彼女と入れ替わったままミニスカサンタの格好で
バイトをすることになってしまった彼氏…。
果たしてその運命は…?
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「ふんふんふん~♪」
自宅で待機中の
洋一(真鈴)は、笑顔で
鏡を見つめていたー
「ひゃ~!」
服を少しめくっては
謎の悲鳴を上げている。
「--洋一の身体、意外と
しっかりしてるぅ~!」
涎を垂らしながら微笑む洋一(真鈴)
(洋一ってば、全然身体を見せることもないし
恥ずかしがり屋すぎるんだもん…!
たまにはいいよね)
「えへへ…♡」
洋一の身体を見つめながら
興奮する洋一(真鈴)
「---あれ」
洋一(真鈴)は、自分のズボンが
膨らんでいることに気付く。
「こ、、これって、こんなにすぐ
大きくなっちゃうものなんだぁ…」
洋一(真鈴)は、
初めて経験する感覚に
不思議な気持ちになりながら
ちょっとだけ微笑んだ。
そしてー
時計の方を見つめる洋一(真鈴)は、
”そろそろお出かけしようかな”と
呟いて笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
遊園地に到着した真鈴(洋一)は、
遊園地の事務所に向かう。
「ーー今日は、よろしくお願いします」
真鈴(洋一)がそう言うと、
イベント担当の係員は、笑みを浮かべた。
「あぁ~!待ってたよ!こちらこそよろしく。
早速だけど、これに着替えて」
サンタさん衣装を手渡してくる
イベント担当の係員。
「更衣室はあっちだから」
と指をさして、教えてくれる。
「ありがとうございます」
真鈴(洋一)はそう呟くと、
更衣室の中に入った。
サンタの衣装を見て
真鈴(洋一)は呟く。
「って、思ったよりスカート短いなぁ…
寒そう…」
そんな風に呟きながら
真鈴(洋一)は、ふと、”トイレに行きたくなってきた”と感じたー。
「--って、やば…
トイレ…今日、1回も行ってないじゃん」
真鈴(洋一)が呟くー
ミニスカサンタに着替える前に
トイレに行った方がいいだろうー
だがー
女の子の身体で、ちゃんとトイレを
済ませることはできるのか?
洋一は男だから、当然、女性として
トイレに入ったことなどない。
実際、やったことがないから知らないが
だいぶ、感覚が違うらしいー
気をつけないといけない。
「--はぁ…」
真鈴(洋一)は溜息をつきながら
更衣室から出てトイレに向かうー
「---え」
「---え」
トイレに入った洋一は、
さっきのイベント担当の係員と目があった。
「--あ」
間違えたー
ここは男子トイレだー
今の俺はー
心は男子でも、身体は真鈴だー
「し、、しつれいしました!!!」
慌てて叫んで、真鈴(洋一)は
女子トイレに駆け込んだー
「大丈夫かな…」
不安になりながら
超がつくほど慎重にトイレを
済ませたおかげで、
とりあえず汚すことなく、
トイレはクリアできたー
そしてー
着替え…
「---やべぇ…脱ぎ方が」
「--こっちかな?」
「あ!今ビリって!」
「うぅ…足のところが頼りない」
「ああああああああ…」
一人呟きながら真鈴(洋一)は
着替えを終えるー
鏡には、可愛らしいミニスカサンタの
格好をした真鈴の姿があったー
「ぶっほぉぉぉぉおっぉ!?」
真鈴(洋一)は、
その場で鼻血を噴き出してしまったー
・・・・・・・・・・・・・・・
「--ずいぶん、時間かかってたみたいだけど大丈夫?」
係員が言う。
「--あ、、え、はい」
鼻血がようやく止まり、
真鈴(洋一)は更衣室から外に出で、
係員から説明を受けている。
遊園地を訪れた子供たちに、
遊園地が用意したクリスマスプレゼントの
お菓子セットを
ミニスカサンタの格好で配って行くのだ。
”なんでミニスカなんだ?”と
洋一は思ったものの、
あぁ、遊園地のおじさんたちの趣味かな、
などと勝手に解釈したー
説明が終わり、
係員が「じゃあ、頑張って!」と笑う。
「はい」
真鈴(洋一)は
さっさと終わらせて
早く帰るとするか、
と心の中で呟いて、
事務所から外に出た。
「さ~む…」
足が冷たいー
やっぱりスカートって寒いし、
なんかどこか頼りないー
アーマーを装備せずに、外に出てしまった
戦士のような気持ちになりながら
真鈴(洋一)は指定の場所に向かうー
なんだかー
他の人間たちに見られているような
そんな錯覚をしたー
”あの子可愛くね?”
