<憑依>闇に生きる少女②~支配~

由里奈は裏社会での暗躍を始めた。

彼女の意識は完全に封じ込められ、
今や彼女は夜の街を徘徊する魔性の女ー。

そして、敵対組織の組長の命を狙うー。

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ホテルに入ると、支配人と思しき人物が近づいてきた。

由里奈の身体は女子高生だから、流石にラブホはまずい、
ということで近場のホテルに入ったのだった。

「---2名でお願いします」
由里奈が言うと、
ホテルの支配人の赤渕眼鏡の男は、二人を見て言った。

「--御関係は?」

当然の質問だった。
色っぽい服装をした女子高生。
そして、恰幅の良い、いかにもな感じの渡海組長。

普通の関係で無い事をこの男は悟ったのだ。

「--なぁ」
渡海組長が口を開いた。

渡海組長はホテル支配人の男の名前を見て言った。

「なぁ、名倉さんよ。
 黙って泊めてくれりゃ何もしねぇよ
 俺らも、あんたも、その方が都合がいいだろ?」

渡海組長による脅迫ともとれる発言。

名倉支配人は、少し考えてから言った。

「--では、どうぞ。308号室をご利用下さい」
名倉はそう言うと、二人に興味を無くしたのか、
そのまますぐに立ち去ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

部屋についた二人。
ベットに座って足を組みながら由里奈は言う。

「--ねぇ、わたしをどうやって楽しませてくれるの?」
挑発的な表情。

渡海組長は「生意気な小娘だ」と思いつつも、
真面目そうな可愛らしい雰囲気の子が
家出をして、こんな大胆に男を誘っていることに
少し違和感を感じた。

「--嬢ちゃんよ・・・親はいいのか?」
渡海組長が訪ねると、由里奈は笑った。

「--親?あぁ、いいのいいの。
 あんなウゼェやつらの娘なんかもう、やめてやるの」
由里奈は心にもないことを言うー。
いや、由里奈に憑依している爆竜会会長の茂久に
”言わされている”-

