Skeb<憑依>人間として生きたくなった悪の怪人さん NEXT

※本作品は、Skebでご依頼を受けて執筆・納品済みの作品デス!
 内容はSkebに納品したものと同じデス!

※SKebでリクエスト内容も含めて
 誰でも見られるようになっているので
 こちらでも、誰でも見れる部分は同じように掲載しています~!

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★リクエスト内容★
※ご依頼者様から頂いた内容デス!

お疲れ様です!

 いつも素晴らしい作品をありがとうございます!
 微力ながら応援としてSkeb依頼させていただきました。

 僕からの作品指定は無いので、無名さんの歴代作品の中で「お気に入り」の作品の続編を、
 ご迷惑でなければよろしくお願い致します。

 失礼致します。

★★★★

↓ここからスタートデス!

・・・

”人間として生きたくなった悪の怪人さん NEXT”

★リクエストありがとうございます★
お気に入り作品ということで、
今回は”人間として生きたくなった悪の怪人さん”を
選んでみました!
お楽しみいただけると嬉しいデス!!

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”己の使命”は分かっていたー。
人間の身体を拝借して、
その身体を使って”組織”のためにー、
”魔帝国デビルピア”のために
デビルピアの研究を邪魔する研究者の息子・
大原 敬之(おおはら のりゆき)に接触ー、
情報を引き出すことー。

がー、彼はー
怪人・ガイラスはその使命に反してしまったー。

組織のために働く、
その使命の重要さは理解しているー。

それでも、その”使命”などよりも大事な”夢”が見つかってしまったー。

それが、”人間として生きたい”という思いー。
乗っ取った女子大生・由梨花(ゆりか)の身体で、
大原 敬之に接触していくうちに、人間として生きたいという感情が
強まり、それを押さえ込むことができなくなった。

けれど、魔帝国デビルピアはそれを許さないー。
”裏切り者には、死”ー。

怪人の”イフリート”と”サリー”らが、由梨花の身体を使って
人間界で行動しているガイラスの様子を”監視”していたー

逃れることのできない、棘となってー。

それでも、ガイラスは”人間として”、
”由梨花として”生きる道を選んだー。

サングラスの男の身体を使っていた”イフリート”を倒し、
さらには、由梨花の親友・真桜の身体を5年以上も使って
人間界で行動していた”サリー”も倒し、
そして、囚われの身になったー。

しかし、囚われの身になったガイラスに
大原博士は、”新しい身体”を提供してくれたー。

それは、莉愛(りあ)という昏睡状態に陥っていた子の身体ー。

さらには、”監視”として、
ガイラスが愛してしまった息子の敬之を”つける”ことで、
ガイラスが、人間として、女として、
敬之と一緒に引き続き、人間界で生活できるように
計らってくれたのだー。

しかしー…

「ーー”使いやすい入れ物”ってー、
 なかなか捨てられないもんね?」

邪悪な笑みを浮かべながら、小悪魔のような風貌の怪人・サリーが
笑みを浮かべるー。

サリーが”器”として使っていた真桜ー。
その真桜が入院している病院に、再びサリーが姿を現したのだー。

「ーーあ、あなたはー」
驚いた様子の真桜を見て、サリーは笑みを浮かべるー。

「ー”入れ物”は黙って入れ物らしくしていればいいのー」
それだけ言葉を口にすると、サリーは真桜にキスをするー

真桜の中に再び入り込んでいくサリー。
真桜はビクンビクンと震えながら、しばらく苦しそうにしていたものの、
やがて、不気味な笑みを浮かべて立ち上がったー。

「ーーー人間なんて、ただの入れ物ー。
 ー入れ物に愛着を持つなんて、馬鹿みたいー」

真桜はそれだけ言葉を口にすると、
自分の指をペロリと舐めてから、
そのままゆっくりと歩き始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーそれにしても、不思議な気分だなぁー」

”人間”としての生活を手に入れた怪人・ガイラスー…
現在は”莉愛”として生きているガイラスの横にいた
彼氏・敬之がそう言葉を口にしたー。

「ーーー不思議って?」
莉愛がそう言葉を口にすると、
敬之は少しだけ笑ったー

「いやー、ほら、”見た目”は違うけど、
 やっぱり、君といると”同じ安心感”があるなぁって思ってさー」

敬之のその言葉に、
莉愛は少し照れ臭そうに笑うー。

最初は”由梨花”と付き合っていた敬之ー。
しかし、怪人・ガイラスは由梨花の身体を使うことができなくなったため、
今は敬之の父親である、大原博士から与えられた”莉愛”の身体を使って
人間として生きているー。

