動物たちを実在の人間に変身させ、
すり替えを行っている悪意に満ちた動物園…
悪意の果てに待つ結末は…?
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「ーーーー深友里ー…最近、肉ばっか食べてー
どうしたんだよー」
深友里の彼氏・慎平が、心配そうに
深友里の方を見つめるー。
「ーん~~~…別にいいでしょ?
最近、肉がマイブームなんだからー」
深友里に変身したライオンはそんな言葉を口にするー。
深友里としての記憶をも変身した際に得ているライオンは、
表向きは”深友里”として振る舞っているー。
こうして、変身した動物を人間社会に解き放つことで、
”本物”を始末したり、拉致したり、
何をしてもー、”世間”は気付かないのだー。
「ーーー……で、でも、急にー」
慎平がそう食い下がると、
深友里はグルルルルルル…と、獣のような声を出しながら、
慎平を睨みつけるー。
「ーーお、怒らないでくれよー
べ、別に深友里と喧嘩したいわけじゃないんだー」
慎平がすぐにそう言葉を口にすると、
深友里に変身したライオンは、「ふん」とだけ言いながら、
肉を入れた皿を床に置くと、そのまま四つん這いになって
肉を食べ始めたー。
「ーーー…深友里ー」
何かがおかしいー。
慎平はそう思いつつも、”どうすることも”できなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”動物”たちは完全にその本人として行動することはできないー。
がーーー
それでも、”同じ姿・記憶・中身”ー
その全てが揃った”動物”がいる以上ー、
それだけで、”欺く”には十分だったー。
「ーーー…彼女の様子がおかしいー」
国際犯罪組織ガルフの調査を行う捜査班の捜査官が
そう言葉を口にするー。
先日、動物園に捕まった女性捜査官・亜優ー。
本物は既に処分され、今、ここにいるのは亜優に変身したチンパンジーだ。
捜査官たちも、そんな”亜優”の異変に気付きー、
亜優の指紋やDNAなどの確認を行ったー。
がー、紛れもなくそれは”本人”のものー。
亜優に変身したチンパンジーは見た目や声だけではなく、
指紋からDNAまで、全てが亜優のものになっていたー。
「ーーあはは~わたしはわたしですよぉ~」
亜優に変身したチンパンジーは、そう笑うー。
捜査官たちは困惑した様子で、
首を傾げることしかできなかったー。
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「サイオンジ様ー
お待ちしていましたー」
動物園の”奥”ー
一般客は入ることのできないエリアで、
メイド服の職員がサイオンジを出迎えるー。
国際犯罪組織ガルフの日本支部で最近急速に力を増している
幹部・サイオンジがこの日もやってくると、
白神園長は、タブレットをいじりながら、
手で”座ってて”とだけ合図をしたー。
「ーーーえぇーー今度はその子を捕まえて頂戴ー。
えぇー。」
白神園長は、他の職員と話しているのだろうかー。
サイオンジを待たせながら、
話に集中しているー。
少しイライラしながら、サイオンジが貧乏ゆすりを始めると、
ようやく白神園長がサイオンジの方を見たー。
「ーーお待たせしてすみません」
白神園長がそう言うと、「いや、全然構わないよ」と
サイオンジは営業スマイルを浮かべたー。
「これが今回の報酬だ」
大金の入ったカバンを手渡すサイオンジ。
白神園長は、近くにいたメイド服の職員にそれを渡すと、
メイド服の女は「お預かりしますー」と、金庫にそれを移動し始めるー。
「あの女はー?」
サイオンジが言うと、「あの子はブタですよ」と、笑みを浮かべながら
白神園長が言ったー。
「豚?」
サイオンジが首を傾げるー。
「ー可愛い見た目の客を拉致して、ブタをその客に変身させた上で、
ここで働かせてるんです」
白神園長はそう言うと、サイオンジは少しだけ笑いながら
「で、あの女の”本物”はー?」と、そう言葉を口にするー。
「ー本物ならー、”地下闘技場”でクマと戦わせて、
そのまま死にましたー」
白神園長はクスクスと笑うー。
この動物園の地下には”動物とのデスマッチ”を楽しむ
悪趣味な空間も存在しているー。
そこで、”本物”は死んだというのだー。
サイオンジは少しだけ表情を歪めると、
白神園長は笑みを浮かべたー
「それはそうとーまた、消してもらいたいやつがいるー。
それと、支部長のクロサワさんが、”女”を三人ほど
調達してほしいらしくてなー。
それも頼めるか?」
サイオンジがそう言うと、白神園長は笑みを浮かべながら
タブレットを操作して、”金額”を表示したー。
「ーー”対価”はちゃんと頂きますよ?」
と、そう笑みを浮かべながらー
「ーーチッーこのハイエナ女めー」
サイオンジが不満そうに舌打ちをするー。
「お前がその力を手に入れられたのは
誰のおかげだと思っているー。
それに、お前は覚えちゃいないだろうがー」
サイオンジはそこまで言いかけると、
言葉を止めてため息をついてから、
「ーまぁいいー今回は認めてやる」と、
営業スマイルを浮かべると、
「ーー…だが、あまり調子に乗らない方が身のためだぞ?」
と、脅しの言葉を口にしたー。
がー、
