そのクラスではいじめが蔓延していたー。
しかし、先生は生徒に強く言うことが出来ず、
いじめは解決しないまま状況が悪化ー。
それを見かねた生徒会長の彼女は、
驚くべきことを先生に対して提案した…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー…へへへ いいから買って来いよー。
その足は飾りか?あ?」
昼休みー。
ゴツイ体格の男子生徒・東 公夫(あずま きみお)が、
笑みを浮かべながら言うー。
「ーー……ぼ、僕ー……そのー」
気の弱そうな小柄な男子生徒・勝井 瑛太(かつい えいた)は、
困惑した表情を浮かべながらそう言葉を口にするー。
「ーーじゃあ、お使い頼まれてくれるよな。
俺はコーラと、サンドイッチと、あとはおにぎりな。
味はお前に任せるけど、ふざけた味買って来たらぶん殴る」
公夫は、瑛太の肩に手を回しながらそう言葉を口にするー。
「ーーへへへーじゃあ俺も!
俺はカルピス1本と、あと、お茶も!あ、あとお菓子も3個ぐらい」
公夫の友人が、笑いながら瑛太に注文するー。
「ーあとトイレットペーパーも!」
”わざと”荷物になるものを頼みながら、ゲラゲラと笑うー。
「ーーーー」
そんな様子を見つめながら生徒会長の本条 璃奈(ほんじょう りな)は、
表情を曇らせていたー。
”酷いー”
璃奈は、そう思いながら、
”いじめ”の光景を見つめるー。
やがて、瑛太が教室の外に出ていくと、
璃奈は「ーねぇ、ああいうのやめてあげなよー」と、
そう言葉を口にするー。
公夫は「ーーへへ…会長ー、これはいじめじゃないぜ?」と、
それだけ言うと、
璃奈は「いじめでも、いじめじゃなくて可哀想でしょ?」と、
そう指摘するー。
「ーへいへいー」
公夫は薄ら笑みを浮かべながら、そのまま目を背けるー。
「ーーーー」
このクラスでは気弱な男子生徒・瑛太へのいじめと、
もう1件、別の女子へのいじめ、
お嬢様・水上 瑠理香(みずがみ るりか)による
陰険ないじめが日常的に行われているー。
生徒会長で、心優しい性格の璃奈は、
そう言った場面を目撃する都度、公夫と瑠理香に注意しているものの、
璃奈が”優しすぎる”故に、きつい言い方をすることが出来ず、
効果は出ていない状況だったー。
担任の郷原(ごうはら)先生は、
40代の少し強面な男性教師で怒らせるととても怖いー、
そんな先生で、
以前、1年の時には不良男子に鬼のような形相で怒鳴りつけているのを
見たことがあったものの、その際にちょっとした問題になってしまい、
それ以降は、
”今の時代、あまりきつい指導をすると保護者がうるさくてなー”と、
ほどほどの指導しかできずー、
いじめは止まらない状態だったー。
「ーー先生、何とかなりませんかー?」
戸惑いの表情を浮かべながら、放課後に璃奈が郷原先生に相談するー。
「ーー俺も怒鳴りつけてやりたい気分なんだけどなー…
先生って立場はなかなかそうもいかなくてなぁ…
特に水上の場合、親もモンペア気味だからなぁ…
俺がアイツに注意でもすれば絶対に親が騒ぎ出すー」
郷原先生はそんな言葉を口にしたー。
「ーーーーー…わたしが、郷原先生みたく
ガツンと言えればいいんですけどー」
璃奈が少し控えめに言うと、
「ーーはははー本条は今のままでいいんだよー」と、
優しく言葉を口にするー。
「ーーーーでも…わたしなら
ーー同じ生徒ですから、先生みたく問題になることは
ないでしょうしー」
璃奈が言うと、郷原先生は「まぁ、それもそうかもしれないけどなー」と、
頷いた上で言葉を口にするー。
「すまないなー。生徒会長だからって
本来、生徒にそんな心配をさせるべきじゃないんだがー。
今の時代、なかなか難しい時代でなー。
先生の立場は弱いしーー…
まぁ、東と水上のことは俺が何とかするー。
本条は、あまり心配するなー。な?」
郷原先生はそんな言葉を口にすると、
璃奈は表情を曇らせたまま、静かに頷いたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー…」
”クラスのいじめを解決する方法”
”先生 いじめを注意しても 問題にならない”
”同級生を強く叱る方法”
夜ー。
璃奈はそんなワードを検索していたー。
璃奈が”クラスのいじめ”に心を痛め、
解決させようとしているのには理由があったー。
元々真面目で心優しい性格であることも、
もちろん理由の一つではあるー。
しかし、いじめを受けている瑛太が
小学時代からの”幼馴染”であること、
そして中学時代に親しかった同性の友達が
”いじめ”によって不登校になってしまい、
結局助けてあげられなかったことー、
そんな過去が、璃奈を突き動かす理由の一つとなっていたー。
ネットで、何とか対策がないかどうか
考える璃奈ー。
そしてーーー
