<皮>心の準備ができてない!②~困惑~

人を皮にする針を手に入れて、
隣人を乗っ取った男ー。

しかし、その30秒後に隣人の両親が
到着してしまい、
心の準備が出来ていないまま、”本人”になりすますことにー…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「~~~~~…」
自分がドキドキとしているのを感じながら、
雅美を乗っ取った秀樹は、
雅美の身体で玄関の扉へと向かうー。

まだ”女”の身体を乗っ取ったばかりで、
色々なことに慣れていないし、
ドキドキしているー。

本当だったら、髪も胸も手も足も、
何もかも堪能してー、
それから”女としてのトイレ”だとか、
色々なことに慣れてから
”人前”に姿を見せるつもりだったー

だからこそ、”土曜日”である今日、
雅美を皮にしたというのに、
まさか両親がやってきてしまうとはー。

乗っ取った身体にも慣れていないし、
”雅美”が普段どんな風に振る舞う子なのかも
勉強できていない状態だし、
何よりも心の準備もできていないー。

”よりによって、こんなにすぐに親が来るとはー”
そう思いつつも、
玄関の扉を開くと、
「あ、お父さん!お母さん」と、そう言葉を口にしたー。

「ー雅美~!元気だった~?」
母親の・恵理子(えりこ)が、そう言葉を口にして、
娘の雅美を抱きしめて来るー。

”ぶわっ!?急に抱き着いて来るなー…
 ってー、まぁ、娘相手だし、仕方ないのかー”

雅美は、困惑しながらそう思っていると、
父親の幾三(いくぞう)も、「すまんなー。予定より早くついちゃって」と、
苦笑いしながらそう言葉を口にしたー。

”ってか、お父さん、お母さん呼びで合ってたのかー?”

そんな風に思いつつ、雅美は
「あ、じゃあ、家の中に上がってー」と、
目をあまり合わせることなく、そのまま家の中に入っていくー。

今の自分は”冬川 雅美”ー
誰がどう見ても、そうとしか見えないー。

が、両親と目を合わせていると、
何だか”中身が見透かされてしまうような錯覚”を
覚えてしまって、ついつい目を逸らしてしまうー。

勿論、”まだ”他人の身体を乗っ取ったという
うしろめたさがどこかにあるのかもしれないー。

それに、もしも”雅美”の身体を乗っ取っている…ということに
気付かれてしまったら、
秀樹の人生は終わりだー。

”人を皮にしてはいけない”という法律はないー。
しかし、何かー、何か罪に問われるような気がするし、
”悪いことをしている”という自覚は彼自身にも存在したー。

「ーーー……~~~」
雅美は、雅美の母親である恵理子と、
父親の幾三と、どう話していいのか分からず、
少しだけ困惑した表情を浮かべるー。

すると、母の恵理子が言葉を口にしたー。

「ー大学はどう?順調ー?
 一人暮らしも始めてだし、色々大変でしょ?」
とー。

「ーーあ、う、うんーそ、そうだねー」
”雅美”として無難な受け答えをしようとするー。

”とにかく、この場を乗り切れば
 後はどうにでもなるー。
 なんとかやり過ごすんだー”

秀樹はそう思いつつ、
「あ、な、何か飲むー?」と、雅美としてそう言葉を口にすると、
「ははー、なんか今日はいつもより静かだなぁ」と、
父・幾三が笑いながらそう言葉を口にしたー。

”ーぐぐ…いつも、もっとおしゃべりなのかー”
雅美を乗っ取っている秀樹はそう思いつつも
「あははーちょっと、喉の調子が悪くて~」と、そんな言葉を口にしながら
冷蔵庫の方に向かうー。

冷蔵庫の中身もまだ確認していないー。
そう思いつつ、冷蔵庫を開けると
お茶が目に入って、とりあえずそれをコップに注いで
2人の前に運んだー。

”おしゃべりな子のフリをするのは、難しいなー
 まだ乗っ取ったばかりだしー”

