”皮”にした相手は有名人だったー。
それを知らずにその子の身体を乗っ取った彼は、
街中でサインや握手を求められたりしてしまってー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー」
小森 遼太郎(こもり りょうたろう)は、
大学を中退後ー、バイトをしながら
堕落した生活を送っていたー。
元々、人付き合いが好きではなかった彼は、
大学の人間関係に嫌気が差してしまい、
ついには大学を中退ー、
バイト以外、外に出ることのない生活を続けて、
家に引き籠る日々を送っていたー。
「ーーは~~~~…うめぇ」
コーラを飲みながら、ポテトチップスを口に運び、
録画しておいた深夜アニメを見るー。
今日も、バイトを終えるとそんな生活を送っていた遼太郎ー。
がー、
その時だったー。
♪~~~
部屋のインターホンが鳴ったー。
「ーーーーーんだよ、面倒臭いなー」
寝転がった状態で、ポテトチップスを口に運んでいた
遼太郎は”起き上がるのも面倒臭い”と言いたげな表情を浮かべながら
一瞬玄関のほうを見つめるー。
しかし、返事をするのも面倒臭かったのか、
”居留守を使おう”と、そう決めると、
そのまま遼太郎は、コーラを一口飲んで、
アニメの続きを見始めるー。
しかしー
♪~~~
♪~~
♪ ♪~~ ♪~~
リズムよくインターホンが連打されて、
「な、な、なんだよ!うるせぇなー」と、小声で呟くと、
仕方がなく重たい身体を起こして立ち上がり、
”誰が来たのか”を確認するー。
すると、インターホン越しに、
同じ大学に通っていた友人・田島 盛明(たじま もりあき)の
姿が見えたー。
”へへへー小森ー元気か?”
盛明がニヤニヤしながら言うー。
盛明は、人付き合いが得意ではない遼太郎の
数少ない大学での友人だったー。
よく、揶揄うようなことを言ってくるし、
調子のいいやつではあるものの、
それなりに話は合ったし、
大学にいる間は色々力を貸してくれたこともあった、
そんな人物だー。
「ーーなんだ、田島かー」
遼太郎がそう返事をすると、
盛明は”へへー、お前にいいもん見せてやろうと思ってさー”と、
そんな言葉を口にするー。
「ーいいもの?」
遼太郎は少しだけ表情を歪めながら、
そう確認すると、盛明はヘラヘラと笑いながら、
”とにかく、開けてくれよー”と、そんな言葉を口にしたー。
「ーーーー」
遼太郎は、背後に広がる自分の部屋の光景を
振り返って確認するー。
垂れ流しの深夜アニメに
ポテトチップスの袋にコーラ、
ゴミも散らかっているー。
「ーん~~~あまり今、部屋を見せられる状況じゃないんだよなー」
遼太郎が少し面倒臭そうにそう呟くと、
”へへーお前の部屋が綺麗だなんて期待してねぇよー”と、
盛明は笑いながらそう言ったー。
「ーーーーいや、綺麗な時もあるしー」
遼太郎は少しムッとした様子でそう返すも、
盛明は悪びれる様子なく”とにかく、マジで凄いんだー。お前も喜ぶだろうし”
と、”持って来たいいもの”とやらを手に、
それが入っていると思われる紙袋をかざして見せたー。
正直、面倒ではあったものの
このまま追い返そうとしても、盛明はなかなか諦めるような人間ではないー。
そのことを理解している遼太郎は、
ポテトチップスのついた手で髪をボリボリと掻きむしると
「ーわかったわかったー。今開けるよー」と、
そんな言葉を口にして、玄関の扉を開けたー。
「ーへへーおいおい、大学辞めたときより太ったんじゃねぇか?」
盛明が、大学中退後に体重が10キロ以上増えた遼太郎を見て
少しだけ苦笑すると、
遼太郎は「うるせぇ」と、そう言いながら
部屋の中に盛明を案内し始めるー。
「きったねぇなぁー」
部屋に入って来た盛明が笑いながら言うー。
「なら帰れよ」
遼太郎が呆れ顔でそう言うと、
盛明は「へへへーまぁそう言うなって」と、
ニヤニヤと笑ったー。
「でー、何の用だよ?