そんなサイオンジの背後にメイド服の職員三人が、
姿を現すー。
「ーブタと、トラと、パンダですー。
今、この場で変身を解いて差し上げても良いのですよ?」
白神園長はクスクスと笑うー。
メイド服の女三人ー。
元の姿はそれぞれ、ブタとトラとパンダなのだと言うー。
”変身解除”の画面を表示したタブレットを向ける白神園長ー。
「ーーーー」
サイオンジは白神園長を睨みつけると、少しだけ笑みを浮かべながら
「ここで我々が争っても互いに益はないー。そうだろう?」と、
そう言葉を口にして和解の姿勢を示したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
彼女の深友里の様子がどうしてもおかしいことを心配した
慎平は、動物園を訪れていたー。
”本物の深友里”は、国際犯罪組織ガルフに連れ去られて、
特殊な技術で脳の思考を塗り替えられて
今は日本支部代表・クロサワの秘書にされてしまっているー
がー、そんなことを知らない慎平は、
動物園の園内を調べていたー
「ー何かー…何か、ここにあるかもしれないー」
まさか、いきなり動物園側に
”ここに来てから彼女の様子がおかしいです”と、言っても
頭のおかしな人扱いされるだけだろうしー、それはできないー。
そもそも、動物園が原因とは限らないー。
けれど、慎平は何だかこの動物園に何かある気がして、
動物園内を調べていたー
”ーーーあらあらー”
園内を監視カメラで監視している白神園長が笑みを浮かべるー。
”あの子、この前出荷した子の彼氏ねー。
まぁ、時々、こうして探りに来る子もいるけどー
無駄なことよ”
白神園長はそう言葉を口にすると、
背後にいたメイド服の女ー、パンダが変身している女に、
「ーあの子を”地下闘技場”に案内してあげなさいー」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーーー!?」
直後ー、動物園を探索していた慎平の前に、
職員が姿を現すー。
”彼女の異変の理由を知っている
詳しく話がしたいー”
そう言われた慎平は、警戒しながらもその職員についていくー。
そしてー
罠にはめられて動物園の地下にある闘技場に落とされてしまったー。
「ーーーな、な、なんだここはー!?」
慎平が驚いていると、
リングの先から、彼女の”深友里”が現れたー。
”ふふふふふー
あなた、彼女がおかしくなった理由がわたしの動物園に
あると思っているようねー。”
白神園長の声が聞こえるー。
慎平は戸惑いながら「こ、これは何なんですか!?」とそう叫ぶと、
白神園長は言ったー
”正解よー。
あなたの彼女は”わたしたち”のせいでおかしくなったー
だって、あなたと帰った彼女はーー”
白神園長はそう言うと、慎平が動物園をウロウロしているのに気づいた直後、
部下に連れて来るように命じた”深友里に変身したライオン”を
慎平の前に解き放ったー
「ーーー…慎平ー…ふふふふふ」
深友里に変身しているライオンが笑うー
「み、深友里ーな、何でここに?」
慎平が戸惑っていると、
白神園長は、事務所からタブレットを操作してー、
闘技場に”変身を解除する”光を放ったー
深友里に変身していたライオンが、ライオンの姿に戻っていくー。
「ーがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
慎平からすれば、”深友里がライオンになった”ようにしか見えないー。
「み、深友里ー…えっ!?な、なんでー!?」
そう叫ぶと同時に、深友里に変身していたライオンに襲われる慎平ー。
慎平の悲鳴が響き渡るー。
「ーーあららー」
監視カメラ越しにそれを確認した白神園長は監視カメラで撮影した
写真をもとに、サルを慎平に変身させると、
死んだ”本物の慎平”とすり替える形で、
ライオンを再び深友里に変身させた上で、カップルとして動物園から解放したーー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
「ーー話とは、何かなー?」
国際犯罪組織ガルフの日本支部幹部・サイオンジが動物園の事務所に
やってくると、
白神園長は足を組んで椅子に座りながら笑みを浮かべたー。
「ーー”これからのビジネスの話”をしたいと思ってー」
白神園長はクスッと笑うと、サイオンジに対して
タブレットの画面を見せ付けたー。
「ーーこれはー?」
サイオンジが表情を歪めるー。
「ーこの先の”契約料”ですよー
わたしの力をこの先も借りたければ、
もっともっと、対価が必要よー」
ニヤリと笑う白神園長ー。
”わたしは、国際犯罪組織ガルフにとって欠かせない存在ー”
そう確信した白神園長はさらに法外な要求を
国際犯罪組織ガルフ側に持ちかけたのだー。
「ー応じないなら、あなたも”動物”とすり替えようかしらー」
邪悪な笑みを浮かべる白神園長ー。
「ーーーーーくくくくくー
ハイエナ女が偉くなったものだなー」
サイオンジはそう言葉を口にすると、
白神園長は笑みを浮かべるー。
「ー”ハイエナ”って呼び方、やめてもらえるかしらー」
とー、そう言葉を口にしながらー。
金に汚い者を蔑む言葉ー。
その呼び方が、白神園長からすれば不快だったー。
がーー
サイオンジは笑ったー。
「ーくくくー何故だー?
