とある仲良し大学生カップル。
付き合い始めてから1年。
色々な場所でのデートを楽しんだ2人は、
一風変わったデートを堪能しようとしていたー。
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「---お邪魔しま~す」
大学生の白峰 由梨(しらみね ゆり)が
彼氏の音田 津太郎(おとだ つたろう)の家を訪れた。
お互い一人暮らしで、
お互いの家にこれまでにも何度も
行き来した経験があるー。
遊園地、映画館、ショッピング、
海、お互いの家ー
今までに、色々な場所でデートしてきた2人は
今日、ちょっと変わったデートをしようとしていたー
それはー
「--はい!持って来たよ~!」
由梨が嬉しそうに言う。
謎の容器に入った液体
「お~!これが…?」
津太郎が笑いながらそれを見る。
「うん。この前、お話した
入れ替わりの薬。
お父さんが新薬の研究をしていて、
ちょっとだけ貰ったものなの。
まだ明るみに出てない薬だから
絶対内緒だけど…」
おしゃれな由梨がそう言いながら微笑む。
津太郎はゴクリと唾を飲み込んだ。
目の前にいる由梨を見るー。
「---……」
津太郎は思うー
”本当にいいのか?”
とー。
そう、今日のデートは
津太郎と由梨が身体を入れ替えて
1日を過ごすデート。
”1日だけ由梨になってみたいなぁ~”
などと冗談半分で言ったところ、
由梨が”あ、できるかも!”と言いだして
今日のデートが実現したのだった
「あ、、あのさ…」
薬を前にして津太郎が言う。
「し、死んだりとか、
元に戻れなくなったりとか、しないよね?」
津太郎の言葉に、由梨は笑う。
「だいじょうだいじょうぶ。
実はもう人間でのテストも終わってる薬だから!」
由梨の言葉に
津太郎は「へ~」と言いながら、
4等分された入れ替わり薬を見つめる。
「まず、わたしと津太郎が一滴ずつ飲んで、
そのあとにキスをすると入れ替われて…
で、残りの2滴は元に戻る時の
2滴ね!」
そう言いながら由梨は躊躇なく、
一滴を飲んだ。
「---ほら!早く早く~!」
由梨がワクワクしながら津太郎の方を見る。
「え…えぇぇ、心の準備が」
津太郎は入れ替わり薬を疑っているわけではない。
実際に、先に飲んで見せた由梨はぴんぴんしている。
これは、ホンモノなのだろうー
けどー
綺麗な髪ー
可愛らしい服装ー
スタイルの良い足ー
それらが自分のモノになるなんて。
ゴクリー
ドキドキしながら津太郎はようやく
入れ替わり薬を飲んだー
「--ぎゅ~っ!」
その直後、由梨が、抱き着いてきて、
急に抱き着かれて顔を真っ赤にする
津太郎に、有無を言わさずキスをしたー
「--!!!!」
津太郎は気が遠くなるような感覚を
覚えるー
これが、入れ替わりー
ふと気づくと、由梨は既に気を失っていた。
そして、津太郎も、後を追うようにーー
・・・・・・・・・・・・・・・・
時計の音が聞こえるー
静寂の中、
時計の針の動く音だけが
響き渡っている。
「起きて~!」
突然、大きな声と
身体を揺らされて、
津太郎は目を覚ました。
「え…あ…えっ!?」
自分の身体を見つめる津太郎ー
津太郎の身体は、
彼女である由梨の身体になっていたー
「うっ…うわあああああ!?」
津太郎は由梨の身体でそう叫んだー
「…ほ、、、本当に由梨になってる…」
由梨になった津太郎…由梨(津太郎)は、
由梨の身体を見つめる。
「ほ、、本当に由梨に・・・
あ…あぁああ」
どうして良いか分からず混乱する由梨(津太郎)
一方、津太郎になった由梨、津太郎(由梨)は
物珍しそうに自分の身体を動かしていたー
「わ~男性の身体ってやっぱり新鮮~」
手や足を動かして楽しそうにしている
津太郎(由梨)
「--あ、わたしの身体、触っていいからね~!」
津太郎(由梨)が笑いながら言う。
「え…えぇぇぇ?!」
由梨(津太郎)は困惑する。
確かに付き合い始めてからもう1年だし
自分の身体で由梨に触ったりしたことはあるけれど、
由梨の身体になった自分が由梨の身体を
触るなんて…
「ごくり…」
由梨(津太郎)は緊張した表情を浮かべる。
「ほら!まず胸なんかどう?
