最近、その地方では若い子を中心に
”行方不明”になる事件が多発していたー。
大学生の彼は、自分の彼女にも”お互い気を付けよう”と
そう話をしていたものの、
彼女の家には、”行方不明になった人たちの皮”が置かれていてー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーマジかー…」
男子大学生の守屋 俊樹(もりや としき)は
困惑の表情を浮かべながら
同じ大学に通う親友・諏訪部 海斗(すわべ かいと)の話を
聞いていたー。
「ーー俺も嘘だと思いたいけどー…
でも、ニュースにもなってるんだよなー」
海斗はそう言葉を口にすると、
戸惑いの表情を浮かべつつ、スマホを手にするー。
そこには、大学に通う”武田 香奈枝(たけだ かなえ)”という子が
行方不明になっている、と、そんな記事が表示されていたー。
「ーーまさか、身近でも起きるとは思わなかったしー
武田先輩には世話になってたからー…俺も心配だよー」
海斗はそう言葉を口にすると、
少し元気のない様子で首を横に振ったー。
最近、俊樹や海斗が通っている大学が存在する
この近辺の地域では”若い子”を中心に消息不明になる事件が
何件か発生しているー。
現時点では詳細は不明であるものの、
警察は事件性を強く疑い、捜査を進めているー。
が、今のところ行方不明になった人々は発見に至っておらず、
捜査は難航している様子だったー。
そんな事件の俊樹の親友・海斗の”バイト先の先輩”が
巻き込まれて先日から行方不明になっているのだー。
「ーーはぁ…知ってる人が巻き込まれると精神的にキツイなー」
海斗が落ち込んだ様子で言うと、
俊樹は「ーーそうだなー…早くその先輩が見つかればいいけど」と
心配そうにそう言葉を口にしたー。
「ーーーあぁ」
海斗は俊樹の言葉に静かに頷くと、
「そういえば、お前の彼女ー…えっと、島内(しまうち)さんだったっけー?
あの子も気を付けろよー?」と、
そう言葉を続けるー。
「ーーん?」
俊樹は少しだけ表情を歪めると、
海斗は「ーーいや、ほらー、見ろよ」と、そう言葉を口にすると、
事件で行方不明になっている若い男女の写真を表示したー。
「ーーーー」
俊樹は、今までに行方不明になった8人の写真を見つめながら
少しだけ首を傾げると、
海斗が口を開くー。
「みんな、イケメンとか可愛い子ばっかりなんだ」
とー。
「ーー」
そう言われた俊樹が、行方不明者8人の写真を見ると、
確かに海斗のバイト先の先輩・香奈枝も含めて
かなり可愛い雰囲気、そして男の被害者はイケメンばかりだったー。
「ー俺とかお前は、まぁ、ほら、イケメンってほどじゃないから
大丈夫だと思うけどさー、
お前の彼女ー…、島内さんは、可愛いからー…」
海斗がそこまで言うと、
俊樹は「ははー…まぁ、確かに俺と諏訪部は狙われないかもなー」と、
そう言葉を口にしながら、
何度か頷くー。
「確かにそう言われると心配になってくるなー…」
俊樹は表情を曇らせながらそう呟くー。
今までの被害者7人は、この近辺で起きた事件とは言え、
”自分たちの知らない人間”が行方不明になっているに過ぎなかったー。
もちろん、”だからどうでもいい”ということではないものの、
自分たちの知らない人間が被害者だったために
あまり”身近に迫る危険”という実感がなかったのだー。
しかし、今は違うー。
親友の海斗のバイト先の先輩という、俊樹自身は
直接会ったことがない人間が対象であるとは言え、
今まで以上に”身近”なところで行方不明者が出たー。
そうした状況を前に、
ようやく”身近に迫る危機”という実感が湧いて来たー。
そして、その日の夕方ー。
彼女である島内 美彩(しまうち みさ)と一緒に
帰り道を歩きながら、
俊樹は口を開いたー。
「そういえばさー、俺の親友のバイト先の先輩が
”行方不明”になったんだー」
俊樹がそう言葉を口にすると、
美彩も少し驚いた様子で、
「えっ…?海斗くんー…だったっけー?」と、そう言葉を返すー。
「そうそうー。
最近、若い子が何人もこの辺で行方不明になってるだろー?
