ある日ー
帰宅すると、姉の部屋から悲鳴が。
姉の部屋に駆け付けた妹が
見てしまった光景とはー?
※リクエストを元にした作品デス!
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浅野 真梨(あさの まり)
高校1年生ー
彼女は、幸せな日々を送っていた。
学校も楽しいし、
家族関係も良好ー
「♪~」
思わず、ご機嫌になってしまうほど、
真梨の人生は、順調で、楽しいものだった。
高校入学してから既に半年以上ー
だんだんと涼しくなり始めていて
高校生活初めての冬も近づきつつあった。
「ただいま~!」
真梨には仲良しの姉がいる。
姉は、高校2年生ー
年が近いものの、二人はとても仲良しで、
休日には、二人で出かけることもあった。
仲良しのかわいい姉妹として、
周囲では知られた存在だったー
姉の瑠香(るか)は、先に帰宅しているはずー
と、いうのも、高校は別々で、
いつも、姉の瑠香の高校のほうが早く
授業が終わることが多くー
友達と遊んだり、部活があったりしない日は
基本的には、姉のほうが早く帰宅するのだ。
今日は、父と母が夜遅くなるからー
二人だけ。
家には瑠香しか
”いないはずだったー”
「--?」
帰宅した真梨は少し不思議に思う。
姉の部屋がある2階から
ドタバタと足音が聞こえるー。
「--んん~?誰か来てるのかな~?」
真梨がにっこりとほほ笑む。
姉の瑠香には彼氏がいるーー
…と、思う。
瑠香は恥ずかしがって教えてくれないものの、
誰かとやりとりしていて、とても幸せそうに
しているし、
彼氏からのプレゼントらしきものも、
真夏の誕生日にもらっていたー
「まさか、、彼氏さん…!」
真梨がニヤニヤしながら
忍び足で姉の部屋がある
2階へと近づいて行くー
「--(ふふふ…お姉ちゃんの彼氏さん、
どんな人かな~)」
いたずらっぽい真梨は、
急に部屋に飛び込んで行って
「おね~ちゃん!」と叫ぼうとしていた。
忍び足。
忍び足。
姉のいる部屋へと近づいて行くー
ドタバタと
走り回るような音が聞こえる。
まるで子供がはしゃいでいるみたいに。
「ふふふ…お姉ちゃんってば元気~!
なぁ~にしてるのかな~!」
姉の部屋の前に辿り着いた真梨は
ほんの少しだけ扉を開いてー
姉の部屋の中を見つめたー
するとー
「---!?」
見知らぬおじさんーーー
40を超えているだろうか。
小太りの見知らぬおじさんが、
はぁはぁ言いながら、姉の瑠香に
抱き着いていた。
「わお…!」
真梨は、扉を少しだけ開きながら
その光景を見て、
驚いてしまったー。
姉の瑠香に
彼氏がいそうだとは思っていたけれど
まさかこんなおじさんだなんて。
しかもー
大胆に抱き着いちゃって…
しかしー
真梨は、自分の考えが
間違っていることを知るー
真梨は会ったことがないけれど、
確かに、姉の瑠香には彼氏はいるー。
それは、正解だー。
だが、
今、姉と抱き着いている男は、
彼氏ではないー
では、何者なのかー。
その正体をー
真梨はすぐに知ることになる
「やめて…離して!」
姉の瑠香が叫ぶ。
「--え…」
真梨は、部屋の中を見つめながら唖然とする。
彼氏ー?
それとも、違うのー?
