彼女は、自分自身が定期的に憑依されていることに気付いたー。
”自分の身体が好きに使われている”
そんなことに気付いた彼女の逆襲が始まるー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーへへへへ…♡ ひひひひひ…
すげぇなー…由美(ゆみ)ちゃんの身体はー
へへへへっ」
深夜ー。
女子大生の三笠 由美(みかさ ゆみ)は、
その見た目に似合わぬ下品な笑みを浮かべながら、
自分の身体を使って欲望の時間を楽しんでいたー。
「ーへへっ…ふひっ…
あ~~~…たまんねぇ」
由美は、はぁはぁと荒い息をしながら、
自分の胸を揉んだり、アソコを触ったりしながら、
欲望の時間を楽しんでいるー。
「ーーしっかしー女ってすげぇよなー
へへへー…こんな服着てー、それが似合うんだからー
ぐひひひひひ…」
由美は顔を真っ赤にしながら
鏡に映るメイド服姿の自分を見つめると、
嬉しそうに、色々なポーズを決めていくー。
そんなー、”由美の欲望の時間”は
しばらくの間続いたー。
しかし、今の彼女は
由美であって、由美ではなかったー。
”身体”は正真正銘、三笠 由美 本人のものー。
けれど、今の”中身”ー
今、由美の身体を動かしているのは、由美本人ではなかったー。
由美は今、同じ大学に通う男、
梶浦 隆一郎(かじうら りゅういちろう)に”憑依”されて、
身も心も完全に乗っ取られていたー。
「ーーあ…やべぇ…イクッ…」
由美は気持ちよさそうにしながら、身体を震わせて、
絶頂を味わうー。
由美が”憑依”されたのはこれが初めてではないー。
同じ大学に通う梶浦 隆一郎は、2,3日おきに1回、
深夜になると由美に憑依して、由美の身体で
お楽しみを繰り返していたー。
「ーーは~~~~……やっぱたまんねぇ…」
男の身体では決して味わうことのできない快感ー
それを由美の身体で味わいながら、
隆一郎はニヤニヤと笑みを浮かべるー。
もちろん、由美の身体に憑依してみて、
”女の身体では味わない男の快感”があることも分かったー。
でも、それを差し引いても、
やっぱり、男では味わえない快感の方がたまらないと、
隆一郎はそんな風に思いながら
今日も”憑依で楽しむ欲望の時間”を終えたー。
「はぁー面倒くせぇ。
でも、気付かれたらもっと面倒だからなー」
隆一郎は、いつもお楽しみを終えると
由美の身体から抜け出す前に”後片付け”をしているー。
憑依されている間の記憶は由美には残らないし、
本人が”疑問を抱かないように”
由美がいつも就寝する23時30分以降ー、
寝るのに少し時間がかかったり、準備が遅れたりする日もあることを
考慮して0時過ぎに憑依するように、隆一郎はしているー。
別に、”由美を怖がらせないように”という配慮ではない。
単純に、由美が”わたし、記憶が飛んでる?”などと違和感を抱き始めて
騒がれると面倒なことになりかねない、と、そんなリスクを
計算してのことだ。
「ーーへへーさぁて、これでよし、とー」
由美の身体で最後はシャワーを浴びて、十分に髪を乾かして
その痕跡を消すと、そのままベッドに潜り込むー。
「ーーじゃあな、由美ちゃんーへへ」
ニヤニヤしながら由美はそう言葉を口にすると
「うっ…」とうめき声をあげて、そのまま意識を失うー。
霊体になった隆一郎は、由美が眠っているのを確認すると、
そのまま自分の身体に戻るためにその場から飛び去って行ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー」
朝ー
由美は昨夜、自分が憑依されて好き放題されていたことも
知らずに、いつものように大学に向かう準備をしていたー。
由美の家には”憑依した自分”がネットで購入して
コンビニで深夜に受け取ったメイド服や、
コスプレ衣装が数点、隠されているものの、
由美本人が気付かないように、家の中に隠されていたために
”憑依されている間の記憶がない”由美は
それに気づかなかったー。
大学に到着した由美は、眠そうにしながら自販機で
飲み物を買っていると、
由美の友人・志穂(しほ)が声をかけて来たー。
「最近、いつも眠そうにしてるけど大丈夫?」
心配そうにする志穂ー。
「えー…?あははー
なんだか最近、寝てもなかなか疲れが取れなくてー」
苦笑いする由美ー。
それもそのはずー