「ねぇ、早く、わたしを滅茶苦茶にして・・・」

脚をからめて、顔を近づけながら
不敵に笑う由里奈。

「いいのかよ。俺のダイナマイト砲がさく裂するぜ」
下心丸出しで、渡海組長は笑った。

そして、二人は猛烈なキスをし始めた。

「んっ…んっ…んんっ♡」

由里奈はーー
これがファーストキスだった。

本当だったら、彼氏の吾郎とするはずだったであろう
ファーストキス。

それを由里奈は、支配されたまま
裏世界の暗黒組組長・渡海とさせられてしまった。

「あぁ・・・っ…あぁ、もっと、もっと、わたしを、滅茶苦茶にして!」
由里奈が叫ぶ。

甘い声で。

部屋中にはぁ♡ はぁ♡ はぁ♡と甘い声が響き渡る。

興奮した渡海組長は、由里奈を押し倒した。

「---もっと・・・♡ もっとぉ♡」
由里奈はとろんとした目で、さらなる快感を求めた。

渡海がニヤニヤしながら
アレを出して笑う。

「--くへへっ!嬢ちゃん最高だな!」

「------くくく」
由里奈は突然、笑みを浮かべた。

そして、渡海組長のそれに思い切りかじりついた。

「ぎゃああああああ!」
由里奈は口で渡海組長のそれを噛み、
さらに蹴り飛ばした

「がぁっ・・・!」
渡海組長はあまりの痛さにそのままその場に蹲ってしまう。

「な、何をする・・・」
渡海組長が驚いて由里奈の方を見ると、
由里奈は笑っていた。

「---あははははははははははっ!
 あははははははははははは!
 渡海!ザンネンだったなぁ!」」

可愛らしい顔に狂気を浮かべて笑う由里奈。

「---お、、、お前は・・・誰だ!」
渡海組長は目の前に居る少女がただの少女で
ないことを悟る。

敵対組織・爆竜会のヒットマンだろうか。
それともー。

「俺か?」
由里奈が唾を吐き捨てながら笑う。

「俺はー茂久だよ。爆竜会会長の」

「なんだと!」
渡海組長が叫んだ直後、由里奈は隠し持っていた、
猛毒入りの注射を渡海組長の首筋に射し込んだ。

「か・・・あっ…」
痙攣をおこす渡海組長。

「--うふふ♡ 組長さん、
 さ・よ・う・な・ら」

これ以上ない冷たい声で囁くと、
渡海組長はその場に崩れ落ちた。

「--」
渡海組長の頭を踏みつけて、由里奈は笑う。

「ふふふ・・・この女の身体、
 もっともっと有効活用してやるぜ」

由里奈は、そう呟いた。

1時間後ー
従業員により、渡海組長の死体が発見された。

「---」
警察や救急隊が渡海組長の遺体を運んでいく。

その様子を見ながら、ホテルの支配人・名倉は
呟いた。

「---あの女・・・か」

名倉は、一緒に居た女に何が起きていたのかを理解した。
しかし、それ以上、関わろうとはしなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

暗黒組は、大混乱に陥った
報復する力も無く、
爆竜会に鞍替えする人間も多数現れた。

地域の実権は、事実上、爆竜会が握ることとなり、
暗黒組は壊滅状態に陥った。

「--ほら!触れよ!」
爆竜会本部では、由里奈が、構成員たちに
向かって叫んでいた。

構成員たちに、由里奈は身体でご褒美を
与えていたのだった。

「んふっ・・・♡」

組員たちに、1回ずつ胸を触らせている
由里奈。

そんな由里奈の姿を
若頭の森屋は、何とも言えない表情で見つめていた。

そして、由里奈は、イスに座り、
色っぽく足を組むと言った。

「みんな、ご苦労だったな」と。

もはや、その表情や仕草には、
優しい女子高生の面影など、残っていなかった・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後。

夜の街で、由里奈に絡んだ地元の不良が
リンチされていた。

制服姿で歩いていた由里奈を
ただの女子高生だと思い、
絡んでしまったのだ。

「---ふーぅ」
由里奈は煙草を吸いながら、不良たちの方を見た。

「--そんなに、わたしが欲しいの?」
甘い声で囁く由里奈。

「--す、、すいませんでした」
不良二人組がボロボロになった姿で言う。

不良二人をボコボコにした
爆竜会の構成員は、ニヤニヤと笑いながら
その様子を見ている。

「--じゃあさ、ここでキスしよっか」
不良たちの前でヤンキー座りをしながら
笑う由里奈。

「え・・・」
不良たちが戸惑う。

「--そのかわり、あなたたちは
 わたしの下僕としてずっと働くの。
 どう?

