トイレの花子さんと入れ替わった直樹ー。
しかし、花子さんは”もう1日だけ”と言い始めて、
直樹は仕方がなくそれに同意したものの…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ー♪~~~~」
楽しそうに授業を受ける直樹(花子さん)ー
ずっと”トイレ”にいることしかできなかった
”花子さん”にとっては、勉強だって楽しいー。
同じぐらいの年齢の普通の子からすれば、
勉強はイヤかもしれないけれど、
少なくとも、ずっとトイレにいるより何倍もマシだー。
「ーーーーーーーーー」
康介は、そんな直樹(花子さん)の様子を
不思議そうに見つめるー
悪霊を退治することができる康介は
学校内で最近噂になっている”花子さん”のことを
探していたー。
しかし、康介は”花子さん”にはたどり着くことが出来ずー、
まだ”花子さん”を退治することはできていなかったー。
”「ーー僕が1回、花子さんに会ってみたくてー」”
そんな、直樹(花子さん)のことを思い出すー。
”花子さんを退治するのは待ってほしい”
そんな風に言われていた康介ー。
がー、そんな発言を康介は不審に思い始めていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーねぇ!約束が違うよー!
もう、4日目だよ!
いつ、”とりかえっこ”を終わらせてくれるのー!?」
花子さん(直樹)がそう言うと、
直樹(花子さん)は「ふふふーそんなに怒らないでよ”花子”さんー」
と、クスクスと笑いながら言葉を口にするー。
”身体”を入れ替えられただけではなく、
”花子さん”と呼ばれると余計に不安になるー。
まるで、”身体”も、”名前”も、
両方、取られちゃったようなー、そんな気がしてー。
「ーーぼ、僕は”花子さん”じゃないー!
直樹だよ!」
花子さん(直樹)は、たまらずそう叫ぶー。
すると、直樹(花子さん)はクスッと笑ってから
言葉を口にしたー。
「ひとりじゃ寂しいって言ったよねー?
だったら、”人間”と話せる方法を、教えてあげるー」
直樹(花子さん)はそう言葉を口にしたー。
”花子さん”が人間の前に姿を見せて、
声を掛けられる条件ー。
それは、トイレの個室に入り、強く念じることで扉を閉め、
その扉に気付いた、あるいは近付いた人間になら、
”声”を掛けることができるー、
そんな方法だったー。
直樹が最初に花子さんと出会った時もトイレの個室が閉まっていて、
直樹がその扉をノックしたからだったー。
”そっかー、それで僕は花子さんとー”
そう思いながら「わ、わかったよー。もう少しだけだよ」と、
入れ替わりを続けることを承諾するー。
話を終えてトイレの外に出た直樹(花子さん)は、
まるで悪戯っ子のように、不気味な笑みを浮かべたー。
それ以降ー
”花子さん”は、直樹に会いに来なくなったー
”身体も名前も取られちゃう”
そう思った花子さん(直樹)は、”条件”を満たして
みんなに助けを求めようとしたー。
「ーーーお、お願い、話を聞いて!」
「ーうわああああああ!”は、花子さん”だ~~!」
男子生徒が悲鳴を上げて逃げていくー。
「僕、花子さんじゃなくて、3組のーー」
「ーひっ…は、”花子さん”ホントにいたの!?!?」
女子生徒が悲鳴を上げて逃げていくー
「ぎゃあああああ!」
「うわっ!は、花子さんー!」
「ー花子さんが出たぞ~~~~!」
他の子たちに”接触”すると、みんな驚いて
”花子さん”から逃げていき、話をすることはできなかったー
「ーーーーーだから言ったでしょ?
あなたは”花子さん”だってー?」
久しぶりに”花子さん”の前に姿を現した
直樹(花子さん)がそう言い放つー。
「ーー僕が…花子…さんー」
放心状態で呟く花子さん(直樹)ー
「ーみんな、あなたのこと”花子さん”って呼んだでしょ?
誰か一人でも”直樹くん”って呼んだー?
でもねー、わたしー、
ううんー”僕”は、毎日みんなから”鈴野くん” ”直樹”って
呼ばれてるー。
だからねー
もう、わたしが”直樹くん”で、あなたが”花子さん”
なんだよー?」
花子さん(直樹)はニヤッと笑うー。
”人前に姿を現す方法”を”あえて”教えたのは
そのためー。
”花子さん”と呼ばれる絶望を植え付けるためー
クスッと笑いながら
直樹(花子さん)は立ち去っていくー。
そして、その翌日ー。
「ーーー鈴野くんー」
悪霊を退治している親友・康介が
直樹(花子さん)を呼び止めたー。
「ーーん?どうしたのー?」
直樹(花子さん)が言うと、
康介は”疑いの目”を直樹(花子さん)に向けたー。
”花子さんの退治はもう少し待ってほしい”と言われたこと、
最近妙に直樹が楽しそうなことー
そんな振る舞いから”違和感”を抱いていた康介は言うー。
「ーー鈴野くんー”花子さん”とこっそり会ってないかー?
