憑依の力で乗っ取る相手を
間違えてしまった男子大学生。
思わぬ方向に事態は
進んでいき…?
※リクエスト作品デス
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「え…お、、、おれ、、おれは、、宇美よ!」
宇美の格好をした蘭は、そう叫んだ。
「----…おれ??宇美…???」
友達が苦笑いしているー
しまったー!
また俺と言ってしまった。
しかも、この大事な場面で。
そしてー完全にバレている…
自分が宇美の姿をした蘭だとばれている。
「--け、、け、、景子ちゃん!
どうみたって、わたし、、宇美でしょぉ???」
わざとらしい仕草を加えながら言う。
「……」
「宇美でぇ~す!」
ギャルっぽい口調とピースをしてみせる
宇美に変装した蘭。
「----あのさ」
友達が口を開いた。
「どう見ても、蘭ちゃんだし、
それにわたし、景子じゃないんですけど?」
友達が不機嫌そうに言う。
「えっ!?!?えっ!?!?」
宇美の姿をした蘭はひたすら困惑した。
「--もういい」
友達が不貞腐れたようにして
立ち去って行くー
やべぇ…
人間関係破壊…!
「--あ、、ご、、ごっめ~ん!
亮子だっけ?あ、違う、晴美・・
あ~いや、貞子?いや、敦夫?」
名前が思い出せないー
この子の名前…
昨日、宇美から聞いておいたのに、
思い出せない。
「何が敦夫よっ!」
友達は振り返ってそれだけ叫ぶと
立ち去ってしまったー
「はは…」
宇美に変装した蘭は苦笑いする。
と、いうかー
どうしてばれたんだー?
やっぱ、無理があった?
「---いや…大丈夫だ。落ち着け。俺」
がに股で一人、立ちながら蘭は呟く。
元々宇美にそっくりの蘭が、こんなに
カンペキに変装しているんだ。
ばれるはずが、ない。
宇美に変装した蘭は、
深呼吸をすると
そのまま宇美として
大学へと向かったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おはよ~」
一方、蘭の髪型・髪色・服装・持ち物で
蘭としてお嬢様学校に向かった宇美は、
いつもとは違うおしとやかな
振る舞いをしながら、
大学生活に溶け込んでいたー。
(ふ~ん…
あたしとは全然違う世界にいるのね~)
「---」
クラスの友達の話題もまるで違うー。
なんとなく、自分とは違う、
穏やかな世界。
まさに
”住む世界が違う”とでも
表現するべきだろうかー。
「---」
にこにこしながら真面目に授業を
受けていく蘭の姿をした宇美。
「お嬢様生活って言うのも、案外面白いものね~」
お昼の時間ー
宇美は蘭として
にこにこしながら大学内を
見学していた。
さすが、名門大学だけあって
宇美が通っている大学とは
比べものにならないほど
設備が整っている。
「ふぅん…すごいなぁ…」
自分の姿を鏡で見つめる宇美ー。
「う~ん…蘭風のあたし…
結構いけるんじゃない…?」
鏡の前でポーズを決める。
なんだか、かわいい~!と
叫びたくなるような感情が
巻き起こってくるー。
その時だったー
「---お!今日は一段と可愛いねぇ」
チャラそうな男がやってくるー。
「--誰?」
蘭の姿をした宇美は、
困惑するー。
相手が誰だか分からない。
名門大学にもこんなチャラそうなやつがいるのー?と
そんな風に思いながら適当に対応する。
こういうチャラそうな男の対応には慣れている。
宇美が通う大学には、たくさんこの手の男はいるからー
「なぁ、俺とデートしてくれよ~」
チャラい男が言う。
「---デート?ご、、ごめんなさい…」
蘭に変装している宇美は
蘭っぽい仕草をしながら、
か弱く、断るー。
「--なぁ、一度でいいんだよ、頼むぜ」
チャラそうな男が言うー
”お~い!藤岡~!”
背後から別の大学生が、チャラそうな男を呼んだ。
”藤岡”というのねー。
蘭に変装した宇美はそう思うー
そしてー…
「いいわよ…」
ボソッとそう答えた。
「え?」
藤岡が振り返る。
「--今日の放課後ー…
デートしましょ?」
蘭として振る舞うことも忘れて
男好きの宇美は、チャラい男・藤岡との
デートを受けることにした。
「---ふふふふ…」
蘭に変装した宇美は微笑む。
蘭に成りきってデートなんて…
興奮するじゃない…!
