突然、親友だった子から避けられるようになってしまった彼女は
友達の急な変貌に違和感を抱いて、
その原因を探り始めるー。
そして、友達が操られていることを知った彼女はー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宗平から、”危ないことはしないでほしい”と、
そう頼まれた柚香は、
今日も宗平の家でくつろぎながら、
ため息を吐き出していたー。
「ーごめんなー。藤坂さんのこと、心配だとは思うけどー」
宗平は、柚香の親友である架純のことを口にすると、
柚香は「うんー」と頷いた上で、
「ーアイツー、本当に架純を操ってるなら、絶対に許せないしー、
早く助けたい」と、そう言葉を口にする。
そんな柚香を前に、宗平は
「ーでも、マジでヤバい力だし、
藤坂さんが操られてるんだとしたら
柚香も狙われるかもしれないー」と、心配そうにそう呟くー。
「ーー彼女が”洗脳”なんてモンされちまったらー、
俺ーー…」
宗平はそこまで言うと、
「ーまぁ、俺はこんな見た目だしー、
可愛いどころかゴツイ感じだから、
土田のやつにも狙われないだろ」と、
自分を指差しながら笑うー。
「ーーう、う~ん…まぁ、
宗平なら、術とかそういうの、力で押し切っちゃいそうだよね」
苦笑いする柚香。
そんな柚香を見て、宗平は改めて
「俺が何とかするー。何か分かったら柚香にも伝えるからー」と、
そう言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから数日後ー。
柚香は”約束”を破っていたー。
「ーーーー架純ー」
やっぱり、どうしても架純が心配な柚香は、
架純の尾行を続けて、
何とかして”決定的な証拠”を見つけて、
架純を正気に戻す方法を見つけたいー。
そんな風に思いつつ、架純を尾行していると、
この日の放課後ー、また、あの日と同じように
”空き教室”へと入って行ったー。
「ーーー…!」
柚香が表情を歪めるー。
そして、その空き教室に近付くと、
やはり、そこには大人しい男子生徒・
土田 啓太の姿があったー。
二人は何やらボソボソと会話をしているー。
やがて、どっちかが泣いているのか、
そんな声が聞こえてくると、
信じられないことに
架純が啓太に抱き着くような姿が見えたー。
「ーーちょっ…」
架純を操ってそんなことまでさせている啓太に
怒りを覚える柚香ー。
”ー次は、柚香をー”
架純のそんな声まで教室の中から聞こえて来てー、
柚香はたまらず、教室の中に飛び込むと、
架純と、啓太が驚いたような表情を浮かべたー。
「ーー…ゆ、柚香ー」
架純がそう言葉を口にすると、
柚香は「ーすぐに架純から離れて!」と、
啓太の方を睨みつけながら言ったー。
「ーー!」
啓太は少しだけ表情を曇らせるー。
が、すぐに架純が
「啓太にー」と、啓太のことを守ろうとするかのように、
前に出て何かを口にしようとするー。
「架純は黙ってて!」
柚香は架純に対してそう言葉を口にすると、
架純は敵意に満ちた表情を柚香の方に向けるー。
そんな架純を見て、柚香は悲しそうな表情を浮かべると、
架純を無視して、啓太の方を見つめたー。
「ー早く架純を正気に戻して!」
柚香がそう言葉を口にすると、
架純は「はぁ!?」と、横から声を上げたー。
そんな架純を無視して、啓太に詰め寄ると、
柚香は「架純に一体何をしたの?早く元に戻して!」と、
怒りの形相で言葉を口にするー。
そんな柚香を前に、啓太はオドオドした様子を見せながら
「ーーど、どういうことー?」と、
そう言葉を口にするー。
柚香は啓太のその反応を見て、
「とぼけるつもりー…!?」と、そう言葉を発すると、
啓太は悲しそうな表情を浮かべながら、柚香を見つめ返すー。
柚香は一瞬、”ヤバい”と思ったー。
自分まで洗脳されてしまったら終わりだー。
そう思いつつ、啓太から咄嗟に離れようと
啓太を突き飛ばすと、柚香は言葉を続けたー。
「ーー架純を”洗脳”したってのは聞いたからー!