”あーやりてぇ”
チャラそうな男たちの会話が聞こえてきたー
「----」
真鈴(洋一)は緊張しながら
遊園地内の所定の場所に到着したー
そしてー
「め、、めりぃくりすますぅ…」
恥ずかしさのあまり小声になってしまったー
誰も、真鈴(洋一)に気付いてくれないー
やばいー。
洋一はそう思った。
洋一は、元々、人前で何かを発表したり
するのがあまり得意ではないー
それなのにー
真鈴の身体で子供たちに声をかけて
プレゼントを配るなんて
難易度が高すぎる…
”い、いや、真鈴のためだ…
頑張らないと”
「め、、メリークリスマス~」
最大限の作り笑いを浮かべながら
真鈴(洋一)はようやく
クリスマスプレゼントを配り始めた。
「--お!姉ちゃん可愛いねぇ!?
彼氏とかいるの?」
ヘンなおっさんが絡んできた。
「え…?あ、、あはははははは…」
真鈴(洋一)は愛想笑いで誤魔化そうとする。
「--どう?俺と今夜?」
おじさんが言う。
「--え…いや、そういうのはちょっとぉ~」
真鈴(洋一)は困りながら言う。
頼むからやめてくれー…
と、洋一は心の中で叫びながら
「ごめんなさい」と答えた。
絡んできたおじさんは
何かブツブツ呟きながら立ち去って行った。
恥ずかしいー
寒い―
帰りたいー
色々なことを思いながら
ミニスカサンタとして
可愛らしく動きながら
子供たちにプレゼントを
配って行くー
「メリークリスマス~♪」
(どうして俺がこんなこと…)
可愛らしい仕草で配る…
自分がそんなことをしているー
そう考えるだけで顔が赤くなってしまうー
プレゼントを配りながら赤面している
ミニスカサンタなんて…
「---も~ちょっと、元気に、ほら、明るく…!」
さっきの担当者がやってくる。
「え…?」
真鈴(洋一)は真っ赤になりながら言う。
「ほら、もっと元気に声を出して!
あと、笑顔笑顔!」
担当者が笑いながら言う。
「え…笑顔…あは…あはは」
引きつった顔をしながら
なんとか笑顔を作る真鈴(洋一)
(も、もうどうにでもなれー!)
洋一は心の中でそう叫ぶと
やってきた子供に
「メリークリスマス~☆!」
と、自分に出来る最大限の
可愛い仕草をしながら
クリスマスプレゼントを配り始めた。
「---(やばい…真鈴、こんな可愛い声出るのかよ)」
真鈴になってしまった洋一は
ドキドキしながらプレゼントを配って行く。
なんだか身体が暖かく…
というか、火照って来ている気がする。
やばい。
やばいぞ…
真鈴(洋一)はプレゼントを配りながら
興奮し始めていた。
「あ~!真鈴じゃん!」
背後から声がかかる。
「やっほー!」
振り返ると、そこには真鈴の友達がいた。
「や、、やっほー!」
とりあえず合わせて返事をする真鈴(洋一)
「サンタコス似合ってるぅ!」
友達が茶化すようにして、真鈴の顔をつんつんする
「--や、、やめっ」
真鈴(洋一)が顔を真っ赤にする。
女子同士のイチャイチャを経験することになるなんてー。
と、いうか、この真鈴の友達、
確かかなりスキンシップが激しかったような…
「--サンタさんの格好してると
胸も大きく見えるじゃん~!」
友達が笑いながら、真鈴の胸を
触りだす。
「--あ…あぁああ…」
語学力を失った真鈴(洋一)-
自分が彼女の真鈴になってー
しかもその女友達に胸を揉まれることになるなんてー
「---って、、、だ、、だめ!