朝から真面目な振る舞いばかりしていた
宇美は、欲求不満状態に
なってしまっていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-----きみはだれだ!」
一方―
蘭に憑依して、
宇美の振りをして大学に行っていた
平助はーー
”バレて”しまっていたー
「え…お、、わ、、わたしぃ~宇美ですけどぉ~!」
”バレバレじゃねぇか…どうして”
平助は思うー。
カンペキに変装しているはずー
いやー
むしろ、
最初から服とか髪とかで
入れ替わるってこと自体に
無理があったのかも…?
「---ど、どういうつもりだ?」
大学の教授が言う。
宇美になりすましている蘭の目的が分からず
教授は困惑している。
”ホンモノはどこだ!?”とも叫んでいる。
「…だ、、だから…俺が宇美だって言ってるだろうが!」
ーーあ…
男言葉全開で喋ってしまった。
唖然とする周囲。
「---し、、、、し、、、失礼しましたー!」
宇美に変装した蘭は、これ以上は無理だと判断して
猛ダッシュで大学から逃げ出したー
「はぁ…はぁ…はぁ…
くっそ~!これじゃあだめだめだぁ…」
髪を振り乱しながら走る蘭。
宇美に憑依してイタズラをするという
当初の目的は、大失敗だー。
宇美に変装しているのに、
あっさり見破られてしまったー
「--と、とりえあず、宇美のやつと合流して、
元に戻るか?
いや…」
蘭に憑依したまま駅のトイレに駆け込むー。
「なんか、思い通りに行かなくて
イライラしてきたし…
ここでエッチしまくってやるぜ!」
蘭は野獣のような表情で
トイレの個室に入って行くと、
そのまま、スカートの中に手を突っ込んで
むふふふふ…と荒い声を出したー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--んふふふふ~
わたしって可愛いでしょ~?」
蘭として、チャラい男・藤岡との
デートを楽しんでいる宇美ー。
”はぁ~、朝からずっと
真面目にやってたから
疲れちゃった~!
蘭のふりをして
お嬢様学校ライフを満喫した宇美。
最初は楽しかったが
だんだん疲れてきた。
やっぱり、普段の自分の方が
楽しいー
そう思いながら
藤岡とのデートを楽しむ宇美。
”蘭に迷惑かかっちゃうよね…”と
ふと思い直して、
「--じゃあ、そろそろ…」と
宇美は呟く。
相手は宇美のことを蘭だと思い込んでいる。
これ以上深い付き合いをすると
本物の蘭に迷惑がかかるだろうし、
かと言って”実はあたしは蘭じゃなくて”なんて
やったら、この男に付きまとわれるかもしれない…
だからー
「いいや」
藤岡が口を開いた。
「へ?」
蘭に変装している宇美は
思わず間抜けな声を出してしまう。
「--真のワクワクはこれからだぜ」
藤岡が、近くにあったラブホテルを指さす。
「え…?」
唖然とする宇美。
いやいやいや、
初日にラブホはないでしょ!と
内心で突っ込みながら、
蘭のふりをして、呟く。
「わ、、わたしは、今日はもう用事があるから…」
逃げるようにして
立ち去ろうとする蘭の姿をした宇美。
しかしー
藤岡は、背後から宇美の肩を掴んだ。
「--最高のセックスを味あわせてやるぜ」
囁く藤岡―。
宇美はーーー
ドキッとしてしまったー
最高のセックスー?
なに?この男の自信に満ちあふれた顔はーーー
「-----」
宇美はーー
野獣のような肉食系男子・藤岡にーー
一瞬にして心を奪われてしまったー
「---い、、いくわ…」
蘭に迷惑がかかることなんて
お構いなしで、宇美は、
蘭として、藤岡と共に
ラブホに入ってしまったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「こっちです!」
外から声が聞こえるー
女としての初めてのエッチで
あまりにも気持ちよくなってしまい、
トイレの個室内で大声で
喘いでしまった蘭…。
宇美に変装した状態の蘭に
憑依している平助は、
個室の中でだらしなく服を
脱ぎ捨てて、既にイッてしまっていたー
「---ここから、…変な声が」
個室の外で誰かが騒いでいる。
「あ…やっべ…」
宇美に変装していた蘭は
乱れきったままの姿で呟いた。
さすがにやりすぎたー
色々上手く行かなくて
イライラしてきて
トイレの個室でちょっとエッチなことを
してやろうと思ったら、
思った以上に気持ちよくて
そしてー
こんなことになってしまったー
「--あ、、はぁ…♡ はぁ、、♡
だ、だいじょうぶですぅ♡」
さすがに、ここで見つかったら蘭という子が
変態だと思われてしまうー
なんとか、ごまかし…
「---…あ…」
トイレの鍵を閉め忘れていたー。
トイレの扉にぶつかった勢いで、
扉が開いてしまいー
蘭は、半裸の状態で
女性警備員と通報者と目が遭ったー
「---あ…」
蘭に憑依している平助は
”おわった”と思ったー。
そしてー
平助は”こ、こうなったら”と、
そのまま蘭の身体から抜け出してしまった―
うっ…と、低いうめき声をあげて
そのままその場所で気絶してしまう蘭。
平助は”ごめんな!後は…どうにかしてくれ”と
呟いて、霊体の状態のまま、
自分の家へと戻って行ったー。
ひどい目に遭ったー。
宇美のやつに憑依してちょっと
イタズラしてやろうと思ったのに
憑依する相手は間違えるわ
変装はすぐに見破られるわ
エッチ見つかるわ…
もう、散々だ。
「----あ…蘭とかいう子に
宇美の変装させたままだな…」
平助は思うー
蘭は宇美に、
宇美は蘭に変装したままだー
「いや…もうどうにでもなれ!
