姉妹で巫女修行を続ける2人―。
ある日―
封印が解かれた魔物に
憑依されてしまった妹。
姉がなんとか妹を救いだそうとするも…
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雨の中ー
妹の花楓は、ずぶ濡れになったまま
外に立ち尽くしていたー
「ぐふふふふふ…」
花楓が時々目を赤く光らせて
姉である愛結の方を見る。
「か…花楓…!ど、、どうしちゃったの!?」
愛結が傘をさしたまま叫ぶ。
花楓はずぶ濡れになった状態で笑うー
髪もずぶ濡れになっていてー
まるで幽霊のように髪が乱れているー。
「---くふふふふふ…
我は、この神社に封印されていた魔物…
神里家の祖先によって封印されていたが、
今日、解き放たれたのだ…ぐふふ」
花楓が可愛らしい声でそう呟く。
花楓が指をさす。
「--!?」
愛結は、花楓が指を指している方向を見る。
そこにはー
雷で偶然粉々に砕け散ってしまった”祠”があった。
「あ…あれは」
愛結はうろたえる。
姉である愛結は、母から聞いたことがある。
あの祠には”邪”が封じ込められているーと。
言い伝えか何かだと思っていたー
けどー
「この小娘は、我のものだ!うはははははは!」
花楓が両手を広げて笑う。
まだ人間の身体に慣れていないのか、
時折ぎこちない動きをしながら
花楓が愛結の方に向かってくる。
「--か、花楓!目を覚ましなさい!」
愛結が叫ぶ。
しかしー
花楓は止まらない。
少しずつ、愛結の方に近づいてくる。
「---小娘…お前は知らないだろうけどなぁ…
この神社には強力は結界が張られている…
お前の母親が作った結界だー」
「--結界?」
愛結は聞き返す。
花楓は笑うー
愛結と花楓の母親は巫女として最上位の力を持っている。
その力で、強力な結界がこの神社に張られており、
例え花楓の身体を乗っ取ったところで、
花楓に憑依した魔物は、神社の敷地から出ることができないー
「--あの女の力は強大だ…
この小娘ひとりじゃ叶わない」
花楓は自分の身体を触りながら笑った。
「--だからー
お前の身体も貰うぞ…
おね~ちゃん?うふふふふ♡」
花楓が口元を不気味に歪めた。
「---花楓…!止まりなさい!」
愛結が叫ぶ。
自分に近づいてくる花楓に向かってー。
だがー
花楓の意識は完全に乗っ取られていて
愛結の言葉を聞き入れる気配は、ないー
「--花楓!花楓!」
愛結が必死に呼びかける。
「--無駄だ。
この小娘の意識は奥底に封じ込めてある。
この身体はもう、我のものだ!」
花楓はそう叫ぶと、
愛結めがけて走り始めた。
「--っ!」
愛結はさしていた傘を花楓の方に向けた。
「---!?」
花楓は表情を歪める。
何をするつもりかー?
その時だったー
傘の背後から、強力な光が放たれて、
それが花楓の身体に命中する。
「ぐあっ!?」
思わず吹き飛ばされる花楓ー。
「ぐ…ぐぐぐぐ…」
巫女たちが持つ”聖なる力”-
姉である愛結も、
その力を受け継いでいたー
そしてー
その力は、魔物が乗っ取っている花楓よりも
強い力だった。
聖なる力で拭き飛んだ傘が
遠くの地面に落ちるー
ポニーテールを濡らしながら
愛結が花楓の方を見る。
「--お姉ちゃんを見縊ってもらっちゃ、困るわね」
愛結が言うー
「貴様…」
花楓は表情を歪めた。
この小娘の体ではー
母親どころか、姉である愛結にも叶わない。
「---妹の身体を傷つけたくないけど…
仕方ないわね」
愛結はそう言うと、
日頃の巫女修行の成果を見せるかのように、
退魔の力を発揮し始めた。
「--ぐぐぐぐぐ…小娘がぁ!」
花楓が鬼の形相で叫び、目を赤く光らせる。
口から闇の吐息を吐き出すと、
小さなスライムのようなモンスターが生まれる。
「---今はあなたも小娘よ!」
愛結がそう叫ぶと、