ただー、”由梨花”と”莉愛”、身体は違うのに、
やっぱり一緒にいると”同じ安心感”があるー。

”好きになったその人”と一緒にいるという安心感を
しっかりと感じることができたー。

「ーごめんねー…
 彼女が怪人でー、しかも、男なんてー」
莉愛が少し自虐的に笑うー。

莉愛の身体を使っている怪人・ガイラスは”男”ー。

けれど、任務のためにと、女の身体を使っていたことで、
”女”として、敬之のことを好きになってしまったー。

人間としての感情が芽生えたのが、
女の身体を使っているときだったために、
人間の女性として、人間としての自我を持ってしまったー。

「ーーいや、そんなこと全然気にしないよー
 俺は、”莉愛”の中身が好きなんだしー、
 怪人だろうと、何だろうと気にしないさー」

敬之は笑うー。

「ーーうんー。ありがとうー」
莉愛は、そう言葉を口にしながら微笑むー。

穏やかに揺れる木々を見つめながら、
”莉愛”として生活を続けるにつれてー、
”人間の女性”に、心の底まで変わったことを
改めて実感するー。

自分が怪人だったー、という感覚も、
自分が男だった、という感覚も、
日に日に薄れているー。

”魔帝国デビルピア”の一員として
任務をこなしていたあの日々には、もう戻れないー。

今では自分のことを”俺”と言うこともなくなったー。
”表”だけではないー。
”心の中でも”だー。

”わたしはわたしー”
”わたしは、もう、莉愛なんだからー”

莉愛となったガイラスは改めてそんなことを思いながら、
「ー敬之といっしょにいられて、本当に嬉しいー」と、
そう言葉を口にすると、
敬之に嬉しそうに身体を密着させるー。

「ー俺もだよー」
敬之はそう言葉を口にすると、
「これからも、たくさん一緒に思い出を作っていこうー」と、
穏やかな口調で言葉を口にしたー。

揺れる木々は、
そんな二人を祝福しているかのようにも見えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかしーーー

「ーーー何の用ー?」
”人間界でのバイト”帰りに、
夜道を歩いていた莉愛が立ち止まるとー、
「ーそう怖い顔すんなよー。”ガイラスちゃん”よー」
と、”老婆”が姿を現したー。

「ーークロノスー」
老婆の身体を使って、莉愛に会いに来た怪人”クロノス”ー

莉愛はすぐにそれに気づくと、そう言葉を口にするー。

”クロノス”は、魔帝国デビルピアの怪人の一人で、
莉愛として人間界で生きる道を選んだガイラスの
”好敵手”的存在だった怪人だー。

人間界で生きる道を決めたガイラスのために、
”ガイラスを処刑した”と、デビルピアの首領・”魔皇”に
嘘の報告をして、ガイラスが人間界で生きる道を
”支援”してくれた怪人だー。

「ーーへへー
 いや、今は”莉愛ちゃん”かー」
老婆の身体でクロノスはそう言葉を口にすると、
「ーーーわたしのことは、もう放っておいてー」と、
莉愛が悲しそうに言葉を口にするー。

その言葉に、老婆の身体を借りているクロノスは
少し表情を歪めるー。

”もうー、心の底から女になっちまったんだなー”
とー。

前は、クロノスの前では、由梨花の身体を使っている時でも
”素のガイラス”で話をしていたー。

が、今はあくまでも”莉愛”として話すガイラスを見て
クロノスは少しだけ寂しさを覚えるー。

「ーーへへー
 小娘になったお前に用はねぇよー

 ただー」

老婆の身体でクロノスはそう言うと、
莉愛のほうを見つめたー。

「ーただー、”サリー”の奴が、お前を狙ってるんでなー
 ”忠告”しておこうと思っただけさー」

老婆の身体で、クロノスはそう呟くー。

「ーサリー…?
 ーーーあの時、倒したはずだけどー」

莉愛がそう言うと、
老婆の身体でクロノスは言ったー

「いや、あいつはしぶといからなー
 まだ、生きてるー。
 また、”前使ってた身体”でお前を狙ってるからー
 人間として、この先も行きたいなら
 せいぜい、気を付けるんだなー」

