<憑依>巫女と魔物③~母の決意~(完)

封印されていた魔物に憑依されてしまった
愛結と花楓。

憑依された娘たちを前に、母は…?

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「---愛結!花楓!」
母は叫ぶ。

二人の娘に何が起きているのかは、
すぐに理解できたー

魔物の手に落ちたのだ。

「ぐふふふふ…」
二人は同時に笑みを浮かべた。

「こいつらの身体は我のものだ」
二人とも嬉しそうに胸を触って
涎をこぼしている。

「--くっ…」
母は表情を歪めた。

「ねぇねぇお母さん。
 わたし、外に出たいの」
愛結の方が呟く。

「--お母さんが張っている
 忌々しい結界、解除してくれる?」
妹の花楓がニヤリと笑みを浮かべた。

「---…」
母は神社の出口の方を見つめた。

そんなことは断じてできないー
絶対に。

「---それは、できないわ」
母は首を振った。

「--チッ」
愛結と花楓は同時に舌打ちをする。

「--あなたはわたしの先祖様が
 代々封印してきた強大な魔物…
 そんなあなたを外に出せば
 どうなるか…
 わたしは良く知っているつもりです」

母はハッキリとした口調で言う。

「--へぇ~!」
愛結は不気味な声を出した

「わたしたちを見捨てるんだぁ~?お母さん~!」
愛結はそう言うと、
ニヤニヤしながら自分の胸を滅茶苦茶に
触り始める。

「--やめなさい!」
母が叫ぶ。

だが、愛結も花楓もニヤニヤしながら
自分の身体を撫でまわしている。

「--娘と結界?どっちが大事なんだ~?」
愛結が笑う

「ほらほらぁ、わたしたち、汚されちゃうよぉ~?」
花楓も笑う。

母は、そんな二人の様子を見ながら
それでも、迷うことなく答えた。

「--魔物のあなたと話し合うつもりなどありません」

そう言うと、母親の周りに強大な光が現れた。

愛結と花楓のものとは比べものにならない力ー

神社の敷地内に
聖なる輝きが放たれるー

「---なに!」
花楓は声をあげた。

母親がまるで女神のような光を放ちながら
宙に浮かび上がった。

「--私に勝てるとお思いですか?」

”女神”
そう称するふさわしい神々しさを持つ母は、
愛結と花楓を見下すような目で
見つめると、そう呟いたー

「ぐふふふふ…
 巫女風情が…!」

愛結と花楓はそう呟くと、
母の方に向かったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---…」
一足先に居住区に戻っていた父は、
神社の敷地内で放たれた
”光”に気付いていたー

「---靖子…」
父は呟く。

靖子とは、愛結と花楓の母の名前だ。

妻が聖なる光を解放したということはー
先祖代々封印してきた魔物が
解き放たれたということかー。

「---…」
父は、自宅内に用意された祭壇のような場所へと向かうと、
謎の呪文を唱え始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「…ぐあぁっ…」
花楓が吹き飛ばされる。

「くそっ!使えない身体だ!」
愛結が叫ぶ。

愛結と花楓…
ふたりの身体を乗っ取っても、
二人の母にはー
遠く及ばなかった。

魔物の想像以上に、
母親の力は強大だったー

「あら?もう終わりですか?」
母親が言うー

光の輝きはさらに増しているー

「--2人から、出て行きなさい」
母が、光を放つ。

”退魔の光ー”

このままでは愛結と花楓の身体から
追い出されて、自分が消えてしまう。

「--ぐふふふ…」

だがー
魔物にも切り札があったー

姉の愛結と
妹の花楓ー

ふたりの力を合わせることにより
二人は強大な力を発揮できるー

祠からずっと、神里家を見てきた魔物は知っているー。

これまでの神里家の巫女にもー
姉妹がいたー。

その姉妹は、二人の力を合わせることで、
強大な力を発揮していたー

ならばー

「--うふふふふふふふ」
愛結と花楓が手を繋ぎ、
不気味な笑みを浮かべる。

二人とも目を赤く光らせて
母親をまっすぐ見た。

「---!」
母はすぐに気づく。

魔物が
愛結と花楓の力を組み合わせて、
強大な力を発揮させようとしていることにー

「--お母さん…最後の警告」
愛結がニヤリと笑う。

「結界を解除するか、それとも…生を選ぶか?」
花楓もニヤリと笑った。

母は、光の結界で、二人の攻撃を
迎え撃つ準備をしながら言うー

”何があっても、誘惑に負けちゃ、ダメだぞ”