津太郎にはないものだから
新鮮かもよ~?」
笑いながら津太郎(由梨)が言う。
自分の身体が、由梨に動かされていて
女言葉を話しているのも違和感だ。
「---え…え…で、、でもさ…」
由梨(津太郎)が顔を真っ赤にして言う。
「ほら~!恥ずかしがってちゃ、
せっかく入れ替わったのに、意味がないよ~!」
津太郎(由梨)に言われて
由梨(津太郎)はようやく胸に触れた。
「あ…」
由梨(津太郎)はドキッとする。
なんだか、自分のものになった胸を触ると
いつもよりもやわらかいような
そんな気がしたー
「あ…あぁあ…ダメだ…ドキドキが…」
由梨(津太郎)が頭を抱える。
髪に手を触れて
由梨(津太郎)は「あ!髪…!」と
さらにドキッとした様子を見せる。
「あははは!津太郎ってばおもしろい~!」
津太郎(由梨)が笑う。
「あ…ちょっとトイレに行ってくるね」
津太郎(由梨)が言う。
「---あ、そっかごめんごめん」
由梨(津太郎)が呟く。
津太郎は、トイレに行くのをさっきから
ちょっと我慢していたのだった。
「立って、トイレって、どんな感じなんだろ~?」
津太郎(由梨)がそう言いながら
トイレに向かう。
「--え?」
由梨(津太郎)はそう声を出したが
すぐに”あ、そっか”と思うー
女子は、立ったままするなんてことはないんだー、と。
「--ん」
由梨(津太郎)は顔を赤らめた。
「え…もしトイレに行きたくなったら、
この身体でトイレを… うぅ…」
由梨(津太郎)は
恥ずかしさとドキドキに飲み込まれそうになって
顔を真っ赤に染めるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トイレにやってきた津太郎(由梨)は
ズボンを下ろすー
「わぁ…」
津太郎(由梨)は顔を赤らめた。
由梨からしてみれば
自分の身体に、こんな生き物のような
物体がついているなんて
信じられないことだったし、
違和感がすごかった。
「男の人も、大変だなぁ…」
そう呟きながら、
立って用を済ませる、ということが
初めてな津太郎(由梨)は
困惑の表情を浮かべる。
「う~ん…ど、どんな風に出るのカナ…」
勝手が分からない。
とは言え、身体を汚すようなことはしたくない…
「こんな感じで、いいのかな…?」
津太郎(由梨)は、アレをトイレの中心に
向けると、そのまま尿を出し始めた。
「ひゃあっ!?変な感じ!」
津太郎(由梨)は慌てた様子で
トイレの方を見る。
「って、あぁ…!?」
少し狙いを外して便器に当ててしまう
「ちょ、ちょ、ちょっと~!」
男の人のトイレは難しいー
そんな風に思いながら由梨は、
ようやくトイレを終える。
汚した部分を掃除して、
手を洗って、
ようやく、由梨(津太郎)が待つ、2階へと
戻り始めるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方、ひとりになった
由梨(津太郎)はドキドキしながら
一人、部屋の椅子に座って待っていた。
「---」
ドキドキが止まらず
喉が激しく乾いている。
「……」
由梨になった自分の身体を
直視しようとして、
すぐに目を逸らしてしまう由梨(津太郎)
「あぁ…だめだ…」
せっかく女性の身体になったんだから
少しぐらい楽しみたいと思いつつも、
ドキドキや、罪悪感が勝ってしまい、
何もできないー。
チラっと自分の身体を
見ては、すぐに目を逸らしてしまう。
「--はぁ…」
落ち着かない様子で、
由梨(津太郎)は部屋の中を歩き始めた。
下を向くと胸のふくらみが
見えてしまって気になるし、
歩いていると自分がスカート姿だから、
ふわふわしてそれも気になってしまう。
意識しなくても興奮してきているー
アレがないのもなんだか落ち着かない。
「あぁぁああ…」
頭を抱える由梨(津太郎)
自分の手に由梨の髪が触れて
「むぁぁああ…」
と意味の分からない奇声を上げる。
「駄目だ…おかしくなってしまう…」
由梨(津太郎)は呟いた。
このままじゃドキドキに押しつぶされてしまいそうだ…
1年間付き合って
色々な経験をしたけれど、
こうして自分が由梨の身体になる、ということは
初めての経験だし、未知の経験だった。
どうにも落ち着かないし、
ドキドキが止まらないー。
「---……はぁ…」
深呼吸して何とか落ち着いた由梨(津太郎)は
今一度自分の胸を見つめるー
「---…ゆ、、由梨から入れ替わろうって
言ってきたんだし…
す、、少しぐらい…」
由梨(津太郎)はそう言いながら、
自分の胸にそーっと手を近づけていく。
「す…少し…少しだけ…」
やっとの思いで胸に手を触れる。
さっき、由梨に無理やり触らされたときとは
違って、こんどは自分の意思で触れてみた。
