ある日、目が覚めたら突然クラスのギャルに憑依してしまっていた
大人しい男子生徒ー。
憑依した側の彼にとっても、
憑依された側の彼女にとっても、
災難な日々が始まるー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ご、ご、ごめんなさいー…」
来美の身体で、必死に謝罪を続ける浩太ー。
目を覚まして少しして、”トイレ”に行きたくなってしまった
来美に憑依している浩太はー、
トイレを我慢しようとしたものの、
結局は”このままじゃあたしの身体で漏らされちゃう!?”と、危機感を覚えた来美の
意識が”トイレに行って!”と、そう言葉を口にしたために
”漏らす”ことは回避できたー。
が、トイレでも”余計なところは見ないで!”とか、
”ちょっと!!立ったまましたら絶対汚すから!”とか、
”あ~~!違う!!違う!!”とか、色々指摘されて大変だったー。
”謝らなくていいけど、っていうかそろそろ学校の時間だし
出てってくれない?”
来美の意識がそう言葉を口にすると、
浩太は来美の身体のまま、何度か瞬きしてから
「え、えっとー…」と、申し訳なさそうに呟くー。
「その……さっきも言った通り、寝て、起きたら
こうなっていた状況なのでー…
僕もどうやって出て行けばいいか、分からなくてー…」
来美の身体で、心底申し訳なさそうに言うー。
”ーー…はぁ?じゃあ、ずっとこのままってわけー?”
来美の意識のうんざりしたような言葉。
「い、いえ…そ、それはないと思いますけどー…」
来美の身体で不安そうに答えるー。
”でも、寝て起きたらこうなってたなら、
なんも分からないってことじゃん?」
ー何でずっとこのままじゃないって言いきれるのー?”
来美の意識に鋭い指摘を受けて、
浩太は来美の身体で困り果てた表情を浮かべると、
「ーー分かりませんー」と、オドオドしながら答えるー。
”あ~~~~もうーまた敬語になってるしー。
っていうか、あたしのこと怖がってるでしょ?
そんなオドオドされてたら、あたしも困るしー
っていうか、ホントにあんたの言う通りなら
アンタも困ってるんだろうし、
あたし、別に怒らないからー
もうちょっとさ、普通にーー
普通にできない?”
来美の意識のそんな指摘に
浩太は「ーーうーうんー」と、だけ答えたー。
”はぁ~~~~~”
来美の意識は心底うんざりしたようなため息を吐き出すと、
”ま、いいやー。学校まで時間あるし、
”あんた”がどうなってるか、確認しないとでしょ”
と、来美の意識はそう呟くー。
「え、ぼ、僕?」
来美の身体で浩太がソワソワしながらそう言うと、
来美の意識は”そ。あんたがあたしの中にいるってことは、
あんたの身体がどうなってるか確かめないと”と、そう言葉を口にしたー。
「そ、そっかー…う、うんー」
そう言葉を口にすると、浩太は来美の身体で、
戸惑いの表情を浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浩太の身体は”意識不明”の状態だったー。
死んではいない…ようであったものの、
浩太が来美に憑依していることで、
浩太の身体の方は”空っぽ”の状態になってしまっていたということだー。
そして、二人は止むを得ず、そのまま学校に向かうことにー。
”ーー学校ではあたしの言う通りに行動すること!いい?”
来美の意識からそう言われて、
浩太は来美の身体で「は、はいー」と答えると、
落ち着かない様子でキョロキョロしながら、
そしてソワソワしながら歩くー。
”ちょっと!何、不審な動きしてるの?
あんたまさかいつもそんな感じで登下校してるの!?”
来美の意識が騒ぐー。
「い、いえーあ、あのー
こ、この…この制服で歩くと違和感がー」
来美の身体で、浩太は女子高生として街を歩いている現状に
ソワソワしていることを打ち明けるー。
”はぁー。やっぱあんた変態?”
来美の意識にそう聞かれた浩太は
来美の身体で「ち、ち、違うよ!誰だって履いたことのないスカートで
外を歩いたら、戸惑うしー!」と、そう叫ぶー。
その言葉にー、
”道行く人たち”が、”急に一人で騒ぎ出したギャル”を
ヤバい奴を見る目で見つめるー
”ちょ、ちょっと!!!周りにあたしの声聞こえてないみたいだし
あんまり急に喋らないで!!!
あたしが独り言呟いてるやべーやつだと思われるから!!!”
