Skeb<入れ替わり>欲望の先に見えるもの

※本作品は、Skebでご依頼を受けて執筆・納品済みの作品デス!
 内容はSkebに納品したものと同じデス!

※SKebでリクエスト内容も含めて
 誰でも見られるようになっているので
 こちらでも、誰でも見れる部分は同じように掲載しています~!

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★リクエスト内容★
※ご依頼者様から頂いた内容デス!

40代後半の女性と、20代後半~30前半くらいの男性の入れ替わりをお願いします。
女性の「若くて羨ましい」と言う発言に対し「女のほうが特」という男性、
二人は「なら代わる?」「代われるならしばらく代わりますよ」
「アタシが××君なら〜」「○○子さんになったら〜」のような入れ替わりネタを肴に酔いが回ったのか、
相互変身のように入れ替わってしまう。メイクや服装はもちろん、
喋り方や仕草もそのまま肉体が変化しているため周囲は騒然。

酔っ払って入れ替わっている夢を見ていると思った二人も、
周囲の視線に只事ではないと気づき、二人きりになって相談、
本当におばさんになるだなんてと文句を零す男性に対し、
失礼しちゃうわねと頬を膨らませ、お互いに希望が叶ったのよと、
なんだかんだでしばらくこのまま互いになって生活することに。

一回りから二回り若くなった元女性は男性として満喫、
元男性も当初は女性ならではのムフフにご満悦だったが、
元女性は家族から他人扱いされたり、
女だから目を瞑って貰えていたことなどに、
元男性は中年女性ならではの悩みや、夫や娘との関係、
独身男性だったときの自由がなくなったと感じ、
両者とも徐々に困惑して戻ることを切望。

最終的に元に戻ることに合意するが、入れ替わった原因がわからないため、
どうすることもできない。
そんななか、元女性は男性の身体で日常的に女装をしていることが元男性にバレてしまう。
お世辞にも決して似合うとはいえない女装で元自分と対峙し、
改めて今後について話し合っていたところ、突然元に戻った。
一件落着かと思いきや、すっかりソッチとして扱われている男性と、
家族の様子がおかしな気がする女性。
実は女性の夫と娘もそれぞれ異性と入れ替わっており…
一方で男性は別の女装おじさん(中身は知らないおばさんらしい)からプロポーズを受けており…

ちぐはぐな光景や奇妙さ、ギャップに溢れた物語ながら、
某セールスマンのようなダークさを感じられますと幸いです。よろしくお願いいたします。

★★★★

↓ここからスタートデス!

・・・

”欲望の先に見えるもの”

★リクエストありがとうございます~~!★

どこか不思議さを感じる雰囲気の
入れ替わりの物語…★

普段、描く入れ替わりとはちょっぴり違うような、
新しい経験ができました~!

ぜひ、楽しんで下さるとうれしいデス~!!

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そこは、人々の声が賑わう居酒屋ー。
それほど広くない店内に、たくさんの人々が集まっていたー。

そんな中、ビールを口に運んでから、
ひと息ついた女が、声を発するー。

「ーー土谷(つちや)くんは、若くていいわよねぇ~…」

40代後半の女性・永坂 絵里(ながさか えり)がそう言葉を口にするー。

そんな言葉を掛けられた
20代後半の男性・土谷 大輝(つちや だいき)は思わず苦笑すると、
「いやいや、若くてもこの世はやっぱ”女”の方が得ですよー。
 部長の態度を見てれば分かるでしょ?
 女ってだけで、人生イージーモードになるなぁ~って」
と、そう言葉を口にするー。

絵里と大輝は、”同じ部署”で働く同僚ー。
歳は離れているものの、二人は同じ仕事をすることが多いために
仲が良く、こうして一緒に飲みに来ることもある間柄だー。

”絵里”には夫と娘がいるものの、
大輝のことは恋愛対象としては一切見ておらず、
不倫などをするつもりはないー。

「ーーあらー。なら、代わってみる?」
絵里が”女はイージーモード”と言われて少し不満に思ったのか、
そう呟くと、
「代われるならしばらく代わりますよ」と、
大輝も、少し挑戦的な口調で言い放つー。

普段から、憎まれ口を叩ける間柄ではあるものの、
今日はお酒も入っていることもあって、いつの間にか、
つい勢いに乗ってしまっていたー。

「若いって言うのは、何よりも宝よー。
 アタシが土谷くんなら、その若さを生かして
 色々なことを楽しむのにー」

「ー俺だって、永坂さんになったら、
 好きなだけおしゃれをしたりー、
 あとはこうー、周囲からのプレッシャーからも
 解放されて、悠々自適とやっていきますよ!

