”大好きな彼氏”と
”わたしのママ”が入れ替わってしまったー…!
二人の入れ替わりを前に、彼女の生活は
一変していく…!
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーはぁ~…」
彼女がため息をついているのを見て、
その彼氏・江川 龍太(えがわ りゅうた)は
少し心配そうに「どうかしたのか?」と、そう言葉を口にするー。
「ーーえ…?あ、うんー
ママと、ちょっとー」
龍太の彼女・片倉 美鈴(かたくら みすず)は
少しだけ苦笑いすると、
そんな言葉を口にしたー。
それを聞いた龍太は心配そうに
「ーーー喧嘩でもしたのか?」と、そう言葉を返すー。
美鈴は「う~ん…別に仲が悪いってわけじゃないんだけどー」と
した上で、
母親である片倉 理恵(かたくら りえ)は
極度の心配性で、今日も色々なことを心配されて疲れてしまったのだと、
そう言葉を口にしたー。
「ーー…はははー前にもそう言ってたなぁー」
龍太は以前も、”ママは心配性”と美鈴が言っていたことを
思い出して苦笑いするー
「ーでも、心配してくれてるってことは、
美鈴のこと、それだけ大事に思ってくれてるってことだと思うしー」
龍太がそこまで言うと、
美鈴は「ーーうんーそれは分かってるんだけどね~…」と、
そう言いながらも、
「”彼氏がいる”って言ったらそれもすっごく心配しちゃって」と、
”龍太のことも心配されている”と、そう告げるー。
「えぇっ!?」
龍太は、自分自身も美鈴の母親の”心配材料”の一つになってしまっていると
いうことを少し驚きながらも、
「お、お、俺も心配されてるのか…そっかー」と苦笑いするー。
「ーじ、じゃあ、今度俺も一度挨拶に行こうかなー…
”無害なただの男子高校生です”って分かれば
美鈴のお母さんも安心してくれると思うしー」
龍太が半分冗談でそう言葉を口にすると、
美鈴も、それを読み取ったのか、
半分冗談で、
「でも、ママのことだから龍太を見たらもっと心配するかもー」と、
そう言葉を返すー。
「えぇぇ…!?
い、いやーーー
んーーでも、ありえるなー」
龍太は苦笑いしながらそう言うと、
「ーまぁ、でも、心配性の人ばかりになっちゃうと美鈴も
疲れちゃうと思うから、俺は心配性になりすぎないようにしないとな」と、
そんな言葉を口にする。
美鈴は少し笑いながら
「いつもありがとうー」と、そう返すと、
龍太は「ははー、俺は礼を言われるようなことは何も」と、
照れ臭そうにしながら、
少し離れた場所にある自分の座席へと帰って行ったー。
”ーう~ん…ママも龍太ぐらい
”ほどほどに心配してくれる”人だったらいいのになぁー”
美鈴は内心でそんなことを思いつつ、
龍太の後ろ姿を見送るー。
そうこうしているうちに、美鈴の元に
美鈴の友達の一人、柿岡 皐月(かきおか さつき)が
やってくると、「ねぇねぇ美鈴!」と、
そう言葉を口にしながら、
「ーーこれ、うちで余ったから美鈴にあげようと思って」と、
何かを手渡そうとしてくるー。
「ーーえ??なになに?」
戸惑う美鈴が、皐月から何かを受け取って
それを確認すると、
少し破れた箇所のある”お守り”だったー。
「ーうちの神社のお守り!