来美の意識の言葉に、
来美の身体で「ごめんなさい」と、呟くと、
浩太はそのまま学校に到着したー。
「ーーやっほー!!来美!おはよ~~!!」
騒がしい雰囲気で、ツインテールの子が
声を掛けて来るー。
”ーー加恋(かれん)ねー。
適当にやっほー!って返しておいて”
来美の意識にそう言われた浩太は
来美の身体で、明らかに棒読みな感じで「や、やっほー」と、返すー。
「ーあれ?今日、来美ってば元気ないじゃん~!どうしたの?」
加恋がさらに近付いてきて来美を見回すー。
来美とは違う可愛い雰囲気の加恋の顔が
物凄く近くにやってきてドキドキしてしまうと、
来美の顔がみるみるうちに赤くなっていくー
”おい!あたしの身体で何ドキドキしてんの!?”
来美の意識に怒られた浩太は、
咄嗟に「す、すみません!」と叫ぶと、
目の前にいた加恋は「えっ!?あははっ!急に謝ってどうしたの!?」と、
笑い出すー。
こんな状況で学校生活を乗り越えることはできるのだろうかー。
そんな不安を二人とも抱きつつ、時間は過ぎていくー。
授業が始まると、
浩太と来美の学力は二人ともそれなりのものであったために、
意外と順調に時間は進んだー
1時間目の国語ー
2時間目の数学と順調に進みー、
3時間目の社会科が始まる頃には
来美は”じゃ、あたしは寝てるから”と、
浩太に授業を受けるのを任せるほどにまで
リラックスしたー。
しかし、問題は4時間目だったー。
4時間目は体育ー。
「ーちょ!起きて!起きて!!起きて!!」
来美の身体で、浩太は物陰に隠れながら
必死に来美の意識に声を掛けるー。
”あん?何よー?うるさいなぁ”
来美の意識が目を覚ますと、
「よ、4時間目の体育ーどうしたらー?」
と、来美の身体で浩太は慌てながら言うー。
「他の女子が着替えてる部屋で着替えるなんて
僕ー、罪悪感で死んじゃう!」
浩太のそんな言葉に来美の意識は”あ~~~”と、
内心でそう思うと、
”よし!じゃ、今日は見学にしちゃって!”と、
体調が悪いことにして見学にするように、
そう言葉を口にしたー。
体育は”見学”で乗り切り、昼休みになると、
”ってか、あんた、ホントにこのクラスの人間?”と
改めてそう聞かれた浩太ー。
来美の身体で浩太が座っていた座席まで行き、
「ここに僕、いたんだけどー」と、そう言うと、
来美は”あ~~~~~いたかも????”と、
ようやくほんの少しだけ思い出したかのような言葉を口にするー。
そうこうしているうちに、また友達に声を掛けられて
頭の中で来美が”セリフと行動”を一つ一つ指示して、
浩太はその通りにこなすことになってしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”つ、疲れたー…
頭の中でセリフと行動いちいち指示するの疲れるんだけどー…”
帰宅すると、来美の意識が不満そうに呟くー
「ぼ、ぼ、僕も、疲れましたー」
放心状態で、来美に憑依している浩太自身も、
疲れ果てた様子で言葉を口にすると、
”あんたはいいでしょ。あたしの指示で動いてればいいんだし”
と、不満そうに来美の意識がそう言い返してくるー。
「ーーーで、でも、常に言われた通りに行動したり、
変な風に思われたりしないようにするの
大変なんですけどー…」
来美の身体で、浩太は困惑の表情を浮かべながら
そう指摘するー。
”まぁ、確かにそれもそうだけどー
でも変な風に思われても、あんたは困らないじゃんー。
変な風に思われるのあたしだし”
来美の意識にそう指摘された浩太は、
苦笑いしながら、「こ、このあとはどうしたら…いいですか?」と、
そう確認するー。
”あんたも疲れたんでしょ。しばらくあたしは何も言わないから
ゆっくりしてれば?
ーっていうか、敬語やめない?”
再び敬語のことを指摘されつつ、
来美の身体でのんびりする許可を貰った浩太は
ぐったりと部屋の中で休み始めるー。
”わぁ…あたしの身体でそんなだらしない格好ー”
「ーーな、何も言わないんじゃなかったんですかー!?」
来美の身体で、浩太はすぐにそんなツッコミを入れると、
来美の意識は”あっ”と言いつつも、
”あんただって敬語やめないじゃん”と、そう指摘するー。
「そ、それとこれとは別だと思うんですけど!」
”一緒でしょ”
「ーど、どうせ誰も見てないからいいじゃないですか!