「---」
母は目をつぶった。

祖父がよく言っていた。

何があっても誘惑に負けてはいけないーと。

魔物が人間に譲歩することはない。
甘い囁きに負けてはいけないーと。

そしてー
巫女は、どんな時でも希望を持つことで
その力が発揮されると。

”巫女が希望を失ってはいけない”

とー。

「---愛結!花楓!」
母は叫んだ。

二人の娘は、二人の力を合わせて、
母親以上の輝きの光を今、
まさに放とうとしていた。

「--わたしは、負けない!」
母が自分の持てる最大の力を発揮したー

「バカな人間だ!」
愛結と花楓が同時に叫び、
強大な光を母親に向けて放つー

母親も負けじと退魔の光を
二人に向かって放ったー

そしてー
神社の敷地内は激しい光に包まれれたー

・・・。

・・・・。

静寂ー

光が消えたころにはー
母親が膝をついていた。

「うぅ…」

負けたー

母親は、愛結と花楓の前に、
負けてしまった。

愛結と花楓は同じ笑みを浮かべながら
母親の方に近づいてくる。

「--お母さん、結界、解除してもらうよ」
愛結と花楓が同時に言う。

「うぅ…」
母が弱りきった表情で2人を見上げた。

「くくくくくく…
 あは、あははははははははははぁ!」

愛結と花楓が同時に笑う。

母親にトドメを刺そうとして笑いまくる娘たち。
二人は完全に魔物に乗っ取られていたー

「ついに、これで外に出れる」
喜びが爆発しそうな震える声で言うと
愛結と花楓は、母に向かって
闇を放とうとした。

「---そうはさせないわー」

「---!?」
母は、突然、愛結と花楓を抱きしめた。

大切な娘二人を抱きしめて
涙をこぼす母ー。

「---いつまでも、わたしたちは、一緒よ…」

母はそう言うと

「何をする!?」と叫ぶ愛結と花楓を無視して、
最後の力を振り絞ったー

母の身体が光り輝きー
そしてー
神社中が光に包まれるー

母は、
最後の力を振り絞り、
娘たちごと、消滅しようとしていたー

”これが、巫女に生まれたわたしの使命ー”

母親は目をつぶるー

”ごめんねー”

愛結と花楓には、幸せになってほしかったー
けれどー
それはできなかったー。

このまま魔物に支配され続けるぐらいならー

「や…やめろぉ!」
愛結と花楓が叫ぶー

しかしー

既に手遅れだったー

3人の身体は、光に包まれてー。

ーーーーーーーーーーーーーー

「……」

居住区で、父親はそのことを知る。

放たれた強大な光ー
あれはー

「くっ…」
父は歯を食いしばった。

自分は元々神里家の人間ではないー
妻の泰子が、神里家の血を引く人間で、
自分は婿としてやってきただけー

多少の修行はしたとはいえ、
魔物と戦う術は持ち合わせていないー

「----俺も行くよ」

魔物を逃がすわけにはいかないー
父は、”神社から魔物を逃がさないための最後の秘策”を
使うための呪文を唱えたー

呪文を唱え終えると、神社の中心部から、
炎が吹き上がったー

「魔物よ…お前を逃がすわけにはいかぬー」

母が最期に放った光ー
そして、父が神社ごと、魔物を消滅させる最終手段を用いてー
神社は光と炎に包まれたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

爆炎に包まれる神社。
消防隊員が駆けつける。

人の姿はないー

神社は激しい炎ー

そして、
謎の光に包まれてー
消滅しようとしていたー

「な、なんだこれは!?」
駆けつけた消防隊員たちは驚く。

光ー?