どうせ俺の仕業だって、ばれないし!」
平助は、”今度はシンプルに憑依しよう”と
反省するのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー
「---よぉ」
元通りに宇美として大学に通っていた
宇美はーー
大学の正門で声をかけられたー
この前のーー
藤岡という男だ。
「--え?ど、どちらさま…?」
宇美はすっとぼけるー。
あの時は、蘭に変装していたはずー。
藤岡という男はとても乱暴で
暴力も振るわれた。
エッチは気持ちよかったが
もう関わりたくない。
「---この前、ヤッたろ?」
藤岡が言う。
「え…?はは…人違いじゃないですかぁ~?」
宇美がそう呟きながら
立ち去ろうとするー。
しかしー
「--俺の目はごまかせねぇぜ」
藤岡はそう言うと、宇美に壁ドンして
不気味な笑みを浮かべた。
「俺、お前に惚れちまったんだよ…へへ」
藤岡の言葉に、
宇美は”あんなことするんじゃなかった”と
後悔するのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平助が休日を楽しんでいると
インターホンが鳴った。
「はい」
平助が玄関から顔を出すと、
そこには、警察官とー
同じアパートに住むOL-
そして、この前憑依した蘭がいたー
「--ちょっと、話を聞かせてもらえますか?」
警察が言う―。
平助は、OLと蘭を見る。
平助が憑依したふたりだー。
”まさか、憑依されている間の記憶が
残って…?”
平助は、そう頭の中で考えたが、
やがて観念したかのように、
警察官の指示に従いー
そのまま一緒に警察署へと向かったー…
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
リクエスト題材の作品でしたー!
原文は、
”ある男が、知り合いの女(ギャル)に憑依してふざけてやろうとしますが、
なんと、そのギャルにそっくりな名門女子高に通うお嬢様に間違って憑依してしまいます。
> > 男はあえて秘密にしたまま、ギャルに近づき入れ替わり
(身体ではない服装とか生活の入れ替わり)を提案し実行します。
> 見た目がギャルになった男は、その姿で本来のいたずらを開始します。
> 見た目がお嬢様になったギャルは、最初こそはその生活を楽しみますが、
今の容姿を積極的に活用し男と遊びまくります。
>憑依であまり見かけない展開だとおもいますがいかがでしょうか”
と、いうものでした~!
服装と生活の入れ替わりの部分で
結構頭を悩ませて、
最終的には原文とちょっとずれた部分も
多いですが、こんな感じになりました~!
(※どのリクエストも、100パーセント頂いた
内容どおりにできるとは限らないので、
お許し下さいー!)
普段、私自身では思いつかない内容に
挑戦できるのはリクエストならではですネ!
リクエスト&お読み下さりありがとうございました!
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
リクエストさせて頂いたものです。
>最終的には原文とちょっとずれた部分も
多いですが、こんな感じになりました~!
(※どのリクエストも、100パーセント頂いた
内容どおりにできるとは限らないので、
お許し下さいー!)
元々、訳が分からないものを採用していただけたけで、満足です。逆にこのシチュエーションで来ましたか~とテンション上げてました。ありがとうございました。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> リクエストさせて頂いたものです。
>
> >最終的には原文とちょっとずれた部分も
> 多いですが、こんな感じになりました~!
> (※どのリクエストも、100パーセント頂いた
> 内容どおりにできるとは限らないので、
> お許し下さいー!)
>
> 元々、訳が分からないものを採用していただけたけで、満足です。逆にこのシチュエーションで来ましたか~とテンション上げてました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます~☆!
なんとか実現できてよかったデス!☆
私も書いていて貴重な経験ができましたー!
ありがとうございます!