”階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力”を持ち、
その能力を使って、階段からわざと転がり落ちては
入れ替わりを楽しむ迷惑な男ー。
そんな彼の欲望の日々の行く末は…?
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OLの香奈枝と入れ替わった伸樹は、
困惑の状況に陥っていたー。
”入れ替わったあともそれなりに話を聞いてくれそうな雰囲気の相手”かつ、
好みの相手を選んで、階段でわざとぶつかって転落している伸樹。
ただ、人は見た目や雰囲気だけでは分からない部分もあって
時々”ハズレ”を引いてしまう。
今回、入れ替わった香奈枝は伸樹にとっては
”典型的なハズレ”で、
”お互いのフリをしながら生活するしかないですね”という提案にも乗らず、
止むを得ず、”階段からもう一度転落すれば元に戻れるかも”と提案し、
すぐに元に戻ろうとしたものの、
”元に戻れる根拠は?” ”怪我したらどうするんですか?”と、
言われてしまい、それすら拒まれてしまったー。
挙句の果てに、彼氏であるという敏也という男まで
呼び出した伸樹(香奈枝)ー。
少しすると、その”敏也”とやらが到着して
困惑の表情を浮かべたー。
「ほ、ホントに入れ替わってるのかー?」
敏也がそう言うと、
伸樹(香奈枝)は「う、嘘じゃないのよー?ねぇ?」と、
香奈枝(伸樹)の方を見つめたー。
香奈枝(伸樹)は、戸惑いの表情を浮かべていると、
敏也はゆっくりと香奈枝(伸樹)の方に近付いて来たー。
「ーーーー本当に、俺の彼女と入れ替わっているのか?」
とー。
「ーーだから、そう言ってるでしょ?」
背後にいる伸樹(香奈枝)が不満そうに呟くー。
「ーーー……」
香奈枝(伸樹)は困惑の表情を浮かべてから「はいー」と、
答えるー。
別に、入れ替わりのこと自体はやむを得ない時は
第3者にも明かしているー。
”階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力”持っていると
知られさえしなければ良いのだー。
あくまでも、偶然入れ替わった風を装っていれば
問題はない。
「ーーーー…」
香奈枝の彼氏・敏也は入れ替わりが事実だと告げられると
困惑した表情を浮かべながら、
やがて、香奈枝(伸樹)の手を握ったー
「ありがとうっ…!」
とー。
「ーーー」
香奈枝(伸樹)は困惑の表情を浮かべるー。
「ーーーはい????」
5秒ぐらいかかったー。
あまりに意味不明な敏也の反応に対して、
ようやく香奈枝(伸樹)がリアクションをすると、
香奈枝の彼氏・敏也は言ったー。
「ーー俺、香奈枝に嫌気が差しててさー…
ほら、香奈枝、ワガママで自分勝手だろー?
だから、中身が変わってくれてよかった!」
敏也が嬉しそうに言うと、
伸樹(香奈枝)が「はぁ!?ちょっと、アンタ、何を言ってるの!?」と、
怒りの形相で声を上げるー。
入れ替わり相手である香奈枝の彼氏・敏也の思わぬ反応を前に
香奈枝(伸樹)も思わず笑うと
「へ、へへー…確かにそうですねー。”僕”も相手していて疲れました」と、
そう話を合わせるー。
”この彼氏を味方につければ、何とかー”
そんな風に思っていると、敏也は
「とりあえず、これからのことをゆっくりと話したい。どうかなー?」と、
そう言葉を口にして、伸樹(香奈枝)を放置して、
香奈枝(伸樹)と共に歩き始めたー。
”まさか、こんな反応を示すやつもいるとはな”
伸樹は内心でそう思いつつ、”まぁ、せっかくだし、コイツにも少しいい思いをさせてやるか”
と、しばらくは香奈枝の身体で敏也と暮らし、
それから、自分の身体を取り戻すことを決めていたー。
”あの香奈枝って女も、しばらく俺に身体を奪われてりゃ、
階段から転がり落ちるリスクを冒してでも、元に戻りたいって言い始めるだろ”
そんなことを考えながら、
香奈枝(伸樹)は、敏也の家で悠々自適に過ごし始めるのだったー。
がー、数日もすると、
敏也は、横暴な振る舞いを始めたー。
暴言に、暴力ー。
”こっち”も問題のある男だったのだー。
「ーーくそっ!!ふざけやがって!」
香奈枝(伸樹)は、敏也の急所を蹴り飛ばすと、
そのまま家を飛び出すー。
「あ~~くそくそくそくそ!変なカップルに関わることになるなんて
最悪だー」
香奈枝(伸樹)は”俺はただ入れ替わりたいだけなんだよ”と、
そう思いつつ、敏也の家から離れた場所まで走ると、
息を切らしながら、
「とりあえず、身体をこの女から取り戻さないとなー」と、
そう言葉を口にしたー。
幸い、伸樹の目論見通り、
彼氏にも捨てられた形になった伸樹(香奈枝)は
すっかりと落ち込んでいて、
今度は”階段からもう一度転がり落ちよう”という提案にも、
あっさりと納得してくれたー。
そして、香奈枝(伸樹)は、伸樹(香奈枝)と共に