 永坂さんになれば、周囲も今より優しくなるだろうしー」

そんなやり取りを続ける絵里と大輝ー。

がーやがてー、
”目の前にいる相手”が、”自分の顔”になり始めるー。

「ーーあらー?こんな話してたら、土谷くんが
 アタシの顔に見えて来たわー」

目の前に、男物のワイシャツを着た”絵里”の姿になった
大輝が見えるー。

「ーーはははー、俺も、
 永坂さんが俺の顔に見えてきましたー」

大輝も、目の前に”俺の姿をした永坂さん”がいるのが見えるー。

絵里は私服に着替えてから、ここに来たため、
目の前に”女装した大輝”がいるような状況だー。

「ーーこんな話をしてたから、アタシたち、酔っ払ってー
 本当に、入れ替わっちゃったみたいになってるのねー」

大輝になった絵里が笑いながら言うと、
絵里になった大輝も「ははーよく見たら身体まで、永坂さんにー」と、
そう言葉を口にするー。

がー、やがてー…

「ーーなぁなぁ、なんだあの二人ー」

「ー女装した男とーー…男装したおばさんじゃね?」

「ーやばっ」

「ーーあの二人、どういう関係なんだろうー?」

そんな言葉が耳に入り始めるー。
周囲の視線が、明らかにおかしいー。

「~~~~~」
大輝になった絵里は、戸惑いながら周囲を見渡すと、
「ーねぇ、土谷くんー。なんか変じゃないー?」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーで、ですよねー…」
それなりに酔っていた二人ー。

が、一気に酔いが覚めて、足早に居酒屋を抜け出す二人ー。

「ーーーー」
そんな様子を、全身黒の服装の男が、少しだけ表情を歪めながら見つめるー。

その視線に気づかず、二人は
近くの人通りのない公園に移動して、
お互いの状況を確認するー。

どうやら二人とも相手の姿になってしまいー、
入れ替わってしまった状態になっているようだったー。

「ーーま、まさか本当におばさんになってしまうなんてー…
 い、いったいどうしたらー」
心底残念そうに呟く絵里(大輝)ー

「あら、おばさんだなんて、失礼しちゃうわねー」
不満そうに頬を膨らませながら、大輝(絵里)がそう呟くー

「ーう、うえっ、お、俺の顔と声で
 そういう仕草とセリフはきついですー」
絵里(大輝)はそう言うと、
大輝(絵里)は「ふふーでも、これでアタシと土谷くんの
願いが叶ったわけでしょー?」と、そう呟くー。

「ーーむ…むむー…ま、まぁ、確かに代わりたいとは言いましたけどー」
少し不服そうな表情を浮かべる絵里(大輝)ー。

「ーお互いに夢が叶ったのよー。
 しばらく、このまま過ごしてみましょ?」
大輝(絵里)のそんな提案に、
絵里(大輝)は「えっ、で、でも、永坂さん確か、家族がいるはずじゃー」と、
困惑するー。

しかし、”それでも大丈夫”と、家族との接し方を口にすると、
半分強引に、”飽きるまで、アタシは土谷くんとして、
土谷くんはアタシとして過ごすわよ”と、そう決めてしまいー、
絵里(大輝)も、渋々ながら「ま、まぁー…永坂さんがいいならー」と、
お互いに、相手の身体で過ごすことを受け入れるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

