クリスマス当日ー。
ミニスカサンタの格好でバイトをする彼女と
その彼氏が入れ替わってしまったー
「いやいやいや、俺には無理だって!」
彼氏は、彼女の身体で
ミニスカサンタとしてバイトをすることに…?
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大学生の名越 洋一(なごし よういち)と、
彼女の寺坂 真鈴(てらさか まりん)が
何やら話している。
「へー…そんなバイトがあるのか~」
洋一が笑う。
「うん!サンタさんになるの、夢だったんだ~」
笑いながら言う真鈴ー。
真鈴は、クリスマス当日に、遊園地で
サンタの格好をして子供たちに
プレゼントを配るバイトをするらしいー。
ミニスカートサンタ姿の彼女の姿を
想像する洋一。
「--俺も見にいこっかな~」
ニヤニヤしながら言う。
「--え~!?洋一に見られるのは
ちょっと恥ずかしいかも~」
笑いながら返事をする真鈴。
「はは、冗談冗談~!
真鈴とはクリスマスイブの日に一緒だし、
当日は我慢するよ」
洋一はそう言いながら、微笑んだー
・・・・・・・・・・・・・・
クリスマスイブの日ー
真鈴と洋一は、洋一の家で
クリスマスパーティをした。
二人で楽しいひと時を過ごす。
楽しい時間はあっという間に
過ぎていき、
そして、夜になったー
洋一と真鈴はこれまでに何度か
お互いの家を行き来したことがあるー。
洋一がエッチなことにとても奥手なこともあり、
ある意味、安心してお互いの家を行き来できるのだったー。
「--じゃあおやすみ」
洋一が言う。
今日は、真鈴が洋一の家に泊まる。
洋一はいつも通り、何もすることなく、
静かに布団へと入った。
洋一にとっては、真鈴と一緒にいられるだけで、
こうして彼氏彼女の関係でいられるだけで満足だった。
その先は望まないし、
エッチなことは、結婚して、子供が欲しくなってからでも遅くない。
なんでもかんでもすぐにエッチに走るような
やつらとは違うのだー。
洋一はそんな風に思っていた。
俺達は理性のある哺乳類である、と。
「---!?」
そんなことを考えながら半分寝かかっていた
洋一があることに気付く。
「って、何してんの!?」
洋一が思わず声をあげた。
真鈴が、横に布団を敷いて、
洋一の隣で寝始めたのだった。
「--あ、あっちの方スペース空いてるから
わざわざ俺の隣じゃなくても!?」
洋一がそう言うと、真鈴は微笑んだ。
「たまには隣で寝たいな~!って」
真鈴の言葉に洋一はドキッとしてしまう。
「ま、まぁ…寝るだけならいいけど」
洋一がそう言うと、真鈴はにっこりとほほ笑んだ。
そして、洋一のすぐ隣で
布団に入るー。
真鈴もー
洋一との関係には満足していたし、
エッチなことを急ぐ必要はない、という考えだったー。
けれどー
最近は友達が
”手を出してこないなんておかしくない?”だとか
言い始めて少しだけ不安になっていたのも事実。
だからこうして、
ちょっとだけ、いつもより距離感を縮めてみたー。
自分の中に生まれた、小さな不安をぬぐうためにー。
「--おやすみ」
「おやすみ」
改めておやすみの挨拶を交わす2人。
洋一と真鈴は、手を繋ぎながら
そのまま、ゆっくりと眠りについたー
・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝―。
「---」
小鳥のさえずりが聞こえる。
朝だー。
洋一が起きあがって、
鏡の方に向かうー。
いつものように顔を洗って
そして、髭をー…
「---!?」
洋一はふと鏡を見て
ビクッとした。
鏡に、彼女の真鈴が映っている。
「わぁ!びっくりしたぁ!」
急に後ろに立たないでくれよ、と
そう思いながら洋一が振り返るー
しかし…
そこには誰もいなかった。
ー!?