”いじめっ子は”憑依”で撃退ー”
そんな文章が目に入ったー。
「ーー憑依…?」
璃奈は首を傾げながら、その不思議なサイトを見つめるー。
そこにはー、
”憑依薬”と呼ばれるものでいじめっ子に憑依ー、
その身体を乗っ取り、いじめっ子を懲らしめるー…
というような内容が書かれていたー。
憑依薬が本物なのかどうかー?という疑問は
当然浮かんだし、
璃奈もすぐにはそれを信じることはなかったものの、
サイトの説明や購入者の感想、
細かい部分まで読んでいくうちに
”本当に憑依できるのかもー?”と、そんな風に思い始めるー。
がーー…
「ーー……これは流石にー…やりすぎだよね」
心優しい璃奈からすれば、
いじめっ子に憑依して、いじめっ子を懲らしめるー、
ということは考えられないことだったし、
そういうことはしたくなかったー。
「ーーー嘘かもしれないし、やめとこ」
璃奈は、憑依薬のサイトを閉じると、そのまま大きくため息をついたー。
だがーー
その後ー、
いじめはさらにエスカレートしたー。
璃奈の幼馴染・瑛太がいじめっ子である公夫によって
怪我をしてしまい、
さらには、お嬢様・水上 瑠理香にいじめを受けていた女子生徒も
不登校になってしまったー。
だがー、それでも郷塚先生は厳しい指導は出来ずー、
”いじめたもの勝ち”の状況に陥ってしまっていたー。
「ーーーー…」
そんな状況を見かねた璃奈は”憑依薬”のことを思い出すー。
そしてー、ある行動に出たー。
それはーーー…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
璃奈は職員室を訪れて、
郷原先生にあるお願いをしていたー。
「ーーー先生、わたしに憑依して
わたしの身体でみんなに注意して下さい」
とー。
「ーーーは??今、何てー?」
郷原先生が戸惑うー。
「ーー”先生”の立場は弱いから、
なかなかきつく注意できないー
先生はたしか、そう言ってましたよねー?」
璃奈の言葉に、郷原先生は「あぁ…言ったがー」と、
戸惑いを露わにすると、
璃奈は続けたー。
「ーでも、”同級生”がきつく叱りつけるならー…!
先生は、問題になりませんよねー?」
璃奈がそう言うと、
郷原先生は「いや、まぁ、そうだがー」と、さらに戸惑うー。
「ーーー”憑依薬”ー」
璃奈はそう言うと、数日前に購入した憑依薬を郷原先生に見せるー。
「これを使えば、郷原先生がわたしに憑依することができますー。
わたしの身体を先生にお貸ししますのでー、
みんなに注意してくれませんかー?
わたしじゃー、そのー…
みんなに注意しても全然怖くないというかー……
言い方が弱すぎるみたいで、全然改善されなくてー」
璃奈が悲しそうにそう呟くー。
その上で憑依薬の”テスト”も既に済ませて
実際に憑依できたことや、憑依する側・される側への影響が
ないことも”妹”で確認したと璃奈は言ったー。
「ーーー…えぇ… いやー… でもなー」
郷原先生は、璃奈の方を見るー。
”男性教師が教え子の女子に憑依する”など、
どう考えても、危険な香りしかしないー。
「ーー本当に憑依できるんだとしてもーー
…なぁ?」
郷原先生がなおも戸惑いの表情を浮かべるー。
「ーー先生なら、みんなにもっと強く、
叱ることができると思うんですー。
わたしじゃ、わたしー、こんな性格なので、
みんなに強く言うことはどうしてもできませんーー。
でも、先生は”先生”だから、立場上
強く言えないことがあるのも分かりますー。
だから、先生がわたしの立場になって
みんなを叱って下さいー。
わたしが”友達”に強く注意するだけなら
問題にならないと思うんです!」
璃奈が、そう説明するー。
確かに、それはそうかもしれないー。
だがー…
「ーー……一応聞くが、俺に憑依されるってことが
どういうことだか、本条はちゃんと分かってるのかー?」
心配そうに郷原先生は聞くー。
「ー俺がもし、悪いやつだったらー、
本条の身体はそのまま返されないかもしれないしー、
人生を壊されるかもしれないー。
そういうことだってあるかもしれないんだぞ?」
郷原先生がそう言うと、
璃奈は言ったー。
「もちろん分かってますー。
ただー、それでもわたしはいじめを止めたいんですー。
それにー先生のことは信じてますからー。
だから、こんな話をしたんですー」
璃奈のその言葉に、郷原先生は戸惑いの表情を浮かべながらも
暫く考えてからー、「わかったー」と、そう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー。
憑依している間、”郷原先生”は璃奈の中に入ることになり、
”いなくなってしまう”ために憑依できる時間は限られているー。
そのため、”昼休み”を中心に、郷原先生は璃奈に憑依することにしたー。
「ーそれじゃ、憑依するぞー?」
