<入れ替わり>黒き美貌③~逃亡の果て~(完)

②にもどる!

逃亡犯と身体が入れ替わってしまった女子大生ー。

全く真逆の立場になってしまった二人が
最後に行きつく先は…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーねぇねぇ、直くんー
 余計なことは気にしちゃだめだよー?
 ー人と人の身体が入れ替わるなんてこと、あり得ないんだからねー?」

あれから数日ー
萌々香(宗平)は、”宗平(萌々香)”から言われた言葉を
まだ気にしている直幸に
そう言葉を口にしていたー。

「ーー…で、でもー」
直幸は震えながら萌々香(宗平)のほうを見つめるー。

目の前にいるのは逃亡中の凶悪犯かもしれないー。
でも、”身体”が萌々香だと、その恐怖心は”中途半端”なものになってしまうー。
怖いような、そうじゃないようなー、不思議な感覚だー。

「ーーーー」
萌々香(宗平)は、少しだけ表情を歪めると、
突然、直幸に対してキスをしてみせたー。

「ー!?!?!?!?!?!?」
内心では”好き”な幼馴染の萌々香にいきなりキスをされて
顔を真っ赤にする直幸ー。

「ーーわたしたち、付き合おっかー?
 好きなんでしょ?わたしのこと」
萌々香(宗平)は邪悪な笑みを浮かべながら
そう言葉を口にするー。

「ーえ…えっ…えっー」
直幸が困惑しているのを見て、
萌々香(宗平)はわざと胸を当てるようにして
身体を密着させると、
「ーわたしと、付き合いたいでしょ?」と
甘い声で、耳元で囁いてみせたー。

そんな萌々香(宗平)の行動に”おかしいー”と、そうは思いつつも
直幸はその誘惑に抗うことができなかったー。

「ーーーあのガキは俺の手駒だー」
萌々香(宗平)は帰宅すると、鏡を見つめながら
悪意に満ちた笑みを浮かべるー。

そして、今日も自分の身体を欲望のままに堪能していくー。

そんな、”娘”の部屋から聞えて来る
欲望に満ちた声に、母親は戸惑うことしか
できなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー。

宗平(萌々香)はなんとか身を隠しながら
生活を続けていたものの、
もう限界だったー。

”お腹もすいちゃったしー…どうにかしないとー”

そう思いつつ、
”直幸”の数日前の反応を思い出すー。

”やっぱり、直くんを頼るしかないー”

そう思いつつ、行動を開始する宗平(萌々香)ー。

親友の樹里を頼る方法も考えたけれど、
樹里はいつも大体誰かと一緒にいるために
話しかけるチャンスがなかったー。

”誰かと一緒にいる樹里”の前にこの姿で飛び出せば
当然騒ぎになってしまうー。

だから、直幸のほうを頼るしかなかったー。

けれどー…

「ーーふふ、今日も気持ちいいことしてあげるねー
 直くん♡」

萌々香(宗平)が、直幸に身体を密着させながら
大学から出て来るー。

直幸はすっかりと浮かれた様子で、
だらしない表情を浮かべているー。

”萌々香の美貌”を前に、完全に手玉に取られてしまっているー。

”直くんーーー”
そんな姿にショックを受けると同時に、宗平(萌々香)は
”今の直くんにこの状態を伝えて、助けを求めても助けて貰えるのかどうか”を
不安に思ってしまうー。

そう思って、裏路地を引き返そうとしたその時だったー。

「ー龍宮寺 宗平だなー?」

「ーー!」

既に”この辺をウロついている”とマークされてしまっていた
宗平(萌々香)ー。

ついに警察官に見つかってしまい、慌てて逃亡するー。

しかし、警察もそんなに手緩くはない。
宗平(萌々香)の逃げ場を封じるようにして
配置されていた警察官たちが、
宗平(萌々香)を追いつめていくー。

「ーーわ、わたしの身体を返して!」
もう、”捕まる”ことを避けられないー。
そう察した宗平(萌々香)は、
そう叫びながら、萌々香(宗平)の方に向かって行くー。

がーー
萌々香(宗平)は、向かって来た宗平(萌々香)の
腕を掴むと、
「ーーおじさんー。キモイんだけど」と、小声で
そう言葉を口にしてから、”男の急所”を、
華奢な足で蹴り飛ばしたー。

