<憑依>とあるメイドカフェの仕事納め①~秘密~

とあるメイドカフェー。

そのお店のメイドたちは”一人を除いて”
憑依されていたー。

”一人以外”全員憑依されているメイドカフェの
仕事納めの物語ー…

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メイドカフェ”ワンダーガーデン”ー。

その店内で働くメイドたちは、
今日も慌ただしく働いていたー。

一見すると、普通のメイドカフェー。

しかしー…
このメイドカフェのメイドたちは
みんな、”憑依”されている女たちだったー。

「ーーえ~?ホントですか~?すご~い!」
ツインテールのメイド・萌々(もも)が
可愛らしい笑顔を浮かべながらそう言葉を口にするー。

「ー別にすごくないじゃん。そのぐらい普通でしょ」
ツンデレ気味なメイド・麗奈(れな)がそう言葉を口にすると、
萌々は笑いながら「麗奈ちゃんだって本当はすごいと思ってるくせに~!」と、
麗奈の肩をポンポンと叩きながらそう言葉を口にするー。

「ーうるさいー。黙ってー」
麗奈は顔を赤らめながらそう言葉を口にすると、
客の男は嬉しそうに「麗奈ちゃんは可愛いなぁ」などと
そう言葉を口にしているー。

近くでは、明るく元気なポニーテールのメイド・美香(みか)が、
客を盛り上げて、
そのまた近くでは恥ずかしがり屋のメイド・千穂(ちほ)が
戸惑いの表情を浮かべながら
客の男と会話を交わしているー。

「ーーーは~い!よいお年を~!」
そんな店内で、”今年最後の接客”を終えたメイド・真桜(まお)が、
そう言葉を口にすると、
”ふ~”と、心の中で息を吐き出してから、
店内の入口の扉の近くから、店内のほうへと戻っていくー。

「えへへへへへ♡」
このメイドカフェ内で一番の”変態メイド”絵梨(えり)が
ニヤニヤしながら客の前で自分の胸を揉んでいるのを見て
真桜は「絵梨ちゃんー。”やりすぎ”はダメだよー?」と
苦笑いしながらそう言葉を口にするー。

が、接客中の絵梨は
「え~!そんなこと言ってないで、真桜ちゃんも揉ませてよ へへ」と、
全く反省する様子もなく、さらにニヤニヤと
下品な笑みを浮かべて見せるー。

そんな絵梨に呆れながら、
真桜は店内の奥の方に進んでいくと、
店長の小百合(さゆり)に向かって、
「店長ー、接客おわりましたー」と、そう言葉を口にするー。

「ーふふーお疲れ様ー」
何故か事務所で一人、自分の胸を揉んでいた小百合は
そう言葉を口にすると、
その手を止めて、笑みを浮かべるー。

店長の小百合自身もまだ20代前半で、
店長でありながら、メイドとして接客をすることもあるー。
そんな店長だー。

「ーこのあとの集まり、来るんだっけ?」
店長の小百合がふと、そんな言葉を口にするー。

「あ、はい!もちろん行きますよ!
 みんなが接客終わるまで、ここでのんびりしてますね!」
真桜は笑いながらそう言葉を口にするー。

真桜は可愛らしい見た目のお姉さん的な雰囲気を持つメイドー。
ただ、その”雰囲気”とは裏腹に実はかなりのドジで、
よくドジな振る舞いをしては周囲を笑わせたりしているー。

真桜は、メイド服姿のまま
自分のスマホを確認すると、
チラッと店長の小百合のほうを見つめるー。

事務作業をしている店長の小百合ー。

しかしー…
店長の小百合は男に”憑依”されているー。
つまり、身体を乗っ取られている状態ー。

いや、それだけではないー
このメイドカフェのメイドは全員
”男に憑依されている女”だー。

店長の小百合も、
明るく元気なポニーテールの美香も、
変態メイドの絵梨も、
恥ずかしがり屋の千穂も、
ツインテールの萌々も、
ツンデレの麗奈も、”憑依”されているメイドだ。

このメイドカフェのメイドは、全員憑依されているー。

「ーーーわたし以外ー…」
心の中で、真桜はそう呟くー。

そう、このメイドカフェのメイドは
”真桜以外”全員が憑依されていたー。

真桜は正真正銘の”女”で、中身も”女”ー
別の女が真桜に憑依しているとか、そういうことでもなく、
身体も中身も真桜の状態だー。

しかしー、
元々あったメイドカフェが男たちによって憑依されて
乗っ取られてしまったわけではなくー、
そもそもこのメイドカフェは元々、
”憑依された女”たちが集まって開店したお店だったー。

