朝起きたら知らない女に憑依してしまっていた
20代後半の男性会社員。
状況を把握できないまま、彼の戸惑いは続くー。
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「--はぁ~~~~~」
トイレを済ませた清美が、トイレから出て来るー。
「--トイレだけでも一苦労だな…」
”女の身体”でのトイレを始めて経験したー。
かなり恐る恐るだったためか、
だいぶ時間がかかってしまったー。
「--なんかこう、もう、色々違いすぎてすげぇな」
清美は、疲れ切った様子でそう呟くと、
”お腹空いたな…”と思いながら、冷蔵庫を覗くー
「--ふ~ん……」
正直、あまり食材は入っていなかったー。
「まぁ…一人暮らしの大学生はこんなもんかー」
そう思いながら、清美は”ハッ”とするー。
”バイトー”
一人暮らしをしている女子大生の清美ー。
と、なれば当然バイトもしている可能性が高いー
”やべぇやべぇ…この子にバックレさせるわけにはいかない!”
清美は焦った様子でスマホを確認しようとするー。
定番の”適当なパスワード”を入力してみるが、
やはりロックを解除することが出来ないー。
「--バイト先が分かるもの…」
そう思いながら清美は慌てて机や、鞄を漁り始めるー
「--これじゃ、女子大生の部屋に潜り込んで
部屋を漁ってるやべぇやつじゃん…」
自虐的にそう呟く清美ー。
もしも、清美の身体に憑依してない状態で、
純太が今、同じ行動をしていたら
間違いなく通報されるだろうし、
間違いなく逮捕されるだろうー。
清美の身体に憑依してしまった以上、
仕方のないこととは言え、
女子大生の部屋を、本人不在の間に漁っているような気がして、
純太は気分が悪かったー。
「あったー!」
バイト先のシフト表らしきものを清美の部屋で発見したー。
「--洋菓子店…ケーキ屋かな…」
清美はそう呟きながら、シフト表を確認すると、
幸い、次のバイトまでは、数日、時間があったー。
「--3日後かー。
しばらくはシフト入っていないみたいだからー
その間になんとかしなくちゃな」
と、清美は呟くと、
机の上に置かれていた可愛らしいメモ帳に
”3日後 バイト”と、メモをしたー。
その横に置かれている清美本人が書いたと思われる
メモの筆跡と見比べて
「-うわぁ…俺の字より綺麗だなぁ…」と苦笑いしたー。
ーー同じ身体が、書いているのに
”中身”が違うと、筆跡も変わるー。
清美は、そんな風に思いながら、
「--さて、ごはんごはん」と、冷蔵庫の中にあった、
食材を集めて、適当にご飯を済ませたー。
味覚も違ったー。
筆跡とは違い、”味覚”は”身体自体”の問題だから
清美の身体になった以上、純太本人の味覚ではなく
清美の身体が感じる味を、
純太も経験することになる、ということなのだろうー
「--全然違う味に感じるんだな…
へぇ~~~…」
味覚の違いに妙に興奮してしまった清美ー。
そういえばー、
と、清美の胸や髪を見つめると、
途端にエッチな気持ちが湧き出て来たー。
「--……」
一瞬、このまま胸を揉んでしまおうかとも思ったが
「--いやいやいやいや、そんなこと俺はしないぞ!」と、
自分のーーいや、清美の頬をぺしぺしと何度か叩いてから
深呼吸を繰り返したー。
”この子の身体を傷つけるなんて、絶対ダメだ”
と、純太は心の中で何度も何度も呟くー。
そもそも”憑依”なんて、
悪役がするやつじゃないかー、と、純太は心の中で思うー。
ヒーロー番組とか映画では
大抵、悪党が人間に憑依して、人間に悪さをさせるパターンだし、
エッチなやつだと、欲望に満ちたやつが、
自分の欲望を満たすために、誰かを乗っ取って好き放題するー。
「--…そういや、小杉(こすぎ)のやつ、そういうの好きだったよな」
清美は呟くー。
純太自身は、そういうエッチなものに特に興味はなかったが、
純太の学生時代からの友人である、小杉という男が
憑依とか、そういう系等のものが好きで、
よく、その手のAVを買ったりもしていたー。
「---…小杉のやつに知られたらやばそうだな」
清美はそう思いながらー、
憑依から抜け出そうと色々試し始めるー
頭の中で清美の身体から飛び出すイメージを浮かべてー
ジャンプしてみたがー
純太の霊体が清美から飛び出すことはなく、
清美がジャンプしてしまったー。
壁にぶつかったりー
衝撃を与えてみたりー
”神様、元に戻りたいです”と念じてみたりー
思いつくことは色々とやってみたー。
だが、結局、清美の身体から抜け出すことは
出来ないままー。
ため息をついて座り込んだ清美は
「--寝たら勝手に元に戻ったりしてな」と、呟くー。
思いついたら、早めに行動だ!