あいつのバイト先の先輩も、どうやらそれに巻き込まれちまったみたいでー」
俊樹がそんな言葉を美彩に伝えると、
美彩は「え~?あ~~~…そういえば、最近そういう事件、よく聞くよねー」と、
納得した様子で頷くー。
「ーーまぁ…心配しすぎだとは思うけどさ、美彩も気を付けた方がいいよ」
俊樹はそう言うと、美彩は「うん、そうだねー」と、そう言葉を口にした上で、
「でも、わたしは大丈夫だから心配しないで」と、
笑顔でそう言葉を口にするー。
あまりにも自信がありそうな口調で、美彩がそう言い放ったために
俊樹は逆に少し不安になりつつ、表情を曇らせると、
美彩はそれに気づいたのかー、
「ーほら、わたしには俊樹がいるもんー。」と、そう言葉を口にするー。
自分を頼ってくれている、ということに少し照れ臭そうに笑うと、
「でもほら、ずっと24時間一緒にいられるわけじゃないからさー」と、
出来る限りのことはするけど、美彩も気を付けて欲しいと
そう伝えるー。
そんな俊樹の言葉に、美彩も頷くと
「心配してくれてありがとう」と、穏やかにそう言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その数日後ー。
俊樹は、彼女の美彩が一人暮らしをしている
アパートに遊びにやってきていたー。
お互いに一人暮らしであることもあって、
二人はよく、互いの家を行き来していて、
こうして、俊樹が美彩の家に遊びにやって来るのも、
珍しいことではないー。
「ーにしても、美彩の家って本当に綺麗だよなぁ~」
俊樹がそう言葉を口にすると、
美彩は照れ臭そうに笑いながら
「そう見えるだけだよ~」と、そう言葉を返してくるー。
「ーはははーー
でも、俺の家より全然キレイだよ」
俊樹がそう言うと、
美彩は「俊樹だって、案外綺麗だと思うけど?」と、
俊樹の部屋の中を思い出しながらそう言葉を口にするー。
「ははー、それはホラ、彼女が家に来る~!ってなったら
必死に掃除してるからさ」
俊樹が笑いながらそう言うと、
美彩は「え~?じゃあ普段は全然違うってことかな~?」と
冗談めいた口調で笑いながら言うー。
がー、その時だったー。
ふと、美彩が何かを思い出したかのように「あっ!」と言葉を口にすると、
「そういえば、図書館で借りた本、今日が返却日だったー」と、
少し慌てた様子でそう言葉を口にするー。
美彩は本を読むのが好きで、
ちょうど、近所に図書館があることもあってか、
よく図書館で本を借りては、それを読んでいるー。
そして、ちょうど今日、返却日となっている本があるようだー。
「ーちょっと、返してきていい?」
美彩のそんな言葉に、俊樹は「もちろんー。じゃあ俺はここで待ってるよ」と
そう言葉を口にすると、
美彩は「留守番よろしくね」と、それだけ言葉を口にして、
そのまま、図書館へと向かったー。
「ーーーーー」
一人、美彩の家に残された俊樹ー。
とは言え、俊樹は別に変態ではないし、
特別下心があるわけでもないため、
何か悪さをするようなことはなく、
”に、しても美彩の部屋って綺麗だよなー”などと考えつつ、
そのまま美彩が返って来るのを待つー。
しかしー
その時だったー
突然、押し入れになっている場所から、モノが崩れるような
そんな音が聞こえたー
「ー!?」
少しびっくりしたような表情を浮かべる俊樹ー。
「ーび、びっくりしたー」
思わずそう呟きながら、音がした押し入れの方に近付いていき、
「ーー大丈夫かなー?なんかすごい音がしたけどー」と、
そう思いながら、押し入れを開くー。
勝手に人の家の押し入れを開けるのは
少し気が引けたものの、
結構物凄い音がしたために、
とりあえず状況を確認した方がいい、と、
そんな風に思ったー。
「ーーー」
押し入れの中を確認すると、
その中には、そんなに大きくないダンボールが積まれていて、
どうやらそれが崩れてしまったようだったー。
「ーーーあ~~~…押し入れの中は結構、混沌としているんだなー」
俊樹は、彼女である美彩のどこか人間らしい一面を見て
少しだけ笑うー。
部屋の中はとても綺麗である一方、押し入れの中は案外ごちゃごちゃとしていて、
何だか、美彩の人間らしい一面を見た気がしたのだー。
そんな風に思いつつ、