由美本人としては、23時台には就寝しているのに、
実際には0時から2~3時ぐらいまで憑依されているため、
6時~7時ぐらいに起きる由美は、
睡眠時間が足りていないのだー。
毎日憑依されているわけではないため、
極度な寝不足にはなっていないものの、
それでも、次第に疲れは蓄積しつつあって、
由美本人も「おかしい」と、そう思い始めていたー。
「ーー寝ても疲れが取れない~…
夢遊病で、家の中を歩き回ってたりしてー!」
揶揄う様に言葉を口にする志穂ー。
「あははーそんな怖いこと言わないでよ~」
由美は、そう言葉を口にしながらも、
少し前に”家の中の配置”が、
寝る前と起きた時で少し違うようなー…という
”ほんのわずかな違和感”を感じたことがあったー。
それを思い出して、不安を覚える由美ー。
「ーーーって、そんな深刻そうな顔しないでよー
…冗談だってば~」
親友の志穂は少し申し訳なさそうに言うと、
由美は苦笑いしながら、
「ーでも、寝ても疲れが取れないと困っちゃうよねー」と、
そんな言葉を口にしたー。
昼になっても、そのことを気にしながらも、
他の友達たちと一緒に昼食を食べる由美ー。
「ーーー」
そんな由美の姿を少し離れた場所から
見つめている男子大学生ー…
由美に数日おきに憑依している隆一郎は
少しだけ笑みを浮かべるー
”ククククーー
今日も可愛いよなぁ 由美ちゃんー”
隆一郎は、いつもボサボサ頭の
不潔感が漂っている男子で、
友達は少なく、恋人もいないー。
そんな彼が、以前、由美から声を掛けられたことで
由美のことを一方的に好きになってしまいー、
けれど、”俺なんかが振り向いてもらえない”ということに気付きー、
”憑依”という凶行に及んだー。
俺がどんなに望んでも、由美ちゃんは手に入らないー。
だったら、憑依するしかないー、と、
あまりにも身勝手な理由でー。
”ーへへー夜の由美ちゃんを思い出して興奮しちまうぜー”
隆一郎は、そんなことを心の中で思いながら
今一度笑みを浮かべると、そのまま由美たちの横を何食わぬ顔で通過して、
空いている座席に座り、昼食を食べ始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その数日後ー
由美は再び、深夜に憑依されていたー。
不安そうな表情はそこにはなく、
欲望に身を委ねた獣のような表情を浮かべながら
大声で喘ぎ狂う由美ー
「ーーはぁぁぁ♡… 最高だ♡」
由美はうっとりとした表情を浮かべながら、
そう言葉を口にするー。
「ーえへへへへーすごすぎるだろー…憑依ー」
由美はそう言葉を口にすると、
胸を触りながらニヤニヤと笑みを浮かべたー。
がーーー
部屋の隅に、由美が設置した
”小型のカメラ”が、今の”憑依された由美”の様子を
録画していることに、
由美に憑依している隆一郎は気づいていなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー!!!!」
翌朝ー。
由美は、昨日の”映像”を確認して、
唖然としていたー
寝ていた自分が、急に笑みを浮かべながら
起き上がると、男のような口調で話しだした挙句、
服を脱いで、ニヤニヤと自分の身体を見つめて
Hなことをし始めてー、
さらには家の中に隠してあったメイド服を身に着けて
鏡の前でファッションショーかのように、
色々なポーズを取り始めたのだー。
「な…何なのこれ…?」
戸惑いの言葉を吐き出す由美ー。
自分の身に一体何が起きているのかー、
さっぱりわからないー。
けれど、これは”夢遊病”なんかじゃないー。
こんなにハッキリと明確に意思を持って
動くはずがないー
そう思いつつ、由美は映像の続きを確認するー。
そこから先は、見るのもつらい映像だったー。
寝ているはずの自分が、嬉しそうに自分の身体を弄んで、
自分でも見たことのないような表情を浮かべて、
気持ち良さそうに声を発しているー。
あまりにも、最悪な光景ー
”へへへへー…由美ちゃんは俺のものー”
ふと、映像の中の”由美”がそう言葉を口にしたのを、
由美は聞き逃さなかったー。
「ーー由美ちゃんー…? 俺ー?」
由美が表情を歪めるー。
自分のことを”俺”と呼び、
由美のことを”由美ちゃん”と呼んでいるー。
映像の中の由美の発言に、由美は困惑するー。
”どういうことー?