早く元に戻しなさいよ!」
怒りの形相を浮かべる柚香ー。
そんな柚香の言葉に、啓太ではなく
架純の方が声を上げたー。
「あんた何言ってるの!?わたしは正気よ!」
とー。
柚香はそんな言葉を聞きながら、
”操られている本人は、そういうことを良く言うからー…”と
内心でそう思いつつ、
「この前、二人で話をしているのを聞いたから!」と、
そう叫ぶー。
そして、啓太の方を睨むと、
「ーあんた、どういうつもり!?こんなキモイことしてー」と、
そう言いながら、啓太に近付いていくー。
がーーー
「ーー!?」
啓太に近付こうとした柚香の手を、
横から架純が掴むと、
架純は柚香にビンタを食らわせたー。
不意打ちのビンタに驚くと同時に
「何するのよ!?」と、声を上げると、
架純は「いい加減にして!」と、そう叫んだー。
「ーーっ…か、架純ー目を覚ましてー」
柚香が心底困惑した表情を浮かべながら
頼み込むようにそう言葉を口にすると、
架純は言ったー。
「目を覚ますのは、あんたよ!」
とー。
「ーー…?」
柚香はビンタされた頬を触りながら
困惑の表情を浮かべるー。
すると、啓太が言葉を口にするー。
「篠田さんー…」
啓太にそう呼ばれた柚香は
「わたしの名前を気安く呼ぶな!」と、そう声を上げると、
啓太は「ーー”洗脳”されているのはー…篠田さんだよー」
と、悲しそうに言葉を口にしたー。
「ーーは…はァ?」
柚香が怒りの形相を浮かべながら声を上げると、
架純は「いい?よく聞いてー」と、そう言葉を口にするー。
すると、架純は信じられない言葉を続けたー。
”洗脳”されているのは柚香で、
柚香を洗脳したのは、
柚香の彼氏ー
いや、”柚香が彼氏だと思い込まされている”
宗平だー。
そもそも、柚香は元々、
”啓太”と付き合っていて、その啓太から柚香を奪うことを目論んだ
宗平が、啓太に対する憎悪を柚香に植え付けて、
さらには宗平自身を彼氏だと思い込むように術を掛けたのだと言うー。
「ーそ、そ、そんなはずー!?
あんたみたいな気持ち悪い奴と誰が付き合うのよ!?」
柚香が啓太を指差しながら言うと、
架純は「見なさい」と、そう言葉を口にしてから、
スマホに写真を表示するー。
そこには、柚香と啓太の楽しそうなツーショット写真が
表示されていたー。
「こ、こ、こんなものー!生成とかそういうことしたんでしょ!?」
柚香が声を荒げるー。
がーー…
架純は動画や、二人の記念品まで手にすると、
「これは事実ー。あんたが避けてたのは山塚のほうー
わたしに相談してきたLINEもあるよ」
と、架純は、”宗平”に付き纏われて
柚香が架純に相談したメールまで見せて来たー。
「ーー…う、嘘ー…?あ、あり得ない…!」
柚香が震えながら言うー。
柚香が盗み聞きした架純と啓太の会話は
”啓太が架純を操った”という内容ではなく、
”操られた柚香を心配した啓太と架純がその対策を話し合っていた”会話だったー。
「ーーで、でも、なんで架純がこんなやつの相談をー!?」
柚香が啓太を指差しながら言うと、
啓太は言ったー。
「ぼ、僕と藤坂さんは幼馴染だからー…
落ち込んでた僕に気付いて、相談に乗ってくれてー」と、
啓太はそう説明したー。
さっき、架純が啓太を抱きしめていたのも、
二人は幼馴染同士で、小さい頃から啓太を弟のように
心配していた架純が、啓太を慰めていただけだったー。
そして、二人はあくまで”幼馴染”であり、
互いに恋愛感情はないため、
架純は心底、柚香に正気に戻って、啓太とまた一緒に
歩んでほしいと、そう思っていたー。
「ーー嘘…!うそうそうそうそうそ!!あり得ない!」
柚香は髪をぐしゃぐしゃに掻きむしりながら
そう言葉を吐き出すと、
その場に蹲って、啓太を睨みつけるー。
「こんなキモイやつー…!こんなキモイやつー!!!あり得ない!」
そう吐き捨てる柚香に対して、
啓太は悲しそうに「篠田さんー」と、そう言葉を口にするー。
「ーーあんたら、絶対許さないから!