今、確かに鏡に真鈴が映っていたはずー。
そんな風に思いながら再び鏡の方を見ると
鏡には真鈴が映っていたー。
「---え…」
洋一は不思議に思う。
そういえばー
真鈴が自分の後ろに立ってるなら
鏡には、自分と真鈴が映ってなければ
おかしいはずだ。
それなのにー
鏡には真鈴しか映っていない。
「---え…」
口から、真鈴の声が出ていることに気付くー
「--ええ?」
洋一は、唖然としながら、
自分の胸の方に手を触れた。
やわらかい…
「--って…ええええええええええ!?」
洋一はー
自分が真鈴になっていることに気付いて
大声で悲鳴をあげた。
「---う、、うそぉ!?」
真鈴(洋一)は思わず変な声を出してしまう。
いやいやいや、自分は寝惚けているだけだ、
と、そう思いながら
鏡に向かって、手をあげてみる。
鏡の中の真鈴も手をあげる。
やっほー、と呟いてみる。
真鈴の声で「やっほー」と聞こえて
鏡の中の真鈴も同じ仕草をしている。
「---え…」
真鈴(洋一)は
ようやく自分が真鈴になってしまったことに
気付いたのだった。
「うっ…うわあああああああああああああ!」
真鈴(洋一)は真っ青になって悲鳴をあげた。
「---な、なになに!?」
洋一の姿をした真鈴が駆けつけてくるー。
そしてー
洋一(真鈴)も悲鳴をあげたー。
自分が目の前にいたからだー
「ぎゃああああああああああああ!」
二人揃って大声で悲鳴をあげたー。
・・・・・・・・・・・・
少しして、ようやく落ち着いてきた二人は
状況を整理する。
「---入れ替わっちゃったってことだよな?」
真鈴(洋一)が言うと、
洋一(真鈴)が「たぶん…」とうなずいた。
真鈴(洋一)は胡坐をかきながら
昨日のことを思い出す。
特別なことをしたつもりもないー
普段と違う食べ物を食べた記憶もないー
では、どうして身体が入れ替わってしまったのだろうかー。
「--手をつないで、寝たからとか?」
洋一(真鈴)が言う。
「そんなまさかぁ~」
真鈴(洋一)が苦笑いする。
だがー
確かに言われてみれば
それぐらいしかいつもと違うことをした
記憶がないー
「---あ、こら!座り方!」
洋一(真鈴)が言う。
真鈴の身体になった洋一が
あぐらをかいていることを指摘したのだったー
「あ、え?あ…
そ、、そっか。今は真鈴の身体だもんな」
そう呟くと真鈴(洋一)は座り方を変えて
改めて洋一(真鈴)の方を見つめる。
「と、とにかく…
もう一度手を繋いで寝れば元に戻れるかも」
真鈴(洋一)がそう言うー
さっきから落ち着かないー
真鈴の長い髪の感触ー
真鈴の綺麗な手ー
真鈴の胸ー
真鈴の足ー
だめだ。このままだと
おかしくなってしまいそうだ。
そんな風に思いながら
洋一は、一刻も早く元に戻りたい、と
そう願っていたー
「--え?ダメだよ~!」
洋一(真鈴)が言う。
「え?」
真鈴(洋一)が首をかしげる。
確かに、
”もう一度手を繋いで寝た”ら
元に戻れるという保証はない。
けれど、
元に戻るには
可能性のあることから
試していくしかないー。
「--な、何でダメなんだ?」
真鈴(洋一)が言うと、
洋一(真鈴)はにっこりと笑った。
「ほら、わたし、バイトあるし!」
洋一(真鈴)が、いい笑顔で、そう言い放つー。
「バイトー?」
真鈴(洋一)が、数日前の会話を思い出す。
「うん!サンタさんになるの、夢だったんだ~」
ミニスカサンタ…!!!!
真鈴(洋一)はバイトのことを思い出して顔を真っ赤にしたー
そういえば、
真鈴はクリスマス当日、、つまり、今日、
ミニスカサンタの格好をして
プレゼントを配ると言っていたー。
「--や…やめてくれ!」
真鈴(洋一)は土下座したー
俺の身体で、ミニスカサンタになんか
なられたら
俺は恥ずかしさのあまり、死ぬ!
洋一はそう思いながら
「俺の身体でミニスカサンタは無理があるだろ!」と
呟いたー
しかしー
「へ?何言ってるの?」
洋一(真鈴)が首をかしげる。
「そんなわけないでしょ~!
わたしが応募したバイトなんだから
わたしがいかなきゃ!」
洋一(真鈴)が笑いながら
真鈴(洋一)を指さした。
「---え?俺?」
真鈴(洋一)が自分を指さす。
「そう。だって、今、他の人から見たら
わたし…寺坂真鈴は、どう見ても、
洋一でしょ?」
と、真鈴(洋一)は言った。
「----…
ってことは、真鈴の身体になった俺が
真鈴としてミニスカサンタの格好をして
子供たちにプレゼントを配れってこと?」
「うん」
洋一(真鈴)は即答した。
「--い、、いやいやいや!
無理だって!