そんなメイドカフェに、真桜はうっかりと
やってきてしまい、そして今でも
”憑依されている女”のフリをして、
ここで働いていたー。

「ーーでもさ~、僕たちみたいな男が、
 こんな可愛い子になって、メイドをやってるなんて
 夢みたいだよねー」
店長の小百合が”素”の喋り方でそう言葉を口にすると、
真桜も「そうですねー…へへー」と、
”中身は男のフリ”をして、わざと男っぽい仕草をしてみせるー。

”全員が憑依されているー”
真桜がそれを知ったのは、このメイドカフェに採用されてからだったー。

当時、大学生になったばかりの真桜は
お金に困っていたー。
ただ、ドジな一面のせいで、
どこの面接に行っても面接中に緊張して
変な受け答えをしてしまって、
なかなかバイトに採用されない状態が続いていたー。

そんな中、真桜はこのメイドカフェ
”ワンダーガーデン”の噂を聞いた。

一般応募はされていないものの、
営業時間後の1時間以内、店長が店にいる間に
裏口のインターホンを鳴らし、
”ポゼッション”という合言葉を伝えることで
面接を受けることができて”例の条件”を満たすことが
できていれば、必ず採用されるー、という
そんなメイドカフェの存在をー。

”これだったらわたしも受かるかも”と、
そんな情報を知った真桜は、
それが”例の条件”というものが、”憑依で女の身体を奪った人間”ということを
知らずに、そのまま面接を受けてしまったー。

”ーこんな時間に何か御用ですか?
 もう当店の営業時間は終わりましたのでー”

当時から店長の小百合がインターホン越しにそう言葉を口にするー。

その言葉を聞いた真桜はすぅっと息を吐き出してから、
”このメイドカフェの面接を受けるための合言葉”を口にしたー

「ポゼッション」
とー。

”ーーー!”
その言葉を聞いた店長の小百合は、言葉を止めるー。

”今の気分はー?”
店長の小百合がそう聞き返して来たー。

”えっー”
真桜は、表情を歪めるー。

真桜が事前に調べていた合言葉は
”ポゼッション”のみー。

”えっ…う、嘘でしょー?
 ま、まだ続きがあるのー?
 えっ?えっ!?えっ!?!?”

「気分はー?」などと聞かれるとは思っていなかった真桜は
激しく狼狽えたー。

しかしー、
真桜は咄嗟に「最高ー」と、そう答えたー。

完全に”適当”に発した言葉だー。

けれどー…
それが”たまたま”正解だったー。
真桜は昔から変なところで強運を発揮する不思議な子で、
偶然、適当に言い放った愛言葉が正解だったのだー

”ーふふふーようこそー。
 じゃあ、ちょっと確認のために面接させてもらうわねー”
中から、店長の小百合がそう言葉を口にすると、
そのまま真桜は”中”へと招かれたー。

緊張した様子のまま、面接を受ける真桜ー。

「それで、その子の身体にはいつからー?」
店長の小百合が”例の条件”である、憑依のことを聞くと、
真桜は困惑の表情を浮かべるー。

”ど、どういうことー?ね、年齢を聞かれてるのかなー?”
真桜はそう思いつつ、咄嗟に
「20年前からですねー」と、自信満々に答えるー。

生まれてからずっと付き合っているこの身体ー
つまり、年齢を聞かれているのだと真桜はそう解釈したー

「に、20年ー!?
 す、すごいー…」
しかし、店長の小百合は”憑依歴20年”と解釈して、
真桜の履歴書に書かれた年齢が20歳であることから
”真桜の中の人”は、赤ん坊の頃の真桜に憑依して
今までずっと真桜として生きて来たのだと、
そう解釈してしまったー。

「じ、じゃあ、先輩ですねー。失礼しましたー」
店長の小百合に憑依している”男”が、小百合に憑依したのは
4年前ー。

”真桜の中の人”は20年前から憑依しているということは、
超がつくほどの”憑依の大先輩”だと、そう思い
小百合は咄嗟にそう言葉を口にしたー。

「ーあ、あははー先輩だなんて」
真桜はその意味が分からず、少し誤魔化すようにしながら、
”それほどでも~”と、得意気な表情を浮かべてしまうー。
そして、何故か日常生活の些細な自慢話を始めてしまう。

こういうリアクションをしてしまうところが、
面接になかなか受からない理由なのかもしれないー。

ただー…この”憑依されている女たち”で作り出された
メイドカフェの面接においては、
真桜のとにかく勢いで突破してしまおうとする振る舞いが
プラスに働いたのかもしれない。

「20年前からその身体って、どんな気分なんですかー?
 特に、赤ちゃんの頃とかー、
 自由に動いたりもできないでしょうし、大変だったのではないですか?」
店長の小百合がそう言葉を口にするー。