老婆の身体で、クロノスはそれだけ言葉を口にすると、
そのまま立ち去って行こうとするー。

「ーーーわざわざありがとうー」
莉愛がそうお礼を言うと、
老婆の身体を借りているクロノスは
振り返ってから「ーお前とサリーちゃんー、どっちが負けた方がイイかーって
考えたらー、あの鬱陶しい奴が消えてくれたほうがいいと思ったから
お前に助言しただけだー」と、それだけ呟くと
そのまま闇の中へと姿を消したー。

「ーーーーーー」
莉愛は、少しだけ表情を曇らせると、
「ーわたしはーーこの幸せを絶対に手放さないー」と、
力強く、そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人間としてー
彼氏の敬之と一緒にカラオケを楽しんだー

”歌う”なんてこと、怪人のときはしたことがなかったー

最初は恥ずかしかったけれど、
どうすれば可愛く歌えるか考えたりするのは
とても楽しかったー

歌っていると、”莉愛”の身体はとっても
気分が高揚したー。

元々、莉愛という子は小さい頃は歌が大好きだったらしいー

「ーはは、すごいよ莉愛」
敬之は感心した様子で、拍手をするー。

”莉愛”の身体を使い始めたとき、
”何て呼べばいいかなー?”と、敬之は少し戸惑っていたー。

でも、最終的に”これからは莉愛として生きるからー”と、
”莉愛”と呼んでもらうことにしたー。

今では、彼、いや、彼女の名前は”ガイラス”ではなく、”莉愛”ー

「ーあ~~今日もホントに楽しかった~」
カラオケに、買い物に、ゲームセンターに、色々と楽しんで
充実したデートを終えた莉愛は、
嬉しそうに微笑むー。

その笑顔を見て、敬之は”誰よりも人間らしい莉愛”のことを
改めて、愛おしく思うー。

がーー、
そんな帰り道ー

その”幸せな時間”を邪魔する者が現れたことを
莉愛は悟るー。

敬之と話をしていた莉愛は、
突然、険しい表情を浮かべると、夕日のほうを見つめながら
「敬之ー……わたし、”まだ”狙われてるみたいー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーー…莉愛ー?」
敬之は心配そうにしながらも、莉愛が”歩きながら自然に話をしてほしい”と
小声で呟いたため、それに従うー。

