<女体化>結婚直前に女になっちゃった!?②~二人の未来~(完)

結婚式前日に女体化してしまった彼ー。

彼女も困惑する中、
なんとか元に戻る方法を探そうとするもー…?

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”結婚式当日”ー

”過去”を振り返っていた涼介は思ったー。

”長かったー”
とー。

”女体化”したあの日ー。
あれがあったことで、長い長い回り道をすることになったー。
けれど、ようやく、ゴールにたどり着いたー。

随分と時間がかかってしまったし、
随分と回り道をしてしまったー。

でも、ようやくー。

控室で準備をしながら、涼介は”あの時”のことを
振り返っていたー。

千夏が新居の見学に向かったところまで振り返り終えた涼介は、
小さく息を吐き出すー。

そろそろ、時間だー。

随分長い回り道をしたけれど
ようやく、涼介は”結婚式当日”を迎えたー。

涼介は穏やかに笑みを浮かべると、
”その続き”を思い出し始めたー。

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”結婚式前日”ー

「ーーーあ、お昼ご飯も買って来たよ~!」

新居の”見学”から戻って来た彼女の千夏が
そう言葉を口にしながら、
買ってきた弁当を袋から取り出すー。

「ーありがとうー」
女体化してしまった涼介は、パソコンを使って
ネットで必死に元に戻る方法を探していたー。

しかし、”朝起きたら女になっていた”などという事例は
見当たらずー、
ネットで検索しても、
”朝起きたら女になっていた”系の漫画や小説が
出て来るだけだったー。

「ーーそれで、元に戻れそう?」
千夏が心配そうに言うと、
涼介は「いやー…まだー」と、そう言葉を口にするー。

「ーーそっかー」
千夏は戸惑いながらも、「あ、そうそうー。見学だけどね~」と、
新居にする予定の場所を見学してきた感想を口にしはじめるー。

それなりに気に入ったようで、
嬉しそうに写真や動画を見せて来る千夏ー。

「ーー確かに、いい感じだなぁー
 写真で見るよりもいいかもしれない」

女体化した涼介がそう言うと、
スマホを見つめながら何度も邪魔そうに髪を払いのけるー。

「ーー…あははー、慣れてないと邪魔だよねー
 
 あ、そうだーバッサリ切っちゃえば?」

千夏がそう言うと、女体化した涼介は
「ま、まぁ、戻れなかったら考えようかなー」と、笑うー。

「ーあははー…ちゃんと明日までには戻るんでしょ~?」
千夏のその言葉に、
涼介は「そうそう!ずっとこのままじゃ俺も困っちゃうからなー」と、笑うー。

「ーお母さんが二人になっちゃうし」
涼介が冗談めいた口調で言うと、千夏は苦笑いしながら
「あ、お弁当、どっちを食べる~?」と、そう言葉を口にしたー。

昼食を終えると、二人は元に戻るための方法を
色々と調べ始めるー。

調べると言っても、何を調べていいのかも分からないし、
元に戻るための方法を試す、と言ってもどう試していいか分からないー。

やがて、元に戻ることができないまま夕方になってしまいー。
涼介は表情を歪めるー。

「あぁ、どうしようー。
 このままじゃたぶん、会社も行けないしー」
戸惑う女体化した涼介ー。

「ーー…何か思い当たること、本当にないの!?」
千夏も、焦りを隠しきれない様子でそう言うと、
「ーー…ないよー」と、涼介は悲しそうに呟くー。

「ーーでも、何もしてないのに急に女になるとかありえないでしょ!?」
千夏の言葉に、
”さっきは心当たりがないなら、涼介は悪くないよ”と
言っていたのにー、と、心の中で思うも、涼介は
「でも、ごめんー」と、そう言葉を口にするー。

「ーーー…」
時計を確認しながら涼介は”とにかく、早く元に戻らないと”と、
そんな焦りの言葉を口にしたー。

けれどー、結局、元に戻れないまま
夜になったー。

「ーーーー…明日、どうするの?」
千夏がそう言うと、涼介は「…寝れば、元に戻るかもしれないー
もし、ダメだったらー…俺が責任もって千夏のお父さんとお母さんにも
説明するからー」と、そう言い放ったー。

気まずい空気が流れるー。

千夏は少し間を置いてから「…分かったー」とだけ呟くと、
「ー今日はもう、帰るねー。また、明日ー」と、そんな言葉を口にしたー。

そして、翌朝ー。

「ーーーくそっ!!!」
起きると同時に股間のあたりを触って”ない”ことを確認すると
思わずそう言葉を口にしながら、涼介は立ち上がるー。

ため息をつきながら、
涼介は”千夏”に連絡を入れて”女のままだった”ことを告げるー。

がーーー

”ーーごめんー結婚式と入籍、延期できるー?”

