<憑依>本当に気付いていないのか?②~戸惑い~

①にもどる!

彼氏と同棲している子に憑依した男ー。

しかし、その同棲中の彼氏は、
彼女が”いつもとは違う”言動を取っているのに
気にする素振りを見せずにー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーおかえり~~~」
麻奈美に憑依した信彦は、
今日も麻奈美の身体で堕落した生活を送っていたー。

あれからー、
”大学”は休み続けていて、
同棲中の彼氏・竜也が大学に行っている間に、
”お楽しみの時間”を楽しみー、
欲望の限りを尽くしているー。

少し前にはこっそりとチャイナドレスや、メイド服を買って
それも楽しんでいるーー。

「ーーへへへへへ♡」
チャイナドレスに着替えた麻奈美は
ニヤニヤしながら姿見に映る自分の姿を見つめるー

「ーーこの生足ーエロすぎだろー」
チャイナドレスから覗く生足を嬉しそうに撫でまわすと、
「ーわたし、エロすぎでしょ♡」と、嬉しそうに言葉を言い直すー。

そのまま、姿見の前で色々なポーズを取っていく麻奈美ー。

大学をサボりー、
家のことも何もせずー、
ただ、”欲望の限り”を尽くしていくー。

「ーチャイナドレスの上から揉む胸もまたこうー
 いいよなー…ぐへへ…へへー♡」
麻奈美本人が絶対に浮かべたこともないであろう
下品な笑みを浮かべながら、麻奈美は自分の胸を
嬉しそうに揉み続けるー。

「ーーーへへっーー
 あ~~~~西城さんの身体が感じてるのも
 最高にゾクゾクするよなー」

”憑依されている”麻奈美ー
麻奈美本人からすれば、とんでもない状況だし、
今すぐにでも助けてほしい、そんな状況であるはずだー。

しかし、乗っ取られている麻奈美の身体は、
”支配者”である信彦の意思に従って興奮しているー。

身体中が喜びを感じて、ゾクゾクゾクゾクとしているー。
そんな状況に、信彦はさらに興奮していくー。

もちろん、信彦の代わりに興奮するのは
麻奈美の身体だー

「ーへへへっ…たまんねぇ…♡」
バイト先で一緒だった頃も、絶対に浮かべなかった表情を
麻奈美に浮かべさせて、そのまま最後まで楽しむと、
「そろそろアイツが帰って来る時間かー」と、
面倒臭そうにしながら、
”自然な形で、仲違いしたほうが、後々楽だからなー”と、
静かにそう呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー麻奈美ー…
 最近、体調はどうー?」

心底心配そうに言葉を口にする彼氏の竜也ー。

「う~ん、まぁ、そこそこかなー」
麻奈美はそう答えると、
竜也は「ぼ、僕さー、色々気付けないこともあるかもだけど、
何か調子悪いところとか、困ってるところがあったら、いつでも
言ってくれればー」と、そう言葉を口にするー。

「ふふー、ありがとー」
麻奈美はそう言いながらも、ソファーに寝そべって
面倒臭そうにスマホをいじっているー。

彼氏の竜也が一緒にいる状況では、
コスプレもしないし、Hなこともしないー。

只々、”早く明日にならねーかなー?”と、そんなことを
思いつつ、時が過ぎるのを待つー。

”いきなり”もう嫌い”とか、そういうことを言うと、
 この彼氏も疑問に思うだろうからなー”

「ーー竜也は心配しなくて大丈夫ー」

麻奈美に憑依してから”半月”、
そんな言葉を口にしながら、
大学にも行かず、家のこともせずに堕落した生活を送る麻奈美ー

一応、”麻奈美と一緒だった”バイト先には”麻奈美”として
顔を出しているものの、
それ以外は何もしていないー。

バイト先に顔を出しているのは、
”バイト先での麻奈美”のことはよく分かっているため、
麻奈美として振る舞いやすかったし、
”自分がいたその場所に、別人として存在している”という状況に
興奮するからだー。

周囲から”西城さん”とか”麻奈美ちゃん”を呼ばれるだけで、
この上ないぐらいの興奮を覚えることができるー。

だから、バイトを続けているー。

”ーコイツと別れたらー、バイトを掛け持ちするかー
 せっかく、西城さんになったんだしー
 やっぱ、”女”を武器にするようなバイトがいいよなー”

そう思いながら、麻奈美はスマホを操作して、
バイトの情報を見つめていくー。

が、今日はいい感じの求人が見当たらずに
「ー竜也~わたし、そろそろお風呂入っていい~?」と、
そう言葉を口にするー。

「ん?あぁ~いいよー」
竜也はそう言いながら、少しだけ笑うと
麻奈美は”竜也との過去のやり取り”をスマホで何となく見つめながら
そのままお風呂に入る準備を始めようとしたー。