俺に見せたいいいものって?」
遼太郎はそれだけ言うと、飲みかけのコーラを口に運びながら
盛明のほうを見つめるー。
すると盛明は「おぅ、そうだったなー」と、
それだけ言うと、持って来た紙袋をガサゴソとし始めて、
そこから”何か”を取り出したー。
盛明が取り出したのは、”女”の着ぐるみのような
不気味な物体ー
「なんだそれ?」
遼太郎が首を傾げながら、そう言葉を口にすると、
盛明は言ったー。
「”皮”だよー」
とー。
「ー皮? は?」
遼太郎は意味が分からずに
ポテトチップスを一つ口に運ぶと、
バリバリと音を立てながら
盛明のほうを見つめるー。
「ーはは、悪い悪いー
いきなり”皮”とか言われても分からねぇよなー。
俺さー、
少し前に”人を皮にすることができる針”ってのを見つけたんだー
それを使って、こうして”皮”にするとさー、
これを着ることで、そいつの身体を乗っ取ることができるんだー」
盛明は、そんな説明を
”女の皮”を手にしながら口にするー。
「ーーーーーーー……」
そんな説明を聞いた遼太郎は”ヤバいやつ”を見る目で
盛明を見つめるー。
「ー田島ー、お前ーー
頭、イカれたのかー?」
遼太郎がそう言うと、
盛明は「へっへっへー お前に言われたかねぇよ」
と、ニヤニヤしながら首を横に振るー。
「ーーま、でもそういう反応されても仕方ねぇかー。
俺も最初はマジでビビったし、
半信半疑だったからなー」
盛明はそう言うと、持って来た”皮”とやらを手に、
「見てろよ」と、そう言葉を口にしてから
”皮”を突然身に着け始めたー。
「ーーー…おい、何してるんだよー?」
呆れ顔で呟く遼太郎ー。
が、盛明が”皮”を着終えると、
「ーーへへーどうだ?」と、盛明の声ではなく、
”女の声”でそう言葉を口にしたー。
「えっ…」
遼太郎は、そんな盛明を見て驚くー。
「ーへへへへへー
どうだ?すげぇだろー?
皮にした人間を着ると
”着ぐるみを着てる”って感じじゃなくて、
こうしてそいつの身体そのものを乗っ取ることができるんだぜー?」
盛明は美少女的な風貌で、可愛らしい声を出しながら
そう説明するー。
遼太郎は思わずドキッとしながら、
女の身体を乗っ取った盛明のほうを見つめると、
「どうした?顔が赤いぞ?」と、盛明は揶揄うようにして
言葉を口にするー。
「あ、当たり前だろ!!
お、俺はか、彼女もいたことないしー、
そ、そのー…」
挙動不審な様子で戸惑いを露わにする遼太郎ー。
「へっへっへー
まぁ、気持ちはわかるぜー
こんな可愛い女が部屋に急に来たら
小森みたいなやつはすぐドキドキしちゃうだろうしなぁ」
女の姿で、盛明はなおもニヤニヤしながら
遼太郎を揶揄うようにして見つめるー。
「ぐ……た、田島ー…
ーーそ、それ、いったいどういう仕組みなんだよー?」
と、遼太郎は顔を真っ赤にしながら言うと、
盛明は「ー真綾(まあや)ー」と、突然そう言葉を口にしたー。
「ーーーえ?なに?」
心底困惑した表情を浮かべる遼太郎ー。
すると、盛明は
自分の身体をトントンと触りながら
「この身体の名前だよー。俺がこの皮を着てる間は
”真綾”って呼べよ?」と、ニヤニヤしながら言うー。
「~~~~~~~~」
女子を下の名前で呼ぶような機会も全くなく
生きて来た遼太郎からしてみれば、
”真綾”と呼ぶだけでもハードルが高いー。
「~~~~~~~…い、いやー、べ、別に田島でいいだろ?」
遼太郎は、そう抵抗すると、
「ーーへへ。ダメ。”真綾”って呼べ」と、
可愛い顔で”真綾”の身体を乗っ取った盛明が言うー。
「ーーーま、ま、ま、ま」
遼太郎はそれでも、すぐにその名前を呼ぶことは出来ずに
さらに挙動不審な反応をしてしまうと、
「ーーママ???ママはここにはいないぜ?」と、
真綾を乗っ取っている盛明は、馬鹿にするような口調で微笑むー。
中身は盛明だと分かっていてもドキッとしてしまう自分に
遼太郎は戸惑いながらも
「ま…ま…真綾ー」と、小声で呟くー
「へへへへへーなんだよ そんなに照れてー」
邪悪な笑みを浮かべる”真綾”ー。
「ーお、俺がこういう反応するってわかっててやってる癖にー」
心底不満そうにそう呟く遼太郎に対して
”真綾”の身体を乗っ取っている盛明はケラケラと笑いながら、
「まぁなー」と、そう言葉を口にするー
「ーーーーーそ、そ、それにしても、
い、いったい何のつもりなんだよー…?