炎はともかく、
光に包まれている神社の状況が
理解できないー。

それでも必死にどうにかしようとする
消防隊員たちー

そしてー
中から人影が現れた。

「---あ…」
中から出てきたのは、神里家の母親ー
神社の巫女である母親だったー

「--だ、大丈夫ですか!」
消防隊員がすぐに駆け寄る。

「生存者1名!」
消防隊員が叫んだ。

すぐに母は意識を失って、
そのまま倒れ込んでしまう。

消防隊員は慌てて担架に母親を乗せると
そのまま救急車で母親は運ばれていった。

「---天使…?」
消防隊員の一人が呟く。

巻き上げられた光のようなものが、
神社の上空に、天使のような形を作りー

そしてー
次の瞬間ー
全ての光と炎は消えたー

後には、何も残らなかったー。

神里家の母と父が
最後に放った最終手段。
奥義とも言える退魔の力ー

それによってー
魔物は敷地ごと
吹き飛ばされたのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---」

母と父、
愛結と花楓は、
上空に浮かんでいたー

「ごめんねー」
母が悲しそうに呟く。

「---」
愛結と花楓も悲しそうな表情を浮かべている。

眼科には、神社だった場所が見えるー
消防隊員が駆けつけているー。

こんな形で、家族の幸せな日常が
終わるとは思ってもみなかった。

こんな騒動を起こしてしまってー

けれど、あの、魔物を外に出すわけにはいかない。
神里家が代々封印してきた魔物。

母がそれを見るのは初めてだったが、
そんなものが現代社会に解き放たれてしまえば、
平和な日常は壊されてしまう。

今を生きる人々が、
こんな危険な魔物の存在を知る必要はないー

「----」
父は、無言で妻の肩を叩いた。

「--おまえは、よくやったよ」
父が言う。

「---ありがとう」
母は涙をこぼしながらそう呟いた。

そしてー
不安そうな表情の
愛結と花楓に近づくと、
二人を優しく抱きしめて、
家族はそのままー
天に昇るようにしてー消滅した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「------」

病院ー

意識不明の状態が続いていた
女性が目を覚ました。

「----」
女性は周囲を見渡す。

意識がもうろうとしている。

「---お目覚めですか。
 無事でよかった」

病院の医師が笑う。

あれから5日間ー
”神社で起きた謎の事故”
それにより、神社は消滅した。

単なる火事ではない。
光と炎に包まれて、
文字通り”消滅”したのだー

あの時、現場から出てきた
唯一の生存者ー

それが、あの神社の巫女であるー
神里家の母親だった。

母親は周囲を見渡す。

そしてー

”ぐふふふふ”

心の中で笑った。

巫女であった母の意識はもう、ない。
母は死んだー
だが、身体は生きている。

魔物はとっさに、母親の身体を支配し、
巫女である母親自身が持つ力を使って、
自分の周囲に結界を張り、
神里家の母と父の最終手段
”神社ごと魔物を葬り去る”ことから
生きながらえたのだった。

「---失礼します」
警察官が病室へと入ってくる。

母は、2人の警察官を見つめる。

「あの日、神社で何があったか、
 教えてもらえますか?」
警察官が言う。

神社で起きた悲劇。
その事情を、唯一の生存者である母から
聞きだそうと警察官がやってきたのだった。

母はそんな二人を見て、優しく微笑んだ。

「教えてあげるわ…今すぐ…ね?」

母はそう言うと、
目を赤く光らせたー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを元にした作品でした!

リクエストの原文は、

*********************

”中学生の姉と小学生の妹の巫女がいた。
姉は努力家で妹は天才型だが
、実力を積んでる分巫女の力は姉の方が上。
ある日自分たちが暮らしてる神社に封印されてた
魔物の封印が(雷が落ちるなどで、最近天気荒いし)解けてしまい、
神社を掃除してた妹のみが居合わせ交戦。
天性の力を開放し無事に倒すが、
魔物はそのスキに妹の中へ入り込む(この辺は、先ほど作者さんが書かれたのに似てるかも)。
初めは少しだけしか違和感が無かったが
、徐々に侵食されしまいには乗っ取られ、
用事を済ませて帰ってきた姉に襲い掛かる。
そして姉は妹に胸やアソコを弄られるも、
希望を失わず必死に妹に呼びかけながら抵抗…
最後に2人でエッチし姉が絶頂に達した瞬間、
姉の口やアソコ、さらに妹に攻撃された傷から魔物が入り込み、巫女姉妹は共に支配されてしまう。