がー、
その時だったー。

「ーーーえ」
麻奈美に憑依している信彦は、麻奈美の身体で思わず変な声を上げてしまったー。

「ー麻奈美ー?どうかしたのかー?」
心配そうに呟く竜也ー。

「ーえ、あぁ、いやー。なんでもないー」
麻奈美はそれだけ言うと、スマホの画面の方に再度視線を向けるー。

そこにはー…
麻奈美と竜也の”過去のやり取り”が記録されていたー。

今まで”元々の麻奈美と竜也の関係性”には興味がなかったために、
特に麻奈美と竜也の過去のメッセージのやり取りを
確認するようなことは一度もなかったー。

が、今日は本当にー、”なんとなく”
それを見返したことで、ある事実に気付いてしまったー

”さ、西城さんー、彼氏のことを”竜くん”って呼んでたのかー”
麻奈美は青ざめながら、竜也のほうをチラッと見つめるー。

信彦が麻奈美に憑依してからは、
麻奈美は竜也のことを”竜くん”ではなく”竜也”と呼んでいるー。

当然、竜也本人も恐らく”呼び方が急に変わった”ことに気付いているはずー
いや、それだけじゃないー。
”一応は”麻奈美として振る舞ってはいるものの、
信彦は”以前の麻奈美”の振る舞いをそのままなぞるつもりはなく、
大学にも行っていないし、家のことも何もしていないー。

何回か、帰宅した竜也に胸を揉んでいる場面を
目撃されているー。

が、竜也は未だに”彼女の異変”に気付いていないのだー

”ってか、呼び方もか変わりゃ、普通違和感を抱くよなー?”
麻奈美は竜也のほうをチラチラと見つめながら
困惑したような表情を浮かべるー。

”コイツ、何で平然としてるんだー?”
麻奈美はそう思いつつ、
竜也のほうを再度見つめると、
竜也は「?」と言わんばかりの表情を浮かべるー

「ーと、とにかくわたしー、お風呂に入って来るねー」
麻奈美はそれだけ言うと、逃げるようにして
お風呂に入るー。

いつもは、麻奈美の髪や身体を楽しみながら
のんびりとお風呂に入っている信彦であったものの、
今日は、困惑の表情を浮かべながら
無心に身体や髪を洗い終えると、浴槽に浸かりながら
ため息を吐き出したー。

「ーまさか、もう”気付かれて”いるのかー?」
麻奈美はそう呟くー。

もちろん、”バレる”こともある程度は想定していたし、
”最近、変じゃないかー?”とか、
そのぐらいは言われる覚悟をしていたー。

それでも”憑依”などということはバレないと思うし、
そう言われたらそれでいいと思っていたー。

”いきなり別れようとしない”のは、
少し彼氏の反応を楽しみたいという気持ちもあったし、
別れたあと、”元カレ”になった竜也とトラブルになると、
”これから始まる、西城 麻奈美としての欲望の日々”の
邪魔になるかもしれないと考えて、
約3カ月ぐらいかけて自然と嫌われていこう、と
信彦は心の中でそんな風に思って、
今まで振る舞って来たー。

がー、想定外なのはー、
同居している彼氏の竜也が、全く”反応”を示さないことだー。

最初は”よほど俺が、西城さんとしてうまく振る舞えているんだなー”などと
思っていたものの、
そもそも呼び方まで合ってなかったと考えるとー、
絶対に違和感を抱かれていてもおかしくはないー。

「ーーなんで、聞いてこないんだろうなー…?」
麻奈美に憑依している信彦は、それだけで頭がいっぱいになりながら、
腕組みをしながら、考え込むー。

「~~~~~~~~~……」
やがて、麻奈美の顔が赤くなってくるー。

「ーーやべー…長湯しすぎたー」
思った以上に長時間、浴槽に浸かりっぱなしになってしまった麻奈美は
そう言葉を口にすると、
そのままふらふらしながら、お風呂の外へと出るのだったー…。

・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーえ、大丈夫ー?」
お風呂から出て来てもまだぐったりしている麻奈美を見て、
竜也は心配そうにそう言葉を口にすると、
麻奈美は「あ~~~~~…」と、目元を押さえながら
「ーー少し長湯しすぎただけだから大丈夫ー
 竜ーーーー」と、そこまで言いかけて一旦言葉を止めるー。