「--え…えっと…」
由梨(津太郎)は、胸の感触に
戸惑い、ドキドキしながらも
勇気を振り絞って
両手で胸を揉んでみた。
「う…うわっ…な、なんだこの感覚・・・!」
今まで生きてきて一度も感じたことのないような
ゾクゾクする感覚…
それを味わいながら、由梨(津太郎)は
顔を真っ赤に赤らめた。
「わ…あぁぁ…気持ちいい…」
そして、部屋にあった小さな鏡を見ながら、
由梨(津太郎)は呟いた。
「--あああ…」
自分が由梨(津太郎)の身体になって、
顔を赤らめている。
そんな様子を見て、由梨(津太郎)は
ドキドキしてしまう。
そしてー
思わず、その鏡を自分に近づけて
鏡の中の由梨とキスをしてしまった。
ーーガチャ
「---!」
「---!」
お手洗いから戻ってきた津太郎(由梨)と
鏡の中の自分とキスしていた由梨(津太郎)の
目が合ったー
「--あ、、、こ、、これは…!」
由梨(津太郎)は慌てて鏡を
放り投げて意味の分からない言い訳を始めるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふふふ…」
津太郎(由梨)がニコニコしながら
昼食を食べていたー
昼食は由梨がこの津太郎の家に
遊びに来る前に買ってきていた
弁当を2人で食べているー。
「---わたしの身体、楽しんでる?」
津太郎(由梨)がニコニコしながら言う。
「--あ、、、、う、うん、まぁ…」
由梨(津太郎)は困った様子で呟く。
どうにも落ち着かないー。
入替ったとは言え、どこまでしていいのか分からないし、
もしかしたら由梨に幻滅されるかもしれないと
思うと何もできないー
「--さ、さっきはごめん」
由梨(津太郎)が口にすると、
津太郎(由梨)は笑った。
「鏡にキスしてたこと~?
全然大丈夫だよ~」
津太郎(由梨)は、そう言って微笑むと、
弁当を口に運んで、
「わ~!」と面白そうに弁当の方を見た。
「わたし、ハンバーグあんまり好きじゃないのに
なんだか、美味しく感じる~!
味覚の違いかな!」
津太郎(由梨)はそう言いながら
面白そうにハンバーグを食べている。
「そっか…身体が違えば味覚も違うのか」
由梨(津太郎)もそう呟きながら
弁当のハンバーグを口にするー。
確かに、いつもとは感覚が違う。
大好物のハンバーグが
そんなに美味しく感じない。
「---た、確かに味覚が違う~」
そんな、ささやかな違いを楽しみながら
二人は昼食を終える。
昼食を終えた二人は、
食休みをしながら
のんびり雑談していた。
「----…」
次第に、由梨(津太郎)がそわそわし始める。
「どうしたの?」
津太郎(由梨)が尋ねると、
由梨(津太郎)は顔を赤らめながら呟いた。
「あ、、あの…トイレに行きたくなっちゃって…
で…あの、、女の子のお手洗いって、、
どうすれば…?」
由梨(津太郎)は
困り果てた様子で呟いた。
「--あ~!お手洗い!」
津太郎(由梨)は笑いながらそう呟くと、
嬉しそうに続けた。
「--頑張って☆」
とー。
「--えぇぇ!?」
由梨(津太郎)は
”頑張って!じゃないよ…”と思いながら
しぶしぶお手洗いに向かうのだった。
「--ど…どうすれば…」
とりあえず立ったままできないのは分かる。
由梨(津太郎)はとりあえず便座に腰かけたものの
どうすればいいか分からず、困惑したー
「ど…どうしよう…」
アレがないー。
どんなふうに、出るのかも分からないー
ど…どうすれば…
由梨の身体を汚すわけにはいかないー
そんな風に思いながら
由梨(津太郎)は、意を決してー
女性としての初めてのトイレに
挑戦するのだったー
「うわあああああ…!」
数秒後ー
トイレからは、悲痛な叫び声が
響き渡っていたー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
ダーク展開なしの
カップル二人だけで楽しむ入れ替わり…デス!
普段あまり書かない作風ですネ!
コメント
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いつもとは違ったほのぼの入れ替わりですね~♪
前もカップル入れ替わりはありましたけど、1話完結でしたから今回は続きが楽しみなのです!
トイレシーンはドキドキですね~
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> いつもとは違ったほのぼの入れ替わりですね~♪
> 前もカップル入れ替わりはありましたけど、1話完結でしたから今回は続きが楽しみなのです!
> トイレシーンはドキドキですね~
ほのぼのな入れ替わりも
たまには書きたいですからネ~☆!