秀樹はそう思いながらも、
「ー遠慮せず飲んでねー」と、よく分からない言葉を
口にしてしまうー。

普段から、雅美が大人しい子で口数の少ない子で
あってくれた方が”雅美のフリ”はしやすかったー。

が、残念ながら雅美はそうではないようだー。

「ーーー~~~~~~」
お茶を飲んでいる両親を前に、
何を話していいか分からず、沈黙してしまう雅美ー。

”ぐ、くそっー何か、何かしゃべれ俺ー”
雅美を乗っ取っている秀樹は、そんなことを思いつつ、
ようやく口を開くー。

「い、家は最近どうー?
 二人とも、元気ー?」

無難な会話をして、何とか場をやり過ごそうとするー。

が、雅美の”胸”ーー…
今は”自分自身の胸”にたまたま手が当たってしまい、
思わずドキッとしてしまい、
顔がみるみる赤らんでいくー。

”このあと”雅美の身体で好き放題お楽しみをするという
そんな妄想まで頭の中に浮かび上がってきてしまい、
余計にドキドキしてしまった雅美は
ゾクゾクしながら、”やべぇ…落ち着けー”と、
自分の身体になった雅美の身体を落ち着かせようとするー。

がー

「ーー…大丈夫ー?」
と、母・恵理子は心配そうに言葉を口にしたー。

「雅美ー、体調悪いんじゃない?」
そう言葉を口にしながら、心配そうに雅美を見つめる恵理子ー。

顔が赤らんでいるのは胸に手が触れて
さらに、このあと雅美を乱す妄想をしてしまったからー…
では、あったものの、
娘が乗っ取られているなどと夢にも思っていない
母・恵理子は娘の体調が悪いのではないかと、
そんな心配をしていたー。

「ーーえ…あ、え、えっとー、ははー
 そうそうー
 少し風邪気味でー」

雅美を乗っ取っている秀樹は咄嗟にそう言葉を口にするー。

さっき丁度”喉の調子が~”という話もしたし、
言い訳にはちょうどいいだろう、と、そんな風に思いつつ、
わざとらしく何度か咳き込んで見せるー。

がー、その咳が可愛くて、
また少し無駄にドキドキしてしまい、
さらに顔が赤らんでいくー。

「ーー調子悪いんだったら、あまり長居しちゃ悪いなー」
父の幾三が、母の恵理子に対してそう言葉を口にするー。

その言葉を聞きながら
「そ、そんなことないよ~!大丈夫ー」と、
雅美として適当に言葉を発しつつ、
心の中では”そう!そう!早く帰れ!”と、そう言葉を口にするー。

”俺は早くこの女の身体を存分に楽しみたいんだからよー”
雅美を乗っ取っている秀樹はそう思いつつ、
両親の反応を待つと、
「ーじゃあ、今日はわたしたちが色々やってあげるからー
 雅美は休んでて」と、母の恵理子がそう言葉を口にしたー。

「ーーえ?」
雅美本人と、父の幾三が少し不思議そうに言葉を発するー。

父・幾三としては、
”体調不良の娘の家にいつまでも居座っては
申し訳ない、という考えだったものの、
母・恵理子は”今日と明日はわたしたちも暇だし、
ここに残って、雅美の代わりに家のことをしてあげる!”と、
そんな風な考えにたどり着いてしまったようだー。

「ーーえ?じゃないでしょー?
 雅美が調子悪いのよー?
 わたしたちが手伝ってあげなくちゃー」

母・恵理子が、父・幾三に対して
そんな言葉を口にするー。

「ーーあ…あははー
 そ、そんなに気遣わなくて大丈夫だよー
 お父さんもお母さんも、忙しいでしょ?」

雅美として、秀樹がそう言葉を口にするー

”おっ!今のなかなか娘っぽい感じだったんじゃ?”と、
雅美として発したセリフを自画自賛するー。

しかしー

「ーそんなこと言わないの。
 雅美も色々大変なんだからー
 調子が悪い時ぐらい、わたしたちに甘えてもいいの」

母・恵理子はそう言ったー

「ーそ、そ、そ、そうだねー、う、うんーありがとうー」
雅美はそう言いつつも
”ぐ…くそっ!体調不良の設定にしたのが裏目にでやがったー”と、
心の中でそう呟くー。

雅美はチラッと父・幾三の方を見つめながら
”おい!もうちょっとがんばれよ!”と心の中で叫ぶー

「帰ろう」としていた父の幾三の方を内心で
応援する雅美を乗っ取っている秀樹ー。

しかし、父・幾三は母・恵理子に押されて、
”ここに残り、娘を看病する”ほうを選んでしまったー。

「~~~~~~~~」
雅美は表情を曇らせながら、
「あ、あ、ありがとうー…」とそう言葉を口にすると、
”く、くそっ…女の身体を乗っ取ったのに何もできないまま
 しばらく我慢することになるなんてー
 とんだ焦らしプレイだぜ…”と、心の中で舌打ちをするー。