麻奈美は、竜也のことを”竜くん”と呼んでいたー。

急に呼び方が変われば、誰だって違和感を抱くはずだー
気付いてしまった以上、ここは”竜くん”と呼ぶべきなのだろうー。

がー、
”ーーー竜くんとか、気持ちわりぃなー…”
麻奈美に憑依している信彦には、どうしても”竜くん”と呼ぶ気には
なれなかったー。

自分が”竜くん♡”みたいに呼んでいる姿を思い浮かべたら、
なんだか気持ち悪くなってしまったのだー。

「ーーーーり、竜也は心配しないでー」
結局、”竜くん”と呼ぶことなく、麻奈美がそう言葉を口にすると、
竜也は「ーーよかったー。でも、体調が悪かったらいつでも言ってくれればー、
僕もできる限りのことはするからー」と、そう言葉を口にしたー。

麻奈美は、のぼせた状態になりながら
表情を歪めると、
”こいつ、同棲中の彼女の様子が明らかにおかしいのに、本当に気付いていないのかー?”
と、険しい表情を浮かべながら、
竜也の後ろ姿を見つめるー。

そしてーーー
少しだけ躊躇ってから口を開いたー

「ねぇー…最近、”わたし”のことで何か気付いたことあるー?」
とー。

もちろん、麻奈美に憑依した人間としては
そのようなことを自ら口にするべきではないー。

がー、
大学に行かなくなってもー、
鏡にキスをしているところを見られてもー、
胸を揉んでいるところを見られてもー、
家のことをしなくなってもー、
”竜くん”と呼んでいたのに”竜也”と呼ぶようになってもー、

明らかに”普通”ではないと分かるはずなのに、
何も聞いてこないし、”いつも通り”に過ごしているー。

そんな竜也を見て、逆に麻奈美に憑依している信彦は
心配になってしまって、そんな言葉を口にしてしまったー。

「ーーーえ……?」
”何か気付いたことはある?”と、そう聞かれた竜也は
少し戸惑いの表情を浮かべながら
麻奈美のほうを見つめるー。

「ーーーえ……あ、か、髪型!」
竜也はハッとした様子でそれだけ言葉を口にするー。

「ーーは?」
予期せぬ返事に、麻奈美に憑依している信彦は
思わず表情を歪めてしまうー。

麻奈美が信彦に憑依される前ー…
麻奈美がいつもと髪型を変えた時に、
竜也が気付かなかったことがあったー。

その時にー、

「つ、次は気づくから!」
「あははー、じゃあー、気付いてもらえるの楽しみにしてるね!」

と、二人はそんな会話をしているー

そのことを知らない麻奈美に憑依している信彦は、
戸惑いの表情を浮かべながらも、
「ーーま、まぁ、髪型は変えたけどー…」
と、そう言葉を口にするー。

麻奈美に憑依してから、”髪型”は定期的に変えているー。
バイト先では、少なくとも麻奈美の髪型はいつも同じような
感じだったから、家でも”あのまま”なら、
確かに、元々の麻奈美と髪型は違うはずだー。

しかしーーー

”いやいやいや、髪型以外にも変わってるところー、たくさんあるだろうがー”
麻奈美に憑依している信彦は、少しだけ不愉快そうに
そんなことを内心で考えながら、竜也のほうを見つめると、
竜也は申し訳なさそうに
「ーご、ごめんー次はすぐ気づくって言ったのにー」と、
そんな言葉を口にしたー。

「ーーーー~~~~~~っ」
麻奈美に憑依している信彦は思わず舌打ちしてしまうー。

どこまでも鈍いやつなのかー
それとも”何か企みがあって”気付かないふりをしているのかー
全く分からないー。

「ーーー…」
危険を冒してまで”何か気付いたことはない?”と聞いたのに
的外れの返事が来たことにいら立ち、
「もういいー」と、それだけ言葉を口にすると、
麻奈美は部屋の中へと戻っていくー。

「~~~~~~~…」
竜也は「ご、ごめんってばー」と、部屋の入口をノックすると、
「髪のこと、気付かなくてごめんー」と、再度そんな言葉を口にしたー。

「ーーーー…」
部屋の中でその言葉を聞きながら、苛立った様子で
髪を掻きむしる麻奈美ー。

やがて、麻奈美は大きくため息を吐き出すと、
「別に髪のことは怒ってないよー」と、それだけ言葉を口にするのだったー。

”ーーーマジで何の違和感も抱いてないんだとしたらー
 西城さんも哀れ過ぎだろー
 俺みたいのに憑依されてるのに、彼氏に気付いて貰えないんだからなー”

そう思いつつ、麻奈美は興ざめした様子で鏡を見つめると、
「ーーーあ~あ、モヤモヤするしー、少し遊ぶかー」と、
そう言葉を口にするのだったー

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回が最終回デス~!☆

憑依されてしまった彼女と、
その彼氏が、どんな風になってしまうのか、
見届けて下さいネ~!!

今日もありがとうございました~!

続けて③をみる!

「本当に気付いていないのか?」目次

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