最近、よくトイレに行くしー」
その言葉に、直樹(花子さん)はニヤッと心の中で笑うー
”これ”を待っていたー。
あとはー、”康介”を”花子さん”のところに案内するだけー。
「ーなんだぁ~バレちゃったかぁ~
ごめんねー」
直樹(花子さん)がそう言うと、
康介は「悪霊と関りを持てば必ず不幸になるー」と、そう言いながら、
”俺を花子さんのところに案内するんだ!”と、直樹(花子さん)にそう迫ったー
康介が”直樹に抱いていた違和感”は、
”中身が入れ替わったのではないか”なんてことではないー。
単にー、”直樹がこっそりと花子さんと会っているのではないか”と、
そう思っていただけー。
真相に気付かないまま、康介は
”直樹(花子さん)”に案内されて、放課後にトイレへと向かったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー!」
花子さん(直樹)は、直樹(花子さん)がやってきたことに気付いて、
「ーーや、やっと来てくれたんだねー!
酷いじゃないかー!」と、そう言葉を口にするー。
がー
直樹(花子さん)はクスッと笑うとー
「ー”花子さん”、みんなを驚かしちゃだめだよー。」と、
それだけ言葉を口にしてから
”一緒にやってきた”親友の康介を”紹介”したー。
「ー”僕”の友達ー、”悪霊退治”をしてるんだー」
直樹(花子さん)は、直樹も知っているであろうことをあえて紹介するー。
自分のことを”僕”と称し、
さらには”僕の友達”として紹介することで、
ぜんぶ、”とられちゃった”ことを知らしめるためにー
「ーーー!」
花子さん(直樹)は驚くー。
「ーーお前が”花子さん”かー。
ー幽霊にしては可愛いから少し気が引けるけどー、
でも、みんな怖がってるんだー。悪く思わないでくれよ」
康介はそれだけ言うと、札を手にするー。
「えっ…!ま、待って!」
花子さん(直樹)は慌てた様子で叫ぶー。
しかし、”狭いトイレ”ー
入口から入って来た康介を”よけて”トイレの出口に向かうことは
難しいー。
「ーーま、待って!!!康介ー、僕だよ!!」
花子さん(直樹)がそう叫ぶー。
直樹(花子さん)は、
「ーーあははー何を言ってるの?”花子さん”ー」
と、そう言葉を口にすると、
康介は「”俺にその手は通用しない”」と、そう断言するー。
幽霊の中には”人間に取り憑いて悪さをする”ものもたくさんいるー。
そしてー、そんな幽霊の中にはーーー
”ーーわたしだよ!幽霊なんかいないよー”
「ーーー」
かつて、退治した悪霊のことを思い出す康介ー
そう、幽霊の中には”取り憑いた人間のフリ”をして、
惑わそうとする者もたくさんいるのだー。
そんな悪霊を康介は今までにたくさん見て来たー。
「ー残念だけど、俺にその手は通用しないー」
康介はそう言うと、札を花子さん(直樹)に向けるー
「ま、待ってー…う、うわあああああ!」
悲鳴を上げて花子さん(直樹)が、トイレの外に向かおうとするー。
直樹(花子さん)は、そんな”かつての自分”を見つめながら、
少しだけ笑みを浮かべるー。
”トイレの外”には出られないものの、
トイレの出口に向かえば”学校内の別のトイレ”にワープする感じになるー。
花子さん(直樹)はそうして、一旦、康介から逃げようとしているのだー。
「逃がすと思ったかー?」
康介がそう言葉を口にすると、トイレの出口に飛び込んだ
花子さん(直樹)の身体が、弾かれるようにして
トイレの中に引き戻されたー。
「ー!?」
花子さん(直樹)が、驚いていると、
トイレの出入り口のあたりに”札”が貼られていることに気付いたー
具体的にその札が何の効果を持つのか、花子さん(直樹)には
分からなかったけれど、
”花子さんの逃亡”を許さない何らかの結界のようなものを
張っているようだったー。
「ーま、待ってーー康介!僕だよ!」
花子さん(直樹)が必死に叫ぶー。
けれどー
「ーお前たち悪霊は、そうやって”人間のふり”をするー
その手には乗らないー」
康介がそう言い放つー。
花子さん(直樹)は、悲しそうな表情を浮かべながら
「ホントに、ホントに僕なんだ!」と、叫ぶー。
けれどーー
「ー”花子さん”僕の真似をしないでよ!」
直樹(花子さん)はそう叫んだー。
「ーーーーは、は、花子さんはそっちだろ!」
花子さん(直樹)は怒りの形相で叫ぶー。
「ーー何を言ってるの?僕は”直樹”だよー。」
直樹(花子さん)はなおもそう言い返すと、
「ーーじゃあ、”先週の金曜日”ー、
音楽の授業で歌ったのはー?」
と、直樹(花子さん)が続けたー
「ーーーえ」
花子さん(直樹)は、戸惑うー
