<入れ替わり>わたしはお前のお姉ちゃん②~信じて!~

入れ替わってしまった姉と不審な男。

そのことを知るのは、当事者たちと、妹の真梨のみ。

真梨は両親や周囲にそのことを話すも…?

--------------------------

母が帰宅したー

「お母さん!」
真梨は、慌てて母の元へと駆け寄った。

姉の瑠香が、
不審な男と入れ替えられてしまったことを
伝えなくてはいけない。

姉の瑠香はあれから、
自分の部屋にこもって
一人でエッチなことをしているらしく、
さっきは激しく喘ぐ声が聞こえてきていたー

「--お、、お姉ちゃんと男の人が
 入れ替わって…
 お姉ちゃんが男の人になって、
 男の人がお姉ちゃんになって…」

真梨は必死にそう説明した。

正直、自分でも上手に説明できているとは思えない。

ただ、パニックになっている真梨には
これが限界だった。

「----どういうこと?」
母は苦笑いしながら首をかしげる。

やがてー父も帰宅したー。

しかし、どんなに騒いでも、
二人は苦笑いするだけで、
信じてもらうことはできなかった。

「そんな…」
真梨は唖然とするー。

確かに、そうかもしれない。
自分が、母や父の立場だったらどうか。

娘が男と入れ替わった、なんて言われても
信じないかもしれないー。

「---」
真梨は絶望の表情で、
2階に上がると、
そこには、ミニスカート姿に着替えた瑠香がいた。

「--お前のお姉ちゃん  
 エッロい身体してんじゃん
 たっぷり楽しんだぜ」

見た目は瑠香ー
けど、中身は悪魔のような男ー

ニヤニヤしながら
近づいてくる姉の瑠香。

瑠香は、妹の頬をペロリと
舐めると微笑んだ。

「お前も、美味しそうだなぁ…」

いつもの優しい声ー。

しかし、その声は低く、
脅すような口調ー。

「---や…やめて…!」

真梨は瑠香を突き飛ばして
そのまま自分の部屋に
駆けこんで鍵を閉めた。

ガタガタガタ…

真梨の恐怖の震えは
一晩中止まることはなかったー。

翌日朝ー

姉の高校の制服である
セーラー服姿で2階から降りてくる姉。

「--おはよ~!」

姉の瑠香はいつも通り振る舞っているー。

朝ー
家族4人が揃う食卓ー

そこで、真梨はひとつの勝負に出ようとしていた。

「---……」
真梨は思うー。

ここで、姉に成りすましている男に
ボロを出させれば、
両親も信じてくれるだろうー、と。

「---お姉ちゃん」
真梨が言うと、
瑠香は「なぁに?」と答える。

真梨は意を決して言った。

「お姉ちゃん、自分の好きな食べ物、言える?」

その言葉に
母と父が不思議そうな表情を浮かべる。

姉の好きな食べ物ー
それは、小さい頃から変わらない。
母親が作るオムライスだ。

真っ先にそう答えるはず。

だがー
男に、それが分かるはずがないー

「---決まってるじゃない」
瑠香が微笑んだ。

「お母さんのつくった、オムライス♪」

ーー!?

「あら~うれしい!」
母親がご機嫌そうに笑っている。

「--え…」
真梨は唖然とする。

”なんで、それを知ってるのー?

と。

姉と男が入れ替わってしまっているのは
間違いないー

それなのにどうして、好物を知っているのか。

「--ふふ」
瑠香が、あざ笑うようにして真梨の方を見つめているー。

「---…!」
真梨は思うー。

もしかして…?
と。

「--オムライスと言えば
 わたし、小さい頃、親戚のおじいちゃんが
 作ってくれたオムライスを
 こんなのオムライスじゃない、だなんて
 言っちゃったこともあったね~」

母親の方を見て笑う瑠香。

真梨は思うー

”こいつ、お姉ちゃんの記憶を読み取ってる…”

とー。

「--さ、そろそろ行くかな」
父親が朝食を終えるー

”信じてもらえないー”

真梨はそう思った。
記憶まで読み取れるんじゃ、どうにもならないー。

「---お母さん!お父さん!
 お姉ちゃんの中身は、お姉ちゃんじゃない!」

真梨は必死に叫んだ。
小細工はもう通じない。

ならー

「ははは…夢でも見たんじゃないか」
父親が笑う

母親と瑠香は顔を見合わせて
笑っている。

「---そんな…」
信じて…貰えない…
瑠香は絶望したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---元に戻る方法…」

男になってしまった瑠香は、
男の身体で、元に戻る方法を探していた。

通行人たちの視線が違うー

いつも、挨拶してくれる商店街のおじさん、おばさんたちは
汚いものを見るような目で
ホームレスの男…今の瑠香の身体を見つめる。

「(誰かの力を借りるのは難しそう…)」
こんな状況でも、男になってしまった瑠香は
ある程度、冷静だった。

元々落ち着いた性格の瑠香はー
こういう状況であっても
なんとか取り乱さずに居たー

”はやくしないと、、何をされるか分からない”