ちょっと陳列してる時に破れちゃったから
美鈴にあげようと思って!」
皐月が笑いながら言うと、
美鈴は「ええ~~~?」と、苦笑いするー。
皐月は、親が神社を運営していて、
その手伝いをよくしている子だー。
美鈴も何度か、皐月の神社に遊びに行ったことがあるー。
皐月は戸惑う美鈴を見つめながら笑うと、
「ーうちの神社のお守り、”持ってると願いが叶う”って言われてるし、
ほら!わたしも実際に願いが叶ったこともあるから、
だから、美鈴にはちょうどいいかな~って」
と、そう言葉を付け加えたー。
ちょうど、彼氏の龍太もいるし、
”彼氏くんともっと仲良くなりたいでしょ?”と、
そういうつもりで、お守りを持ってきてくれたようだー。
しかしー…
「ーーーーー」
美鈴は、皐月から受け取ったお守りを見つめると、
破れている個所を見つめながら、
皐月のほうを見つめるー
「ーで、でも、破れてるからなんだか逆に
悪いこと起きそうな気がするんだけどー」
美鈴は苦笑いしながらそう伝えると
皐月は「ーー大丈夫大丈夫!!!ーたぶん!!!」と、
ドヤ顔で根拠のない自信を覗かせてみせたー。
皐月に悪気は全くないー。
単純に売り物にならなくなったものを
”勿体ないし、美鈴がきっと喜ぶから!”と、そう思って
持ってきただけで、
何も企んでいないし、何の悪意もないー。
美鈴も、皐月がそういう子だと知っているからこそ、
素直にお守りを受け取って「ーあははー皐月がそういうなら」と、
持ってきてくれたお守りを大切そうにしまうのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
帰宅後ー
美鈴は再び、心配性の母・理恵から色々なことを
心配されて、ため息を吐き出すー。
心配してくれているのは分かる。
けれど、”ママ”は心配し過ぎー。
今日もそう思いながら、美鈴は小さくため息を吐き出すと、
”ママが龍太ぐらいな感じだったら良かったのに”と、
内心で彼氏の龍太のことを思い浮かべながら、そう呟くー。
「ーーはぁ…」
美鈴は今一度ため息を吐き出すと、
そのまま疲れた様子で、この日は眠りについたー。
がー
その翌日のことだったー。
「ーーー?」
美鈴は朝、目を覚ますと、
母親の理恵の姿が見えないことに気付くー。
現在、父親は単身赴任で不在ー。
この家にいるのは美鈴本人と
母親の理恵の二人だけだ。
いつも、母親の理恵は美鈴が起きる時間には
とっくに起きているために、台所に来ても
誰もいない光景に、美鈴は強い違和感を抱いていたー。
「ママ…?」
美鈴が心配そうに呟く。
しかし、母・理恵からの返事はないー。
「ーーまだ寝てるのかなー…?
それとも…どこか調子でも悪いのかなー…?」
心配性すぎる母にいつも疲れさせられているとは言え、
別に”嫌い”というわけではないー。
美鈴も心配そうに、母・理恵の部屋に向かって歩き出すと、
部屋をノックしたー。
「ーママ…???いる?起きてる?」
美鈴が心配そうにノックを繰り返すと、
中から”えっ…?あ、えっ…?”と、
そんな声が聞こえたー。
母親である理恵の声だー。
「ーーあ…ママーよかったー
いつももう起きてるのに、まだ起きてないから心配したよー?」
美鈴が部屋の外からそう言葉を掛けると、
中から”あ、う、うんー。ご、ごめんなー”と、
そんな声が聞こえて来たー。
”ごめんな???”
美鈴は困惑の表情を浮かべるー。
母・理恵の”普段の喋り方”とは何だか違う気がしたし、
そんな言い回しをすることはなかったために
強い違和感を覚えつつ、再び口を開くー。
「ーマ、ママ…何かあったの?
ーどこか調子が悪いなら、支度もゴミ出しもやっておくから
ママは安静にしててー」
美鈴は、部屋の中にいる母・理恵のことを心配して
そう言葉を投げかけるー。
”ーう、え、えっと、そ、そうじゃなくてー”
母・理恵の歯切れの悪い言葉が再び返されてくるー。
「ーーー???」
美鈴はさらに表情を曇らせると
様子のおかしい”ママ”のことが心配になり、
「入るよ~?」と、そう言葉を口にして、
母・理恵の部屋へと足を踏み入れたー。
するとー、
何だか焦ったような表情を浮かべた
母・理恵が、美鈴の姿を見るなり、
いきなり「み、美鈴!?!?」と、そう叫んだー。
「ーえ……な、なに…?」
”自分の娘を見て驚く”かのような、
そんな反応を見せた母・理恵に対して
困惑の表情を浮かべる美鈴ー。
「ーーう、嘘だろー…?