入れ替わった二人は、”非日常”を満喫していたー。

「ーーーやっぱ、若いってすごいわー!」
嬉しそうにしながら、大輝(絵里)は、
街中を走っていたー。

走っても走っても、エネルギーが沸いて来るー
こんな感覚味わったことがないー

「若い子のエネルギーを感じて、ドキドキするわー」
大輝(絵里)が、そう言葉を口にすると、
通行人が”なんだこいつー”と言わんばかりに大輝(絵里)を見つめるー。

たくさん走り回って”若い男の身体”を満喫すると、
続けてコンビニに入って、ホットスナックを購入ー、
それを外で食べ始めるー。

「ーーあら、やっぱ男の子ってこういうの好きねぇー
 アタシの身体で食べるより何倍も美味しいー

 おまけに胃もたれも大丈夫そうだしー」

大輝(絵里)は、”こんな美味しいかあらげ、食べたことないわー”と、
満足そうに微笑むー。

一方ー、絵里(大輝)も、
絵里の身体を満喫していたー

「ーおばさんって言ってもー…
 あ~~~…永坂さんってやっぱ美人だよなー」
鏡の前でそう言葉を口にしながら絵里(大輝)は、
「ー髪も綺麗だしー」と、そう呟きながら、
絵里の髪を、満足そうに触って、
色々な髪型を作って見たり、髪のニオイを嗅いだり、
髪を舐めたりするー。

「ーーー」
胸の方にも視線を向けて、
「な、永坂さんだって、好き放題してるんだろうしー
 お、俺も、いいよなー?」と、
少し不安そうに周囲を見つめてから
「永坂さんーー少しー失礼します!」
と、絵里本人には聞こえていないのに、
そう言葉を口にしてから胸を触るー。

「ーんっ…なんだこれー…すげぇー
 癖になりそうー」
胸を揉んだ感触と、揉まれた感触、
その両方を味わいながら、絵里(大輝)は思わずニヤニヤしながら、
「ーーこ、このまま続けたら頭がおかしくなりそうだなー」と、
そう言葉を口にして、それ以上は控えようとするー。

「ーーに、してもー……おばさんの身体でこんなドキドキするなんてー
 ーーーもし、俺と同じぐらいの子になったりしたらーー」

絵里(大輝)が、腕組みをしながら
そんな言葉を口にするー。

”お母さん~!部屋にいるの~?”
ふと、そんな声が聞こえたー。

絵里の娘である、永坂 葵(ながさか あおい)の声だー。
葵は現在高校生だっただろうかー。

”ーこんな可愛い子にお母さんって呼ばれるのも
 なんか不思議な気分だし、新鮮だよなー”
絵里(大輝)はそう思いながら部屋の外に出ていくと、
「お父さん、今日は仕事が早く終わったから帰って来るんだって~」と、
絵里の夫であり、葵の父親である
永坂 健司(ながさか けんじ)のことをそう口にしたー。

「ーー了解ですー」
絵里(大輝)は、つい、仕事モードでそんな返事をしてしまうー

「へ?」
葵が戸惑うー。

「ーあ、いやー、いえー、うふー分かったわ」
絵里(大輔)のぎこちない返事に葵は少しだけ首を傾げながらも、
それ以上は突っ込んでくることはなかったー。

・・・・・・・・・・・

二人は仕事も”入れ替わった”状態でそのままこなしたー。

二人とも、同じ部署で、一緒に仕事をすることが
多かったために、入れ替わった状態でも、
仕事は何とかなったー。

「永坂さんーありがとうございますー」

「いえー。全然問題ないでーー、わよー」
絵里(大輝)は、絵里になってから、
やっぱり”周囲が優しくなった”気がして、
”やっぱ女の人の方がイージーモードだなぁ”などと
内心で実感していたー。

それだけではなく、20代の若者から、40代のおばさんになったことで
”会社内の地位”も変わり、周囲から色々気を遣われるようになったー。

「ーーいつも口うるさい、安西(あんざい)部長も、
 永坂さんになってから優しいしーへへー」
絵里(大輝)はそんな言葉を休憩室で呟くー。

一方で、大輝(絵里)も、
「ー若さってやっぱ最高ねー。残業しても、睡眠時間が短くても
 無限に戦える気がするしー」と、若さを満喫していたー。

ついでに、毎日の昼食もとても美味しいー。

大輝は独身であるために、帰れば自由も満喫できるー。
結婚してから既に約20年の絵里からすれば、
”久しぶりに味わうこの感覚”だったー。

「ーーーーーー」
そんな二人の様子を遠目から見つめる黒服の男ー。

”ーー何事も、最初は耀きー
 不満は後から湧いて来るものー”

