＜入れ替わり＞入れ替わり時間はたったの1分!?②～不満～（完）

他人と入れ替わる力を手に入れるため
”入れ替わり改造手術”を受けた男子大学生。

しかし、それによって手に入れた力は
”相手と1分間”しか入れ替わることができず…？

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「ーーえっ…！？えっ…！？な、何が起きてるの！？」
源吾と入れ替わってしまった幼馴染の瑠璃は
困惑した様子で、そう叫んだー

「お、お、お、俺にも分からないー！」
瑠璃になった源吾は、そう叫ぶー。

当然、嘘だー。
これは、
入れ替わり改造手術を受けた源吾が仕掛けた入れ替わりー。

が、”片目で20秒、相手を見続けることで入れ替わる”と言う条件を
教えさえしなければ、それを知らない瑠璃は、
”何故入れ替わったのか”を理解することはできないー。

こうして、”何も知らないフリ”をすれば
偶然入れ替わってしまった風を装うこともできるー。

”えへへへへー…瑠璃の声で喋れるなんてーすげぇ…”
瑠璃（源吾）は心の中でそう叫ぶとー、
「ま、ま、まずは落ち着け」と、源吾（瑠璃）に対して
そう言葉を口にするー。

”はぁはぁはぁ…やべぇ…瑠璃の声ー…瑠璃の身体ー
　つーか、まずは落ち着くべきなのは、俺の方だなー”

瑠璃（源吾）は、心の中で色々なことを思いながら、
どさくさに紛れて、”瑠璃の髪”を触るー

「ーっていうか、か、髪、邪魔だなー…なんだこれー」
瑠璃（源吾）は、あくまでも”髪が邪魔で困っている”という様子
わざとらしく瑠璃の髪を触るー。

「ーーか、髪は仕方ないでしょ！？
　それより、ど、どうすればいいの！？」
源吾（瑠璃）が困惑しながら叫ぶー。

案の定、”髪をわざと触られている”ということには
気付いていない様子だー。

「ーー…」
瑠璃（源吾）は、今度はどさくさに紛れて胸を触ろうとするー

”へへへー…今は俺が瑠璃なんだし、い、いいよなー？”
心の中でそんな下心を抱きながら、
瑠璃の胸を触ろうとする瑠璃（源吾）ー

「う～ん…と、とりあえず元に戻れそうな方法、色々試してみるか」
瑠璃（源吾）は、そんな言葉を口にしながら、
どさくさに紛れて、瑠璃のー、いや、今は”自分の”胸を触るー

”うはっ…　やべぇ…興奮する”
そう心の中で囁きながら、
瑠璃（源吾）は、”まさか、また急に元に戻ったりしないよなー？”と、
不安そうな表情を浮かべるー。

さっき、親友の孝雄と入れ替わった際には、
結構すぐに、”勝手に”元の身体に戻ってしまったー。

何故、元に戻ってしまったのかは分からないがー、
いずれにせよ、”試す”必要があるー。
瑠璃と入れ替わったのも、そのためだー。

入れ替わり状態がこのまま続けば、それでよしー、
万が一、さっきみたいに急に元に戻ってしまっても、
誤魔化すことができるー…

瑠璃との関係は、そんな関係で、
入れ替わりを試すには、かなり適任の相手と言えたー

「ーーーー元に戻れそうな方法って言ってもー…」
源吾（瑠璃）が真剣な表情でそう呟くー。

それを見て、心の中でニヤッとしながら
「ほら、手を繋いでみるとかー」と、
どさくさに紛れて”瑠璃”と手をつなごうとする瑠璃（源吾）ー

”って、今、手を繋いでも、俺と手を繋ぐだけじゃん”
そんなことに気付き、内心で自分にツッコミを入れるー。

「ーーま、色々試してみないとー…

　ーーー！！！」

その時だったー。
自分の声が”瑠璃”の声ではなく、自分自身の声に戻っていることに
気付いた源吾は、表情を歪めるー。

「あ、あれ！？戻った！何だったの今のー！？」
瑠璃は戸惑いの様子を浮かべながらも、自分の身体に戻ったことを確信し、
嬉しそうに笑うー

「ーーー！！！」
源吾は、表情を歪めながら時計を見るー。

そしてー、
適当に瑠璃と話を済ませると、
その翌日の土曜日ー、実家に帰って、今度は妹の紀恵（のりえ）で”試した”ー。

「ーーーちょ、ちょっと！お兄ちゃん！どうなってるのこれ！？
　えっ！？ちょっと！これどうするの！？ズボンがやばいよ！
　お兄ちゃんの変態！バカ！」

源吾になった妹・紀恵は、
勃起してしまった源吾の身体を見て、叫ぶー。

「や、や、やばいって言われても！？
　勃たせてんのは紀恵だろ！？俺に言われても！」

紀恵の身体でそう叫ぶ源吾ー。

入れ替わった直後から、源吾のアソコが大きくなってしまい、
紀恵は戸惑いながら、変態！バカ！と繰り返しているー。

「ーーこれホント、どうするの！？押したりすれば縮むの！？」
源吾（紀恵）のそんな言葉に、
紀恵（源吾）は苦笑いしながら、時計を見つめるー。

”紀恵の反応”よりも大事なことがあるー。

それはーー

「ーーー！」
その瞬間、源吾と紀恵の身体が再び入れ替わって、元の状態に戻るー

「ーーやはり…”1分”ー」
源吾が、時計を見つめながらそう呟くと、
妹の紀恵は「な～～～にが、”やはり…1分”よ！」と、不満そうに声を上げながら
「今のなに！？わたしにお兄ちゃんが何かしたんでしょ！？」と、
入れ替わりが起きたことに対して、強い不満を露わにしながらそう叫んだー。