ま、まさかこの人ー」
母・理恵は一人で混乱したような言葉を口にしているー。
「ーーい、いやでも、美鈴が俺のこと”ママ”って
呼んでるってことはー」
理恵は独り言をブツブツと口にしながら、
何か混乱した様子を見せているー。
「マ…ママ?どうしたのー?」
美鈴は、そんな母親の様子を見つめながら
心底困惑したような表情を浮かべつつ、
そう質問する。
すると、理恵は信じられない言葉を口にしたー。
「ーみ、美鈴、お、俺!俺だよ!」
とー。
母・理恵の予想外の言葉に、
美鈴は「え…???」と、表情を歪めると、
母・理恵は焦ったような表情を浮かべながら
美鈴に対して言葉を続けたー。
「し、し、信じれないと思うけど、
お、俺なんだー
江川!江川 龍太!」
「ーーえ…????」
美鈴は思わず、困惑の表情を浮かべてしまうー。
”江川 龍太”とは、
美鈴の彼氏の名前だー。
目の前にいる心配性の母・理恵が
突然、”俺は龍太だ”と、そう言っている状態ー。
「ーーえ…あははー
ちょっと、何言ってるのー?やめてよー」
美鈴は思わず苦笑いしながら
”俺は龍太”だと名乗る母親に対して
そう言葉を口にするー。
「い、いや、美鈴ー違うんだー
そう思うのも無理はないけど、
俺、本当に龍太なんだー」
母・理恵はなおも、自分は龍太だと、
重ねてそう言葉を口にするー。
それでも、美鈴は戸惑いの表情を浮かべたまま、
理恵のほうを見つめていて、
その言葉を信じることができていないようだー。
”ーーま、まだ疑われてるー?
ま、まぁそりゃそうかー…
俺も父さんが急に”わたし、美鈴なの!”って
言い出したら「えぇっ!?」ってなるもんなー…”
内心で”もしも反対の立場だったら”を考えて、
美鈴が戸惑っている状況にも納得すると、
美鈴の母・理恵になってしまった龍太は
戸惑いの表情を浮かべながら
考えを巡らせるー。
龍太は昨日の夜、普通に寝たはずなのに、
朝、目を覚ましたら”見知らぬ中年女性”になっていたのだー。
”なんだこれは!?”と戸惑っているうちに、
外から”娘”の声が聞こえて来て戸惑ったー。
自分自身がパニック状態であったこともあるし、
部屋の外からの声だったこともあるー。
それにー
”他人の耳”で音を聞くと、
ちょっと音の聞こえ方も微妙に違うー。
そのせいで、部屋の外から声を掛けて来ているのが
まさか美鈴だとは思わなかったー。
美鈴の母・理恵とはまだ会ったことがなかったし、
家に来たことはなかったために、
ここが”美鈴の家”だと知らなかったのだー。
そのため、美鈴が入って来てびっくりしてしまった
理恵(龍太)ー。
ようやく、頭の中でどうすればこの状況を信じて貰えるのか、
整理をつけると、
「み、美鈴ー落ち着いて聞いてほしいんだー」と、
そう言葉を口にしてから、
”龍太”自身の個人情報を口にしていくー。
血液型や誕生日ー、
美鈴から誕生日に貰ったものー、
逆に美鈴の誕生日にあげたものー、
学校の友達の名前、
美鈴と龍太しか知らないはずの最近の出来事などなど、
そういったことを手当たり次第口にしていくー。
すると、美鈴はようやく、困惑した表情を浮かべながら
「も、もしかして…ほ、本当にー?」と、
そんな言葉を口にしたー。
理恵(龍太)は「ほ、ホントなんだー。お、俺もー…
どうしてこうなったのか全然分からないんだけどー」
と、慌てた様子で言う。
美鈴は、ようやく入れ替わりを信じてくれたー。
龍太の身を案じながらも、すぐに美鈴は
「えっ…でも、じゃあ、ママはどうなってるのー?」と、
母・理恵の身も案じ始めるー。
心配性で嫌になってしまうところはあるけれど、
それでも、美鈴にとっては大事な母親ー。
その母・理恵に龍太がなってしまっているということは、
母・理恵はどうなってしまっているのだろうかー。
そんな心配が頭に浮かぶー。
「ーーえ…えっと…
ーーど、どうなってるんだろうなー…」
理恵(龍太)は戸惑うー。
「ーーあ、あのー…美鈴のお母さんー聞こえますか?」
理恵(龍太)は自分の身体をノックするかのように
そう言葉を口にするー。
がー
その時だったー
「えっ、ちょっと待ってー…」
美鈴が、何かの音に気付くー。
話に夢中で気付かなかったけれど、よく聞くと
家の電話が鳴っているー。
それに気づいた美鈴が、部屋を一旦出て、電話に出るとー
その電話の相手はー…
”み、美鈴!?よかったー
わ、わたしー!ママなんだけどー!”
と、そう言葉を口にする龍太(理恵)だったー…
②へ続く
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コメント
ママと彼氏が入れ替わっちゃうお話…!
大変なことになってしまいそうですネ~!!☆
どんな風になってしまうのかは、
②以降のお楽しみデス~!!!
今日もありがとうございました~!☆☆!

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