<入れ替わり>レベル100の俺がレベル1の女盗賊に!?①~遭遇~

魔王の討伐に成功、
その後も修行を重ねてレベル100にまで
到達していた傭兵の男。

しかし彼は、森の中で遭遇した
レベル1の女盗賊と入れ替わってしまうー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

LV.100ー。

傭兵として生きる彼、ルーベンは、
今日も森の中で”魔物の残党”を探しつつ、
残党を発見しては”討伐”を続けていたー。

数か月前まで、
この世界は”魔王”の恐怖に晒されていたー。

王国の平和を脅かす魔王。
しかし、そんな魔王を前に王国の女王・アレシアは、
立ち向かうことを決意ー。
王国の騎士団を編成して、魔王討伐に当たらせたー。

しかし、魔王は強力だったー。
王国自慢の騎士団は善戦したものの壊滅状態に陥り、
魔王軍の”大進攻”を招く結果となってしまったのだー。

魔王を討伐するつもりが、逆に窮地に陥ってしまった
女王・アレシアは、苦肉の策として
各地の”傭兵”を招集したー。

その中の一人が傭兵・”ルーベン”だったー。

左目にゴーグルのようなものを取り付けている
ルーベンは、招集された他の”傭兵”を見つめながら
失笑するー。

”一番レベルが高いやつでも、58かー。雑魚ばかりだなー”
とー。

”魔王軍の幹部クラスになるとレベル70は軽く超えるー。
 レベル58の傭兵ごときじゃ立ち向かえるはずがない”

ルーベンはそう思いながら、
”頼りになるのは、レベル87の俺だけかー”と、
自分以外の傭兵はアテにならない、と、そんなことを
心の中で呟くー。

ルーベンは、祖父が残した不思議なゴーグルを用いて
”自分や相手のレベル”を確認することができる力を持っていたー。

相手を見ると、その横にその人物の
身体能力・経験・魔力などから総合的に算出した
”レベル”が表示されるのだー。

”魔王のレベルは前に見た時は89だったー。
 今の俺のレベルなら討伐可能だが、
 魔王もレベルが上がっている可能性はあるー
 魔王の城に向かう最中に魔物や幹部を討伐しながら
 レベルアップしておく必要があるな”

ルーベンは心の中でそう呟くと、
「おい、そこのお前ー」と、声を掛けてきた
眼帯をした男のほうを見つめたー。

「ーーーん?俺か?」
腕組みをしていたルーベンはそう言葉を返すと、
眼帯の男は「そうだーキザ野郎ーお前だ」と、
そう言葉を口にしたー。

「ーどうやら自分の腕前に自信がありそうだが
 やめておきな。
 お前みたいな半端モンが魔王直轄の魔物と当たったら
 あっという間に死ぬぜ?

 ここは百戦錬磨のこの俺、ジャイロ様に任せておきな。」

眼帯の男・ジャイロはそう言葉を口にすると、
「この目も、以前、魔物との戦いで負った傷だー。
 けどな、俺様はそれでも生き延びた」と、眼帯の自慢を始めるー。

「フッ」
ルーベンは思わず笑うと、
「目を魔物にやられて、眼帯になったことを自慢するとはー
 お前のレベルも知れているなー」
と、そう言葉を口にするー。

「なんだと!?」
怒りの形相を浮かべるジャイロ。

そんな、ジャイロを無視して、
ルーベンは「ま、好きにやりな。俺は俺で魔王討伐を目指す」と、
そう言葉を口にすると、
横に”レベル45”と表示されているジャイロを無視して
そのままゆっくりと歩き出したー。