階段から転がり落ちて、無事に”元に”戻ったのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからも、伸樹は
”階段から転落した相手と入れ替わる能力”で、
欲望の日々を送っていたー。
獲物を見つけては”わざと”ぶつかって、
入れ替わっていくー。
「ーーす、すみませんー。こんなことになるなんてー」
伸樹は、大学帰りの女子大生と階段から転落して、
いつものように入れ替わるとそう言葉を口にする。
「ーーい、いえ、わたしの方こそ不注意でー」
困惑の表情を浮かべながら、謝罪の言葉を口にする
伸樹になった女子大生ー。
こういう子が相手だと入れ替わる側としてもやりやすいー。
女子大生になった伸樹は
”この子、太腿がエロイな”などと、そんなことを
頭の中で考えながら、
「元に戻る方法が見つかるまで、お互いのフリをしながら
過ごすしかなさそうですねー」と、
いつものように、そんな言葉を口にしたー。
その女子大生との入れ替わりも存分に堪能して、
元に戻るー。
さらにその次は、主婦の女と階段から転がり落ちて入れ替わったり、
フリーターの女と階段から転がり落ちて入れ替わったり、
いつも通り、”入れ替わり”能力を堪能したー。
がー、
そんなある日のことだったー。
専門学校生・美乃梨(みのり)と入れ替わっていた
伸樹は、今回も美乃梨の身体を存分に堪能して、
そして”元に戻る方法が見つかった”と、
伸樹(美乃梨)に連絡、いつものように元に戻ろうと
していた。
「ーーじゃあ、行きます」
美乃梨(伸樹)がそう言うと、
伸樹(美乃梨)も不安そうにしながら頷く。
二人で意を決して階段から転がり落ちるー。
”階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力”で
入れ替わりが発生ー、
入れ替わっていた二人は”いつものように”元の身体へと戻ったー。
しかしー
「うっ… ぐ…」
元に戻った伸樹は足に激痛を感じて表情を歪めたー。
「だ、大丈夫ですか!?」
自分の身体に戻った美乃梨が驚いた様子でそう声を上げると、
伸樹は「だ、だいじょうー…」と、言いかけたものの、
あまりの痛みにその場で転がり回ってしまったー。
これで、”3回目”ぐらいだろうかー。
”階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力”は
リスクも伴うー。
前にも2度、骨折したことがあるほか、
入れ替わった相手を骨折させてしまったこともある。
「ーーへ…へへへへへー」
病院で入院しながら、伸樹は
”いってぇなぁ…”と思いながら
もう入れ替わりなんてこりごりだ、
と、その日はそう思っていたー。
しかし、退院するころには
もうその痛みも忘れて
「へへへ、次は誰と入れ替わろうかなぁ」などと
笑みを浮かべ始める伸樹ー。
伸樹と入れ替わりは
もはや”切っても切れない関係”になりつつあったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて…と、久しぶりに入れ替わるか」
専門学生・美乃梨と入れ替わった際の骨折もようやく回復した伸樹。
あの時の痛みをもう忘れたのかー、
それとも覚えているけれどやはり入れ替わりはやめられないのか、
彼はまた”階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力”を
使おうとしていたー。
「ーへへへへー…
さてと、今度はどんな子と入れ替わろうかなー?」
もう、何度入れ替わりをしただろうかー。
そんな風に思いながら、
階段にやって来る人々を見つめるー。
今日は、少し離れた場所の地方にやってきているー。
流石に毎回同じ階段で入れ替わりを狙うわけには行かないー。
同じ場所ばかり使っていたら”階段の近くでウロウロしている不審者”扱い
されてしまうし、そんなわけには行かないー。
「ーーたまにはイケメンと入れ替わってみるのもいいなー」
筋金入りの入れ替わり好き・”入れキチ”の彼は
必ずしも異性と入れ替わることだけに固執しているわけではない。
時には男同士で入れ替わることもあるし、
最初にクマと入れ替わったように動物との入れ替わりも辞さない。
「ーーお、アイツ、なかなかー」
伸樹がそう言葉を口にしたその時だったー。
「ーー!!」
伸樹が振り返ると、そこには”クマ”がいたー
「えっ…」
困惑の表情を浮かべる伸樹ー。
そのクマは身体に”傷”があったー。
「お、お、お前ー…!」
伸樹は思わず目を見開くー。
そう、このクマは、あの時伸樹を襲撃したクマ。
山中で入れ替わり能力を手に入れるために
修行していた伸樹が鉢合わせて、
伸樹が初めて入れ替わった相手ー。
その際、身体を元に戻す直前、クマの身体で自らにつけた傷が
そのクマ自身に残っていたー