わたしをはめようとして、宗平を悪く言って…!
絶対に許さない!」
柚香はそう叫ぶと、その場から逃げ去るようにして
走り去っていってしまったー。
そんな状況を前に、
残された架純も、啓太も、戸惑いの表情を浮かべることしかできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日の夜ー。
柚香は宗平の家で、怒りの形相を浮かべながら
架純と啓太に対する不満を漏らしていたー。
柚香はー…
”頻繁に”宗平の家に出入りをしているー。
”勉強”という名目であるものの
実際には宗平と”お楽しみ”をさせられていて、
何度も何度も身体の関係を持ってしまっているー。
ただー…柚香にはそれがどういうことなのか
あまり理解できていないー。
只々、宗平と一緒に居られて、幸せだとしか
思っていないー。
「ーーはははー…俺が柚香をー
酷い言われようだな」
宗平はそう言葉を口にすると、
柚香は「だよねー」と、そう言いながら、
宗平の方を見つめるー。
がーーー
「ーー”その件には関わるな”って言ったよな?」
と、宗平は鬼のような形相を浮かべたー。
「ーーえ… ご、ごめ…
わ、わたしー、架純が、操られてると思って心配でー」
柚香がそう言うと、
宗平は「バカがー。そのせいでお前が余計なことを知っちまった」と、
そう吐き捨てるー。
柚香は瞳を震わせながら「ど、どういうことー…?」とそう返すと、
宗平は笑みを浮かべたー。
「ーお前の”元カレ”と、親友が言ってたことは本当ってことだよ」
とー。
「ーーえ…」
柚香は青ざめながら宗平を見つめるー。
「お前は元々俺の彼女じゃねぇー
あの根暗野郎の彼女だったー
けど、それを奪うために俺がお前に術をかけて
こうして彼女にしたんだよ」
本性を現した宗平のその言葉に、
柚香は「う…嘘だよねー…?嘘って言って!」と、
そう声を上げるー。
しかし、宗平は
「俺に操られて俺とヤリまくるお前の姿ー最高だったぜ」と、
そう言葉を口にすると、
「ーーまぁー…余計なことを知られちゃったなら仕方ねぇ」と、
宗平はそう呟くー。
「できれば、”可能な限り”元のお前の要素を残しておきたかったからなー…
俺を好きに思わせて元カレへの憎しみを植えるぐらいに
留めておいたがー、こうなったら仕方ない」
そう言葉を続ける宗平ー。
宗平は、”出来る限り柚香が柚香らしいまま”自分の彼女にしたかったため、
最小限の”操り”に留めていたー。
がー、こうなってしまっては仕方がないー。
「ーー今度はもうちょっと忠実な操り人形になって貰うぜー」
宗平はそう言葉を口にすると、
柚香に”術”を再びかけるー。
今度は、余計な疑問を抱かずにー、
そして、宗平の言うことにもっとちゃんと従うようにー
「ーーぁ…」
ピクッと震える柚香ー。
宗平は、そんな柚香を見つめながら
邪悪な笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
「ーーーー!」
架純は、登校してきた柚香を見て表情を歪めるー。
黒髪だった髪は金髪になり、
スカートも短く、派手な風貌になっているー。
そして、宗平と共に抱き合うようにしながら
周囲の目も気にせず、学校に登校してきたー。
「ーーうん!じゃあまたお昼に!」
柚香は嬉しそうにそう言葉を口にすると、
教室に入って来て架純を見つめるー。
すると、架純に近付いてきて柚香は言ったー。
「もうあんたなんて友達じゃないから。絶交」
とー。
「ーゆ、柚香ー…あんたー」
架純がそう言葉を口にすると、
柚香は「わたしは宗平がいればそれでいいのー」と、
興奮した様子で言葉を口にすると、
「もう2度と話しかけないでねー。クソ女ー」と、
そう言葉を口にして立ち去って行ったー。
完全に、宗平に支配されてしまった柚香を前に、
親友の架純は呆然としながら
その後ろ姿を見つめることしかできなかったー…
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
操られているのは友達じゃなくて
自分のほうでした~…!
こんな風になってしまったらぶるぶるですネ~…!
お読み下さり、ありがとうございました!★!
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