入れ替わってしまった姉と不審な男。
そのことを知るのは、当事者たちと、妹の真梨のみ。
真梨は両親や周囲にそのことを話すも…?
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母が帰宅したー
「お母さん!」
真梨は、慌てて母の元へと駆け寄った。
姉の瑠香が、
不審な男と入れ替えられてしまったことを
伝えなくてはいけない。
姉の瑠香はあれから、
自分の部屋にこもって
一人でエッチなことをしているらしく、
さっきは激しく喘ぐ声が聞こえてきていたー
「--お、、お姉ちゃんと男の人が
入れ替わって…
お姉ちゃんが男の人になって、
男の人がお姉ちゃんになって…」
真梨は必死にそう説明した。
正直、自分でも上手に説明できているとは思えない。
ただ、パニックになっている真梨には
これが限界だった。
「----どういうこと?」
母は苦笑いしながら首をかしげる。
やがてー父も帰宅したー。
しかし、どんなに騒いでも、
二人は苦笑いするだけで、
信じてもらうことはできなかった。
「そんな…」
真梨は唖然とするー。
確かに、そうかもしれない。
自分が、母や父の立場だったらどうか。
娘が男と入れ替わった、なんて言われても
信じないかもしれないー。
「---」
真梨は絶望の表情で、
2階に上がると、
そこには、ミニスカート姿に着替えた瑠香がいた。
「--お前のお姉ちゃん
エッロい身体してんじゃん
たっぷり楽しんだぜ」
見た目は瑠香ー
けど、中身は悪魔のような男ー
ニヤニヤしながら
近づいてくる姉の瑠香。
瑠香は、妹の頬をペロリと
舐めると微笑んだ。
「お前も、美味しそうだなぁ…」
いつもの優しい声ー。
しかし、その声は低く、
脅すような口調ー。
「---や…やめて…!」
真梨は瑠香を突き飛ばして
そのまま自分の部屋に
駆けこんで鍵を閉めた。
ガタガタガタ…
真梨の恐怖の震えは
一晩中止まることはなかったー。
翌日朝ー
姉の高校の制服である
セーラー服姿で2階から降りてくる姉。
「--おはよ~!」
姉の瑠香はいつも通り振る舞っているー。
朝ー
家族4人が揃う食卓ー
そこで、真梨はひとつの勝負に出ようとしていた。
「---……」
真梨は思うー。
ここで、姉に成りすましている男に
ボロを出させれば、
両親も信じてくれるだろうー、と。
「---お姉ちゃん」
真梨が言うと、
瑠香は「なぁに?」と答える。
真梨は意を決して言った。
「お姉ちゃん、自分の好きな食べ物、言える?」
その言葉に
母と父が不思議そうな表情を浮かべる。
姉の好きな食べ物ー
それは、小さい頃から変わらない。
母親が作るオムライスだ。
真っ先にそう答えるはず。
だがー
男に、それが分かるはずがないー
「---決まってるじゃない」
瑠香が微笑んだ。
「お母さんのつくった、オムライス♪」
ーー!?
「あら~うれしい!」
母親がご機嫌そうに笑っている。
「--え…」
真梨は唖然とする。
”なんで、それを知ってるのー?
と。
姉と男が入れ替わってしまっているのは
間違いないー
それなのにどうして、好物を知っているのか。
「--ふふ」
瑠香が、あざ笑うようにして真梨の方を見つめているー。
「---…!」
真梨は思うー。
もしかして…?
と。
「--オムライスと言えば
わたし、小さい頃、親戚のおじいちゃんが
作ってくれたオムライスを
こんなのオムライスじゃない、だなんて
言っちゃったこともあったね~」
母親の方を見て笑う瑠香。
真梨は思うー
”こいつ、お姉ちゃんの記憶を読み取ってる…”
とー。
「--さ、そろそろ行くかな」
父親が朝食を終えるー
”信じてもらえないー”
真梨はそう思った。
記憶まで読み取れるんじゃ、どうにもならないー。
「---お母さん!お父さん!
