クリスマスイブの日の夜ー。
”彼女が欲しい”と興味本位でサンタさんにお願いした翌朝ー…
親友から突如”お前のせいで女になってしまった”と連絡が入りー…!?
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クリスマスイブの日の夜ー
秀輝が、誰かが自分の身体をトントンと叩いていることに気付き、
目を覚ますとー
そこにはー
よく知る相手がいたー。
いやー
”よく知っている”けど、
一度も会ったことのない、その人がいたのだー。
「さ、さ、さ、さ、さ、サンタクロース!?!?!?!?」
秀輝が叫ぶー
「ーーー急に起こしてすまんな」
サンタクロースは、穏やかな笑みを浮かべながら
そう呟いたー
「ーーは、、は、、は、、はぃぃぃ?
さ、、さ、、さ、、サンタさんがなぜここに!?
っていうか、マジでいたのか!?」
秀輝が言うと、サンタクロースは
「マジでいるんじゃ」と、答えたー
「ーーえ…え???え…???
ってか、どこからこの部屋にー?」
秀輝は、一瞬、父親がふざけているのかと思ったが
どう考えても声や姿が父親ではないー。
「ーー…え?強盗?」
秀輝が思わずそう口にしてしまうと、
「強盗は失礼じゃな」と、サンタクロースは答えるー。
「ーーー…え、じゃ、、じゃあ、あなたはいったいー」
秀輝はなおも戸惑っているー
「ーーだから、言っておるじゃろう。サンタじゃ」
サンタクロースの言葉に、秀輝は手をポンと叩いて
布団に潜り込んだー
「ーーーーー」
「ーーーーー」
沈黙する秀輝とサンター
「ー何をしておるのじゃ?」
サンタの問いかけに、秀輝は「寝ようとしているのじゃ」と、
サンタの口調を真似して答えたー。
「ーーどうして?」
サンタが問うー
「いや、サンタさんが急に目の前に現れるなんて
こんなん、夢に決まってるだろ?
だから、また寝ようと思ってー」
秀輝は、そんな風に言いながら沈黙するー。
”サンタクロースが目の前にいる”という現状を
夢だと判断した秀輝は、そのまま寝ようとしているのだー。
「ーーー」
布団にもぐり込んだ秀輝に近付いてくるサンタクロース。
そしてー
パシーン!と、思いっきり秀輝の頬をビンタしたー
「いってえええええええええええ!?何するんだ!?」
秀輝が頬を押さえながら叫ぶと、
「夢じゃないじゃろ?」と、笑顔で言うサンタクロース。
「ーーい、、いてててて…だ、、だからって
こんな全力でビンタしなくてもー」
秀輝が不満そうに言うと、
サンタクロースは「突然じゃがー」と、呟くー
「ー君は、これから女の子になるんじゃ」
サンタクロースの信じられない言葉に、秀輝は「はぁ?」と、声を上げるー。
「そして、サガチキくんの彼女になるのじゃ」
サンタクロースの言葉に、衝撃を受ける秀輝ー。
”女の子になれ”と言われたことー
そして”親友の佐川の彼女になれ”と言われたことー
さらにーーー
”親友の佐川が、サンタクロースにまで”サガチキ”…
チキン佐川と呼ばれていることー”
に、強い衝撃を受けたー
「さ、、サガチキー…サンタにまでそのあだ名を使われているなんてー」
唖然とした表情の秀輝に、
「ーリアクションするのは、そこなのじゃな」と、苦笑いするサンタクロース。
「ーって!? え!?何?俺に女になって
佐川の彼女になれって!?
何言ってるか俺、よく分かんねぇけど!?」
秀輝の言葉に
サンタクロースは「わかったわかった。ちゃんと説明するから落ち着くのじゃ」と、
秀輝を落ち着かせるー。
サンタクロースは説明を始めるー
「わしらの仕事は、子供たちにクリスマスプレゼントを配ることじゃ。
それは、知っているな?」
秀輝は頷くー。
「ーー君の友達のサガチキくんが、今晩、”彼女が欲しい”って
クリスマスツリーに紙を飾ったんじゃ。
つまり、サンタさんに、彼女をください、ってお願いしたわけじゃな」
サンタの言葉に、秀輝は続けて頷くー。
「ーそういうわけで、サガチキくんの親友である君に、
女の子になってもらって、彼女になってもらおう、ということに
なったのじゃ」
サンタは、満足そうに説明を終えたー
「は??全然意味わかんないけど…?