と、思った純太は、1時間後に清美の部屋に置かれていたアラーム機能つきの
デジタル時計をセットして、昼寝をしたがー
やはり、元に戻ってなかったー。
「くそっ!ダメだ!この子に身体を返せない!」
清美が叫ぶー。
”この子の意識は今、どうなってるんだろうな?”という心配が
今度は浮かび上がって来るー。
”この子の意識が消えちゃってたら?”
”この子が、今、この状況も見ていて、戻ったあと、俺が犯罪者にされちゃったら?”
色々な不安が浮かび上がってきては、消えるー。
「--っていうか、俺の身体はどうなってるんだ?」
そんな不安を覚えた清美は、
清美の自宅の固定電話を使用して、自分の家に電話をかけるー
”固定電話があってよかったー…
今時珍しいよなー”
そんな風に思いながら、自分の家に電話を掛けるがー
やはり、誰も出ないー。
「----」
「----」
「---俺、死んでたりするのかな?」
不安になる清美ー。
いや、このタイミングで「もしもし?」と自分が出たら
それはそれでとても怖いことだが、
一切反応がない、というのも怖いことだったー。
「--…仕方ない」
自分の安否が心配になった純太は
清美の身体で、純太の親友である小杉に連絡を入れるー。
だが、親友の小杉にも電話がつながらないー
「くそっ!」
思わず清美の声で悪態をついてしまう純太。
見ず知らずの女子大生・清美に憑依してしまっているこの状態ー。
清美のことも当然心配ではあるものの、
それ以上に”自分の身体”のことも心配だったー。
自分の身体が”抜け殻”の状態で放置されているのかー
それとも”自分”は、ここにいるはずなのに”自分の身体”も普通に動いているのかー
あるいは自分の身体は霊体のような状態になって、この女子大生に憑依しているのかー。
3番目の可能性であれば、
自分の身体の心配はいらないー。
だが、1番目の可能性の場合、
早く自分の身体に戻らなければヘタをすれば自分の身体が死んでしまうだろうし、
2番目の場合も、それはそれでやばいー。
誰かが”純太”として行動しているー
あるいは、まるで自分が分裂したかのような状態で、
”俺はここにいるのに、俺の身体もいつも通り動いている”という状況の
可能性も否定できないー。
「--くそっ!小杉!電話に出てくれ!」
親友の小杉が電話に出れば、
女の声だが、純太の知り合いを名乗ったりすれば、
今、純太がどうしているかぐらいは教えてくれるはずだー。
そうすれば、ある程度”自分の身体”が
今どんな状況なのかは、察しがつくー。
「---くそっ…出ねぇな」
電話を諦めて、”そもそもここはどこなのか”を
確認するー。
ーーー玄関の外にもう一度顔を出すー。
当然、見覚えのない場所だー。
アパートの周辺を少しだけ歩いて確認するとーーー
「----鹿児島ーー…」
そこは、九州だったー。
「--か、、鹿児島…土地勘が全然ないな」
困り果てた様子で部屋に戻っていく清美ー。
純太は東北地方に住んでいて、
仕事で都内や近畿地方を訪れたことはあったが、
九州を訪れたことはなかったー。
見知らぬ女になっていただけではなくー
純太にとってはー
”見知らぬ身体”
”見知らぬ土地”という最悪のコラボだったー。
「--これじゃ、俺の家に確認に行くことも難しいな…」
清美は、戸惑いながらも”まず、とにかくスマホとかどうにかしないと”
と、部屋の中を色々と漁り始めたー。
夜まで部屋を漁りー
まるで、一人暮らしの女子大生の部屋に空き巣に入ったかのような
罪悪感を感じながらー
「はぁ…疲れた…これじゃ空き巣みたいだ…」