宗平は男だったからよく知っているー。
か弱い子の足であっても、ダメージを与えることができる場所をー。

「ぅ…ぁ…ああああ…」
宗平(萌々香)が苦しんでいると、警察官たちが
宗平(萌々香)をその場で取り押さえるー。

どんなにもがいても、
もうどうすることもできないー。

「ーわ、わたしはーわたしは、違うんです!
 その人と、身体を入れ替えられてー」
宗平(萌々香)は必死に叫んだー。

けれど、萌々香(宗平)は
”わざと”怯えた表情を浮かべながら
「な…何を言ってるんですかー…?」と、
不安そうに言葉を口にしてみせるー。

当然、周囲は誰も”入れ替わり”など信じてくれないー。

宗平(萌々香)は、幼馴染の直幸のほうを見つめると
「直くんー…助けてー」と、そう言葉を振り絞ったー

がー、萌々香(宗平)が、直幸に身体を密着させると、
「ーあの男の言うことを聞いちゃだめー」と、
そう囁くー。

直幸は迷うような表情を浮かべながらも
「うんー…そうだねー」と、そう言葉を口にすると、
そのまま、宗平(萌々香)の前から立ち去っていくー。

「ーーーー…うぅぅ…」
打つ手を全て失った宗平(萌々香)は、そのまま
”元カノ”と、その交際相手、さらには住人の女性を殺害し、
配達員に重傷を負わせた罪でそのまま逮捕されてしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーねぇ、今日から樹里のこと、”奈美”って呼んでいいー?」
”邪魔者”の宗平(萌々香)を始末した
萌々香(宗平)の行動はエスカレートし始めていたー。

萌々香の親友・樹里は、そんな萌々香(宗平)の言葉に、
「な、奈美ー?よく分からないけど、それはやめてー」と、
苦笑いするー。

しかし、萌々香(宗平)は、「奈美って呼びたいの。いいでしょ?」と、
そう言葉を続けるー。

「ーーえぇ…?ごめんー無理」
樹里がそう言うと、萌々香(宗平)は「え~!いいじゃん~!」と、
そう言葉を口にするー。

”奈美”とは宗平の元カノだー。
樹里がどことなく奈美に似ている雰囲気であったため、
萌々香(宗平)は、樹里を奈美に見立てて
己の欲求を晴らそうとしていたー。

しかし、樹里は頑なに”奈美”と呼ぶことを拒むー。

「ーーねぇ、いい加減にしてよー。
 最近、何か変だよー?
 直幸くんのことも誘惑するような真似してー。
 
 いったいどうしたの?」

樹里がうんざりした様子で言うー。

すると、萌々香(宗平)は突然、樹里の髪を引っ張ると、
「ーいいから、奈美って呼ばせてよ」と、
脅すような口調で言うー。

「い、いたっ…ちょ、ちょっと!?」
樹里が戸惑いながら声を上げると、
「ーー放してほしいなら、”奈美”って呼んでいいよねー?」
と、萌々香(宗平)は今一度そんな言葉を
口にするのだったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

萌々香(宗平)は、”女の身体”の欲望に溺れ始めたー。

男子生徒と身体の関係を持ったり、
女子同士でお楽しみをしたりー、
そんなことをしつつ、
家ではコスプレを楽しんだりする日々ー。

そんな中、「あのー…」と、声を掛けて来た直幸に対して、
すっかり派手になった萌々香(宗平)が「ん?どうしたの?」と笑うー。

「直くんもわたしとヤりたい?」
萌々香(宗平)が笑みを浮かべながら言うと、
直幸は暗い表情を浮かべたまま、
萌々香(宗平)を真っすぐ見つめるー。

「やっぱり、僕にはできないよー」
とー。

「え?」
萌々香(宗平)が首を傾げるー。

すると、直幸は真っすぐと萌々香(宗平)を見つめながら
言葉を吐き出したー。

「ー僕には、”怪しい”と思ったままそれを見過ごすことなんてできない」
とー。

「ーーー…あ、あははははー
 今更何言っちゃってんの?
 ”わたし”といい思いしたよね???」

萌々香(宗平)は笑いながらそう言葉を口にすると、
足で壁ドンをしながら、直幸を睨みつけたー。

「ー今更都合のいいこと言ってんじゃねぇよー」
萌々香(宗平)の言葉に、
直幸は怯えた表情を浮かべるー。

「ーーお、お、お、お前が、天野さんじゃないことは
 わ、分かってるんだー」
直幸がそう言うと、萌々香(宗平)は表情を歪めるー。

「ーだったらどうだってんだー?
 お前だって分かってて俺と楽しんでたんだろ?」
萌々香(宗平)が言うと、直幸はさらに怯えたような
表情を浮かべるー。

「ーくくくく みんな俺に違和感を抱いたって
 何もできやしねぇー。
 ちょっと性格とか振る舞いが変わったぐらいで
 ”中身が入れ替わってます~!”なんて、誰も思わねぇし、
 信じねぇだろ?」