そして、ルーベンは他の傭兵たちが次々と命を落とす中、
魔王軍の幹部のうちの一人を葬り去ると、
レベル90にまでアップして、
そのまま魔王の城を目指したー。

魔王の城入口までたどり着くころには
招集された傭兵も、ほとんどが死に絶えていたー。

そんな中、魔王城の入口前で倒れていたのは
眼帯の傭兵・ジャイロだった。

「ーーーーー」
ルーベンは少しだけ表情を歪めると、
瀕死であるものの、ジャイロがまだ生きていることに気付き
声を掛ける。

「よう」
ルーベンがそう言うと、ジャイロは
「ーーキザ野郎ー。」と、それだけ反応を示したー。

レベル48ー。
戦いの中で少しレベルアップしたのだろう。
そんなジャイロを見つめながら、
ルーベンはため息を吐き出す。

「ー何か、言い残すことはあるか?
 伝えたい相手がいれば、伝えてやる」

その言葉に、ジャイロは少しだけ表情を緩めるー。

そしてー、
少しだけ息を吐き出すと、
「すまなかった」と、だけそう言葉を口にするー。

「ー誰に伝えるんだ?」
ルーベンがそう言葉を口にすると、
ジャイロは「お前だよー。」と、
出撃前に無礼な態度を取ったことを詫びるー。

「ーーーそうか」
ルーベンは静かに頷くと、
「魔王は俺が倒す。安心しろ」と、それだけ言葉を口にしてから、
息を引き取ったジャイロの目を閉じてやると、
そのまま魔王城に乗り込んだー。

残る幹部の二人を葬り、レベル94にまで上がったルーベンは、
レベル93の魔王と対峙するー。

そしてーー

「ーー魔王ー。相手が悪かったなー」
激闘の末に、ルーベンは魔王を葬り去ると、
堂々と王国へと帰還するのだったー。

それが、数か月前の出来事ー。

「ーよしーー」
そして、現在ー。

魔王の死後も、各地に散らばった魔物たちは健在でー、
ルーベンはその討伐を行っていたー。

”修行がてら、ちょうどいい”
そんな言葉を口にしながら魔物の討伐を繰り返すうちに、
ルーベンのレベルはついに”レベル100”にまで到達していたー。

「ーー今日はこのぐらいにしておくか」
森の中で10体ちょっとの魔物を殲滅したルーベンは
そう言葉を口にすると、
「それにしても、歯応えのないやつらだなー。
 まぁ、俺のレベルが高すぎるせいでもあるんだがー」と、
一人そう呟きながら森の中を歩き出すー。

がー、その時だったー

「おいっ!」
背後から、女の声が聞こえたー。

ルーベンは振り返ることなく、立ち止まると、
「あ、あたしは盗賊だ!有り金全部置いていけ!」と、
そんな言葉が聞こえたー。

「ーふぅ」
ルーベンは振り返る前に、ため息を吐き出すと、
「まだ若いのに、”盗賊”かー。
 他の道もあるんじゃないのかー?」
と、そう言葉を口にするー。

振り返ることなく、相手が若いことを察したルーベン。

が、その言葉に、
女盗賊・アマンダは不満そうな表情を浮かべるー。

「あんたに、あたしの何が分かる!」
そう叫ぶアマンダに対して、
ルーベンは「ーーー何も」と、そう言葉を口にして、
仕方がなくアマンダのほうを振り返ったー。

「ブッ!」
振り返ったルーベンは、アマンダを見ると同時に
思わず吹き出してしまったー。

何故ならー、アマンダは”レベル1”だったからだー。

「な、な、何笑ってんだ!」
アマンダが怒りの形相で叫ぶー。

すると、ルーベンは苦笑いしながら言ったー。

「おいおいおいおい。
 そのレベルで盗賊とかやめとけ。
 そのうち死ぬぞ」

とー。

「ーーすかしやがってー!!
 そんなこと、やってみなくちゃ分からない!」
アマンダがそう言うと、
「ーお前はレベル1で、俺はレベル100だぞ?」と
ルーベンがそう忠告するー。

しかし、一般の人に”レベル”など見えない。

アマンダは「何言ってやがる!あたしをなめるな!」と、
そう言葉を口にすると、ルーベンは、アマンダの持つ短刀を
簡単に回避しながら、
”スローモーションに見えるぜ”と、内心でそんな言葉を口にするー。

”ま、けど、本気だしたらこの子、死んじまうだろうしなー”
ルーベンはそう心の中で呟くと、
”無謀なことをこれ以上しないように、適度に痛い思いをさせるか”と、
アマンダに攻撃しようとするー。

が、その時だったー。

アマンダが折れかかっていた大木を見つけると、
必死に短刀で連撃を繰り出して、
その大木を倒そうとするー。

大木を倒して、ルーベンを攻撃するつもりのようだー。

「あ~あ…自然破壊か」
ルーベンはため息を吐き出しながらその光景を見つめるー。

しかしー
アマンダはルーベンの想像以上にドジだった。

「ー!」
大木を切ることに成功したアマンダ。

けれど、アマンダはその木を、どんな風に切ったら
どっち向きに倒れるのか、ということを
全く計算しておらず、ドヤ顔で切った大木が
自分の方に倒れ始めたのを見て、
「あ、あ、あ、わあああああああああ!?」と、
そんな声を発するー。