「ーお、お前ー…お、俺に復讐しに来たのかー?」
伸樹がそう呟くも、当然、相手はクマ。
その質問には答えないー。
「く、くそっ…」
伸樹はそう言葉を口にすると、慌てて死んだふりをしてやり過ごそうとするー。
しかし、クマは容赦なく伸樹に攻撃を仕掛けて来たー。
「ぐふっ…!」
負傷した伸樹は、階段へと駆け込むー。
周囲の人々もクマの姿を見かけて一目散に逃げていくのが見えるー。
”くそっー、腕をやられたーでも、まだ致命傷じゃねぇー”
伸樹はそう思いながら、”またあの時みたいにクマと入れ替わるか?”と、
そんなことを考えるー。
が、今、ここでクマと階段から転がり落ちて、
クマと入れ替わってしまったら、
自分が”クマ”として駆除される結末になってしまうかもしれないー。
それじゃ、完全にバッドエンドだ。
「ーーーー」
伸樹はふと、まだ階段周辺にいる人を見つめるー。
あの人にタックルを仕掛けて入れ替われば、
クマをやり過ごせるかもしれない。
ただ、”俺の代わりに俺として死んでくれ”みたいなことは
伸樹はしたくないし、最終的に自分の身体を手放すつもりは
あまりなかったー。
「ーーくそっ…クマの野郎ー」
伸樹がそう思いながら階段を駆け下り始めると、
クマも物凄い勢いで迫って来たー。
クマの攻撃を受けて吹き飛ばされる伸樹ー。
同時に、クマはバランスを崩して階段を転がり落ちていくー。
吹き飛ばされた伸樹は、転がり落ちるクマを少し離れた場所から見つめながら
苦しそうに笑うと、その場で意識を失うのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー!」
病院で意識を取り戻した伸樹は、
表情を歪めるー
「い、いてっ…」
伸樹はそう言葉を口にすると、
「おー…俺、生きてるー!?」と、そう呟いたー。
伸樹は、ギリギリで助かったー。
何か所か骨折していて、腕は特にひどい状態であったものの、
辛うじて助かり、
病院の看護師に確認したところ、
あのあと、階段から転落したクマは、駆け付けたハンターらによって
駆除されたとのことだったー。
「そうですかー」
伸樹は安堵の表情を浮かべるー。
が、この調子では暫く入れ替わりはできないー。
また、大人しくしているしかない。
「ーーま…どんなことになっても、入れ替わりをやめるつもりはないけどなー」
伸樹はそう言葉を口にしながら、
静かに笑みを浮かべるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その数日後ー。
「ーーがぁああああああァ!」
突然、雄たけびを上げながら、
若い女が部屋に乱入してきたー。
「ーーはっ!?えっ!?なに!?」
伸樹がそう言葉を口にすると、
その女は、伸樹に突然噛みついて来るー。
「お、おいおいおいおいー!?」
伸樹が慌ててナースコールを押すと、
その女は取り押さえられて連行されていくー。
「あ、あの子はー?」
伸樹がそう事情を確認すると、
”階段から転がり落ちたクマとぶつかって怪我をして入院中の子です”と、
看護師はそう説明してくれたー。
ただ、病院に搬送されてから様子がおかしく、
人の言葉を話さず、ずっとあんな調子なのだというー。
”ま、まさかー”
その話を聞いた伸樹は困惑の表情を浮かべるー。
”ーまさか、あのクマも俺と同じで
階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力を手に入れてたんじゃー?”
そう思いながら、表情を曇らせる伸樹ー。
たしか、クマは駆除されたと言っていたー。
だとするとー…
あの女子高生らしき子の中身はもうー…
伸樹は、大きくため息を吐き出すと、
”階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力を持つ俺と、
階段から転がり落ちた相手と入れ替わり能力を持つクマかー”
と、内心でそう言葉を吐き出してから、
「これからも付き纏われそうだな」と、改めてため息を吐き出すのだった。
おわり
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コメント
最終回でした~!★
ちなみに、いつも数字のあとにサブタイトルがありますが
階段から転がり落ちた相手と~では、
元々の題名が長すぎるのでつけませんでした~笑
お読み下さりありがとうございました~~!
「「階段から転がり落ちた相手と入れ替わる能力」を持つ男」目次
★作品一覧★

コメント
まさかの展開…最初も最後もクマに持っていかれましたネ!★
伸樹よりある意味クマの方が上でしたネ!★!★
伸樹とクマの入れ替わりストーリーが続いて…もうクマじゃないですが…
感想ありがとうございます~!★
クマから始まってクマに終わる物語デス~!笑
もしも続きがあったら、またクマさんと…★