「ーーーえ?」
千夏の言葉に、涼介は困惑するー。

”ー本当にごめんー
 でも、わたしー、今のままじゃ、涼介と一緒に
 やっていく自信、ないよー。

 今の亮介のことー…彼氏として見れないし、
 好きな人としても見れないしー、
 一緒に暮らして夫婦になるなんて考えられないー”

千夏が悲しそうにそう言い放つー。

「ーーえ…ち、ちょっと待ってー…!
 だ、大丈夫だよー。
 も、もし戻れなくても俺は俺だからー!

 それに、千夏に迷惑をかけないように努力するからー!」

涼介がそう叫ぶも、
千夏は”昨日、親に説明したのー。そしたら親も反対しててー”と、
そう言葉を付け加えるー。

”わたしも、気持ちの整理がつかないし、わたしの親も反対してるー
 こんな状況で結婚しても、上手く行くわけないでしょ?

 だからー…元に戻るまで、様子を見させてー”

その言葉にー
涼介はその場で膝を折ったー。

結局ー、”結婚式”と”入籍”は無期限での延期になってしまったのだったー。

「ーーーくそっ…なんで…なんでー…」
涼介は涙を流しながらそう呟くー。

その後も、涼介は苦難続きだったー。

何とか元に戻る方法を探そうと、
病院を探し始めた涼介ー。

しかし、1件目は
”すみませんーお話がよく分かりません”と断られてしまい、
2件目は”ご自分の保険証をお持ちください”の一点張りで
他人扱されてしまったー。
当然と言えば当然かもしれないー。

3件目の病院では心療内科を相談され、
”自分のことを島野 涼介だと思い込んでいるヤバい女”
として扱われたー。

どこの病院に行ってもー、まともに相手にされないか
勘違いされることばかりー。

さらには、会社にも事情を説明したものの
上司から”一度、落ち着くまで休職できるように手続きするから”と
謂れて半分強制的に休職扱いにされてしまい、
そのまま復帰することもできず、半年後、ほぼ強制的に
退職させられてしまったー。

そしてーー

「ーーーーちゃんと、区切りをつけておきたかったのー
 ごめんなさいー」

女体化してから半年ー
雨の日だったー。

女体化したあと、千夏は”女としての過ごし方”を色々と
涼介に教えてくれたー

”こういう服の方が似合うんじゃない?”と、
おしゃれの仕方も色々教えてくれたー。

けれどーーー

「ーー”恋人”としても”夫”としても見ることはできないのー
 だから、ハッキリと伝えておかなくちゃって思ってー」

心底申し訳なさそうに呟く千夏ー。

強い雨の中ー、
涼介は正式に別れを告げられたー
婚約は破棄ー、恋人としても今日でおしまいだとー。

「ーーーーーー」
ぎゅっと、唇を噛みしめる涼介ー。
女体化してから1か月後の時点からー、
ショートヘアーにしている髪が濡れていくー。

まるで、涙が溢れて止まらないかのように、
雨に打たれ、濡れていくー。

「ーーーーー」
ぎゅっと唇を噛みしめながら、涼介は
「ーーこれからは”同性の友達”ってことー?」と、そう言葉を口にすると、
千夏は「うんー。”友達”として、これからはーよろしくね」と、
そう言葉を口にしたー。

千夏は千夏で半年間、苦しみ続けたー。

もちろん、婚約者が男体化したり、女体化しても
それを受け入れられる人もいるとは思うー。

けれど、千夏にはどうしてもー、
それを受け入れることはできなかったー。

「ーーーーーーごめん涼介ー…
 わたしにはー…わたしには無理だったー」

涼介に想いを伝えた帰り道ー、
降り注ぐ雨を見つめながら、寂しそうに千夏は
そう呟いたー。

どうしてもー…
どうしても、無理だったー。

”女体化した婚約者”を受け入れることはー、
千夏には無理だったー。

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「ーーーー……ーーー」
千夏と涼介の”婚約”が正式に取り消しになったことを
聞き、彼は笑みを浮かべたー。

「そうかそうかー…千夏と彼が別れたかー」
笑みを浮かべる男ー。

彼はー、千夏の父親だったー。

「ーーーーーまさか、あのお土産に
 ”女体化”する毒を仕込んであったとは思わなかっただろうなー」
千夏の父親は笑うー。

結婚式の2日前ー、
千夏との電話を終えた涼介が食べた”千夏の両親からのお土産”ー
あの中に”女体化する毒”を持った千夏の父親ー。

彼はー、涼介にも、千夏にもいい顔をしながら
千夏の結婚には反対だったー。

”娘は、やらないー”
彼は、そんなことを考えていてー、
千夏が涼介と出会う前にも、千夏と元々親しかった同級生の男の絆を
”引き裂いた”ことがあるー。

そのことを、千夏本人も、涼介も知らないー。

真相は、闇の中のままー、
涼介と千夏は正式に別れー、それぞれの道を進むことに
なってしまったのだったー。

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結婚式当日ー。

女体化してから4年ー。
涼介はあの時のことを思い出し終えると、
少しだけ笑ったー。

「ーーーー」
あの後、涼介は仕事も彼女も失い、
失意のどん底にいたー。

しかし、そんな中、友人の一人が
”女体化した状態でも採用してくれる職場”を紹介してくれて
涼介はそこで働き始めたー。

そこの社長は、涼介の友人の伯父で、
気さくな性格の伯父に、”急に女になってしまって
失職した上に婚約者も失った友人がいる”と話したところ
”それは大変だー。うちで働く気があれば、うちに来てもいいよ”
と、そう言ってくれたようだったー。