そんなことを考えながら
部屋を見つめていると、男が叫んだ。
「へっへっへっへ…
いつもいつも、可愛いと思ってたんだぁ~」
男が気味の悪い口調で話す。
「--俺さ~
最近、毎晩ず~っと、君になる夢を
見ててさ~
朝、起きたらパンツびしょ濡れなわけよ。
分かるかい?」
悲鳴を上げる瑠香。
「--そしたらさぁ、
ホームレスの仲間のリュウさんがさ、
ヒトと入れ替わる薬ってのをくれてさぁ~
あ、俺がさっき飲んだやつね くくく」
真梨は、その光景を見ながら
”こ、この人、彼氏じゃない”と
思うー。
恐怖で身体が硬直する。
「--君の身体…
いただきま~す!」
男がそう言うと、
男は瑠香にキスをした。
もがく瑠香。
やがて、二人は気を失って倒れてしまう。
「---…え」
警察に連絡しようとしていた真梨は
二人が倒れてしまったことに驚くー
そして、
警察への電話よりも先に
部屋に飛び込んだ。
「ちょ、、ちょっと!お姉ちゃん!?だいじょうぶ?」
気を失っている瑠香を起こそうとするー
同時に、男のほうも確認するー
男は小汚い男で、
さっき”ホームレス仲間”と言っていたことから、
ホームレスなのかもしれない。
「う…」
そういうしているうちに、
姉の瑠香が目を覚ました。
何が起きているのかは
まったく分からないけれどー
とりあえず、男が気を失ってくれて助かった、と
真梨は思う。
「お、お姉ちゃん!だいじょうぶ?」
真梨が言うと、
瑠香は、ひきつった表情で「お姉ちゃん?」と
呟いた。
「え…」
真梨が戸惑うと同時に
瑠香は、はっとした様子で笑顔を作った。
「あ、うん、だいじょうぶだいじょうぶ~!」
瑠香の元気な笑顔。
「はぁ~よかった~」
真梨は安心したようにため息をつく。
「--で…こ、この変な汚いおじさんは?」
真梨がそう言うと、
瑠香が舌打ちをして、明らかに
不機嫌そうな雰囲気になった。
”もしかして、本当に彼氏?”と、
真梨は一瞬思ったが
すぐに、瑠香のことがその疑念を打ち消した。
「--き、急に家に入ってきたの。
おれ…あ、いや、わたしが下校して
帰ってきたときに、うしろから…
ぷっ…くくく…」
瑠香が状況を説明しながらなんだか
笑いをこらえている様子で、
変だ。
「お、、お姉ちゃん?」
真梨がその様子に不思議そうな
表情を浮かべると、
瑠香は続ける。
「--と、とにかく…そいつを
早く外に追い出してやろうぜ…
じゃない、やりましょ」
瑠香がそう言うと、
瑠香は、男を乱暴に引きずって部屋から外に出し、
さらには、階段の方に向かっていく。
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?
警察呼ぶから待って!」
男が勝手に家に入って来たなら
気を失っているうちに
警察を呼んだ方がー
「---余計なことすんじゃねぇ!」
瑠香が突然大声で怒鳴った。
「--!?」
真梨は思わずビクッとしてしまう。
普段、声を荒げることのない姉の
怒声ー。
真梨が驚くには十分だった。
真梨は、「ご、、ごめん」と呟く。
そしてー
階段を引きずって
男の身体は1階へと下ろされた。
真梨は、そんな様子を見ながら、不安に思うー
「--君の身体…
いただきま~す!」
入れ替わり…?
真梨は、思うー
さっき、二人が気を失う直前、
入れ替わり、と男が言っていたー
もしかしてー
真梨は、瑠香を見つめる。
乱暴な手つきで、男の身体を玄関のほうへと
引きずって行くー
「ねぇ、手伝ってよ!」
瑠香が男を引きずりながら言う。
「え…」
真梨が唖然としていると
瑠香が少し声を荒げた
「怪しいおっさんが入って来てるのよ…
早く手伝えよ!
それにこの身体、力無くて
イライラするし」
「--!?」
真梨は
”やはり姉の様子がおかしい”と不安になる。
「--お、、お姉ちゃん…」
真梨は怖くなって
その場で立ったまま動けなくなってしまう。
「---チッ!」
姉が舌打ちをした。
そしてー
「う…」
倒れていた男が目を覚ますー
「--くそっ!もう起きやがった!