お、俺、今、こうして真鈴の身体になってるってだけで
こんなに緊張してるのに…!」
そう言いながら真鈴(洋一)は
顔を真っ赤にしながら、洋一(真鈴)の方を見た。
「でも…応募したバイト先の人に
迷惑かけちゃうし…
当日のドタキャンとか、まずいでしょ?」
洋一(真鈴)が言う。
「そ、、そりゃそうだけどさぁ…」
真鈴(洋一)はそわそわしながら言う。
ダメだー
このままかわいいに殺されそうだ。
そんな風に思いながらー
「------」
自分が真鈴として
ミニスカサンタの格好をしながら
子供たちにプレゼントを配っている姿を想像するー
「ぶふぅ!!?」
突然鼻血を噴き出した真鈴(洋一)」
「って、だ、大丈夫~!?」
洋一(真鈴)が、鼻血を噴き出した真鈴(洋一)を
心配して駆け寄る。
ようやく鼻血が落ち着いたところで、
洋一(真鈴)は呟いた。
「ね…お願い!わたしを助けると思って」
洋一の姿で、お願いポーズをされると
ちょっと不気味だが、
真鈴(洋一)は”仕方ないなぁ…”とようやく
頼みを引き受けるのだった。
”ま、、エッチなことするわけじゃないんだし…
平常心平常心”
真鈴になってしまった洋一は
そんな風に思いながらバイトの
時間までを過ごす…。
真鈴の身体というだけで落ち着かないー。
「--あ、そだ、これ、着替え」
洋一(真鈴)が持ってきていた着替えを
鞄から出す。
「き、着替えぇぇ!?」
真鈴(洋一)が悲鳴に似た叫び声を上げる。
「ま、、真鈴の身体で着替えろってのか?」
ぶるぶる震えながら真鈴(洋一)が言う。
その顔は真っ赤になっている。
「だって…昨日の夜から着てる服で
そのまま出かけるのもアレだし…」
洋一(真鈴)が言う。
「そ、そんなに赤くならないでよ!
見ちゃっても別に気にしないから!
ほら!お着替え!」
洋一(真鈴)の強引さに
真鈴(洋一)は、「わ、わかった、
じゃあ目を瞑りながら…」と
冷や汗をかきながら着替えはじめた。
だがー
女性の服の着替え方が
イマイチよく分からない
「脱げないー!助けてくれー!」
「ギャー!見ちゃった!ごめん!」
「--ズボンはないのか~?」
「これ、どうやって着るんだ!?」
「ぐえー!髪が~!」
真鈴(洋一)が悲鳴を上げては
洋一(真鈴)がそれを手伝うー。
そうこうして、ようやく
着替えが終わったのだった。
「--ふぅ…
着替えるだけでも、疲れるんだな」
真鈴(洋一)がげっそりした様子で言う。
「--…バイト先で、サンタ衣装に
着替えると思うケド、大丈夫?」
洋一(真鈴)も流石に心配になって言う。
「え…あぁ…た、たぶん…」
真鈴(洋一)は不安になりながらそう答えたー。
そしてー
時間がやってきた。
「---……じゃ、じゃあいってきます」
「留守番は任せて!
あ、帰ってきたらちゃんと、元に戻ろうね!」
洋一(真鈴)が言うー。
もう一度手を繋いで寝れば戻れるかもしれないー
が、バイトの時間が近かったため、
それを試すには、真鈴がバイトを休まなければならず、
そうならないために、真鈴の身体で洋一が
ミニスカサンタになることになってしまったー
「あぁぁ…俺がクリスマスバイトすることになるなんて…」
そんな風に思いながら
日雇いバイトの会場である遊園地へと
向かう真鈴(洋一)。
電車に乗り込んだ真鈴(洋一)は、
”だいじょうぶかな…”と不安に感じながら
ため息をついたー。
「・・・・・・・・」
おいー…
真鈴になった洋一は、心の中でそう呟いた。
横に立っているおっさんが、
身体をわざと真鈴(洋一)に密着
させてきていたのだー
(おいおいおいおいおい、中身は男だぞ?
やめてくれ!)
真鈴(洋一)は、
”頼む、今日だけは面倒事を起こさないでくれ”
と思いながら、
エスカレートして真鈴の身体を素手で
触り始めたおっさんの行為に耐えたー
(くそっ…あれをやるしかねぇ!)
洋一はそう思いながら、
真鈴の声で呟いた。
「--あの…俺、こう見えて男なんですけど?」
とー。
小声でー。
「え…」
真鈴(洋一)を触っていたおっさんは、
間違えて”男の娘”を触ってしまったのかと、
ビクッとしてそのまま真鈴を触るのをやめた。
(ふー)
真鈴(洋一)は溜息をついた。
そしてー
ようやく、遊園地に到着したのだったー
②へ続く
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コメント
サンタさんバイトは明日から★!
明日からが本番ですネ~!
お楽しみに~!
コメント
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ミニスカサンタさん本番が楽しみ~♪
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> ミニスカサンタさん本番が楽しみ~♪
ありがとうございます~!本番本番~♪