しかし、こうなってしまった以上は仕方がないし、
これから”雅美”として、生きていこうとしている以上、
この両親を雑に扱うわけにはいかないー。

絶縁する覚悟で動くならともかく、
いきなりそういう行動を取れば
万が一にも怪しまれる可能性もあるー。

せっかく、”人を皮にして乗っ取る”力を手に入れて
さらに、雅美の身体を乗っ取るところまでは
成功させたのだー。

ここで、ボロを出してしまって自滅することだけは、
雅美を乗っ取った秀樹としても避けたいところだったー

”ってか、トイレ行きたくなってきたなー…”
雅美は表情を歪めるー。

”くそっ…ここで失敗したらまたこの親たちが心配するだろうしー”
雅美の中にいる秀樹は”女としてのトイレ”をまだ体験したことはないー。

本当であれば、雅美の身体を乗っ取ったあとに
ゆっくりと味わいながら体験しー、
仮に失敗してもそこから練習していき、
外出したり、誰かがいる時でも問題なく
”女としてのトイレ”をこなせるように、なっていくつもりだったー。

がー、いきなりのぶっつけ本番ー

”くそっ…トイレぐらい俺に乗っ取られる前に済ませておけよなー”
苛立つ雅美は完全に八つ当たりのような言葉を
心の中で口にするー

”これから隣人に乗っ取られるから、トイレ済ませておこっと!”
などと、雅美が思うはずはないし、
そもそも乗っ取られることなど、完全に雅美本人の予想外だろうから
そんなことを言われてもどうすることもできないー。

が、秀樹は雅美本人に内心で”八つ当たり”をしてしまったー。

「~~~~~…」
雅美は落ち着かない様子で身体を動かすー。

”男”とアソコのあたりの感覚も違って
トイレを我慢する感覚もなんだか違う気がするー。

そうこうしているうちに、雅美の母親である恵理子が
「大丈夫…?なんか顔色も悪いわよー?」と、
心底心配そうに言葉を口にしたー。

「ーやっぱ、あまり長居しない方がいいんじゃー?」
父・幾三がそう言葉を口にするー

”ナイス親父!”
内心で、雅美を乗っ取っている秀樹がそう叫ぶー。

がー、
「ーちょっと!雅美が心配じゃないの?」と、
母・恵理子が不満そうに父・幾三に対して
言葉を言い放ち、父・幾三もすっかり委縮してしまったー

”つ、使えねー!”
雅美の中にいる秀樹はそう思いつつも、
既にトイレは限界ー

「ーわ、わたし、ちょっと、トイレー」と、
そう言葉を口にしてトイレに逃げ込んだー。

「~~~~~~~」
トイレの中に入った雅美は
困惑の表情を浮かべるー。

まず、スカート自体に困惑するー。
それと”座って済ませる”ことぐらいしか
秀樹自身に知識はなく、
秀樹は困惑しながら、周囲を見渡すー。

「ーー…1回、コイツの皮を脱いでー……
 俺の身体で済ませるかー?」
雅美は表情を歪めながらそう呟くー。

がー、
すぐにそんなことをしても意味がないことに気付くー

恐らく、自分の身体でトイレを済ませても、
雅美の皮を着ればまたすぐに”トイレに行きたい状態”に
戻ってしまうのだろうー。

「くそっ……とにかく、何とかするしかねぇ」
雅美はそれだけ言葉を口にすると、
不安そうにしながらも、トイレをする準備を始めるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ー雅美、大丈夫かしらー?」
トイレに向かった雅美のことを心配する母・恵理子ー。

母の恵理子は心配性ー。
今度は、”雅美がトイレで倒れていたらどうしよう?”などと、
そんなことを考え始めてしまっているようだー。

「ーーーはは、あまり心配しすぎるのもよくないぞ」
父・幾三がそんな風に言葉を口にすると、
母・恵理子は「それは分かってるけどー。でも心配で」
と、それだけ言葉を口にしたー。

「ーーーでも」
父・幾三はふと言葉を口にするー。

「ー?」
恵理子が少しだけ首を傾げると、
幾三は言葉を続けたー。

「なんだか今日の雅美は、
 ”早く帰って欲しいオーラ”を感じるなぁ」
とー。

「ーー…え」

夫である幾三の言葉に、雅美の母・恵理子は
少しだけ不安な表情を浮かべるのだったー。

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回が最終回デス~~!☆

他人の身体を乗っ取った直後に
いきなりこういう状態になってしまうと
大変そうですネ~!…!

今日もありがとうございました~~!

コメント