そ、その力はいったいー」
遼太郎は心底困惑した様子で、
ソワソワした様子も見せながらそう言葉を吐き出すー。
何が何だか、全く理解できなかったー。
”人を皮にして乗っ取る”などという、あまりにも理解しがたいことが、
あまりにも現実離れしたことが、
今、目の前で起こっているという現実に、
戸惑うことしかできないー。
「ーへへへへーすげぇだろ?
そうだー、お前、女の胸とか触ったことないだろ?
触らせてやろうか?」
真綾がニヤニヤしながら言うー。
「ーい、い、いや、いいしー、べ、別にー興味なんてー」
遼太郎がそう言いながら目を逸らすと、
真綾は、わざと胸を当ててきて、ニヤニヤと笑うー。
「お~~~、へへーそんなに赤くなるなよー
分かりやすい反応だなぁ」
真綾が下品な笑みを浮かべるー。
「そ、そ、その声でそういう喋り方するなよー」
遼太郎は、可愛い声なのに男のような口調で話す
真綾に対して、必死にそんな言葉を吐き出だすと、
真綾はなおもニヤニヤしながら、
「え~…じゃあ、わたしの胸、揉んでみる?」と、
クスクス笑いながら言葉を続けるー
「ーぐ…… や、やっぱいつも通りでいいー
余計に頭がおかしくなりそうになるー」
女口調で話し始めた真綾を前に、
遼太郎がそう言うと、
真綾は「へへへへー」と、ニヤニヤしながら、
「ーわたし、遼太郎くんのことずっと前から大好きだったの♡」と、
甘い声で言い始めるー。
「~~~~~~~~~~~」
遼太郎は真っ赤になったまま、言葉を失って目を逸らすー
「へへへへ なんだよその挙動不審な反応ー
傑作だなー」
真綾がニヤニヤしながら言葉を続けるー。
そんな真綾に対して、
「いったい、何をしに来たんだよ!!」と、
遼太郎はムキになって反論すると、
真綾はニヤッと笑ったー。
「ーーへへー悪い悪いー
今日はさー」
真綾はそう言うと、自分の頭に手を触れてから、
ベリッと音を立てて、自分を脱ぎ捨て始めるー。
真綾の頭の部分だけがめくれて、
中から盛明の顔が出て来ると、
「ーへへーすげぇだろ?この力ー」と、そんな言葉を口にしながら、
真綾を上から下まで、全部脱いでいくー。
やがて、着ぐるみのようにペラペラになった真綾が床に横たわると、
盛明は満足そうにそれを見つめながら、
戸惑う遼太郎に対して言葉を続けたー。
「ーーお前に、やるよー」
とー。
「ーーは?」
遼太郎は、”意味が分からない”という様子で表情を歪めてみせるー。
”お前にやるよ”とは、いったいどういう意味なのだろうかー。
そう思っていると、
盛明は言葉を続けたー。
「ー俺が”真綾”を着て、”真綾”になることができたようにー
お前も俺みたいにこの皮を着れば”真綾”になることができるー。
へへー小森ー
お前も美女になれるってことさー」
盛明がニヤニヤしながら言うと、
ゴクリと、遼太郎は唾を飲み込むー。
「どうせ、大学を辞めたあともバイトぐらいしかしてねぇだろ?
どうだー?美人になって、人生変えてみないかー?」
盛明のその言葉に、
遼太郎はドキドキしながら”真綾”の皮を見つめるー。
「ーーい、いや、待てよー
でも、こ、この”皮”になってる人って実在の人物なんだよなー?
それに、何で俺にこの人の皮をくれるんだよ?」
遼太郎は疑問を口にするー。
「大丈夫だー。人を皮にしちゃいけないなんて法律はねぇ。
お前が真綾になっちまえば、あとは”わたしは真綾だよ”で
押し通せるー」
盛明は、そこまで言うと、
「ーーで、お前にその皮をやる理由だがー」と、
そう言葉を口にしてから、説明をさらに続けたー。
「ーーーー俺さ、その子になりたいんじゃなくて、
その子とイチャイチャしたいんだよー。
分かるか?」
とー。
「ーーー…え?」
遼太郎が戸惑いながら聞き返すと、
盛明は”自分が真綾”になるのではなく
”誰かに真綾になってもらって、一緒に色々楽しみたい”のだとそう説明したー
「で、親友のお前が真綾になってくれるのが一番いいと思ったんだよー。
な?いいだろ?頼むよー」
盛明のそんな願いを前に、
遼太郎は戸惑いながらも、「わ、わ、わかったー」と、そう返事を口にしたー。
がー、遼太郎はまだ知らないー。
その”真綾”という子が有名人であることをー
②へ続く
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コメント
まだ”有名人”の部分は物語に関係してきていないですケド、
②に以降に題名になっている部分も関係してくるので、
楽しんでくださいネ~!!
今日もありがとうございました~~!

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