何かを唱えて、光を放つー
花楓の口から生まれたスライムのような魔物は
簡単に消滅してしまうー
「ぐぐぐぐぐぐ…」
花楓は怒りの形相で走り出す。
大雨が降りしきる中ー
巫女の姉妹が戦っている異様な光景ー
雷が鳴り響く。
「--我の邪魔をするなぁ!」
花楓はそう叫ぶと、目から、紫色の
レーザーのようなものを放った。
しかしー
愛結は、護符のようなもので、
自分の目の前に小さな結界を作り出し、
そのレーザーを打ち消す。
(まさか、こんなことができるなんて)
愛結はそう思っていた。
巫女修行をしていたとは言え、
こんな現実離れしたことができるなんて、と。
だがー
本当に魔物がいたという現実ー
妹の花楓が憑依されたという現実がー
愛結を急激に成長させた。
「--花楓の身体から、出て行きなさい!」
ずぶ濡れになった愛結が叫ぶ。
そしてー
愛結から放たれた、光の玉のようなものが
花楓に直撃する。
「ぎゃああああああ!」
花楓が汚らしい悲鳴を上げる。
そしてー
そのまま地面に膝をつけ、動かなくなった。
「ぐ…ぐ…」
花楓は歯を食いしばっている。
「---」
愛結はそんな花楓の方に近づいて行く。
大雨のせいでー
二人の巫女服は、ずぶ濡れだー。
「---……花楓…ちょっと痛いけど、我慢してね」
愛結が何かを唱え始めるー
”退魔の術”
母から教わった術だー
母の話が本当なら、これで魔物を倒すことができる。
花楓の身体が心配だけれども、
このまま何もしないわけには、いかないー
「--ごめん!花楓!」
そう言って、花楓を攻撃しようとする愛結ー
しかしー
「お姉ちゃん…痛いよ…」
花楓が泣きながら愛結の方を見た。
「--!!!??」
愛結は、咄嗟に攻撃の手を止める。
「--お姉ちゃん…ど、、、どうして…??
わ、、わたし…?」
花楓が怯えた表情で言うー
目からこぼれ落ちる涙。
「--か、、花楓…!」
愛結は、花楓の方を見て動揺しているー
雨がさらに強まりー
稲妻が空に浮かび上がるー
「---…おねえちゃん…いたい…いたい…」
花楓が泣きながら苦しむー
愛結は、「花楓…!」と
花楓のことを心配して、花楓にさらに近づいた。
しかしー
「人間とは、愚かなモノだ」
花楓が突然、笑みを浮かべたー
「-!?」
愛結がその場に押し倒されて、
花楓がその上に乗るー。
「---妹の演技をしただけで
引っかかるとは…愚かな小娘だ」
押し倒された愛結は、
邪悪な表情を浮かべる花楓の方を見た。
「か…花楓…!目を覚まして…!」
愛結は苦しそうに叫ぶー
しかしー
花楓が口から、紫色の触手状のモンスターを
吐き出すと、愛結の手と足を縛り付ける。
「--ぐふふふふふ…
お姉ちゃん~あ~そぼ!」
そう言うと、花楓は、手足を縛られて
拘束されている姉の愛結の身体を弄び始めたー
姉の愛結は、胸も膨らみ、年頃の少女に
ふさわしい身体つきだ。
「んんん…や、、やめて…花楓!」
愛結は、動けなくなっても、なおも花楓に呼びかける。
「んふふふふふふ~小娘…いいや、
お姉ちゃんのおっぱい~!」
花楓は狂った表情で、姉の胸を力強く
揉み続けた。
「いやっ…いやぁぁぁぁ…」
愛結がもがく。
先ほどまでの勝ち誇った表情は消え、
涙を流している愛結。
「ぐふふふふ!いい身体してるじゃねぇか!
お姉ちゃんよぉ~」
花楓は涎を垂らしながらクスクスと笑っている。
「や…やめて…お願い…!目を覚まして!」
愛結には呼びかけることしかできなかった。
必死に呼びかければ、
妹に言葉が届くと、信じて呼びかけるしかー。
しかしー
無残にも巫女服を脱がされていき、
花楓は、愛結のあちらこちらを
触ったり、舐めたりしながら笑っている。
「あぁぁぁぁ~この身体、ゾクゾクしてるぅ!うふふ~♡」
花楓が興奮を覚えながら笑う
「まだ幼いのにこんなに興奮しちゃって…!