誰かがわたしを勝手に動かしているのー?
もしかして、幽霊ー?”
由美は自分が幽霊に取り憑かれたのではないかと
そんな風に一瞬考えてしまうー。
”ーーううんー…幽霊なんて、いるわけがー”
別にオカルト好きでもないし、
幽霊を信じるようなタイプでもない由美は、
すぐに自分にそう言い聞かせるかのように、
首を横に振るー。
映像をさらに見つめる由美ー。
”これって、もしかしてー
わたしの中に別の人格が生まれちゃったとかー
そういうやつー…?
なんて言ったっけー?
二重人格とか、そういうー?”
由美がそんな不安を覚えながら、映像の確認を続けるー
けれど、由美に”そういうことになるトラウマ”のようなものの
覚えはないー。
何の理由もなく、自分の中に突然別人格が生まれるー…
なんてことは、さすがにないはずだし、ないと思いたいー。
「ーーー!」
そんな、色々な不安が頭の中に浮かんでは消えていく最中ー、
由美は、映像の中の”憑依された由美”のある発言を聞いて
表情を歪めたー
”ーえへへへへーすごすぎるだろー…憑依ー”
映像の中の由美が、そう言葉を口にしたのだー。
「ーーー憑依ーーー?」
由美は険しい表情を浮かべながら、
その映像をもう一度確認するー。
「ーーー……憑依ってー……」
”憑依”が意味する言葉は何となく理解できるー。
魂みたいなものが相手の中に入り込む感じだー。
やっぱり幽霊ー?と一瞬思ったものの、
何となく”幽霊”ではなく、”生きている人間らしさ”を感じる
言い回しのように感じた由美ー。
「ーーーー」
映像が終わると、由美は大きくため息を吐き出すー。
”誰かがわたしの身体を勝手に使っているー”
幽霊にせよ、生きている人間にせよ、
それだけは確信したー。
最近、寝ているはずなのに身体の疲れが
妙に残った状態のままであることも、
その理由はハッキリしたー。
寝ているつもりなのに、その寝ている間の時間に
身体を勝手に使われているのだから、
疲れが取れなくて当然だー。
意識だけが眠っていても、身体は動いていれば疲れは取れないー。
「ーーーー」
由美は、そんな現実に少しの間、困惑したような表情を
浮かべていたものの、
やがて、言葉を口にしたー。
「ーー許せないー」
とー。
由美は負けず嫌いな性格だったー。
一見すると弱々しく見えるような雰囲気でもあるものの、
意外と気が強く、多少のことでは怖がったりしないー。
”自分が憑依されて好き放題されている”
そんな事実を知った由美は、
怯えるよりも先に”許せない”という
そんな感情が沸き上がって来たー。
「ーーー」
由美は、それからも”情報”を集めるために
小型のカメラを設置し続けたー。
すると、由美は毎日憑依されているわけではなく、
火曜日の夜、金曜日の夜、日曜日の夜に
それぞれ憑依されていることが分かったー。
合計で3週間ほど確認を続けたものの、
曜日がズレることはなかったために
恐らく相手は曜日を決めて”憑依”しているー。
しかも、ご丁寧に毎回憑依する度に
”証拠隠滅”をするため、
綺麗に部屋を掃除して、片付けて、シャワーも浴びているー。
「ーーーーーーー」
自分が憑依されている際の映像を確認して、
相手が由美に憑依するタイミング、
そして、その行動パターンを見破った由美は決断したー
”わたしに憑依している誰かに仕返しする”
とー。
このまま、わたしの身体を好きにはさせない、と
そう決意した由美は、
早速”次”に憑依される日から、行動を実行に移すことにしたー。
人間か、あるいは幽霊かー、
由美にはそれは分からないー。
けれど、どっちだっていいー。
「ーわたしの身体は、あんたのものじゃないからー」
由美はそう呟くと、
今まで通りなら”次”に憑依されるタイミングである
”金曜日の夜”を楽しみにしながら、
”仕返し”のための計画を練り始めたー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
自分が憑依されていることに気付いて
”仕返し”するお話ですネ~!
どんな仕返しをするのかは、
明日のお楽しみデス!!

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