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その後も、入れ替わりを何度も試した源吾。

だが、いずれも”1分”しか入れ替わることができず、
源吾は強い不満を感じていたー。

しかも、最近は目の調子もなんだかおかしいー。

「ーーはて、君は誰じゃったかの？」
入吉博士が、振り返ると、左目が赤い状態で、
入吉博士の元にやってきていたー。

「ーーこの目！1分しか入れ替わることができない上に
　なんか最近、調子悪いんですけど！」

源吾が不満そうに言うと、
入吉博士は少し笑いながらー、
「あぁ、入れ替わり改造手術のー」と、思い出したかのように頷いたー

「こ、こっちは100万円も払ってるんだぞ！
　1分しか効果がないなんて、ぼったくりだ！」
源吾はそう叫ぶと、
入吉博士は笑いながら答えたー

「ー確かに、1分しか効果が続かないなんてー　
　入れ替わり好きとしては、言語道断じゃ。同情してしまうのお」

その言葉に「な、何で他人事なんだ！どうにかしろ！」と、
源吾は叫ぶー。

しかし、入吉博士は言ったー。

「ー科学の進歩に、犠牲はつきものじゃよ」
とー

「ーふ、ふ、ふざけるな！何が犠牲だ！これは詐欺だぞ！？
　それに目の調子も悪いし、どうしてくれるんだよ！」

源吾がそう叫ぶと、
入吉博士は「そうかそうか。残念じゃったな」と笑うー。

「ーわしは別に医者じゃないし、
　君はわしの実験体になっただけじゃ。
　成功しても、失敗しても、わしは責任は取らん」

入吉博士の言葉に、源吾は「ふ、ふざけんな！」と、
そう叫びながら、入吉博士を片目で見つめたー。

そしてーー

「ーーー！！！！！」
入吉博士と源吾の身体が入れ替わりー、
源吾（入吉博士）は、驚いた表情を浮かべたー。

「ーーー」
入吉博士になった源吾は、すぐに近くにあった
作業用のハサミを手に、今の自分自身ー…
入吉博士の身体にそれを突き付けたー

「なっ…！」
源吾（入吉博士）が表情を歪めるー。

「ーーせ、責任を取れ！出ないと、こ、このまま
　このハサミを自分の首に刺すぞ！」
入吉博士（源吾）が震えながらそう叫ぶー。

その言葉に、源吾（入吉博士）は、泣きそうになりながら
「わ、わ、分かった！分かったから！落ち着くんじゃ！」と、叫ぶー

あまりに怯えた様子で、その目からは涙があふれ出しているー。

「ーー…ちゃんと、治すって約束してくれるんだな！？」
入吉博士（源吾）がそう叫ぶと、
源吾（入吉博士）は、すっかり怯えた様子で頷いたー

「ーーだったらーちゃんと入れ替われるように手術してくださいー」
入吉博士（源吾）が、そう言うと、
源吾（入吉博士）は泣きながら「すみませんでした」と、
そう言葉を口にしたー。

1分が経過し、元の身体に戻るー。

源吾は”勝手に人の身体で泣くなよなー”と、
不満を抱きながら、
自分の涙を拭くと、入吉博士に向かって、
「ーじゃあ、早速ー」と、言葉を口にするー

がーーーー

「嘘じゃよ　ば～～～～～か！」
と、入吉博士が子供のように叫んだー。

「ーー！！」
源吾は思わず怒りの形相を浮かべるー

「責任なんか取るわけないじゃろ！
　1分だけでも入れ替われるようになったんじゃ！
　わしの天才的な技術にむしろ感謝してほしいぐらいじゃ！」

入吉博士は、そう言い放つと、源吾の方を見たー。

源吾は顔を真っ赤にしながら
「ーーふざけるなよ！！！なら100万返せ！」と、
怒りの形相で叫ぶー。

が、入吉博士はそれにも応じず、
もう、入れ替わらないようにと、20秒見つめ続けられないように、
源吾が片目を閉じると、隠れたりしてしまってー、
どうすることもできなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「く…くそっ…たった1分でどうすればいいんだー…」
源吾が頭を抱えるー。

”ずっと”入れ替わることができるのであれば、
幼馴染の瑠璃をはじめ、”ずっと入れ替わってみたい”相手が
何人もいたー。
あわよくば”誰かになりたい”
そんな、願望さえ持っていたー。