女体化した涼介に対しても普通に接してくれてー、
涼介はその職場で、”出会った”ー。

「ーー”涼香”ー。」
相手の男が言うー。

女体化してから4年ー。
涼介は、今では”女”として日々を送っているー。

あのあと、”もう俺は元に戻れないー”と、
そんな風に思い、次第に振る舞いも言動も女のようになっていきー、
今では元男だったことを感じさせないような、
そんな、状態になっているー。

そしてー、女として過ごすうちに次第に心も変わって行ったのかー、
同じ職場で働く男性・恵也(けいや)のことを好きになりー、
今日、1年の交際を経て、結婚式を迎えたー

ーーと、言っても”女体化した涼介”は、
戸籍の上では”涼介”のままー。
本当の意味での結婚はできないけれどー、
勤務先の社長の支援もあって、こうして”結婚式”を迎えることができたー。

「ー本当にわたしで良かったのー?」
”涼香”となった涼介がそう言うと、
恵也は「ーーもちろん。君がよかったんだー」と、そう微笑んだー。

「ーーー」
嬉しそうに微笑む”涼香”ー

もう、彼は涼介ではないー。
女体化して、一度はどん底に落ちたけれど、
新しい幸せを今、こうして手にしているー。

やがてー、食事が始まると、
”涼香”の元に、見覚えのある女性が姿を現したー。

「ーーーーおめでとうー」
結婚式に参加していた”かつての婚約者”である千夏ー。

「ーー千夏ーー」
今ではすっかり”涼香”として過ごす涼介は
一瞬、どう言葉を口にしていいのか分からず、
戸惑いの表情を浮かべるー。

「ーーふふー、そんな顔しないでー。」

千夏は、穏やかな表情でそう言葉を口にすると、
「ーーーわたし、こう見えてもずっと心配してたんだからー。
 でもー、今は幸せそうで、本当によかったー」と、
穏やかに微笑むー。

「ーーーーー」
”涼香”は、そんな千夏の言葉を黙って聞くー。

「ーー改めておめでとうー
 これからも幸せにねー

 涼介ー…ううんー、涼香ー」

千夏のそんな言葉に、”涼香”は、少しだけ微笑むと、
「ーーありがとうーー千夏」と、そう言葉を口にしたー。

”結婚直前”の女体化ー。
あれから4年ー、
とっても遠回りをしたけれどー、
彼は今、新たな幸せを手にしたのだったー。

おわり

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コメント

女体化のお話でした~~!☆
女体化でも、男体化でも、直前でこうなっちゃうと大変そうですネ~!…!

お読み下さりありがとうございました~!☆

ちなみに、千夏は4年の間に父親が病気で亡くなっていて、
(相手を女体化させるような人がいなくなったので)、
新しい恋人を見つけて、このあと結婚した設定デス~!

コメント

  1. 匿名 より:

    父親が憑依やら、なんやらの黒幕というタイプの話、多いですね(笑)。

    ところで、もし千夏の父親が死ななくて、繰り返し恋人が次々と女体化していったら、千夏もさすがにおかしいと気づいて、普通に真相に気づいた可能性もありそうですよね?

    あるいは、女体化した恋人を千夏が受け入れて、そのまま結婚しちゃったら、父親の目論見は失敗ということになるので、そういう展開でも面白そうだった気がします☆

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆

      確かに父親の犯人率(?)が高いですネ~笑
      (母親が犯人の作品も時々…★!)

      これまでは女体化以外の方法を用いていたので
      父親がこのまま生きていたらまた違う方法で、
      娘と相手の関係を引き裂いていたかもデス…★!

      女体化した彼を受け入れるルート…★!
      それも面白そうでしたネ~!

  2. 匿名 より:

    ちょっと思ったんですけど、この話、性別が逆のパターンでも面白そうですよね。

    息子を結婚させたくない母親が息子の恋人を男体化させるとかみたいな。

    憑依にしろ、女体化にしろ、この手の話の黒幕はいつも、彼女側の父親というパターンが多いので、たまには彼氏側の母親が黒幕というの新鮮そうですよね。

    そういうタイプの話は、確か、今までほとんどなかった気がしますし。

    • 無名 より:

      ありがとうございます~!☆

      確かに逆パターンも面白そうですネ~!
      この先の作品に生かします~~!☆!