何で、今になっていきなりサンタさんがー?」
秀輝が戸惑うー。
サンタクロースは親だし、
いつもプレゼントなんて持ってきてくれないのに、どうして今更ー?と。
「ーーすまんの。サンタは抽選なのじゃ。
今年は、サガチキくんが、本物のサンタからプレゼントを貰える人間の
当選者の一人なんじゃ」
「ー抽選なのかよ!」
秀輝が叫ぶー。
そして、さらに続けるー。
「っていうか何で俺を女にする必要が…!?
普通に女子でいいだろ!?」
それだけ言うと、サンタクロースは首を横に振ったー
「ーー彼は、モテないんじゃー。」
とー。
「ーーーあぁ……」
秀輝は、思わずうなずいてしまったー
「ーなるほどーーだから俺がー…」
その言葉に、サンタは「じゃあ、さっそく女の子にー」と、
魔術のようなものを使おうとし始めるー
「いや!ちょっと待て!納得はしたけど、
俺は女の子にー」
そう叫ぶと、サンタクロースは
「返事は二択!「イエス」か「サー!」じゃ」
と、叫び返したー
「おい!両方同じじゃねぇか!」
秀輝が叫ぶと同時に、「サー!」とサンタクロースが勝手に叫んでー
そのまま魔法のようなものが、秀輝に直撃したー
見る見るうちに髪が伸びてー
身体に激しい衝撃を感じー
「うおおおおおおおおおおお!?!?」と、叫ぶ秀輝ー
半分ぐらいから、声が女声に変わりー、
そしてーーー
あっという間に秀輝は、美少女になってしまったー
「って…ええええ…!?」
戸惑う美少女になった秀輝ー。
秀輝は「ーーち、、ちょっと…これ…年齢も若くなってないか?」と、
慌てて言うと、
サンタクロースは「それはわしの趣味じゃ」と、即答したー
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事情の説明を終えた秀輝は
「どうしてくれるんだよ…」と、呟いたー
美少女の姿で、まるで
”妹から上目遣い”されているような気持ちになった
久彦は思わずドキッとしてしまうー
「ど、ど、どうしてって言われてもー…
俺、まさかこんなことになるなんてー」
と、戸惑いの色を浮かべるー。
「ーー……っていうか、サンタクロースなんて本当にいるのか…!?」
久彦の言葉に、
秀輝は「俺だってそう思うけど、本当にいたんだよ!」と叫ぶー。
それと同時にー
秀輝は久彦が顔を赤らめていることに気付いたー
「ーーな、何赤くなってんだよ!?」
秀輝が突っ込むと、
久彦は「こ、、声が可愛くて…ついー」と、目を逸らすー
「ーーこ、、このヤロ~!!」
そう叫ぶと、秀輝は久彦に襲い掛かって、そのまま久彦の頭を
ぐりぐりやったり、羽交い絞めにしようとしたりしたー
”いつもの調子”のおふざけー
しかしー
「ーや、、や、、やめ…」
久彦は顔を真っ赤にしながら
「そ、、それ…あたって、、る」と、秀輝の胸を指さすー。
「ーーバ…馬鹿ッ!男同士なんだからいいだろ!」
恥ずかしそうにする秀輝に、久彦は顔を真っ赤にしながら
「あ、、頭がおかしくなりそうだ」と、目を逸らすー
「ーーーーお、俺だって好きで女の子になったんじゃねぇ!」と
秀輝が反論すると、久彦は、何度か咳き込んだり、
深呼吸したりを繰り返してから、
ようやく落ち着いたのか、秀輝のほうを改めて見つめたー
「ーー…で、俺以外の誰かには、伝えたのか?」
久彦が真剣な表情に戻って言うと、
秀輝は「い、、、言えるわけねぇだろ…」と、恥ずかしそうに呟くー
また顏を赤らめてしまう久彦ー
「ーお、、親にだって、何て言ったらいいか…わかんねぇよ…」
秀輝の言葉に、久彦は
まるで彼女に相談されているかのような錯覚をしてしまうー
目の前にいる可愛らしい美少女は、秀輝だと分かっていても、
見た目や声でー
久彦の頭は”バグって”しまうー
”人間、見た目って、やっぱりだいぶ大事なんだな…”
と思いながらも「で、、でも、このままじゃまずいだろ?」と
久彦は秀輝に向かって言い放つー。
「ーーそ、それはそうだけど…」