そ、それとも女子って家の中でも
常に周囲からの視線気にしてるんですかー?」
”ーいや、別にそこまで気にしないけどー
誰もいないときまで可愛いを意識してたら疲れるし”
「じゃあいいじゃないですか」
”ーでも、あんたはあたしの身体を借りてる身でしょ”
「ーそ、それはー」
来美の身体に憑依している状態の浩太と、
憑依されている来美の言い合いは続くー。
二人は夜遅くまでずっと言い合いを続けて、
ようやく疲れ果てた様子で”もう、やめよー?”と
来美の意識がそう提案すると、
来美に憑依している浩太も「そ、そうですねー」と、
そんな言葉を口にしたー。
がーーー
そんな様子をたまたま部屋の前を通りがかった来美の母親は
”あの子、電話でもしてるのかしらー?”と、
不思議そうな表情を浮かべていたーー。
そんな母親の心配を余所に、部屋の中では
来美の意識が、あることを口にするー。
”お風呂、目隠してして入ってもらうから”
とー。
「お、お、お、お、お風呂ぉぉぉぉぉ!?!?」
来美に憑依している浩太は思わずそう叫ぶと、
「い、いや、そ、それは流石に申し訳ないですよー
お、お風呂なんてー、ぼ、ぼ、僕はー」
来美の身体で慌てふためいてそう言葉を口にすると、
”ーあたしにお風呂に入らずに学校行けって言うの?”と、
来美の意識は心底不満そうに呟くー
”あぁ、あんた、もしかしてアレ?
お風呂に1週間に1回しか入らないとか?”
来美の意識にそんなことまで言われてしまい、
来美に憑依している浩太は慌てた様子で
「そ、そ、そんなことないし!」と、それだけ言うと
”ーじゃあ、とにかく目隠ししてお風呂に入って貰うからね!
あたしが指示するから、その通りにしてくれればいいから”
と、来美はそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
来美はため息を吐き出しながら、学校にやってきていたー。
”1日が終わって寝れば元に戻るかもしれない”
来美に憑依している浩太も、憑依されている来美も
そんなことを期待していたものの、
その期待は裏切られたー。
翌日になっても、来美には浩太が憑依した状態のままだったー。
「やっほ~!来美~!」
今日もツインテールの親友・加恋が嬉しそうに近付いて来るー。
「あ、お、おはようござーー」
来美の身体で、オドオドしながらそう返事をしようとする浩太ー。
”違う!やっほー!でしょ!”
来美の意識にそう指摘されて、
浩太は来美の身体で死んだ目をしながら「やっほー」と、棒読みで返すー。
それだけで顔が真っ赤になってしまうー。
”ほら!適当に雑談して!”
来美の意識からそう言われて、
浩太は慌てて来美として「今日はいい、天気だねー」と、
咄嗟にそう言葉を口にする。
が、その言葉に、加恋は不思議そう教室の窓の外を見ると、
「雨、降ってるけどー?」と、苦笑いしながら
指を指すー。
「あ、あはーあははははーー」
来美になり切れない浩太は、来美の身体で誤魔化しながら笑うー。
”ーーはぁー。もういいからあたしの言った通りのセリフを口にして”
来美の意識はため息を吐き出すと、
そのまま”台本”を言葉にし始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼休みー。
誰も来ない校舎裏でいじけている来美ー。
もちろん、来美ではなく、来美に憑依している状態の浩太が
そんな様子を見せているー。
「ーー僕ー全然ダメですねー。ごめんなさいー」
来美の身体でそう言うと、
来美の意識は”確かに全然ダメで呆れるー”と、言いながらも、
”ま、元気出しなよー。あたしは怒ってないし”と、
そう言葉を口にするー。
「え…?」
来美の身体で、浩太は少しだけ不思議そうな表情を浮かべると、
来美の意識は言ったー。
”あんたのこと、全然認識してなかったけどさー
一緒にいると悪い奴じゃないっていうのは分かるし、
案外面白いじゃん?
だからー、まぁ、あたしの身体で上手くできないのは
見逃してあげるー”
来美の意識はそこまで言うと
”ほら、元に戻れるまで一緒に頑張ろ”
と、そう付け加えたー。
「ーーーうんー」
浩太は、来美の言葉に少しだけ元気を取り戻すと、
”憑依されてる篠原さんの方がもっとつらいんだー”と、
そう自分に言い聞かせながら、
元に戻れるまで頑張ろう、と気持ちを立て直して
息を吐き出すのだったー。
③へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!!
ちゃんと元に戻れるのかどうかと、
どうしてこうなってしまったのか、
明日の③で見届けて下さいネ~!!
今日もありがとうございました~!★!

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