「ーあ、あははー
 まぁ、そうですけど…でも、その頃のことはあまり覚えてないですねー」
真桜が、赤ちゃんの頃の記憶はあいまいだという、
至極当然のことを口にするも、
店長の小百合は静かに頷きながら
「なるほど~…赤ちゃんの身体になると、成長するまでは記憶が
 曖昧になるんですねー。
 ーー確かに、”発達前の脳”を使うわけですから、そうなのかもしれませんねー」と、
大人が赤ちゃんに憑依した場合、身体が成長するまで
本当の赤ちゃんのように、記憶が曖昧になるのだと、
そう解釈してしまうー。

「ーー?」
真桜は、少しだけ話が噛み合っていない気がしながらも、
”まぁいっかー…”と、そう思いつつ、
「そ、それで、あのー」と、真桜は店長の小百合を見つめるー。

「け、敬語じゃなくても全然大丈夫なのでー!
 わたし、アルバイトとして雇われる側ですしー、
 もし採用されても、店長さんとバイトの関係ですからー!」
真桜は、面接の途中から真桜のことを”憑依の先輩”と勘違いして、
敬語を使い始めた店長の小百合に対して、
そんな言葉を口にするー。

「ーーーえ……あ、はいー
 じ、じゃなくて、ほ、本当にいいんですかー?」
店長の小百合が驚いた様子でそう言葉を口にすると、
「はいー!全然大丈夫です!」と、
真桜は元気よくそう答えるー。

その反応に店長の小百合に憑依している男はー、
”中の人、憑依してから20年ってことは
 年齢的にも憑依歴的にも大先輩のはずなのにー
 なんて寛大なお方なんだー…”と、そう感動しながら、
「ー明日から…お願いできまーー…いや、お願いできるー?」と、
そう言葉を口にするー。

”勘違い”による即決採用ー。

真桜は意味も分からず、驚いた様子で
「え!?いいんですか!?」と、そう叫ぶと、
店長の小百合は嬉しそうに「こちらこそ、ぜひー」と、
真桜を採用するのだったー。

がー、”周囲のメイド”がー、
自分以外が全員男に憑依されていることを知ったのは
その半月後のことだった。

真桜は”やばいところに来ちゃった”と、そう思いながらも
”でもでも、本当のことがバレたらクビにされちゃうかも!?”と、
そう考えて、それ以降ずっと、
”憑依されている女のフリ”をしながら
このメイドカフェでのアルバイトを続けて来たー。

そんな、採用された時のことを思いながら、
みんなの仕事納めを待ちつつ、
スマホを控室でいじる真桜ー。

時折、店長の小百合の視線を感じると、
わざと胸を揉んだりして、
”中身は男ですよ”アピールをしてみせるー。

他人の身体を乗っ取って、女としてメイドカフェで
働いているバイト仲間たちー。

けれどー、自分も”憑依している男”のフリをしている分には、
周囲のメイドの子たちは、本当にいい人たちばかりだー。

真桜は、”憑依している男のフリ”をしつつ、
このメイドカフェで働く日々がすっかり楽しくなってしまっていて、
今やー、”バレることによって酷い目に遭うかもしれない”ということよりも、
”バレたらクビになるかも”という、
”ここで働けなくなる恐怖”の方が強くなっていたー。

「ーーーーーー」
そんな、真桜の様子を
書類仕事をする最中、チラッと見つめた店長の小百合は
少しだけ、意味深な笑みを浮かべたー…

②へ続く

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コメント

皆様はもう仕事納めをしましたか~?

私はまだまだお仕事ですケド、
仕事納めをした皆様や、学校が冬休み~!な皆様は
のんびりして下さいネ~!

続きはまた明日デス~!!

続けて②をみる!

「とあるメイドカフェの仕事納め」目次

コメント

  1. TSマニア より:

    小百合と真桜の今後の展開が気になりますネ!☆!★

    自分も女の子に憑依して無名さんと会う時、様の合言葉を決めましょうネ(^_-)☆笑

    無名さんに…こっそり憑依して…

    エチカワなメイドコスも着てみたいし

    無名さんに憑依して『有名(ありな)』名義でSNSのアカウントこっそり作って

    無名さんのお顔をマスクで隠して色んなコスプレを可愛くセクシーに着こなして少しずつコスプレ画像をアップしちゃうのデス~!☆(*´艸`)笑

    1番、最初のコスプレは…やっぱり…

    バニーガールなのデス~(^_-)☆笑

    名前が『有名(ありな)』なのでフォロワー様達には

    ありなん、ありにゃんって呼ばれる予定なのデス(^_-)☆笑

    • 無名 より:

      わわわ~~★
      なんだかそうされちゃったら
      ドキドキしちゃいますネ~!★

      憑依薬か入れ替わり薬を早く持ってくるのデス~!!

      あ、感想もありがとうございます~!★