ほ、ほら、他の人いっぱいいるし!」
真鈴(洋一)は顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
友達は笑いながら
「ふふふ、じゃあ頑張ってね~!」と
言いながら立ち去って行った。
それからも、プレゼント配りは続くー。
そうこうしているうちに
だんだんと
”可愛らしいミニスカサンタ”として
プレゼントを配っている自分が
楽しくなってきたー
”あぁ…やっぱり真鈴は可愛いなぁ…”
そんな風に思う。
真鈴が彼女でよかったーー
とも…
「あの~すみません~」
背後から男の声が来た。
「は~い!」
ミニスカサンタの真鈴(洋一)が
振り返るー
そしてー
思わず「ぎゃあああああああ!?」と
悲鳴を上げた。
そこには-
洋一(真鈴)がいたー。
家で留守番しててくれるはずだった
洋一になった真鈴が、様子を見に
遊園地に来てしまったのだった。
「来ちゃった♪」
洋一(真鈴)がにっこりしながら言う。
「来ちゃった♪じゃねぇ!」
真鈴(洋一)は思わずそう叫んだー
「--洋一どうしてるかな~って気になって!
でも、その様子を見てる感じだと
特に問題なさそうね」
洋一(真鈴)が言う。
「あ~うん、まぁ…
なんとか大丈夫そう、かな」
真鈴(洋一)が顔を赤らめながら言う。
「--サンタさん~~~!」
背後から子連れの利用客に声をかけられる。
「は~い!
悪い…俺、もう行かなきゃ!」
そう言うと、真鈴(洋一)は
その子供たちの方に駆け寄って行った。
洋一(真鈴)は微笑みながら
少し離れた場所から真鈴(洋一)を
見守るのだったー
真鈴(洋一)は
次第に慣れてきて
順調にプレゼント配りをこなしていくー
がー…
髪が身体に当たったり、
胸に手が当たったり、
自分の脚が目に入ったりするたびに、
真鈴(洋一)は興奮を覚えてくるようになっていたー
(やべぇ…なんか欲情してきた)
流石にまずいし、
真鈴の身体で何かをすることは許されないー
「あぁぁ…髪が…触れる…」
溢れ出る煩悩に飲み込まれそうに
なりながら、真鈴として
なんとかプレゼントを配布していく洋一。
そして、ようやく、、
バイトの時間が終わるのだったー
「--さっすがサンタさん」
洋一(真鈴)が笑う。
「---見るなよ…恥ずかしいなぁ…」
真鈴(洋一)は疲れ切った表情で呟いた。
「--わたしにもプレゼントくださ~い!」
洋一(真鈴)がふざけた様子で言う。
「ええ…はい」
真鈴(洋一)は疲れ切った表情で
子供たちに配っていたお菓子の残りのひとつを
渡した。
だがー
洋一(真鈴)は受け取らない。
「え?」
真鈴(洋一)が洋一(真鈴)の方を見ると
洋一(真鈴)は何かを待っているかのような
笑みを浮かべたー
「-----あ~…わかったわかった」
真鈴(洋一)は、洋一(真鈴)が何を言いたいのか
悟ると顔を真っ赤にしながら
作り笑いを浮かべた。
「メリークリスマス~♪」
子供たちに渡していたのと同じように、
プレゼントを明るく渡す真鈴(洋一)
恥ずかしくなって真鈴(洋一)は
そのまま「一回事務所に戻るから!」と
叫んで走り去った。
「--ふふ、なんかかわいい~」
洋一(真鈴)は
受け取ったプレゼントを手にしながら微笑んだ。
・・・・・・・・・・・・・
事務所に戻ると、係員が
「お疲れ様」と声をかけてきた。
バイト代を受取り、
更衣室に入る真鈴(洋一)
しかし、
そのときだったー
係員の男が、更衣室に入ってきた。
「へー?」
真鈴(洋一)は唖然とする
”あれ?今、俺、女の子の身体のはずだよな?”
とー。
係員の男は、
真鈴(洋一)の方に近づいてくると壁ドンしたー。
「--大人のメリークリスマスの時間だよ。ひひ」
係員の男は、下心丸出しでそう呟いたー
③へ続く
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コメント
毎年この時期になると
クリスマスネタのお話をついつい
書いちゃいます~笑
今日もありがとうございましたー!
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