そう小さく呟くと、彼は二人の様子を、
興味深そうに見つめるー。

その男の言う通りー、
最初は入れ替わり生活を堪能していた二人だったものの、
次第に”不満”も見え始めていたー。

「ーこれ、よろしくー」
先輩社員から、力仕事を頼まれる大輝(絵里)ー

「ーーえぇっ?ま、またー!?」
そう言葉を口にしながら、連日頼まれる力仕事に
大輝(絵里)は不満を覚え始めていたー。

「ーこんなに力仕事ばかりさせられたら、疲れるわよー」
愚痴を呟く大輝(絵里)ー。

それはー、絵里が今まで”女性だから”と、
上司や、周囲が頼むのを避けていた仕事の数々だったー。

確かに、前に
”ははー、永坂さんは大丈夫ー。力仕事できそうなやつに頼むからー”と
上司に言われたことがあるー。

「ーーー~ーー…男の子も大変なことはあるってことねー」
そう呟く大輔(絵里)ー

加えてーーー
娘の葵と、夫である健司のことが心配になり、
家の前をウロウロしていたところ、
偶然学校から帰って来た葵と鉢合わせしてしまったー

「ーーあ、あのー…何か御用ですかー?」
不安そうにする葵ー。

「ーえっ…あ、あら、葵ー」
大輝(絵里)が、そう言葉を口にしてしまうと、
葵は露骨に不安そうな表情を浮かべるー

「何で、わたしの名前を知ってるんですかー?」
警戒心を露わにする葵ー。

「ーい、いやー、あ、あのー」
大輝(絵里)は戸惑うー。

しかもー、”女”である時よりも
”不審者扱いされやすい”状況を、イヤでも噛みしめることになり、
”いけないーこのままじゃ土谷くんが変質者になっちゃうわー”と、
焦り始めるー。

そうこうしているうちに、家の前で会話しているのが気になったのか、
夫の健司が姿を現すと、
「ーー”どちら様ですか”?」と、健司はそう言葉を口にしたー

「ーーーーー!!!」

家族に”他人扱い”されるー
大輝として、毎日を堪能していた絵里だったものの、
流石に堪えたー。

「ーーえ、えっと~、そ、そのー」
大輝(絵里)が戸惑うー。

「ーーーーわ、わたしの名前をこの人、知っててー」
葵が怯えた目線を向けて来るー。

「ーーーーなんだって?」
夫の健司もそう呟くと、
「いったい、どちら様ですか?」と、警戒心を露わにするー

一気に、夫と娘が”他人”になってしまったー

そのことに、ゾワッとした何かを感じながら
「すみませんでしたー人違いでした」と、そう言葉を口にすると、
そのまま足早に立ち去ったー。

そしてーー
帰宅した大輝(絵里)は、
家で突然ー、”女装”をし始めていたー。

女物の服を着て、ウィッグを被り、
化粧もするー

「ーーふふふ」
大輝(絵里)が笑うー。

当初、若い男の身体を堪能していた絵里ー。
が、化粧やおしゃれが好きな絵里は
”男の身体ではそれをする機会がない”ことを寂しく思い、
やがて、我慢できなくなっていたー。

そしてー、少し前から女装に手を染めー、
大輝には内緒で、本格的な女装を始めていたー。

女装して、ゾクゾクする大輝(絵里)ー
いつの間にか、男の人の象徴である”アレ”が大きくなって、
スカートを不自然な形に変えてしまうー。

「ーーーあらあらあらー…」
大輝(絵里)はそう呟くと、ひとり、困惑した表情を浮かべるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方、絵里になった大輝も、”不満”を感じ始めていたー。

「ーー今日、葵が知らない男から声をかけられたらしいー」
夫の健司が戸惑いの表情を浮かべながら言うー。

「ーーあ、あらー…そうなのー?」
絵里(大輝)は、そう言葉を口にしながらも、
「ーたぶん、人違いじゃないかしらー」と、
先程、絵里本人から”不審者扱いされたかもしれないの”と
連絡が来ていたために、何とか誤魔化す言葉を口にするー。

「ーはぁ~…危なかったー」
仕事から帰って来たばかりでこれだー。

疲れた様子で、部屋に戻ろうとすると
娘の葵が「ねぇねぇお母さんー学校のことで、ちょっと相談がー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーえ…わたしー疲れー…」
絵里(大輝)はそう言いかけるも、
すぐに”いやいやー、永坂さんの親子関係が悪くなったらどうするんだー”と、
そう心の中で呟くと、
娘・葵の悩みの相談に乗るー。