「ーーーと、とにかく、俺のせいでこんなになっているなら…
俺もなんとか方法を考えるからー…」
久彦の言葉に、秀輝は「サガチキ…お前はやっぱり、俺の親友だぜ!」と
嬉しそうにしながら急に抱き着いてきたー
「ーうわっ!やめろ!急に抱き着くな!興奮する!」
久彦が叫ぶと、
秀輝は「俺に興奮するな!中身は俺だぞ~!」と、言いながら
さらに抱き着いてきたー。
「やめろ~~~!」
久彦は、悲鳴に似た叫び声をあげたー。
その後ー
二人は色々と考えては見たものの、
結局、”解決策”が見つかるはずもなく、
久彦は、女体化してしまった秀輝と共に、秀輝の母親に、
”秀輝が女体化してしまった現状”を伝えたー。
当然、秀輝の母親はすぐには信じてくれなかったもののー、
秀輝自身と、事情を知る久彦が必死に説明したところー
なんとか、事態を理解してもらうことができたー
「ーーーは~~~~……」
母親への説明を終えて外に出た秀輝はため息をつくー。
「ーこの調子じゃ…学校とか、どうするんだよ」
秀輝の言葉に、久彦は戸惑うことしかできないー。
まさか、サンタさんに”彼女が欲しい”ってお願いしただけで
こんなことになるとは思ってもみなかったー。
「ーーしかも、彼女が欲しいって言ったのに
秀輝が女になるとか、冗談きついよな、サンタさんもー」
久彦がそう言いながら、25日のクリスマス当日の街を
秀輝と共に歩くー。
「ーーまぁ~サンタさんが言うには
俺が女にでもならない限り、お前はモテないって言ってたなー」
秀輝がニヤニヤしながら言うー。
だが、今の顔では、そのニヤニヤすら、可愛らしく見えてしまうー。
「ーーなんかムカつくサンタさんだな」
久彦が言うと、秀輝は「まぁまぁ、それは事実じゃねぇか」と、
ニヤニヤしながら久彦の肩を叩くー。
「ーーーお!佐川じゃん!」
背後から声がして振り返る久彦ー
そこには、ちょうど街を歩いていた二人組のクラスメイトの姿があったー。
「ーーえ?そっちの可愛い子、誰?」
クラスメイトたちが女体化した秀輝に気が付くー。
秀輝は「やべっ!」と、思いながら、久彦の影に隠れるようにして
久彦の袖を掴んだー
”適当に、誤魔化せ”
とー。
「ーーえ??お、、おぅ」
久彦はそう呟くとー
咄嗟に頭をフル回転させてー、
”ー冬休み、遊びに来ている親戚の花子ちゃんだけど?”と、
クラスメイトに言い放ったー。
「ーーーなんだよ~彼女かと思ったじゃんか~!」
友達が笑うー。
「ーー俺に彼女なんているわけないだろ」
久彦が当たり前のように言うと、
クラスメイトも笑いながら
「ー佐川の彼女は、チキンだもんな」と言いながら
「あ、邪魔して悪かったな」と、そのまま立ち去っていくー
「ーーーーーこれでもうだいじょーー」
久彦がそう言いながら振り返るとー
身を隠すようにしている華奢な美少女姿の秀輝が目に入ったー
(か、、か、、可愛すぎる…)
久彦はドキッとして顔を真っ赤にすると、
変な感情が沸いてきそうになって、慌ててそのまま目を逸らしたー。
1年後のクリスマスー
彼らが、イチャイチャカップルになっていることを、
二人はまだ、知らないー。
おわり
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コメント
メリークリスマス~☆
お読みくださりありがとうございました~!
明日はクリスマス憑依のお話デス~!
コメント
他人の勝手な願いで女体化される話って、当人にとってはたまったものじゃないですよね。
でも1年後にはイチャイチャカップルになってるならハッピーエンドと言えそうなので良かったです。1年後の話も見てみたいですね。
今からだと、ほぼ1年後くらいですが、次のクリスマス頃とかにでも続編やったりとかする可能性ってあったりします?
コメントありがとうございます~!☆
今のところ続編は考えてなかったですが、
もしかしたら、体越しみたいなこともあるかもしれないですネ~!