何故なら”先週の金曜日”は、もう入れ替わったあとだから、
知らないのだー。
先週の木曜日のことー、
先週の水曜日のことー、
色々なことを質問されるー。
全部、答えられないー。
そんな様子を見て、直樹(花子さん)は笑うと、
「ほら、”花子さん”は何も知らないー」と、そう言ったー。
「ーち、ちがっ!僕はーー僕は!」
花子さん(尚樹)がそう言うと、
親友だったはずの康介が敵意の眼差しを向けながら
札を手にしたー。
「ーーー~~…」
呆然とする花子さん(直樹)ー
”花子さん”は、最初からこれが狙いだったんだー、と気付くー。
僕の身体ー
僕の名前ー
そして、僕の”親友”まで奪われたー
全部、全部、取られちゃったーー。
「ーーー」
絶望した花子さん(直樹)は、目の輝きを失って
自暴自棄になって言葉を口にするー。
「ーーそうだよー、僕は花子さんだよー」
とー。
花子さん(直樹)ー
いや、”花子さん”は、気が触れたように笑いながら、
「ーー退治なんてされてたまるかぁ!」と、そう叫びながら
康介に向かってくるー。
「本性を現したなー」
康介はそう言うと、”花子さん”の攻撃を避けて
そのまま花子さんに札を貼り付けるー。
「うっ…」
”花子さん”は、直樹(花子さん)の方を見つめるー
驚きと絶望の表情を浮かべながら
悲鳴を上げるとー
”花子さん”は、そのままトイレの中で煙のようになって消滅したーーー
「ーーふんー。俺の親友の名前を騙るなんてー」
康介は、”花子さん”を退治し終えると、
そんな言葉を口にしてから、そのままゆっくりとトイレを後にしていくー。
「ーーーーーさようならー”花子さん”ー」
元の”自分”が消えたおかげでー
さらにこの身体と魂が結びついた気がするー
直樹(花子さん)はーー
今日、この瞬間、自分が”鈴野 直樹”になったと確信して、
笑みを浮かべたー
「ー僕は鈴野 直樹だー」
”直樹”はそう言葉を口にすると、
そのまま笑みを浮かべてから、親友の康介の後に続いて、
ゆっくりと歩き始めるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから、時が流れて、
”卒業式”目前を迎えていたー
”直樹”は、楽しそうに、
友達と話をしながら”卒業式”の予行練習をしているー。
そんな中ー、
親友の”康介”は、家で、最近近隣に出没しているという
”夜道で人間に声をかけて驚かす悪霊”を退治するために
悪霊のことを色々と調べていたー
が、”偶然”その時にある記述を見つけたー。
”入れ替わりのおまじない”で身体を奪おうとする悪霊がいるー、
そんな、記述だー。
「ーーーー」
康介は最初、何とも思わなかったものの、
ふと、随分前に”退治”した、トイレの悪霊ー、花子さんのことを思い出すー
”「ホントに、ホントに僕なんだ!」”
「ーーーー」
康介は少しだけ表情を歪めるも、「まさかなー」と、それだけ呟くー。
仮にーーー
仮にー”そう”だったとしてもー、
もう、何もかも手遅れだー。
康介は少しだけ動揺しながら、
「ーー花子さんー」と、ボソッと、直樹の近くで呟いたー。
が、”直樹”が反応することはなかったー。
”そうだよなー。俺があの時退治したのは、花子さんだー”
そんな風に自分に言い聞かせる康介ー。
やがて、”直樹”は、康介に気付くと、
「ーーあ、康介!ほら、卒業式の準備、康介も手伝ってよ!」
と、楽しそうにそんな言葉を口にしたー。
おわり
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コメント
リクエスト特典で頂いた、飛龍様からのリクエストを元にした作品でした~!★
今回頂いたリクエストの原文は、
・この前の花子さんとの入れ替わりのダークなバージョンをお願いします
・花子さんが元から主人公の体を奪って人間の男の子として生きるのが目的
・花子さんになった男の子は親友の手で消されてしまう
こんな感じでお願いします。
ちょっとこだわりとして、元男の子が花子さんとして消されちゃった後は、
男の子の体の花子さんの名前表記を例えば「直人(花子)」から「直人」に変えて欲しいです。
と、いうものでした~~!
(※直人は、前回の時の男の子の名前デス~!)
前回の”花子さん”とは違って身体を本気で
奪いに来ていたので、身体を奪われてしまいましたネ~…!
前のお話をベースにダークバージョンを書くことは、
実はあまり普段はやっていないので、新鮮な気持ちで私も楽しめました★!
お読み下さりありがとうございました~!

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