裏設定
姉妹の力を合わせて発動させる技がある。
その際、息が合えば合うほど強力になり、
自分達はもちろん瀕死に近い傷や、自らの力を一時的に高める事も可能。
逆にやり過ぎるとうっかり魔界への穴が
開いてしまったりと要注意←フラグ?てか流石にやりすぎかも・・・

・代々憑依を継承してきたモノが、
引継ぎにふさわしそうなもの(主人公)を見つける。その引継ぎに必須な条件とは、
・憑依の力をうまく使う
・憑依の力に飲まれず、逆に自らの糧とする
・憑依の力に溺れず、時には相手のために使ったりする(要するに、少しでも良いから慈愛が必須的な?)
それをこっそりと主人公の周りの人物を利用しながらテストする
(後々面倒にならないように、テスト後は、記憶を消去や改ざん)。
そして難関の3つ目の条件もクリアして、見事継承させるのだった。

裏設定
代々継承してるし、選ばれたものはそれなりの適正および、憑
依の力を若干ながら持っているので、かなり巨大な力と言う事になる。
だからこそテストで↓で力が暴発しない事も
兼ね良く見極める事が重要だが…
いったい始祖は何者だったのか?
それはリクエストした私でも考えてません。
もちろん、作者さんがそれを独自に考えても面白いかも
この継承された力の一部が漏れ出しまれに誰かが微量ながらも憑依の力を持つ、
事もあるかもしれません・・・”

***********************

と、いうものでした!
頂いた設定の部分は2人の力を合わせると~という部分を
利用させていただきました!

母の部分は私の勝手なオリジナルですネ!

何十話も続く作品ではないので、
裏設定をたくさんつけると、読む皆様に伝わりにくいかな~
と思ったので、今回のような作品になりました!

リクエスト&お読み下さりありがとうございました!

憑依<巫女と魔物>
憑依空間NEO

コメント

  1. より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    まず、3話でまとめてくださってありがとうございます。自分のリクエストでは初めてだったので、作者様は大変でしたでしょうが嬉しかったです。今更ながら当時はリクエストの仕方が分からず無茶苦茶書いてますね汗
    自分で姉妹技の事書いていてど忘れしてるとはお恥ずかしい笑
    まだ憑依の力を手に入れるまではボケていられんのじゃ解き放たれた魔物を取り込めばそれを得られるこんなチャンスをものにしない手はないぞフォフォフォ(誰?
    巫女作品があまり無かったのでリクエストしたけど書いてるうちに色々思いつき
    個人的には妹のエッチな部分がもっと強調されて欲しかったけど良かったです。
    母はオリジナルなのでどうなるんだろうと思ってました。終盤これは魔物がメガンテで消えるかと思いましたが・・・
    何気に父も男でしたね。男とはかくありたいまる

    さてお次も…楽しみにしてます

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    無様>
    ご丁寧にありがとうございます~☆!
    色々と考えた結果、こんな形になりました~!
    巫女憑依モノは私も新鮮な気持ちで書くことができました!
    ありがとうございました~☆!

  3. マスクガイ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    巫女が壊れる内容が後にあったならもっと良かったと思います。
    よく見ました。

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 巫女が壊れる内容が後にあったならもっと良かったと思います。
    > よく見ました。

    ありがとうございます~☆!
    後日談を書くのも楽しそうです~!

  5. Lance より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    (能力が)未熟な娘の身体ではなく
    (能力が)熟した母親のにん身体で生き延びるとは…
    これは続きが読みたくなりますねw

    開花してない潜在能力の高いオスを誘惑して子供を産み次の身体にw

    潜在能力の高い女性や子供に入り周囲を調教w
    色々考えれるから面白いです

  6. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > (能力が)未熟な娘の身体ではなく
    > (能力が)熟した母親のにん身体で生き延びるとは…
    > これは続きが読みたくなりますねw
    >
    > 開花してない潜在能力の高いオスを誘惑して子供を産み次の身体にw
    >
    > 潜在能力の高い女性や子供に入り周囲を調教w
    > 色々考えれるから面白いです

    コメントありがとうございます~!
    魔性の熟女になれそうですネ☆!

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