<憑依>アルマゲドン・ポゼッション(前編)

地球に”巨大隕石”が接近しつつあったー。

世界各国はその巨大隕石に対しようとするも
作戦は悉く失敗ー。

そんな中、対策チームの一員だった男が
”とんでもない提案”をしー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

2XXX年ー
地球に巨大隕石が向かいつつあったー。

そのサイズは、これまで地球に落下した隕石を
遥かに超越するサイズで、
この隕石が地球に衝突すれば
生物は死滅するー…というのが
研究者たちの見解だったー。

当然、世界各国は隕石の衝突を阻止しようと
躍起になったー。

世界各国が優秀な技術者や科学者、軍人を集めて
”対策チーム”を設立ー。
それぞれ、知恵を出し合って巨大隕石対策を始めたー。

がー、
作戦は全て、失敗に終わった。

特殊なレーザー照射による攻撃は不発ー。
宇宙衛星をリモートコントロールすることにより
巨大隕石に接近させ、破壊する計画も失敗ー。
さらにはある大国が核攻撃を隕石に行ったものの
それも、効果を発揮することはなく、
全ての作戦は失敗に終わってしまったー。

がー、そんな中、対策チームに参加していた
科学者の一人が、手を叩いたー。

「ーー”憑依人”だ!」
とー。

「ーなんだって?」
対策チームのメンバーの一人、エリオット大佐が
困惑の表情を浮かべるー。

「ー憑依ーーー
 ”憑依”なら、隕石の軌道を逸らすことができるかもしれない!」

そんな科学者の言葉に、エリオット大佐は
「ーーどういう意味だ?ー憑依とは何か?」と、
科学者に対して聞き返すー

「ー人や物体に乗り移って、その身体・物質を
 意のままに操ることですー

 この世界には、その憑依の力を持った
 ”憑依人”が裏社会に存在していて、
 その力を使えばー」

科学者はそこまで言うと、
エリオット大佐が”意味が分からない”と言いたげな
表情を浮かべていることに科学者は気づき、思わず苦笑したー。

「ーつまり、簡単に言えばー
 地球に向かう隕石に憑依して、隕石の軌道を変えようと、
 そういうわけですー」

科学者がそう言うと、エリオット大佐らは
困惑した表情を浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「へへっ♡ へへへへへへっ♡」
裏路地で胸を揉んでいる女が、一人でニヤニヤと笑みを浮かべていたー。

見た目は可愛らしい雰囲気の女子高生であるものの、
その制服は乱れ、その顔に似合わぬ下品な笑みを浮かべているー。

「ーーやっぱたまらねぇぜ…このゾクゾクする感じー」

そう言葉を口にした美少女ー、
山中 紅葉(やまなか もみじ)はー、
地球に巨大隕石が近付き、滅亡の危機を迎えているなどとは
夢にも思わずに、
ひたすらに”憑依”による欲望を堪能していたー。

いや、正確に言えば紅葉ではなく、
”紅葉に憑依した男が”と、言うべきだろうかー。

紅葉がニヤニヤしながら自分の胸を揉みー、
さらには、壁に身体を押し付けて気持ちよさそうに
声を漏らすと、
そこにスーツ姿の男たちがゾロゾロと姿を現したー。

「あん?何だよー?」
紅葉は不満そうにそう言葉を口にすると、
「ー”憑依人”だなー?」と、スーツ姿の男の一人が
そう言葉を口にした。

いきなり”憑依人だな?”と言われて、
流石に戸惑った様子を浮かべる紅葉に憑依した男ー。

が、開き直った様子で、紅葉は笑みを浮かべると
「ーーだったら、どうする??」と、
そう確認するー。

「ーーーー貴様を消滅させて、その子の身体を解放するー」
スーツ姿の男の一人が、そう返事をすると同時に
その場所に緊張感が走るー。

紅葉も隠し持っていたナイフでそのスーツの男に襲い掛かろうと
準備をしていたものの、
スーツ姿の男は手で、”待て”と合図をすると、
「ーと、言いたいところだが、今はそんなことを言っている場合ではなくなった」と、
そう言葉を続けるー。

「どういうことだー?」
紅葉がナイフの手をかけたまま動きを止めると、
スーツ姿の男は「実は今、地球に巨大な隕石が迫っているー。
単刀直入に言うと、それが地球に衝突すれば地球は滅びる」と、
そう言葉を口にしたー。