お姉ちゃんの中身は、お姉ちゃんじゃない!」
真梨は必死に叫んだ。
小細工はもう通じない。
ならー
「ははは…夢でも見たんじゃないか」
父親が笑う
母親と瑠香は顔を見合わせて
笑っている。
「---そんな…」
信じて…貰えない…
瑠香は絶望したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---元に戻る方法…」
男になってしまった瑠香は、
男の身体で、元に戻る方法を探していた。
通行人たちの視線が違うー
いつも、挨拶してくれる商店街のおじさん、おばさんたちは
汚いものを見るような目で
ホームレスの男…今の瑠香の身体を見つめる。
「(誰かの力を借りるのは難しそう…)」
こんな状況でも、男になってしまった瑠香は
ある程度、冷静だった。
元々落ち着いた性格の瑠香はー
こういう状況であっても
なんとか取り乱さずに居たー
”はやくしないと、、何をされるか分からない”
そう感じた瑠香は、
この身体が根城にしていた場所を
探すことにするー。
ホームレスの男の身体になっている瑠香には
ホームレスの男の記憶を引き出すことも
やろうと思えば可能だったが
”記憶を引き出せることを知らない”ためー
そうしようとは思わなかったし、
記憶を引き出すことはできなかったー
周辺を聞き込みして、
瑠香は、男の根城を突き止めようとするー
この男の暮らしていた場所がわかればー
そこに”入れ替わり薬”があるかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コン コン
夜…
部屋をノックする音が聞こえたー。
真梨は、それを無視する。
「--ねぇ、いるんでしょ~?」
姉の瑠香の声が聞こえる。
見た目は姉だー。
しかし、中身は悪魔のような男。
そんな瑠香を部屋の中に入れる、
ということは
”見知らぬ男を部屋の中に入れる”
ということと、同じことを意味するー。
絶対に入れてはならない。
真梨はそう思った。
しかしー
「なぁ、早く開けろよ」
瑠香の口調が変わる。
真梨は、その脅すような口調に
恐怖を感じながらも、
必死にそれを無視した。
やがて、瑠香が扉を叩き始めた。
”お父さんかお母さんが気付いてくれれば、
お姉ちゃんがおかしいって気付いてくれるかも…”
瑠香はそう思いながら、
必死に耐えた。
しかしー
「---わたしと遊んでくれないなら
このまま夜の街に行って
男の人誘惑しちゃおっかな~」
部屋の外から瑠香の甘い声が聞こえてくる。
「---え…」
真梨は青ざめる。
「--いっぱいいっぱい
知らない人とエッチさせられちゃうお姉ちゃん…
ふふふふ…」
部屋の外から悪魔のようなささやきが聞こえる。
「この身体、欲求不満なんだもん~!
真梨が遊んでくれないなら
男の人で身体を満たすしかないよね…えへへへへ!」
真梨は、それでも
部屋の扉を開けなかったー
どうせー
開けたところで、
姉の身体を好き放題使うつもりなのは
分かっているー
だったらー
「---じゃあ…お母さん、殺しちゃおっかな」
姉の瑠香が笑う。
「え…」
真梨は思わず声を出してしまう。
「お母さんを刺して、人殺しになっちゃうお姉ちゃん…
うふふふ~
お前の人生も滅茶苦茶になるぜ~?
俺はまた別の子と入れ替わりから関係ねぇけどよ!
あははははははは!」
笑う瑠香ー
真梨はーーー
恐怖に屈した。
部屋の扉を開けて、そのまま
瑠香を招き入れた。
「--最初からそうしろよ!クソ女が!」
瑠香はそう叫ぶと、
真梨の頬を強くビンタした。
「---あんまりお姉ちゃんを怒らせると、
お前を俺の身体をと入れ替えちゃうよ?
くくく…」
瑠香は笑うー。
”言うことを聞かなければお前の身体を入れ替える”
そう言っているようだー
そしてー
「さぁ、お姉ちゃんとエッチしましょう♡」
脅すような甘い口調で、
瑠香はそう囁いた…。
押し倒される真梨。
瑠香にされるがまま、
何もすることはできない。
気持ちいいと感じてしまっている自分の身体に
真梨は激しく怒りを覚えながら、
姉からの攻めにひたすら耐えるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日が経過したー
「---はぁ…」
公園のベンチに座るホームレス。
中身は、真梨の姉、瑠香だー。
「--どうすれば、いいの…」
男は涙をこぼすー。
男がどこにいたのか分かれば、
入れ替わりについても何か分かるかもしれないー
けれどー
男がどこのホームレスだったのかは、分からなかった。
この数日間、何も食べていないー
瑠香の限界は、着々と近づいていたー
「---…」
瑠香は最後の手段に出るしかないと考えるー。
このまま、黙っていても
自分の身体を奪って、瑠香になりきっている
あの男は、妹に危害を加えるだろうー
だったら…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---はぁぁ~あ♡
昨日も角オナしちゃった♡」
部屋の前で姉の瑠香が笑う。
胸元を強調した服装で微笑む姉ー。
姉のお金を勝手に使って、
一昨日、大量の服を買い込んでいたー
「----」
真梨は、姉の瑠香を睨んだー。
「--そんな目しちゃって…
めちゃめちゃにされたいの?」
瑠香が真梨を睨み返す。
にらみ合う仲良し姉妹ー。
「---……ぜったい、許さないから」
真梨はそう言い放った。
「--無駄よ。この身体はもうわたしのもの。
わたしはお前のお姉ちゃんなんだよ?