”サリー”にまだ狙われていることを告げる莉愛ー。

「ーわたしは、普通に人間の女として、
 楽しく過ごしたいだけなのにー
 許してくれないみたいー」

心底悲しそうに、目に涙を浮かべながらそう呟く莉愛ー。

莉愛は、”一人でサリーを人気のない場所に誘い込むから”と、
そう言葉を口にした上で、
”サリーの始末は自分でつける”と、そう続けたー。

そしてー

「ごめんねー。わたしといると、敬之にも迷惑をー」

と、目に涙を浮かべながら
”大好きな人”を、また戦いに巻き込んでしまいそうなことを
謝罪するー。

がーー
敬之は、そんな莉愛をー、
怪人・ガイラスが使う莉愛の身体を、優しく抱きしめたー。

「ーー迷惑をかけて、かけられてー、
 でも、お互いに支え合っていくー。

 それが、”人間の恋愛”だよー

 だから、莉愛は気にしなくていいー

 俺だって、迷惑をかけることもあるだろうし、
 莉愛も、俺に迷惑をかけることなんて、気にしなくていいー」

敬之はそれだけ言うと、
莉愛から離れて笑うー。

「ーーそれに俺はー、
 怪人と戦う博士の息子だからさーー

 ーーー俺だって、覚悟はできてるー」

敬之のその言葉に、
莉愛は目に涙を浮かべながら「敬之ーー」と
言葉を口にするー

そんな様子を”監視”していた
怪人ー”拷問天使”の異名を持つ”サリー”は、
真桜の身体で姿を現したー

「あ~~~~~~~~~~
 ~~~~~~

 ”入れ物”と何イチャイチャしてんだよー
 ーーきっもちわるぅ!」

真桜が、吐き気を催すようなジェスチャーをしながら、
そう言葉を口にすると、
莉愛は「サリー…」と、そう言葉を口にするー

”真桜”のことは知っている敬之も、表情を歪めるー。

「ーーねぇねぇねぇ、
 乙女みたいになっちゃってーーー

 ーーー恥ずかしくないの~~???」

真桜はクスクス笑いながら、莉愛を見つめるー。

莉愛は、そんな真桜の”顔”を見て、
表情を歪めるー

片目は赤く染まり、
顔に謎の模様のようなものが浮かび上がっているー。

「ーーー…それはー」
莉愛が言うと、真桜はクスクス笑いながら、
「ー”入れ物”にわたしの魔力を馴染ませるためー
 改造しちゃったの!くふふふふっ!
 もう、この入れ物は、わたし専用ってこと!すごいでしょ!」
と、自慢げに、不気味に伸びた爪をペロリと舐めるー

乗っ取った真桜の身体に、”魔力”を充満させて、
真桜の身体自体を”サリー用”にカスタマイズしたというのだー

「ーそんなことしたら、真桜はー!」
莉愛が怒りの形相を浮かべると、
真桜は笑うー。

「入れ物がどうなろうと、関係ないもんー」
とー。

「ーーーーっ」
莉愛は表情を歪めると、
「ーーーわたしはーー守るー。今の幸せをー」と、
そう言葉を口にしながら、真桜のほうを見つめるー。

「ーー莉愛ー。
 ”アイツ”を弱らせて捕らえることができれば
 父さんが何とかしてくれるー」

敬之が小声でそう言葉を口にすると、
莉愛は静かに頷くー。

「ーー何が”今の幸せ”よー。
 ーーー馬鹿みたいー

 ーー滅茶苦茶に壊してやるー
 歪ませてやるー」

真桜が片目を赤く光らせながら笑うと、
莉愛は「ーーそんなことさせないー」と、
そんな言葉を口にして、
真桜の身体を使うサリーと対峙したー。

サリーは、真桜の口から直接、毒針のようなものを
吐き出して攻撃してくるー。

それを、なんとか回避した莉愛ー。

”ーー人間の身体だとー、避けるのがやっとーでも…”
莉愛は表情を歪めながら、
”わたしは人間ー”と、自分にそう言い聞かせて、
絶対に”ガイラス”としてー、
莉愛の身体から抜け出して、戦うようなことはしないと
心の中で誓うー。

「あははっ!すごいでしょ?
 この入れ物ー」

真桜が自分の身体を嬉しそうに触りながら言うー。

「ーわたし用に”改造”しちゃったからー、
 そのまま”わたし本来の力”を出せるようになったの!」

真桜はそう言葉を口にすると、
人間ではあり得ないような、ジャンプをして、莉愛の前に
やってくるー。 

「ー早く、その”入れ物”から出て来なよー
 ガイラスぅー」

真桜が邪悪な笑みを浮かべるー。

「ーわたしはガイラスじゃない。莉愛よー」
莉愛がそう言い返すと、
真桜は「くっだらなー」と、吐き捨てるように呟くと、
莉愛を蹴り飛ばすー。

吹き飛ばされる莉愛ー。

敬之が「くそっ!」と、そう呟きながら、
真桜を押さえつけようとするも、
真桜は「人間の分際で、わたしに歯向かわない方がいいよ?」と、