「ーーーは…はははははー何だよいきなりー
 ゾロゾロ揃いも揃ってやってきたから何かと思えばー」
紅葉は髪を触りながらスーツの男たちを
ゲラゲラとあざ笑うー。

しかし、男の一人は険しい表情を浮かべながら
「冗談ではないー。事実なのだ」と、スマホを操作して、
”接近する隕石の解析映像”を見せ付けたー。

それが地球に衝突するシミュレーションもー。

「はははははっ!手の込んだ嘘だなー
 そんなことして、何になるー?」
紅葉がニヤニヤしながら言うと、
スーツ姿の男は静かに頷いたー。

「そう、君のような憑依人に
 ”隕石が衝突する”という嘘をわざわざ言いにくるためだけに
 こんな人数を揃えて、
 しかも、隕石衝突する嘘の映像を作る意味など何もないー。

 君の言う通りだ」

そう、言いながらー。

その言葉に、紅葉はタラタラと汗を流し始めるー。

憑依人に”隕石が衝突する”などと嘘をつくメリットは”全くない”のだー。
それなのに、そんな話をしに来たということはーー

「まさか…マジなのかー?」
紅葉がそう言葉を口にすると、
スーツ姿の男は「あぁ。今は出来る限りの全ての手段を尽くして阻止しようと
している。今は君のような”憑依人の手”も借りたい状況だ」と、
そう言葉を続けるー。

「ーーへへへへー…そうかいー」
紅葉はそう言葉を口にすると、
「けど、手伝った後、俺はどうなる?」と、そう言葉を口にするー

その言葉に、スーツ姿の男は少しだけ表情を歪めると、
紅葉は言葉を続けたー。

「ーさっき、アンタは”貴様を消滅させる”と言ったー。
 そして、今は緊急事態だからそうも言ってられない、ともー。

 仮に、仮に俺がアンタらに協力して無事に隕石を破壊することも
 できたとしたらー俺はどうなる?
 用済みとして、そのあと消されたりするんじゃねぇだろうな?」

その言葉に、スーツ姿の男は険しい表情を浮かべながら
「そんな、アンフェアなことはしないー。
 その場では何もせずに解放すると約束しようー。
 もちろん、”そのあと”再度見つけることがあれば、
 我々としても、憑依を悪用する人間を野放しにすることはできんがー」
と、そう返事を返すー。

「ーーー信用できねぇなー」
紅葉はへへっ、と笑うとそう言いながら、
「俺の身の安全を確保する約束をしてくれなきゃ、俺は力を貸せねぇー」と、
そう続けるー。

がー…

「ーあの隕石が衝突すれば世界は終わる。
 そうなれば、お前も終わりだ。
 分かるだろう?
 憑依も何もなくなる。無になるんだー」

と、スーツ姿の男が言葉を続けると、
紅葉は表情を曇らせるー。

”チッー…俺の力がないと世界が滅んじまうってのが本当ならー…
 手伝ってもリスク、手伝わなければ滅亡ってことかー”

内心で紅葉は”最悪の状況”を考えつつも、
スーツ姿の男たちの方を見つめるー。

「ー正直に言おう。我々に打つ手は、”憑依”しかなくなりつつある。
 君が拒めば、世界は滅びるかもしれない。

 恐らく、君は世界のことを良くは思っていないだろう。
 しかし、世界が滅びれば君自身も、もう憑依を楽しむことはできなくなるし、
 それで終わりだー。

 そうやって人の身体を乗っ取って、好き放題するのも
 社会が健在であればこそ。違うか?」

スーツ姿の男の一人が発した言葉に、
紅葉は険しい表情を浮かべながらも、
「チッー分かったー。ただ、この身体に憑依したまま
 手伝わせてもらうからな?」と、そう言葉を口にするー。

「ーーーー」
スーツ姿の男は”憑依されている子”をそのまま野放しにするのは
気が引けたものの、これ以上要求して
紅葉に憑依している男の気が変わってしまっては困る、と
そう判断して「いいだろう。それで構わない」と、
そう言葉を口にするー。

紅葉は少しだけ納得したような様子で頷くと、
「へへーじゃあ、案内してもらおうかー」と、
迫りくる隕石に対処するべく、スーツ姿の男たちと共に歩き出したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

巨大隕石対策チーム本部にやってきた紅葉は
表情を歪めるー。

そこには、既に別の女の姿があったからだー。

「ーーーん???あんたも、憑依人かい?」
ブロンドの美女がそう言葉を口にすると、
「ーへへへ、俺もだー」と、自分を指差しながら言うー。

巨大隕石対策本部は、世界各地の”憑依人”のうち、
所在が判明している人物に手当たり次第声を掛けたー。

その結果、所在が分かる6名のうち、紅葉に憑依している男を含む
3名の協力を得ることに成功ー、
この、”アビー”という女性に憑依している男も、そのうちの一人だった。