あはははははは!」
瑠香はー
母や父の前ではふつうに振る舞っているし、
学校でも、一部を除いて普通に振る舞っているー
だから、
入れ替わったなんて、誰にも信じてもらえないー
「--お姉ちゃん…」
自分の部屋に戻った真梨は、外を見つめる。
ホームレスの男の身体になってしまった姉の
行方は不明だー。
けれどー…
真梨は、姉の瑠香の性格をよく知っていた。
最初は、ひとりでなんとかしようとするー
でもー
どうにもならなくなったら
姉は、たぶん、ここに来るー
最後の賭けで、
わたしが瑠香よ!と泣きついてくるー
「---」
真梨は思うー
その時こそがチャンスだーと。
父と母は、恐らく信じてはくれないー
あの男が、姉のふりをして
うまくごまかすだろうからー
娘を名乗る変質者として、
下手をすれば、ホームレスの身体になった
姉は通報されてしまうー
真梨は、
頭をフル回転させて考えるー
男は、姉の記憶を読み取っているー
「--そしたらさぁ、
ホームレスの仲間のリュウさんがさ、
ヒトと入れ替わる薬ってのをくれてさぁ~」
姉と入れ替わる前にホームレスが言っていた言葉を
思い出すー。
ならばー
「---絶対…お姉ちゃんを助けるんだから…」
元に戻る方法はきっと、あるー。
けれど、それは険しい道―。
あの男に、完全勝利を確信させてー
そしてー
真梨は、窓の外を険しい表情で見つめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに数日が経過するー。
「--はぁ…♡ はぁ…♡」
手についた愛液を
舐めまわす瑠香…
「はぁぁぁぁ…♡ この女の身体…
さいこう♡」
部屋で毎日のようにエッチを繰り返す瑠香。
昨日は真梨の服を引き千切って
激しいエッチをしたー
あの快感が忘れられない。
「うふふふふふ…♡
どんどんエッチなお姉ちゃんになってやるから…♡」
瑠香は手を舐め終えると、
汚れた自分のバニーガール姿を見つめた。
おしりを叩きながら微笑む瑠香。
「ぐふふふふ…いい身体…♡」
「開けて!開けて!!!!」
ーー!?
瑠香は表情を歪める。
1階から男の声がする。
今日は土曜日だが、
父と母は仕事で不在ー
この家には妹の真梨しかいないはずー
「---なんだよ…」
瑠香は舌打ちした。
あれは自分の声だ。
つまり、ホームレスの身体になった
瑠香がやってきたことになるー
「面倒くせぇな」
イライラした様子で髪を掻き毟る瑠香。
服を適当に着替えて、
瑠香は玄関の方に向かうのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---お姉ちゃん!」
玄関で、ホームレスの男を
招き入れた真梨は叫ぶ。
「---ま、、真梨…
助けて…!もう、、わたし…」
ボロボロになったホームレスの男を見つめる真梨。
中身は姉の瑠香だと言うことは分かっている。
”やっと、来てくれたー”
真梨は、そう思ったー
もしかしたら、元に戻れるかもしれないー
「---あら…この前のおじさんじゃない~」
瑠香がやってくる。
「--身体を返して!」
ホームレスの姿で瑠香が叫ぶ。
瑠香は胸を揉みながら
「い・や・だ♡」と挑発的に微笑んだー
「---ねぇ!」
真梨が叫ぶー
元に戻る方法ー
失敗したら、自分の人生は終わりだー
けどー
「---あんまりお姉ちゃんを怒らせると、
お前を俺の身体をと入れ替えちゃうよ?
くくく…」
数日前に、瑠香に言われた言葉を思い出すー
こいつは、自分が楽しむためなら、
何でもやるー。
「--わたしが…わたしがお姉ちゃんの代わりになる!
わたしと、お姉ちゃんを入れ替えて!」
ホームレスを指さしながら
真梨は言った。
真梨とホームレスが入れ替わればー
姉が真梨の身体にー
真梨がホームレスの身体になることになるー
「--はぁ?」
瑠香が失笑するー。
しかし、少し考えたあとに、
瑠香は笑った。
「--くくく、それも面白いかも…」
瑠香はそう言うと、
不気味に微笑みながら、
自分の部屋の方に向かっていくー。
そして、しばらくすると、小さな容器を持って
部屋から出てきた。
ーー入れ替わり薬だー。
「--チャンスは2回…」
真梨が小さく呟いた。
「--お姉ちゃんの身体を返せ!」
真梨は、瑠香に突進したー
入れ替わり薬を奪えばー
元に戻れるー
吹き飛ばされる瑠香。
床に落ちる入れ替わり薬入りの容器ー。
「ーーーお姉ちゃんは、わたしが助ける!」
真梨はそう叫んで、
床に落ちた入れ替わり薬入りの
容器に飛びついたー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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原文は明日の最終回の
あとがきでご紹介しますネ~!
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