エロの才能があるのかもなぁ…ぐふ…ふふふふ♡」
花楓は、姉の下半身をいじり始めると、
ニヤニヤしながら言う。
「んあぁ♡」
愛結がもがきながら苦しそうな声を出す。
「んふふふ…お姉ちゃん?感じてるの?」
花楓が甘い声で言う。
「んあぁぁあ…♡ や、、やめて…やめ…!」
愛結はもがくー
しかしー
身体がスライムのようなものに拘束
されていて、動くことができない。
妹の花楓にされるがままー
「ぁあ♡ あ…♡ あぁ♡」
愛結は目から涙をこぼすー
口から洩れてしまう声が悔しいー
歯を食いしばりながら愛結は
空を見つめるー
雨が降りやむ気配はないー
身体がゾクゾクして、止まらないー
花楓が、気持ちイイ場所を的確に
突いてくる。
「---……お母さん…お父さん…」
愛結は、神社の入り口の方を見た。
もう少しすれば、
2人が帰ってくるはずー。
こいつはさっき言っていた。
花楓の身体では、お母さんには敵わない、と。
母の力であれば、
この魔物を打ち払うことができるはずだー、と。
「---あ、、、あなたの目的は…何なの?」
愛結は、はぁはぁ言いながら
やっとの思いで、そう尋ねた。
今はなんとか時間を稼ぐしかない。
「んふふふふ~
わたしの目的~?」
妖艶な笑を浮かべながら
花楓は言う。
「人間たちへの復讐…ぐふふ」
花楓はそう言うと、
おらぁああああ!と言いながら
愛結のアソコに入れた指を動かす。
「んあぁああああああっ♡」
愛結が顔を真っ赤にしながらもがく。
そしてー
ついに愛結は絶頂を迎えてしまう。
「あ…♡」
愛結の目から涙がこぼれるー。
「---…あ………」
妹をわたしでは助けることができないー
邪悪な笑みを浮かべる花楓を
見ながら愛結は「花楓…」と呟いて
手を伸ばすー
花楓はその手を優しくつかんだー
そしてー
放心状態の愛結にー
”闇”を流し込んだー
”これで、身体が2つー”
魔物は笑う。
この姉妹の身体を使えば、
母を抹殺することもできるかもしれないー
そして、こいつらの母を抹殺することに成功すればー
ここから出ることができるー
「---あ………」
愛結は涙で顔を濡らしながらー
やがてー不気味な笑みを浮かべはじめたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雨が上がるー
辺りはすっかりと暗くなり、
夜になっていた。
「遅くなっちゃったわね…」
神里家の母と父が神社に帰ってくる。
凛とした雰囲気の母親。
巫女服姿がとてもよく似合っている。
「そうだな…
ま、雨が止んでよかった」
父が言う。
神社の敷地内に足を踏み入れた両親。
「---!」
母親が表情を曇らせた。
「--どうかしたのか?」
父が言う。
その言葉に母は「…いえ」と
首を振った。
母がその力で結界を
張り巡らせている神社。
その結界内に足を踏み入れた母は
違和感に気付いた。
”邪悪な気配がする”
とー。
「---俺は先に、戻ってるぞ」
父が、居住区の方に向かう。
「ええ」
母はそう呟きながら、
邪悪な気配のする方向を見つめる。
”祠”があった場所の付近からその気配がするー。
母は険しい表情でそちらの方に向かうー
「---!!」
祠がー砕けているー。
それを見て母は、恐怖を覚えた。
そしてー
「--お帰りなさい」
背後から声がしたー。
巫女服を身にまとった娘二人ー。
愛結と花楓が背後に立っていたー
「-愛結…花楓…」
母親は2人の姿を見て、
無事であったことにほっとするー。
だがー
巫女服は濡れー
二人とも少し乱れた雰囲気だ。
「--何が…あったの?」
母が言う。
二人が、封印されていた魔物を
倒したのだろうかー
「ふふふふふ…何があったか知りたい?」
花楓と愛結が同時に呟いた。
「--」
二人とも、顔を上げる。
「--!!」
愛結と花楓の目が、不気味に赤く光った。
二人とも、同じタイミングで
口元を歪めて笑うー
「--わたしたち、魔物に身体を奪われちゃった♪」
とー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今日はここまでデス~!
続きは明日書きます~☆!
リクエストの原文も明日お見せしますネ!
コメント
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こうやって一人一人に順番に憑依していく展開も良いです。
どうやら父親は婿養子?みたいな感じで、普通の人みたいですね。
さて、どのような展開になるのか
姉妹の合体技とかも出たりするのかな
SECRET: 0
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> こうやって一人一人に順番に憑依していく展開も良いです。
> どうやら父親は婿養子?みたいな感じで、普通の人みたいですね。
> さて、どのような展開になるのか
> 姉妹の合体技とかも出たりするのかな
コメントありがとうございます~!
ちょうどこのコメントをお返しし終わったら
最終回を書きます~
ふふふ~