「ーんだよー複数、声を掛けてやがったか」
紅葉が不満そうに言うと、
スーツ姿の男は「その方が君も”自分一人に地球の命運は託された”みたいな
状況にはならないし、やりやすいだろう?」と、そう言葉を口にするー。

「ーーーチッーー」
紅葉は先ほどから、上手くこの男たちに言いくるめられているような
気がして、少しだけ不満そうに舌打ちをするも、
それ以上は何も言わなかったー。

紅葉に憑依している男ー、
アビーに憑依している男ー、
そして、男装している女・綾(あや)に憑依している男の三人が集まるー。

「ーーーへへーよろしくな」
紅葉が、綾にもそう声を掛けると、
綾は腕組みをしたまま「俺に話しかけるな。失せろ」と、
そう返事をするー。

「~~~~~」
その反応に、紅葉は不愉快そうに
「ケッ」と、そう言葉を口にしながら正面を見つめると、
巨大隕石対策メンバーの一人、エリオット大佐が状況を説明し始めたー。

「君達に集まってもらったのはほかでもないー。
 この隕石の直撃を何としてでも回避して、
 地球のー、人類の滅亡を阻止したい。」
エリオット大佐はそこまで言うと、
アビーが、エリオット大佐の背後に表示されているレーダーを指差しながら
「隕石に向かう物体が見えるが?」と、そう言葉を口にしたー。

エリオット大佐は振り返ると、
「某国が隠し持っていた新兵器”ステルスガトリング”による攻撃が始まるー」
と、そう言葉を口にしたー。

「なんだそりゃ?」
アビーに憑依している男が言うと、
「某国が秘密裏に開発していた兵器だー。本来、表に出したくなかったそうだが
 地球が滅亡してしまったらそれで終わりだからなー。
 止むを得ないという判断だろうー」
と、エリオット大佐はそう言葉を口にしたー。

”ケッー、俺が協力しないと世界は終わりみたいな言い方しやがってー
 結局、他の憑依人も呼び寄せてやがるし、
 別の作戦も用意してるんじゃねぇか”

紅葉に憑依している男は不満そうにそう心の中で呟くと、
「ーー不満は最もだー」と、スーツ姿の男が近付いて来るー。

「うぉっ!?俺の心を読むなー」
紅葉が驚いた様子で言うと、
「だが、1個前の作戦が失敗してから君を探しに行ったのでは、
 隕石がその間に衝突してしまうー。どうか、分かってほしい」と
スーツ姿の男は言うー。

「ま、まぁ、確かにそりゃそうだけどよー」
紅葉はそう言うと、
スーツ姿の男は「他の憑依人に声を掛けたのも、
君に断られたあとから、他の憑依人のところに向かったのでは
手遅れになる」と、そう説明したー。

「ーーーーー」
理に適っている理由を前に、紅葉はそれ以上言い返せず、
宇宙から転送されているライブ映像を見つめるー。

”ステルスガトリング”と呼ばれる兵器が突然宇宙空間に出現し、
1秒間に3000発の弾丸を発射するー。

隕石にそれらが全て直撃するもーーー
表面にわずかに亀裂を生みだしただけで、
ステルスガトリング発生装置が破壊されてしまったー。

「ーくっ、ダメかー」
エリオット大佐はそう言葉を口にすると、
「”次元砲”発射用意ー」と、そう言葉を口にするー。

エリオット大佐らが抱える”超秘密兵器”ー
世界各国どこの国にも存在を知らされておらず、
この国でも、次元砲を知るものはほぼいないー。

それでもー、そんな機密の兵器も出さなければいけないほど、
もはや地球には後がなかったー。

「ーーーさて、君たちには”憑依計画”の説明をしよう」
スーツ姿の男はそう言うと、別室に
紅葉、アビー、綾の三人を案内するー。

”次元砲”が失敗に終わったら今度こそ、
”憑依”によって隕石の破壊を目指すことになるー。

紅葉に憑依している男は、ゴクリと唾を飲み込みながら
別室へと移動を始めるのだったー

<後編>へ続く

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コメント

地球に隕石が接近~~☆の、シチュエーションを
TSFに絡めてみたお話ですネ~!!

憑依で隕石を破壊…
果たして上手く行くのでしょうか~?

土曜日は予約投稿の都合上、地球の命運は
来週のお楽しみデス!!

今日もありがとうございました~!!

「アルマゲドンポゼッション」目次

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