さすがに、ルーベンもアマンダがそこまで
愚かだとは思っていなかったのか、
驚いたような表情を浮かべると、
「チッ」と舌打ちしてから、咄嗟にアマンダの方に向かって
走り始めたー。

「ーーひぃいいいいいいいいいいい!?」
眼前に迫って来る大木を前に、声をあげるアマンダ。

ルーベンはそんなアマンダに向かって飛びつくー。
大木からアマンダを守るためにー。

そして、ルーベンとアマンダは
大木を間一髪で回避したものの、
二人とも、派手に地面を転がってしまうのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー!」

気を失っていたルーベンが目を覚ますー。

ルーベンはすぐに
庇ったアマンダの安否を確認しようと、周囲を見渡すと、
そこにはー、アマンダ…ではなく、
ルーベン自身が倒れていたー。

「は……?????」
レベル100のルーベンも流石に驚いたような表情を浮かべるー。

一瞬、”まさか俺は死んだのか?”と、そう思ったものの、
すぐに、”じゃあ今の俺は一体ー?幽霊か?”と、
そう思いながら身体を見下ろすと、
そこにはー…自分の身体にあるはずのない”胸”の膨らみが見えたー。

「ーーは…????」
困惑するルーベン。
が、魔王を討伐するほどの実力者であるルーベンは
あまりにもおかしな状況を前にしても、どこか冷静だったー。

「こ、この服ー」
すぐに、”今、自分が着ている服”が、
さっき自分から金を奪おうとした女盗賊・アマンダのものであると
悟ると、”まさかー”と、内心でそんな言葉を口にする。

そして、すぐに倒れている”自分”に駆け寄ると
「おい」と、声を掛けるー。

普段の自分の声で言うよりも、
何だか迫力がなくなってしまい、
自分でも違和感を感じるものの、
それを気にせず、アマンダ(ルーベン)は「おい!起きろ」と、
今一度そう言葉を口にするー

「ーーーーー」
アマンダ(ルーベン)は倒れたままの自分の身体を見つめるー。

今のこの状況ー
ルーベンは素早く”二通り”の可能性を頭の中に思い浮かべていたー。

可能性の一つは、
”自分と女盗賊の身体が入れ替わってしまっている”可能性だー。

この場合、声を掛ければ”ルーベンになったアマンダ”が目を覚ますはずー。

もう一つの可能性は、
自分自身が、アマンダの中に入り込んでしまった状態ー。
この場合、”ルーベン”の身体は抜け殻となっていて、目を覚まさないはずだ。

そう思いつつ「おい」と、
アマンダ(ルーベン)は自分自身の身体を足で軽く蹴りつけるー。

するとー…

「ーーん……なーーー…あ、あたしはー…?」
ルーベンの身体が意識を取り戻して、
そう言葉を口にするー。

”なるほど、俺とこの女が入れ替わったのかー”
アマンダ(ルーベン)はそう言葉を口にすると、
「おい、起きろ。問題が起きたー」と、
アマンダ(ルーベン)はルーベン(アマンダ)に対して
そんな言葉を投げかけたー。

「問題ー…?
 って、あんたー…」

ルーベン(アマンダ)は寝ぼけた様子でそう言葉を口にしたものの、
次の瞬間ー

「って、あ、あ、あたし!?
 ぎゃあああああああああああああああああああ!?!?」

アマンダ(ルーベン)が倒れている自分を覗き込んでいるのに気付き、
ルーベン(アマンダ)は、ルーベンが絶対に上げないような悲鳴を
上げて、また失神してしまったー。

「~~~~~~~~」
アマンダ(ルーベン)は、自分の身体の情けない悲鳴を
見せ付けられて、少し困惑したような表情を浮かべたものの、
周囲を見渡すと、
「このあたりには魔物の残党もまだいるかもしれないからなー
 少し安全な場所に移動するか」と、そう言葉を口にすると、
自分の身体を抱えて移動しようとし始めるー。

がー、アマンダの非力な身体でルーベンの身体を運ぶのは難しく
「チッ」と舌打ちすると、失神したルーベン(アマンダ)に対して、
「おい、起きろ」と、そう言葉を口にするのだったー。

②へ続く

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コメント

レベル100の傭兵がレベル1の女盗賊と
入れ替わってしまいました~!!

明日からが、入れ替わり本番ですネ…!!!

続きもぜひ楽しんで下さいネ~!!

「レベル100の俺がレベル1の女盗賊に!?」目次

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