家事も自分のペースで出来ず、
結局、遅い時間になってしまった絵里(大輝)は
「ーー独身に慣れてると、辛いなー」と、
家族がいることによる”自由の無さ”に戸惑いの感情を抱くー。

そしてーーー

絵里(大輝)は疲れた表情を浮かべるー。

”体力”が全然違うー。
20代と40代後半の”差”だろうかー。

「なんか、気の浮き沈みも激しいしー
 肩も痛いし、だるいんだよなー」

大きくため息を吐き出す絵里(大輝)ー

40代後半の絵里は
”更年期障害”の症状が少し、出ていたー。

絵里の症状自体はそこまで酷いものではなく、
絵里本人も”当たり前の日常”として、既にそれに慣れてはいたー。

ただ、そんなこと未経験の大輝からしてみれば、
一気に20歳以上年老いた身体の負担と、
初めて経験する更年期障害の負担で疲れ果てていたー。

「ーー絶対、永坂さんの家族にイライラしないようにしないとー」
そう言葉を口にすると、絵里(大輝)は、
もう、絵里の身体にドキドキする余裕もなくなって、
大きくため息をついたー。

そんな生活が続きー、
結局ーーー

二人は”元に戻りましょう”と、いうことになったー。

絵里の家には家族がいるため、
大輝の家で話し合う二人ー。

「ーーけど、どうやって戻ればいいのかしらー」
大輝(絵里)が呟くー。

絵里(大輝)が、
少しだけ不安そうにそんな言葉を口にするー。

すると、絵里(大輝)も戸惑いの表情を浮かべながら
「こうなった原因もよく分かりませんしー…」と、
そう言葉を口にするー。

結局、その日は元に戻ることが出来ずに、
そのままお互いの家に帰る二人ー。

そしてその翌日ー。
絵里(大輝)は、”入れ替わりモノ”を色々見て、
”頭をぶつけてみたり、階段から転がり落ちたら元に戻るんじゃないか”と、
そんなことを考えて、再び”大輝の家”にいるであろう
大輝(絵里)の元を訪れたー。

「ーーー電気がついてないー。いないのかなぁー」
絵里(大輝)はそう呟きながらも、
一応インターホンを鳴らしていくか、と思いつつ、
部屋の前までやってくるー。

すると、偶然ー、
扉が開いて、”これから出かけるであろう”大輝(絵里)が
家の中から出て来たー。

ウィッグを被り、女物の服を着て、メイクをした姿でー

「ーはっ!?」

「ーえっ!?」

お互いに目が合ってしまい、目が点になる二人ー。

”見られた”
そう察した大輝(絵里)が慌てて玄関の扉を閉めようとするも
「ちょ!ちょ!ちょっと待ってください!何してんですか!?!?」と、
不満そうに扉を押さえると、
絵里(大輝)は、そのまま中に入り込んで、
”女装”している自分を見つめたー。

「ーオェッー…て、ど、どういうつもりですかー?」
絵里(大輝)がそう言うと、
大輝(絵里)は、躊躇いながらも、
男になってから、おしゃれが出来ずに我慢できなくなって
少し前から”女装”に手を染めて、
ネットで出会った女装仲間と会ったりしていることを白状したー。

「ーいやいやいやいやー、そんなの困りますよー」
絵里(大輝)が、心底不満そうに言葉を発するー

そんな様子を見て、大輝(絵里)は少しだけ申し訳なさそうに
謝罪の言葉を口にすると、
やがて、「これからどうするか、真剣に話し合いましょ」と、
そう言葉を口にしたー。

お互いに”戻りたい”と強く願う二人ー。
そして、そんな状況の中、話し合いを続けていた二人は”異変”に気付くー。

「ーって、お、俺の声、元に戻ってませんー?」

「ーーあらーー…え???あらららららら?」

二人は、”ふと”自分たちが突然、元の状態ー
自分の身体・姿に戻っていることに気付くー。

「ーーってーおわっ」
絵里の姿で、女物の服を着ていたため、結局女装状態で
自分自身に戻った大輝は、「ちょ、ちょっと着替えるんで待っててください!」と、
そう叫びながら隣の部屋へと駆け込んで行ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二人は、元の姿に戻ったー。

結局、どうしてああいう状況になったのかは分からないー。
けれど、元に戻れたのだから、一件落着だと、
二人はそんな風に思っていたー。

がー…

”ーーへへへ♡ へへへへへ♡ やっぱこの身体は最高だぜ♡”