ニヤニヤしながら萌々香(宗平)が言い放つと、
直幸は悔しそうな表情を浮かべるー

がーー
直幸はボイスレコーダーを取り出して見せると、
「これを、警察に提出するー」と、そう言葉を口にしたー

「ー!」
萌々香(宗平)は驚いたような表情を浮かべるー。
しかし、すぐに笑いだすと、
「そんなことしていいのか?お前も”分かっていながら”
 俺と楽しくやってた共犯ってことになるぜ?」と
ボイスレコーダーを指差すー。

「ーーそれに、そんな音声提出したって入れ替わりを証明することはー…」
萌々香(宗平)がそう言うと、
直幸は「それでもー!それでも出すんだ!」と、そう叫んで逃げ出すー。

「ーーおいっ!待て!」
萌々香(宗平)がそう叫ぶもー、”萌々香の身体”では、
決して運動が得意ではない直幸にも追い付くことはできなかったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

萌々香(宗平)の家に警察がやってきたー

「ー!」
直幸が仮に証拠を提出しても、”警察は動かない”とそう思っていたものの、
警察は動いていたようだー。

「ねぇ、萌々香ー…警察がー」
母親が戸惑いながら言うと、萌々香(宗平)は「どけっ!」と叫んで
母親を突き飛ばすと、ベランダから外に逃亡するー。

「ーくそっー!!!
 せっかく手に入れたこの身体ー捕まってたまるか!」
萌々香(宗平)は悔しそうにそう叫ぶー。

実際には、警察はまだ萌々香=宗平を疑っているわけではなく、
”話を聞きに来ただけ”であったものの
宗平が誤解して逃亡してしまったことで、
その疑いは確信へと変わってしまったー

警察に追われる中、何とか逃げ切ろうとする萌々香(宗平)ー

”この身体なら、上手く使えば誰か匿ってくれるだろ”ー
そんなことも思いつつ、一旦逃げきることを目標に
走り続けるー。

しかし、その時だったー

「ーーどわっ!?!?!?」
萌々香(宗平)は曲がり角から飛び出して来た
高齢のおじいさんとぶつかってしまい、
盛大に吹き飛ばされてしまったー。

「ーーーくそっ…じ、邪魔ーーー え…?」
”邪魔するな!”と叫ぼうとした”宗平”ー

がー、宗平はーー

「ーうっ…うわあああああああああ!!!」

自分の身体を見て悲鳴を上げるー。
ぶつかったおじいさんと身体が入れ替わってしまっていたー。

「ーな…なんじゃ…これ…?」
萌々香になってしまったおじいさんは困惑の表情を浮かべるー。

そのまま萌々香(おじいさん)が警察に確保されるー。

結果的に再び”逃亡”には成功した
おじいさん(宗平)ー。

がー、歩くのもかなり厳しいほどに身体は弱っていて、
しかも、そのおじいさんは”認知症”で施設から逃げ出し、
徘徊している最中だったー

「ーーーう、嘘だー…嘘だー…嘘だぁあああああ!!!」
やがて、連れ戻された施設で、自身が余命宣告も受けていることを知り、
おじいさん(宗平)は悲鳴に似た叫び声を上げたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーこのままの状態では、釈放することはできませんがー、
 元に戻す方法を確認中ですー。」

警察官が申し訳なさそうに言うー。

世間に大々的に報道された”宗平”の身体のままでは
釈放は出来ず、
法律的にも”入れ替わり”は想定されていないために、
法律上も”龍宮寺 宗平”を釈放することはできない、と
そう説明したー。

「ーーーはいー」
宗平(萌々香)は暗い表情で呟くー。

ただーー
警察側の配慮で、”自由はないけれど、良い暮らし”ができるように
警察が用意したホテルで暮らすことになり、
樹里や直幸ら、関係者が面会に来ることも可能にしてくれたー。

直幸は宗平(萌々香)に”薄々気付いていながら”楽しんでしまったことを謝罪ー
萌々香もそれを許したー。

まだ、元に戻ることはできていないー。

ただー、それでもー…
微かな希望が見えて来たー。

宗平(萌々香)はこの日も、面会にやってきてくれた親友・樹里に対して
「ーまた、大学に行けるようになったらー」と、希望に満ちた表情で
言葉を口にするのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

最終回でした~!★

元に戻る…ことまではできませんでしたケド、
ひとまず、自分の身体がこれ以上悪用されちゃうことは
阻止できましたネ~!!

お読み下さり、ありがとうございました~!★

「黒き美貌」目次

作品一覧

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入れ替わり<黒き美貌>

コメント

  1. TSマニア より:

    まさかの

    おじいさんと入れ替わり!★!★

    萌ヶ香のカラダなった、おじいさんは何してますか??