から立ち去っていくー。

”先輩の身体でー…許せないー”
葵はそう思いつつも、野々花の”脳”に色々な情報が蓄積されていくまでー
1ヵ月間、憑依された野々花を野放しにしなければいけないことは
ちゃんと分かっているために、心の中の怒りとは裏腹に、
冷静に監視を続けていくー。

「ーー先輩は、アビスのアジトらしき場所に入っていきましたー」
葵が無線でそう連絡すると、
宮根班長は”了解したー”と、それだけ返事を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”ーーー定期報告だー。
 アビスの情報は手に入ったかー?”

野々花が憑依されてから1週間後ー。
宮根班長は、憑依されている野々花にあえて連絡を入れたー。

”野々花が潜入捜査のために、幹部の敷本に接近していて
 それに失敗して、憑依されてしまったものの、
 まだアビス対策班はそれに気づいていない”ということを
演出するためだー。

「ーーアビスの情報管理が思ったより厳しくて
 苦戦していますー。
 ただ、いくつか情報がー」
野々花に憑依している敷本は”適当な報告”をするー。

アビス側としては、まだ”野々花は正気”だと思わせておいて
アビス対策班から情報を得ようとしているのだー

”分かったー。引き続き頼む”
宮根班長がそう言うと、
野々花は「はいー」と、言いながら連絡を終えるー。

そして、邪悪な笑みを浮かべると、
「ーお前の部下は、もう、”俺のもの”なんだよー」と、
胸を触りながら、そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーほら、言いなさいー。
 何をコソコソしてたの?」

数日後ー。

犯罪組織アビスの中に”裏切者”が、出たようだー。
元々、”冷徹な悪鬼”と恐れられている幹部の敷本は、
野々花の身体で嬉しそうに、裏切者の男を拷問していたー。

「ーーふふふふー
 この女みたいに、お前の身体にも誰かを憑依させてもいいんだぞー?」
野々花が邪悪な笑みを浮かべながら言うー。

電気鞭のようなもので、裏切者を拷問しながら
悪女のように笑う野々花の姿は、
とても現役の捜査官とは思えないほど、
邪悪だったー。

「ーどうだ?敷本ー」
リーダーの”魔崎”が姿を現すと、
ボンテージ姿の野々花を見て、
「ーーいい趣味してるな」と、笑みを浮かべるー。

「へへーどうも。せっかく女の身体を奪ったので
 楽しみながら拷問しようかとー」
野々花がそう言うと、
リーダーの魔崎は笑みを浮かべながら
”裏切者”の方に近付いて行くー。

「ーーーお前もいい趣味してるなー」
魔崎は裏切者に声を掛けると、
”お前は裏切りが趣味だったとはな”と笑うー。

そんな言葉に、
組織を裏切ろうとした男は、怯えた表情で
「魔…魔崎さんー」と、そう言葉を口にするー。

「ーーまぁ、その趣味のせいでお前は死ぬんだー」
魔崎はそう言うと、焼き鏝のようなものを手に、笑みを浮かべるー。

彼が”拷問”をするときによく使う手法だー。

がー

チラッと、憑依された野々花の方を見つめると、
「いやー、今回はお前に任せよう」と、そのまま魔崎は
裏切者から離れるー。

「ーへへーありがとうございます」

「ー存分に楽しみながら拷問しな」
魔崎はそれだけ言うと、野々花の近くから立ち去っていくー

野々花に憑依している敷本は、
悪の女王のような振る舞いを楽しみながら、
裏切者に拷問していくー。

野々花の手が血に汚れていくー。
全ては、犯罪組織アビスを崩壊させるためー。
そのために、自ら憑依される道を選んだ野々花ー。

けれどー、
こんな格好をさせられて、
こんなに悪い表情をさせられてー
嬉しそうに人を拷問することになってしまうとは、
夢にも思っていなかったかもしれないー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”ー先輩が、人を殺しましたー”
捜査官の葵が、”憑依されている先輩が裏切者を拷問した挙句、
殺したらしい”という情報だけ手に入れて、
それを班長の宮根に報告するー

宮根は険しい表情を浮かべながら
「憑依中の罪は、全て不問にする手続きを行っているー問題ない」と、
そう返事をするー。

がー、
”でも、先輩を確保したあと、先輩の脳に残った記憶を呼び起こす時、
 全部思い出すってことですよねー?”
葵が心配そうに言うー。

憑依されている間の記憶を呼び戻して、
それを元に犯罪組織アビスの情報を手に入れるー。

が、それをすれば憑依されている間に犯した罪も
全て、野々花は思い出すことになるー。

「ーーそうだ。だが、それが西山も覚悟の上だー
 覚悟した上で、憑依された」
宮根班長がそう言葉を口にすると、
近くにいた軽口の捜査官・暁人が少しだけ表情を曇らせるー。