娘の”葵”のそんな言葉が聞こえたー。

「ーーえ…」
母・絵里は戸惑いの表情を浮かべるー。

一体、何をしているのだろうかー。
そう思っていると、葵がニヤニヤしながら部屋から出てきて
「あ!お母さんーいたんだー」と、いつものような笑みを浮かべたー。

不安になった絵里は、その後も葵の様子を注意深く見守っていると、
”誰もいないタイミング”で男のような言動を繰り返していることに気付いたー。

たまらず絵里が、葵を問い詰めると、
「ーーへへへーなんだよー。お前の娘はずっと”俺”だっただろー?」と、
葵が笑みを浮かべながら言ったー。

葵の中身は、40代の男で、
”若さ”と”自由”をお互いに羨ましがってとっくの昔に
入れ替わっていたのだと言うー。

「そ、そんなはずはー」
絵里は驚きながらも、夫である健司に相談しようと、
健司の帰宅を待つー。

そんな中ー、
一件落着ーだと、そう思っていた大輝も”異変”を覚えていたー。

近所からも、会社でも、
すっかり”女装の人”と認識されてしまった大輝ー。

しかも、大輝が絵里であったときに、
大輝(絵里)は、女装仲間からプロポーズをされていたようで、
その返事を迫られていたー。

「ーーい、いやだー、お、俺の恋愛対象は女の人なんでー」
女装したおじさん相手に、必死にそう言葉を口にする大輝ー。

”どうして、こんなことになってしまったのかー”
元に戻って、一件落着のはずだった二人は、
そんな”奇妙な違和感”に襲われるー。

そしてーーー
そんな二人の様子を観察していた黒服の男は静かに呟いたー。

”私は、あなたたちの欲望を叶えてあげたー。
 ただ、あなたたちは叶えた欲望に不満を抱きー、
 そして、欲望の世界に飲み込まれたー”

男は、それだけ言葉を口にすると、
”人間の欲とは、欲深きものー
 欲に飲まれた人間は、それまでとは異なる世界が見えてしまうー”
と、そう呟きながら、
大輝と絵里の”観察”を終えて、そのまま立ち去って行くー。

”欲望の世界”に飲み込まれたら、もう元には戻れないー。
”それまでの世界”とは、違う世界の扉が開いてしまったー。

「ーーー何言ってるんだー?
 ”わたし”もそうだしー、
 入れ替わってるのなんて、常識だぞ?」

夜ー。
夫の健司に相談した絵里は、そんな言葉を言われて愕然としていたー

娘の葵だけではなく、夫の健司も
”ずっと前から”入れ替わっていて、中身は女だと言うのだー

「そ、そ、そ、そんなはずはー」
絵里が叫ぶと、
健司は言うー。

「隣の赤坂さんも、向かいの金崎さんも、
 みんなそうだろー?

 ーーー絵里だって、中身は男だと思ってたけどー?」

健司の言葉に、絵里は
「い、い、いったい、どうなってるのー!?」と、
震えながら
「へへへー…どうしたんだよ~?お母さん」と、
邪悪な笑みを浮かべる葵を見つめるー。

一方ー、
女装したおじさんにプロポーズの返事を迫られ、
”俺は女の人が恋愛対象なんです!”と叫んでいた大輝も、
「ふふーわたしは、中身は女だから安心してー」と、
そう言われてしまいー、
「えっ!?」と、戸惑いの表情を浮かべる大輝ー。

そして、半分強引に、
「ーーこれから、楽しみだわー。二人だけの世界ー」と、
そんな言葉を囁かれて、
大輝はその女装したおじさんにどこかへと連れて行かれてしまうのだったー。

”欲望の世界”に迷い込んでしまった二人はー、
もう、元には戻れないー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

不思議な雰囲気の入れ替わりのリクエストでした~!★

入れ替わったあとの楽しい時間と、
不満を抱き始める時間、
そして、元に戻ったはずなのになんだかおかしい日常…、
色々な状況を描けて、私も楽しめました~!!★

リクエストの”某セールスマン”は見たことがないのですが、
私なりに、ちょっぴりダークな後味にしてみました~!

リクエスト&お読み下さり、ありがとうございました~!!

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Skeb

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