郷原先生の言葉に、璃奈は少し緊張した様子で「はい」と、答えてから
目を閉じるー。
憑依薬を飲んだ郷原先生が”霊体”となって、
そのまま璃奈に憑依するー。
「ーーうっ…」
璃奈がビクンと震えてー、
やがて目を開くとー、
”璃奈になった郷原先生”は、戸惑いの表情を浮かべながら
璃奈の両手を見つめー、
さらには身体を見下ろしたー。
「ーーーーー…」
”生徒を下心で見ることなんてない”
そう思っていた郷原先生ー。
だが、いざ、璃奈の身体に憑依してみると
少なからずドキッとしてしまい、
すぐに首を横にぶんぶんと振ったー。
「ーー本条の信頼を裏切るなー」
璃奈の身体でボソッとそう呟くと、
「全ては、いじめを解決するためだー」と、
決意を口にしてから、そのままゆっくりと歩き出したー。
がーーー
「ーーどわっ!?!?」
いきなりバランスを崩してしまうー。
”足”の違いや、”歩幅”の違いー、
”普段の郷原先生”のつもりで歩こうとした結果ー、
璃奈の身体の歩き方と合わず、
バランスを崩してしまったー。
「ーおっと…お、俺の身体の感覚で歩くと
本条の身体じゃ上手く歩けないってことかー」
いきなり、教え子の身体で盛大に転倒するところだったー。
そんなことになってしまわないようにー、
歩幅を意識的に、小さく小さく歩くように心がけることにするー。
「ふぅー」
胸のあたりに手を当てて深呼吸しーーー
「ーーって、ぶわっ!?!?!?」
璃奈が思わず変な声を出すー。
昔から、何かに戸惑った時には胸のあたりに手を当てて
深呼吸をする癖があった郷原先生ー。
つい、璃奈の身体でもそれをしてしまい、
自然に胸を触ってしまったー。
「ーち、ち、違うぞ!俺は、教え子の胸を触ったわけじゃないからなー!」
顔を赤らめながらそう言葉を口にする璃奈ー。
が、普段、先生の前では絶対に敬語な璃奈のタメ口ー…
しかも、男のような口調で喋っている声を聞いて、余計にドキドキしてしまう。
「だ、ダメだー…く、くそっー」
璃奈は表情を歪めながら
”と、とにかく、俺がするべきことは東と水上たちのいじめを止めることだ”
と、自分が何のために璃奈に憑依したのかを、自分の心にしっかりと言い聞かせるー。
「ーーよし」
ようやく心を落ち着かせることに成功した郷原先生は、
璃奈の身体で教室に向かおうとするー。
勝負は昼休みー。
5時間目以降は、当然、郷原先生にも授業があるために
璃奈に憑依したまま、というわけにはいかないー。
そう思いつつ、歩き出そうとしたその時だったー。
「ーあ!会長!」
背後からそんな声がしたー。
振り返ると、1年生の生徒ー、
璃奈からすれば後輩の生徒会書記の男子・戸塚 啓太郎(とつか けいたろう)の
姿があったー。
「え、え~っと、あ、戸塚ーーー くん」
璃奈がそう言葉を口にすると、
「ちょっと、大事な話があるのですがー今、大丈夫ですかー?」
と、啓太郎はそんな言葉を口にしたー。
”ダメだ”
と、言おうとしたものの、”本条はそんなこと言わないよなー”と、
璃奈に憑依している以上、後輩を雑に扱うこともできず、
そのまま渋々と「あ、ーだ、大丈夫ー」と、そう言葉を口にしたー…。
本来の目的を果たせないまま、璃奈は
後輩の”話”を聞くことになってしまったのだったー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
いじめを解決するために教え子に憑依…!
なんだか危うい感じですネ~!笑
続きはまた明日デス~!
いつも通り(?)今日も暑いので、
皆様も気を付けて下さいネ~!
コメント
このパターンの先生って空回りしたり変に暴走したりしますよネ(;´д`)笑
展開を楽しみにしてます!☆
憑依できるなら
原かれんちゃん(NMB48)に憑依したいのデス笑
かれんたん美人で可愛くてモデル体型でスタイル抜群で私服もオシャレでセンスいいし参考になるので
かれんたんのカラダに乗り移ってミニスカ履いてオシャレに着こなしたいのデス\(^o^)/笑
笑~★
TSマニア様の憑依の夢…!★
今回の先生は…
どうなっちゃうのかドキドキですネ~!
今回の先生、頼りない気が…どんな展開が待ち受けてるのか…
Tマニの憑依の夢…それは終わりのない欲望…なのデス\(^o^)/笑
最近のブームは
かれんたんなので憑依薬手に入れたら
真っ先に
かれんたんに憑依するのデスd=(^o^)=b笑
かれんたんの動画の再生数増やしたいので
超ミニ履いてオシャレに着こなしたりコスプレして再生増えそうな動画やTikTokアップしたいのデス(*´・ω・`)b♪♪
超ミニ履いてキツネのつけ耳つけてキツネダンスとかしてみたいですネ( *´艸`)笑
何となく頼りのない先生ですネ~笑
夢を実現するために、
まず憑依を繰り返して
憑依力を上げていくのデス…!!