「ーー班長ー状況は?」
暁人がそう言葉を口にすると、
「ー今のところは想定の範囲内だー」と、宮根班長は
そう言葉を口にするー。

暁人は少しだけ目を細めると、
宮根班長が立ち去っていくのを見て、表情を再び曇らせるー。

「ーーーそう、上手く行くもんかねー…」
彼はこのミッションには、あまり乗り気ではなかったー。

宮根班長は、”犯罪組織アビス”を甘く見ているのではないか、と、
そう思わずにはいられなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーこの者たちを殺せ」

野々花が憑依されてから3週間ー。
首領の魔崎は、野々花に向かって2枚の写真を手渡すー。

「ーこいつらは?」
ラバースーツ姿の野々花が言うと、
魔崎は笑みを浮かべたー

「その女の両親だー」

「ーー!」
野々花が少しだけ驚くと、
魔崎は「ー”もしも”この先、その女が正気を取り戻したりした場合の保険だよー。
どんなに気の強い女でも、自分が憑依されている間に、自分の親を殺したと
気付けば、穏やかではいられないだろう?」と、笑みを浮かべるー。

「ーへへー分かりましたー」
ニヤッと笑みを浮かべる野々花ー。

「ーその身体だー。その二人に近付くのは簡単だろうー。
 任せたぞー」
魔崎はそれだけ言うと、そのまま奥の部屋に向かって歩いていくー。

野々花はニヤッとしながら写真を見つめると、
そのまま犯罪組織アビスの本部を出て、
自分直属の配下たちが待機しているバーのようなところに移動するー。

”ーーーーー”
犯罪組織アビスの本部に入り込むことは難しいものの、
野々花の後輩である葵ー、尾行のエキスパートでもある彼女は
この場所も監視していたー。

がーー

”ーーこの女の親を殺すことになったー”
野々花が笑みを浮かべながら言うと、
部下たちが”マジっすか?”と笑いながら言うー。

「ーー!!」
葵は表情を歪めるー。

「ーーは、班長ー大変ですー
 アビスが、先輩の身体で先輩のご両親の命を狙ってますー」
葵がそう報告するー。

そして、”これ以上は限界ですー。すぐに確保を”と、そう言葉を口にするー。

が、宮根班長は
”ダメだー。もう少し泳がせろー。まだ1ヵ月経過してない”と、
そう返してくるー。

「は、班長ー!?」
葵が戸惑いながら、小声で言葉を口にするー。

がー、その時だったー

”美貌を手に入れた俺こそ、アビスの王にふさわしいと思わないかー?”
そんな、野々花の声が聞こえて来たー

「!?」
葵が、通信を一旦遠ざけて、
憑依された野々花たちの会話に耳を傾けるー。

すると、野々花は言ったー。

「ー3週間ーこの身体で過ごして俺は気づいたよー。
 ”この身体を得た俺こそ”が、犯罪組織アビスの首領にー
 いいや、女王にふさわしいってなー」

とー。

「ーーー!」
葵は表情を歪めるー。

野々花に憑依した幹部・敷本は、
野々花の身体で3週間暮らしたことによって野心が芽生えたのか、
犯罪組織アビスの現首領・魔崎に反逆して
自分がアビスの実権を握るつもりのようだー。

”野々花の美貌”に、まるで下僕のように従う部下たちも増えて
敷本は勢力を増しているー。

けれどーーー

”ーーーーこのままじゃ、先輩がー”
葵は表情を歪めるー。

アビスの現首領・魔崎という男は危険人物だー。
幹部・敷本が野々花の身体で反乱を起こせばー
”野々花ごと”殺される可能性も高いー。

「ーー班長ー。先輩の身体で、幹部の男が反逆を起こすつもりのようですー
 やっぱりこれ以上は危険ですー」
葵が、再び中止を求めるー。

しかしー

”ダメだー”
宮根班長は、作戦の中止を許可しなかったー。

戸惑う葵ー。

このままではー
そう思いつつ、葵は独断で行動を起こそうとしていたー

③へ続く

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コメント

次回が最終回デス~!★
あえて憑依されての決死の作戦…!

でも、なんだか不穏な気配が漂っていますネ~!
続きは明日のお楽しみデス!

コメント

  1. TSマニア より:

    スゴい展開になってきましたぁ~!★!☆

    ある意味、野々花も班長もスゴ過ぎなのデスぅ~!!

    アビスは簡単には滅ぼせないですよネ(-_-;)汗

    アビスは憑依部屋まであって待遇良すぎですネ(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!★

      アビスに加われば、
      素敵な憑依ライフを楽しめるかもデス★★!笑