お前がモタモタしてるからだ!」
姉の瑠香が真梨の方を向いて
怒鳴り声を上げる。
「---え…」
目を覚ました男は
周囲を不思議そうに見まわしてから、呟いた。
「---わ、、、わたし…?」
男は、確かにそう言った。
真梨の中で疑念が
確信へと変わって行くー。
姉と、この男の
身体は、入れ替えられているーと。
あまりにも非現実的だけれども、
入れ替えられているー。
「う、、うそ…わ、、わたしが…
え…なにこれ!?」
男が、近くにあった鏡で
自分の姿を見つめ、
”信じられない”という表情を浮かべる。
その様子を見て、
瑠香は腕を組みながら笑みを浮かべている。
「ね、、ねぇ、わたしの身体を返して!」
小汚い男がそう叫んで瑠香にすがりつく。
しかし、瑠香は
「汚い手で触らないでくれるかしら」と
呟きながら男を振り払った。
振り払われた男が、
妹の真梨の前に倒れる。
「--ま、、真梨…
わ、、わたし…!
か、、身体をあの人に…!」
男が泣きそうになりながら叫ぶ。
「--お、、お姉ちゃんなの?」
真梨は不安げな表情を浮かべて
涙を流す男に話しかける。
「---何言ってるの…?
お姉ちゃんはわたしだけど?」
瑠香はニヤニヤしながら言うー
「---…」
真梨は二人を見比べながらー
そして、叫んだー
「--わ、、わたし、二人が入れ替わった瞬間、見たから!」
とー。
見てなければー
信じなかったかもしれないー
けど、真梨は、
”二人が入れ替わる瞬間”を見ているー。
「---あ、そ」
瑠香がイライラした様子で
髪を掻き毟ると笑った。
「--」
そして、瑠香が男の方に近づいて行くと、
何やらぼそぼそと耳打ちした。
「---!!」
男の表情が青ざめる。
「--あ…あの…すみません…
勘違い…でした」
男は歯を食いしばって
身体を震わせながら、
そのまま足早に玄関の方に向かう。
「ちょ!?お姉ちゃんなんでしょ!?ねぇ!?」
真梨が男を呼びかけるも、
男はそのまま外に出て行ってしまった。
残されたのは、姉の瑠香と妹の真梨。
瑠香が真梨の方に近づいて、
真梨の髪を乱暴に引っ張ると
小さく囁いた。
「今日からー」
「わたしがお前のお姉ちゃんだー」
とー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----うぅぅぅぅ…」
家から出た男…
入れ替えられてしまった瑠香は
泣き崩れていた。
”今の俺には、お前の身体で
どんなことだってできるんだぜ?
例えば、可愛い可愛い妹とエッチしたり、
可愛い妹を殺して、
自分も死んだり…とかな?
お前の置かれている状況が
わかったら、大人しく出ていきなー”
そう、脅された瑠香には
出ていくしかなかったー
「----必ず…必ず…助けるから…」
男になってしまった瑠香は
家の方を振り返りながら
そう呟いた…。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
リクエストによる入れ替わりものデス!
以前も姉妹の姉が入れ替えられてしまって~、という
作品はありましたが
今回はその作品とは別のリクエストデス☆
明日以降もお楽しみに~
コメント
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続きが楽しみですわ。
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以前の私のリクエストとは大分趣向が違って面白いですねぇ……。
入れ替わりを知る妹に対して"姉"はどう接するのか。元・姉の巻き返しはあるのか、次回以降に期待です~!
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> 続きが楽しみですわ。
ありがとうございます!!
頑張ります~!
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> 以前の私のリクエストとは大分趣向が違って面白いですねぇ……。
> 入れ替わりを知る妹に対して"姉"はどう接するのか。元・姉の巻き返しはあるのか、次回以降に期待です~!
ありがとうございます~!
巻き返せるのでしょうか~?笑