そう感じた瑠香は、
この身体が根城にしていた場所を
探すことにするー。

ホームレスの男の身体になっている瑠香には
ホームレスの男の記憶を引き出すことも
やろうと思えば可能だったが
”記憶を引き出せることを知らない”ためー
そうしようとは思わなかったし、
記憶を引き出すことはできなかったー

周辺を聞き込みして、
瑠香は、男の根城を突き止めようとするー

この男の暮らしていた場所がわかればー
そこに”入れ替わり薬”があるかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コン コン

夜…

部屋をノックする音が聞こえたー。
真梨は、それを無視する。

「--ねぇ、いるんでしょ~?」
姉の瑠香の声が聞こえる。

見た目は姉だー。
しかし、中身は悪魔のような男。

そんな瑠香を部屋の中に入れる、
ということは
”見知らぬ男を部屋の中に入れる”
ということと、同じことを意味するー。

絶対に入れてはならない。

真梨はそう思った。

しかしー

「なぁ、早く開けろよ」
瑠香の口調が変わる。

真梨は、その脅すような口調に
恐怖を感じながらも、
必死にそれを無視した。

やがて、瑠香が扉を叩き始めた。

”お父さんかお母さんが気付いてくれれば、
 お姉ちゃんがおかしいって気付いてくれるかも…”

瑠香はそう思いながら、
必死に耐えた。

しかしー

「---わたしと遊んでくれないなら
 このまま夜の街に行って
 男の人誘惑しちゃおっかな~」

部屋の外から瑠香の甘い声が聞こえてくる。

「---え…」
真梨は青ざめる。

「--いっぱいいっぱい
 知らない人とエッチさせられちゃうお姉ちゃん…
 ふふふふ…」

部屋の外から悪魔のようなささやきが聞こえる。

「この身体、欲求不満なんだもん~!
 真梨が遊んでくれないなら
 男の人で身体を満たすしかないよね…えへへへへ!」

真梨は、それでも
部屋の扉を開けなかったー

どうせー
開けたところで、
姉の身体を好き放題使うつもりなのは
分かっているー

だったらー

「---じゃあ…お母さん、殺しちゃおっかな」

姉の瑠香が笑う。

「え…」
真梨は思わず声を出してしまう。

「お母さんを刺して、人殺しになっちゃうお姉ちゃん…
 うふふふ~
 お前の人生も滅茶苦茶になるぜ~?

 俺はまた別の子と入れ替わりから関係ねぇけどよ!
 あははははははは!」

笑う瑠香ー

真梨はーーー
恐怖に屈した。

部屋の扉を開けて、そのまま
瑠香を招き入れた。

「--最初からそうしろよ!クソ女が!」

瑠香はそう叫ぶと、
真梨の頬を強くビンタした。

「---あんまりお姉ちゃんを怒らせると、
 お前を俺の身体をと入れ替えちゃうよ?
 くくく…」

瑠香は笑うー。
”言うことを聞かなければお前の身体を入れ替える”
そう言っているようだー

そしてー

「さぁ、お姉ちゃんとエッチしましょう♡」

脅すような甘い口調で、
瑠香はそう囁いた…。

押し倒される真梨。

瑠香にされるがまま、
何もすることはできない。

気持ちいいと感じてしまっている自分の身体に
真梨は激しく怒りを覚えながら、
姉からの攻めにひたすら耐えるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日が経過したー

「---はぁ…」
公園のベンチに座るホームレス。

中身は、真梨の姉、瑠香だー。

「--どうすれば、いいの…」
男は涙をこぼすー。

男がどこにいたのか分かれば、
入れ替わりについても何か分かるかもしれないー

けれどー

男がどこのホームレスだったのかは、分からなかった。

この数日間、何も食べていないー

瑠香の限界は、着々と近づいていたー

「---…」
瑠香は最後の手段に出るしかないと考えるー。

このまま、黙っていても
自分の身体を奪って、瑠香になりきっている
あの男は、妹に危害を加えるだろうー

だったら…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---はぁぁ~あ♡
 昨日も角オナしちゃった♡」