「この辺の箱だけでも、戻しておくか」と、
押し入れの中で崩壊したダンボールの山を片付けようとするー。
しかしー、
その時だったー。
「ーー!?!?」
ダンボール箱の一つから、”人の髪”のようなものが
はみ出ているのが見えて、俊樹はビクッとするー。
「ーーえ……」
青ざめた表情を浮かべながら、その箱を少しだけ開くとー…
そこには、”着ぐるみ”のようなものが入っていたー。
「あぁー、なんだ…着ぐるみかー
本物の髪みたいに見えたから、びっくりしたよ」
俊樹は独り言のようにそう言葉を口にすると、
そのままその”人間そっくりの着ぐるみのようなもの”を
ダンボール箱に戻そうと手に取るー。
「ーーー?」
しかし、そのタイミングで俊樹は”あること”に気付くー。
それはーー
「ーーあれ…?どこかで見たことがあるようなー?」
リアルな雰囲気の”着ぐるみ”のようなものを見つめながら
俊樹は”そういえば、この顔、どこかで見たことがあるような?”と、
ペラペラになっているその人間の顔を見つめるー。
そしてーー
思い出したー
「ーーー!」
親友の海斗がスマホで見せてくれた写真ー…
最近、行方不明になった若者の8人のうちの一人ー、
海斗のバイト先の先輩でもある”香奈枝”の顔だー。
香奈枝とは直接会ったことはないものの、
間違いなく、この顔はー…
「ーーー」
俊樹は青ざめながら、他のダンボール箱も確認する。
次に開けたダンボール箱にはガラクタ類が
たくさん入っているだけでおかしなところはなかったけれど、
さらに他のダンボール箱を確認すると、
そこにもー、”人間そっくり”な着ぐるみのようなものが
入っていたー。
「ーこ、これはいったいー…?」
俊樹は困惑しながら
自分のスマホを手に、行方不明者が立て続けに出ている件の
ニュースを見つめるー。
するとー、その中に今、手元にある”着ぐるみのような物体”と
同じ顔があったー。
一人、また一人と、
”行方不明者”と同じ顔の謎の着ぐるみが見つかるー。
俊樹は冷や汗を流しながら、
彼女である美彩が”行方不明事件”に関係しているのではないかと、
そんなことを思いながら、スマホを再び見つめるー。
しかしー、その時だったー。
「ーー何をしてるの?」
背後から、そんな声が聞こえたー。
図書館に本を返却しに行っていた美彩が
戻って来てしまったのだー。
「ーーえ…」
青ざめながら、俊樹が振り返ると、
「み…美彩…、こ、これはー…」と、そう言葉を口にする。
すると美彩は少し笑いながら何度か頷くと、
「ーー勝手に人の家の押し入れ開けたんだー。
へぇ、まあいいやー」と、笑顔のままキレ気味に
そう言葉を口にするー。
そして俊樹に近付いて来ると、俊樹から乱暴に
女の”皮”を奪い取って、
「ー見られちゃったなら教えてあげる」と、
そう言葉を口にしながら、”その皮”を、
着ぐるみのように着始めたー。
俊樹の親友・海斗のバイト先の先輩である”香奈枝”の皮を
身に着けていく美彩ー。
やがて美彩は”香奈枝”の姿になると、
声も別人のものー、香奈枝のモノに変わった状態で、
嬉しそうに自分の身体を自慢するようなポーズを取ってみせたー。
「ーふふふふふふー
どう?すごいでしょ?
”皮”にした人間はねー、こうやって着ることで
その身体を乗っ取ることができるの」
香奈枝になった美彩は自慢げにそう言葉を口にすると、
俊樹は震えながら言ったー。
「ま、まさか最近の行方不明者は、美彩がー」
俊樹がそこまで言うと、
香奈枝になった美彩は笑ったー。
「ー殺してないよ?皮にしただけー」
とー。
「ーーわたしね、最近、
可愛い子とかカッコいい人をコレクションするのにハマってるのー」
美彩は、香奈枝の姿でそう言い放つと、
嬉しそうに「すごいでしょ?」と、そう言葉を口にしてみせたー…
②へ続く
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コメント
”彼女の危険なコレクション”を見つけてしまった彼氏…!
大変なことになってしまいそうですネ~…!
続きはまた明日デス~!
今日もありがとうございました~!★!

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