げっそりした清美は、ようやくスマホの暗証番号を
解読することに成功したー。
スマホの契約書類に小さく数字が書かれていたのだー
”こんなとこに書いちゃダメだろ”と思いながらも、
他人が入ってきてこんな風に家を漁るー
ということを、この子は想定していなかったのだろうー。
いやーーー…
厳密に言えば、今も”他人”が家に入ってきているわけではないのだがー。
「--」
ようやくスマホのロックを解除すると、
友達からの連絡がたくさん来ていたー。
写真を確認すると、この子は、普段、明るくて友達が多そうなタイプで
あることが読み取れたー。
「----…」
清美に憑依してしまった純太は
清美のスマホ内の写真やメール、LINEのやり取りなど
あらゆるものをチェックし始めたー。
「--なんかこれも…女子大生の生活覗いてるみたいでいい気分はしないな…」
そう思いながらもー
”明日の朝も元に戻っていなかった”
可能性も視野に、必死に清美のことを調べるー。
メールやLINEでの文脈や、やり取りの内容から、
人間関係や、清美の普段の振る舞いも、
ある程度は見えて来るー。
「---……」
結局、深夜まで”清美とはどんな人間なのか”を
勉強し、純太は、清美の身体でベッドに飛び込んだー
昼寝の時もそうだったが、
”女子大生のベッド”で寝ていると考えるだけで
どきどきしてしまうー。
”なんかいい香りがする気がするぞ…”
本当にいい香りがしているのか、
それとも幻覚的な何かか、
そんな風に思いながら、
清美の心臓がどきどきしているのを感じるー
”俺がどきどきさせてるのか…?やばいなこの感触…”
そう思いながらー
”明日”のことを考えるー。
結局、定期的に親友の小杉にも連絡を入れたが
繋がらず、自分の身体の安否・状況は不明だー。
もし、今日寝て、明日の朝には元に戻っていればいいが、
そうでなかった場合はー
清美として大学に向かうことになるー。
あまり、大学を休み続けるわけにもいかないー
この子の身体はこの子のものだし、
身体を返す時に、単位を落とすようなことになっていたら
この子も悲しむだろうー。
だから、大学にはいかないといけないー。
バイトもそうだー。
バイトのシフトは数日先だったが、
もしそれまでの間に戻ることができなければ
やはり、バイトにも行く必要があるー。
「------元に戻れてますように」
そんな風に思いながら、清美に憑依した状態のままの純太は
静かに眠りについたー。
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翌朝ー
穏やかな朝日を感じるー。
その朝日と、髪の感触ー
目覚めた時にふと出てしまった「う…」という声でー
”自分が元に戻れていないこと”を
悟ったー。
いつも、純太は雨戸を閉めて寝ているー。
自分の身体に戻ったなら、雨戸が閉まっていて、
朝日が差し込んでくることはないのだー。
「----はぁ」
清美に憑依した状態のままの純太ー
「--しばらく女子大生として生きていくしかないってことかー」
と、呟くと、”大学、行かなくちゃな”と、不安そうな表情で呟いたー
③へ続く
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コメント
突然の憑依状態が続いて戸惑う彼の運命は…?
続きはまた明日デス~!
今日もありがとうございました~!

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