部屋の前で姉の瑠香が笑う。

胸元を強調した服装で微笑む姉ー。

姉のお金を勝手に使って、
一昨日、大量の服を買い込んでいたー

「----」
真梨は、姉の瑠香を睨んだー。

「--そんな目しちゃって…
 めちゃめちゃにされたいの?」

瑠香が真梨を睨み返す。

にらみ合う仲良し姉妹ー。

「---……ぜったい、許さないから」
真梨はそう言い放った。

「--無駄よ。この身体はもうわたしのもの。
 わたしはお前のお姉ちゃんなんだよ?
 あはははははは!」

瑠香はー
母や父の前ではふつうに振る舞っているし、
学校でも、一部を除いて普通に振る舞っているー

だから、
入れ替わったなんて、誰にも信じてもらえないー

「--お姉ちゃん…」

自分の部屋に戻った真梨は、外を見つめる。

ホームレスの男の身体になってしまった姉の
行方は不明だー。

けれどー…
真梨は、姉の瑠香の性格をよく知っていた。

最初は、ひとりでなんとかしようとするー
でもー
どうにもならなくなったら
姉は、たぶん、ここに来るー

最後の賭けで、
わたしが瑠香よ!と泣きついてくるー

「---」

真梨は思うー
その時こそがチャンスだーと。

父と母は、恐らく信じてはくれないー
あの男が、姉のふりをして
うまくごまかすだろうからー
娘を名乗る変質者として、
下手をすれば、ホームレスの身体になった
姉は通報されてしまうー

真梨は、
頭をフル回転させて考えるー

男は、姉の記憶を読み取っているー

「--そしたらさぁ、
 ホームレスの仲間のリュウさんがさ、
 ヒトと入れ替わる薬ってのをくれてさぁ~」

姉と入れ替わる前にホームレスが言っていた言葉を
思い出すー。

ならばー

「---絶対…お姉ちゃんを助けるんだから…」

元に戻る方法はきっと、あるー。
けれど、それは険しい道―。
あの男に、完全勝利を確信させてー
そしてー

真梨は、窓の外を険しい表情で見つめた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さらに数日が経過するー。

「--はぁ…♡ はぁ…♡」
手についた愛液を
舐めまわす瑠香…

「はぁぁぁぁ…♡ この女の身体…
 さいこう♡」

部屋で毎日のようにエッチを繰り返す瑠香。

昨日は真梨の服を引き千切って
激しいエッチをしたー

あの快感が忘れられない。

「うふふふふふ…♡
 どんどんエッチなお姉ちゃんになってやるから…♡」

瑠香は手を舐め終えると、
汚れた自分のバニーガール姿を見つめた。

おしりを叩きながら微笑む瑠香。

「ぐふふふふ…いい身体…♡」

「開けて!開けて!!!!」

ーー!?

瑠香は表情を歪める。

1階から男の声がする。

今日は土曜日だが、
父と母は仕事で不在ー

この家には妹の真梨しかいないはずー

「---なんだよ…」
瑠香は舌打ちした。

あれは自分の声だ。
つまり、ホームレスの身体になった
瑠香がやってきたことになるー

「面倒くせぇな」
イライラした様子で髪を掻き毟る瑠香。

服を適当に着替えて、
瑠香は玄関の方に向かうのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---お姉ちゃん!」
玄関で、ホームレスの男を
招き入れた真梨は叫ぶ。

「---ま、、真梨…
 助けて…!もう、、わたし…」

ボロボロになったホームレスの男を見つめる真梨。

中身は姉の瑠香だと言うことは分かっている。

”やっと、来てくれたー”
真梨は、そう思ったー

もしかしたら、元に戻れるかもしれないー

「---あら…この前のおじさんじゃない~」
瑠香がやってくる。

「--身体を返して!」
ホームレスの姿で瑠香が叫ぶ。

瑠香は胸を揉みながら
「い・や・だ♡」と挑発的に微笑んだー

「---ねぇ!」
真梨が叫ぶー

元に戻る方法ー

失敗したら、自分の人生は終わりだー

けどー

「---あんまりお姉ちゃんを怒らせると、
 お前を俺の身体をと入れ替えちゃうよ?
 くくく…」

数日前に、瑠香に言われた言葉を思い出すー
こいつは、自分が楽しむためなら、
何でもやるー。

「--わたしが…わたしがお姉ちゃんの代わりになる!
 わたしと、お姉ちゃんを入れ替えて!」

ホームレスを指さしながら
真梨は言った。

真梨とホームレスが入れ替わればー

姉が真梨の身体にー
真梨がホームレスの身体になることになるー

「--はぁ?」
瑠香が失笑するー。

しかし、少し考えたあとに、
瑠香は笑った。

「--くくく、それも面白いかも…」

瑠香はそう言うと、
不気味に微笑みながら、
自分の部屋の方に向かっていくー。

そして、しばらくすると、小さな容器を持って
部屋から出てきた。

ーー入れ替わり薬だー。

「--チャンスは2回…」
真梨が小さく呟いた。

「--お姉ちゃんの身体を返せ!」
真梨は、瑠香に突進したー

入れ替わり薬を奪えばー
元に戻れるー

吹き飛ばされる瑠香。

床に落ちる入れ替わり薬入りの容器ー。

「ーーーお姉ちゃんは、わたしが助ける!」
真梨はそう叫んで、
床に落ちた入れ替わり薬入りの
容器に飛びついたー

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを元にした入れ替わり!
原文は明日の最終回の
あとがきでご紹介しますネ~!

コメント