そう言葉を口にしながら、敬之の腕を掴んで、
その腕を”変な方向”に曲げてみせるー。

「ぐああああっ!」
その場で腕を抱える敬之ー。

「ーーあはははは
 人間なんて、すぐ壊れちゃういびつな入れ物ー
 そんな入れ物に、な~に、目をうるうるさせて
 愛情なんて感じちゃってるの?」

真桜は笑いながら、莉愛を見つめるー。

それでも莉愛は、真桜を睨みつけながら、
「ー人間にはー素敵なところがたくさんあるーー
 あんたには、永遠に分からないと思うけどー」と、
そう言い放つー。

「ーチッ」
不愉快そうに舌打ちをする真桜。

真桜は口から毒針を飛ばして、
空を飛ぶかのように跳躍すると、
その爪で、莉愛の腕を切り裂くー。

さらに、バク転のような動きをして、
再び莉愛に近付くとー、
衝撃波のようなものを放って、莉愛を吹き飛ばすー。

吹き飛んで倒れ込んだ莉愛の目の前に
すぐに近づいてくると、
禍々しいハイヒールのようなもので莉愛を
何度も、何度も何度も踏みつけていくー。

「ーあははは!ほら!
 その入れ物から出て来なよ!ガイラス!

 そんな貧相な身体じゃ、わたしには勝てないよ!
 
 ほら!出てこい!」

真桜が、血走った目で笑いながら、
莉愛の中にいる”ガイラス”に出てくるように叫ぶー。

「ーわたしに屈辱を味合わせたあんたをー
 八つ裂きにしないと、わたしの気が済まないー!

 出てこい!出てこい出てこい出てこい!」

真桜は、何度も何度も何度も、そう叫んだー。

けれど、莉愛はー
莉愛の中にいるガイラスは”出て”来なかったー。

「ーーー早く、その”入れ物”から出てこいって言ってるのよ!」
真桜は、ヒールで、莉愛の顔面を踏み潰そうとするー。

がーー
腕を折られた敬之が、真桜に突進して、
真桜が吹き飛ばされるー。

その隙に起き上がった莉愛は、
真桜と敬之のほうを見つめるー。

「ーー敬之!」
莉愛がそう叫ぶと、敬之は
「大丈夫さー。彼女を守るのも、彼氏の役目だー」と、
そう言葉を口にするー。

しかし、吹き飛ばされた真桜が、鬼のような形相で
立ち上がると、
そのまま、”爪”を、さらに鋭く尖った姿へと”変形”させたー。

「ーーー!!」
莉愛が驚いたような表情を浮かべるー。

「ーーえへへへへー
 あんたの目、覚まさせてあげるー」
真桜が模様の浮かび上がった顔を歪めながら呟くー。

「”こいつ”がいるから、
 あんたは人間として生きたいとかなんとかー、
 おかしなことを言い出したんでしょー?

 だったら、”こいつ”を排除して、
 人間は入れ物だとー、
 人間はわたしたちにとって”モノ”でしかないと分からせてあげるー」

真桜が、それだけ言葉を口にすると、
鋭い爪を、敬之の首筋めがけて振り下ろそうとしたー

「ーーーー!!」
敬之は”死”を覚悟したー。

同時に、思うー。

”俺がいなくちゃ、誰が莉愛のことを支えてあげるんだー”
とー。

でも、自分はただの人間だー。
”人間相手”なら立ち向かうこともできるー。

けれど相手は”怪人”
人間とはそもそも身体の作りも違うし、
戦闘能力ー、そういった面も大幅に違うー。

敬之は、それでもー、とー、
せめて、”負けない”という意思を、
真桜にー、真桜の中にいる”サリー”に示すー。

死を目前にしても、決して”折れない”という固い意思、
それを目で示したー。

「ーーーうざ」
真桜はそれだけ言うと、「死ねー」と、そう言葉を口にして、
改めて爪を振りかざしたー。

「ーーーーー!」
莉愛は、思うー。

”この場で、莉愛の身体から抜け出せば”ー
怪人・ガイラスとして、真桜に全力で攻撃を叩き込めばー、
間に合うー…

敬之を救うことができるー、とー。

莉愛の身体でも、自分の力を最大限に発揮すれば、
攻撃が敬之に直撃する前に、
真桜の元にたどり着くことはできると思うー。

けれどー…

”敬之を救い、自分も無事でいる”
そのためには、莉愛の身体から一旦抜けて、
ガイラスとして真桜を倒すしかなかったー。

ただー、
それをしたらー…

なんだか、”また”自分が人間じゃなくなってしまう気がしたー。

だからーーーー
”こうする”しかなかったー。

敬之を鋭い爪で攻撃しようとした真桜の前に、
”莉愛”が立ちはだかったー。

「ーーー敬之ーーー!」
莉愛は、両手を広げて、敬之を自らの命をかけて守ろうとしたー

「ーーー莉愛ぁ!!!」
敬之は驚いて、莉愛のほうを見つめるー。

真桜は、”莉愛が敬之を庇おうとした”ことを、
その目で確認した上で、
邪悪な笑みを浮かべながら攻撃を”続行”したー。