 働きに応じて、わたしはカラダであなたたちに
 報いるわ」

由里奈は、甘い笑みを浮かべて二人を見つめた。

そして、不良たちは由里奈の唇を受け入れた。

「---ゆ、由里奈?」
ふと、声が聞こえた。

由里奈がキスを止めて振り返る。

そこにはー
由里奈の彼氏で高校生の吾郎の姿があった。

「---ゆ、由里奈!お前、何やってんだよ!
 学校にも来ないで、家にも帰らないで!」

吾郎が由里奈の方に近づき、
由里奈の肩をつかむ。

由里奈はしらけたような表情で舌打ちした

「触るんじゃねぇよ」
由里奈が吾郎の手を振り払う。

「由里奈・・・
 ど、どうしたんだよ・・・!
 何があったんだよ!」

吾郎が困り果てた様子で叫ぶ。

「どうしたのって…
 見て分からない?
 わたし、真面目に生きるのやめたの!」

由里奈が不気味にほほ笑む。

「ーーや、やめたって・・・」
唖然とする吾郎。

「--だってバカらしいじゃない?
 一度きりの人生。
 こ~やって、好き勝手生きた方が
 楽しいじゃない?」

由里奈が笑う。

吾郎は叫んだ

「--おい、由里奈!バカなこと言うんじゃねぇよ!
 お前、親孝行するんだってずっと言ってたじゃないか!」

由里奈の親は病気持ちで
家計が苦しい。
だから、由里奈は早く一人前になって親孝行したい、と
よく話していた。

「--親孝行~~~~
 あははははは!バッカじゃないの!」
由里奈が汚らしく笑う。

「--お前!」
吾郎が怒りを感じて、由里奈に近づこうとしたその時、
爆竜会の構成員に殴られて、吾郎は気絶した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おはよう、吾郎くん?」

吾郎が目を覚ますと、
目の前に、アダルトビデオにでも出てきそうな
格好をした由里奈が鞭を持って立っていた。

「--ゆ、由里奈・・・!」
吾郎が言うと、
由里奈は鞭で思いっきり吾郎を叩いた。

鞭の音が爆竜会本部中に響き渡る。

「わたしを気安く呼ぶな!」
由里奈の怒声が響き渡った。

「--ど、、どうしたんだよ・・・何があったんだよ!」
吾郎が叫ぶと、
再び由里奈がムチを振った。

「---ま、いっか。
 そろそろ教えてあげる」

由里奈が笑いながら言った。

「--わたしね~
 身体、奪われちゃったの!
 心も、身体も!
 うふふふふふふふっ♡」

由里奈がさぞおかしそうに笑う。

「な・・・何だって・・・」
吾郎が言うと、由里奈は笑みを浮かべながら
胸を触り始めた。

「信じられないでしょ??
 でも、現実なの?
 うふっ♡ あぁん♡ あっ♡

 ほら、わたし、こんなことする子だったっけ?
 しないよねぇ?くふふふふっ♡」

縛られている吾郎に見せつけるように
しながら胸を触る由里奈。

「お、おい、嘘だろ由里奈!やめてくれ!おい!」
吾郎が叫ぶと
由里奈は服をゆっくり脱ぎはじめた。

「みたいでしょ?わたしの裸。
 見せてあげよっか?」

そこまで聞いて、吾郎は思う。
これは、由里奈じゃない。
由里奈はこんなことしない、と。

「テメェ!誰だか知らないけど、俺の彼女を返しやがれ!」
吾郎は怒りに満ちた声で叫んだ。

「--ふふふ、い・や・だ!」
由里奈はそう言うと、服を脱ぎ捨てて、
モデルのようなポーズをとり始めた。

「---テメェ~~~~!」
吾郎は拳を握りしめる。

「どう?わたしの身体!
 ほ~ら、どんなポーズだって取り放題!

 わたし、喜んで何でもしちゃう!あははははっ!」

由里奈が四つん這いになったり、
挑発的なポーズをとったり、
股をひらいたりして笑っている。

「---くそっ!くそっ・・・!!」
吾郎が悔しそうに言う。

「ーーうくくくくく♡
 目の前で彼女が”自分の意思”で乱れてる・・・
 悔しいよなぁ?
 悔しいよな!ははははははっ!」

由里奈が大笑いしたその時、
突然背後から、由里奈は押し倒された。

「ひゃっ!」
思わず変な声をあげてしまう由里奈。

由里奈が振り向くと、そこには、
若頭の森屋が居た。

「--会長。もう我慢できません。
 俺の女になってください」

森屋が言った。

床に倒れたままの由里奈が
「何を言っている!」と森屋を見上げながら言う。

森屋はその言葉を無視して
吾郎の方を見た。

「--今から、目の前で彼女が
 犯されるとこ、見せてやるよ」

森屋は邪悪な笑みを浮かべて、
由里奈の方を見つめたー。

③へ続く

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コメント

最近、とても暑くなりましたネ・・・。
軽い夏バテモードになりそうです(汗

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