しかし、1分ではどうすることもできないー。
毎回毎回、何度も何度も入れ替わるのはリスクが高すぎるし、
使い勝手が悪すぎるー。

「くそっー」
そんなことを呟きながら、不機嫌そうに
大学の構内を歩いていると、
幼馴染の瑠璃に声を掛けられたー。

「ーねぇ…源吾ー」
いつも不機嫌じゃないのに不機嫌だと勘違いされてしまう
タイプの瑠璃ー

しかし、振り返った源吾は、すぐに瑠璃が”本当に不機嫌”であることを
確信したー。

「ーえっ…　えっと…」
少し戸惑った表情を浮かべると、瑠璃は
「ーーこの前の入れ替わり…どういうこと！？
　入れ替わり改造手術ってなにー？」
と、そんな言葉を口にしたー。

「ーーえ…　え…？そ、そんなもの、俺、し、知らないけどー」
源吾が慌ててそう返事をすると
瑠璃は「増谷くんから聞いたんだけど！」と、
怒りの形相で叫んだー

「ーーえっ…　えっ…　えっー！？」

源吾は青ざめるー。
親友の孝雄には”入れ替わり改造手術”のことをドヤ顔で
説明してしまっているし、
実際に実演してしまっているー

「あ、あいつー…くそっ！言いやがったなー！」
源吾は、悔しそうにそう叫ぶー。

親友の孝雄としては”友人がおかしなことをする前に止めたい”という
気持ちがあったことー、
そして、源吾が孝雄の彼女である”日葵”にも憑依できる、と冗談で言ったことで、
危険視する気持ちがあったー。

瑠璃が、入れ替わりのことを友達と話しているのを偶然聞いた孝雄は、
”源吾を止めるきっかけになれば”と、そのことを瑠璃に話してしまったのだー

「ーーどういうことなの！？
　わたしの身体で何をするつもりだったの！？」
瑠璃の問い詰めるような言葉に、
源吾は「そ、そ、それはー…」と、何とか言葉を振り絞ろうとするー

がー…
突然、左目に激痛が走り、源吾は目を押さえるー。

「ーちょ、ちょっと！？そんな演技で、わたしを誤魔化そうって言ったってー」
瑠璃の叫び声ー。

しかしー、源吾はその言葉を最後まで聞く前に
その場に倒れ込んで意識を失ってしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー…」

源吾は、病院で目を覚ましたー。

「ーーーえ」
目を覚ました源吾は、呆然とするー。

”左目”が見えていないー。

そしてー
源吾は医師から衝撃的な話を聞かされたー。

左目の”異物”のせいで、
体内で拒否反応が起こり、
急性的な症状が発生ー、
”失明”してしまったのだとー。

”異物”は取り除いたものの、もう、視力は回復しない、とー、
源吾はそう説明されたー

「ーーう…うああああああああああああ！」
悔しそうに泣き叫ぶ源吾ー。

彼はー
多くのものを失ってしまったー。

入吉博士に払った100万円ー
左目の視力ー
幼馴染・瑠璃との関係性ー

色々なものを、あっという間に失ってしまったー

”あの、マッドサイエンティストめー…！”

入吉博士のことを思い出しながら
怒りの形相を浮かべる源吾ー。

だがー、退院後、源吾が入吉博士のいた場所を訪れるとー、
そこにはもう、”入吉博士の助手”を名乗る女性しかおらずー、
入吉博士の所在は不明になってしまっていたー。

「ーーー」
呆然とする源吾ー。

源吾は、そのまま大学にも居づらくなり退学ー、
その人生を大きく狂わせることになってしまったのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーあの学生には、お礼を言わんといかんのぅ…」
ニヤニヤと笑みを浮かべる”助手”を名乗る若い女性ー。

しかしー、
彼女は助手ではないー。
いや、入吉博士と面識すらなかった女性だー。

入吉博士は”入れ替わり改造手術”を自分のために研究していたー。
そして、完成させたー。

がー、最後に人体実験が必要だったー。
その実験をするために”入れ替わり改造手術”という情報を流しー、
誰かが釣れるのを待った。
レビューは当然、全部偽物だー。

その結果ー、源吾が釣れたー。

源吾で改造手術の実験を行い、
結果、”入れ替わることができるのは1分だけ”という欠陥や
失明に至る欠陥が見つかった。

テスト結果を元に、入吉博士は入れ替わり改造手術を改良ー、
こうしてー、”見知らぬ女子大生”と自分の身体を入れ替えてー、
美少女になったのだったー。

「ーーーーぐふふふふー
　これでわしは美少女じゃー」

にやりと笑みを浮かべながら
”新しい身体”を手に入れた入吉博士は、
数日後、その事務所から姿を消し、
またどこか別の場所で実験を始めるのだったー

おわり

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コメント

”時間制限つき”＋”制限時間が短い”から
思いついた入れ替わりモノでした～！☆

1分で元に戻ってしまうのだと、
なかなか使いどころも限られちゃいますネ～！

お読み下さり、ありがとうございました～！