莉愛は”ほんの少しの間だけでも、わたしを人間にしてくれてありがとうー”と、
心の中で、敬之に対する感謝の言葉を口にするー。

そしてーーー
目を閉じるーーー

「ーーーーーー」

がーーーー

いつまで経っても”痛み”は来なかったー。

莉愛が恐る恐る目を開くとー、
目の前で、”真桜”が倒れていたー。

その背後にはーーー
”怪人”のクロノスの姿があったー。

「ーーーケッ、その姿じゃ、やっぱ無理かー」
クロノスはそう言うと、
梨桜は「ーークローーー」と、その名前を呼ぼうとしたー。

がー
「ー俺は、人間に名乗ったことはねぇー
 俺と”あんた”は見知らぬ怪人と人間ー」と、
そう言葉を口にすると、
「ーーー本当は見てるだけのつもりだったんだけどなー」と、
それだけ言葉を口にしながら、
クロノスは、莉愛と敬之に背を向けたー。

「ーーーそいつー、キャーキャーうるさくて
 俺はあまり好きじゃねぇからさー。
 煮るなり、焼くなり好きにしてくれー」

と、そのまま手をあげて、闇の中に消えて行こうとするー。

「ーーー」
莉愛は、そんなクロノスの後ろ姿を見つめながら
”助けてくれたかつての好敵手”に感謝をしつつ、
言葉を続けたー

「ーーあのーー
 ありがとうございましたー」

”ガイラス”としてではなく、
”莉愛”としての感謝ー

その言葉にクロノスは少しだけ笑うと、
そのまま何も言わずに姿を消したー。

「ーーー…そうだー、父さんにー」
敬之は、真桜の身体を乗っ取っている怪人”サリー”の
確保のために、父である大原博士に連絡を入れたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー。

遊園地にやってきていた莉愛は、
お化け屋敷の中で悲鳴を上げていたー。

”元は怪人なのに”
オバケを怖がっている姿を見て、
何となく笑ってしまった敬之は、
「莉愛でも、オバケは怖いんだなぁ」と、そう言葉を口にするー。

「ーこ、怖いよ!だ、だって、オバケなんて
 いなかったもん!」

莉愛は”怪人の世界”では、オバケなんていなかった、
と、そう言葉を口にすると、
敬之は、そんな可愛らしい反応に
「ーじゃあ、次はジェットコースターに乗る?」と、
そう言葉を口にするー。

「む、無理無理無理無理!わたし、さっきの
 シャトルみたいなやつでも怖かったのにー!」

莉愛のそんな言葉に、思わず笑う敬之は、
「じゃあ、観覧車にしようかー」と、観覧車を指差すー。

あのあとー、
”真桜”は、敬之の父親・大原博士に確保されたー。

真桜を元に戻すことができるかどうかは分からない、とのことだったものの
少なくとも”サリー”は、もう外に出ることはできないー。

既に”魔帝国デビルピア”では、クロノスが嘘の報告をしてくれたおかげで
これ以上”追手”が来ることはないー。

ガイラスは、ようやく”莉愛”として、
一人の人間として、本当の意味で、
新たなスタートを切ったのだー。

観覧車から、綺麗な夜景を見つめながら微笑む莉愛ー。

こんな未来が待っているなんて、夢にも思わなかったー。
でも、これは夢じゃない。現実だー。

そしてー、
”わたし”は、もう怪人じゃなくて、
一人の人間ー。

「ーーーわたし、”人間”に、ちゃんとなれてるよねー?」
莉愛がふと、そんな言葉を口にすると、
敬之は穏やかに、そして力強く頷いたー。

「ー当たり前だろー」
とー。

その言葉に、嬉しそうに微笑むと、
莉愛は「ーわたし、これからもたくさん”人生”を楽しめるように頑張るー」と、
そんな言葉を口にするのだったー。

観覧車から見える夜景はー、
今まで見たどんな光景よりも綺麗で、
輝いているように見えたー。

二人の未来を照らすかのようにー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストありがとうございました★!

お気に入りの作品ということで、
色々迷った結果、続きを私も見てみたい気がした
こちらの作品を選んでみました!★

私にとっても、初めてのリクエストだったので
これからずっと忘れない素敵な思い出になりそうデス~!

少しでも、楽しんで下さっていれば嬉しいデス!
改めて、ありがとうございました!!

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Skeb

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