ハイエナにハイエナと言って何が悪いー」
とー。
「ーーー…失礼ねーわたしは当然の対価を要求しているまでのこと!」
白神園長がそう叫ぶと、
サイオンジは「いやー」と、首を横に振ったー。
「ー白神園長ー。
別に俺はお前が”金に汚い”って意味でハイエナ女って呼んでるわけじゃないー」
サイオンジはそう言うと、
さらに言葉を続けたー
「ーーお前が人間じゃなくて”ハイエナ”だからそう呼んでいるんだよー」
とー。
「ーー!?」
白神園長は表情を歪めるー。
「ーークククーどうした?
忘れたのかー?
お前は我々が捕らえた一般人の女に変身して、
偽名を名乗りここの園長になった”ハイエナ”であることをー」
サイオンジは笑みを浮かべるー。
”ハイエナ”ー
それは、犬などに似た形の動物の名前ー。
サイオンジが白神園長は”ハイエナ”と呼んでいたのは、
金に汚い人間という意味で呼んでいたわけではないー。
白神園長は”動物のハイエナが人間に変身した姿”なのだー。
「ーーーまぁ、それも仕方あるまいー
都合よく利用するために、人間に変身させた時に
お前をしっかり調教したからなー。
ハイエナであったことを忘れてしまったのだろうー」
サイオンジはそう言うと、
白神園長は「ーバ、馬鹿な事を言わないで!わたしは人間よ!」と、
そう叫ぶー。
「ーーククーそうかなー?」
そう呟くと、サイオンジは白神園長と同じ紫色のタブレットを取り出すー。
そして”変身解除”と書かれた画面を表示し、
それを白神園長に向けたー。
「ーお前は、タブレットを操作してるとき、
人の話を聞いてないよなー?
人間は、タブレットを操作しながらでも人の話を聞けるー。
が、お前はそれができなかったー。
なぜならお前は所詮”ハイエナ”だからだー。
頭の回転が、俺たち人間より、悪いー」
サイオンジの言葉に、白神園長は「う、嘘よ!わたしはハイエナなんかじゃない!」と、
そう叫ぶー。
「ーならば試してみようー」
サイオンジはそう言うと、”変身解除”のボタンを押して
タブレットから放たれた光を白神園長に当てるー。
すると、白神園長の姿はみるみるうちに”ハイエナ”へと変わっていったー。
驚きの表情を浮かべているハイエナー。
「ーーいいーーーー
最高だよー白神”元”園長ー
自分が人間だと信じて疑わないやつが、動物に戻った時の顔ーーー
本当にーーーー
たまらないーーーー」
サイオンジは邪悪な笑みを浮かべると、
「”後任の園長”は、こちらで手配するー。お前はもう休めー」と、
そう言葉を口にしながら、
白神園長だったハイエナの方に近付いていくー。
そして、いつも右手にはめている黒い手袋を外すと、
下から姿を現した義手で、ハイエナを鷲掴みにしたー。
「ーーおやすみ園長」
そう囁くと、白神園長だったハイエナを握りつぶすサイオンジー。
”余計な欲を持った駒はいらない”
サイオンジはそれだけ呟くと、そのまま闇の中へと姿を消していくー。
邪悪なる動物園ー。
その闇は、また”別の園長”に受け継がれて、
続いていくのだったー…。
おわり
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コメント
恐ろしい動物園のお話でした~!☆
何も解決していないので、
これからもこの動物園によって餌食になる人が
出て来るのデス…!
お読み下さりありがとうございました~!☆!

コメント
深友里に変身していたライオンが、[深友里]の姿に戻っていくー。←ライオン
[深友里]を再び[ライオン]に変身させた上で、カップルとして動物園から解放したーー←ライオンを再び深友里に変身させた上で
トオルさま!!
ありがとうございます~~!
大変な間違いがたくさん…!
動物園に行って頭を冷やしてきます~笑!
ご指摘の箇所は修正しておきました!
感謝デス~!ありがとうございます!