小さい頃から仲良しだった三人組ー。
けれど、そのうちの二人が結婚を決め、
残された一人は、心の闇に囚われて
謎の男から与えられた”憑依”の力を使ってしまうー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー大丈夫か?絵梨花ー?
俺の家に寄ってくかー?」
啓介は心配そうに、
先程”憑依された際”に、傘を落としたことで
濡れてしまった絵梨花の身を案じるー。
ここからだと、啓介の家の方が近いために、
”絵梨花が龍平に憑依されてしまった”などということを知らない啓介は、
そんな言葉を口にするー。
「ーーーえ…あ、ううんーだ、大丈夫ー」
絵梨花はそう言葉を口にしながら、
表情を歪めるー。
”絵梨花”は、啓介の家にも、龍平の家にも
よく遊びに来ているし、
啓介も龍平も、それぞれ全員の家を訪れているー
それぐらいに、仲良しだった三人ー。
けれど、絵梨花と啓介が結婚するー、と
聞かされてからは”あんなことやこんなこと”をしているのではないか?という
負の感情に囚われていたー。
いやー、もちろん結婚まで決まっているとなれば
している可能性も高そうだし、
”今はまだ”であったとしても、いずれはそういうことをするだろうー。
そう思うと、さらに黒い感情が膨れ上がったー。
「ーーでも、大分濡れてないかー?風邪ひくぞー?」
啓介は心配そうに言うと、
「ーあ、そうだー龍平の家ならもっと近いしー、龍平に連絡してー」
と、そう提案するー。
目の前にいる”絵梨花”が、その龍平に憑依されたとも知らずにー。
「ーーーー!」
絵梨花は、龍平に連絡しようとした啓介を見て
慌てた様子で「い、いいから!!」と、思わず大きな声を出してしまうー。
「ーーえー…あ、ご、ごめんー」
絵梨花が急に大きな声を出したことに驚いて啓介は
表情を曇らせるー。
「ーぬ、濡れてるって言っても大して濡れてないしー
ぼ、僕のことは気にしないでいいからー」
絵梨花が、目を逸らしながらそう言い放つと、
啓介は「僕ー?」と、表情を歪めるー。
絵梨花は青ざめるー。
絵梨花に憑依したばかりの龍平は
いつもの癖で”僕”と言ってしまったのだー。
「ーーー…は???」
さらに焦った龍平は、絵梨花の身体でそんな反応をしてしまうと、
「”僕”なんて言ってないし!」と、不満を露わにしながら
強引に”聞き間違えでしょ!?”と、言わんばかりの態度を取るー。
「ーーえ…で、でも、確かに今ー」
啓介がそう言葉を口にすると、
絵梨花は「ーーと、とにかく言ってないの」と、それだけ言葉を口にしてから
「今日、やること思い出したからもう先に行くねー」と、
足早にそのまま駅の方に向かって歩き出すー。
「ーえっ!?絵梨花!?」
突然、態度が豹変したような気がする絵梨花を前に、
啓介は心底困惑した表情を浮かべると、
「何かあったのか…?」と、心配そうに呟くのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーくそっー… どうしようー
くそっ…くそっ!」
絵梨花の家に帰宅した、”絵梨花に憑依してしまった龍平”は、
必死に”絵梨花の身体”から抜け出そうとしていたー。
目を閉じて深呼吸をしてみたりー、
自分の霊体が抜けるようなイメージをしながら
ぴょんぴょんと飛び跳ねてみたり、
自分の霊体を、絵梨花の身体から引っ張り出すようなイメージをしながら、
手で絵梨花の身体を引っ張ってみたりー
が、絵梨花の身体から抜け出すことはできないー。
「ーーはぁ…はぁ…はぁー…」
疲れ果てた様子の絵梨花ー。
その息遣いに少しドキドキしてしまいながら
首をぶんぶん横に振ると、
スマホが鳴ったことに気付くー。
啓介が、絵梨花の様子がおかしかったことを心配して、
メッセージを送ってきたようだったー
”さっきはごめんー何か不快にさせちゃったなら謝るよ”
と、そんな文章が表示されているー。
「あぁ、もうー啓介、今はそれどころじゃないんだよー」
絵梨花はそう呟くと、返事も送らずに
なんとか絵梨花の身体から抜け出そうと色々試し始めるー
がー、それでも、絵梨花の身体から抜け出すことはできなかったー
「ーくそっ!!!」
怒りを露わにして、ティッシュの箱を投げつける絵梨花ー。
ふと、姿見に絵梨花の姿が映って、
龍平は表情を歪めるー。
絵梨花が、見たこともないような恐ろしい顔で、
息を吐き出しているー。
”こ、こんな顔させちゃいけないー”
すぐにハッとして、そんな風に思った絵梨花は、
「と、とにかく、どうにかするんだー」と、静かにそう呟くー。
そしてー、
今度はカレンダーの方に視線を向けると、
そこには”龍平の誕生日”と、丸と共に書かれているのが目に入ったー。
啓介と結婚が決まっても、
小さい頃から”ずっと仲良し”である龍平のことも、
ちゃんと忘れていないー
そんな様子を見て、絵梨花に憑依してしまった龍平は
悔しそうに歯ぎしりをすると、
”声”が聞こえたー。
「ーーもうその身体から抜け出すことはできないー」
とー。
「ー!?!?!?!?!?」
その声と共に、突然、絵梨花の家の中に姿を現した覆面の男・ビショップの姿を見て
「うわあああああああああ!?!?!?」と、思わず声を上げて
尻餅をついてしまう絵梨花ー。
あまりにびっくりして、その場でお漏らしをしてしまうと、
絵梨花は「お、お、おいっ!どうしてくれるんだよこれ!」と、
お漏らししてしまった自分の身体を見つめるー。
「ーククククー驚きすぎだー。俺の知ったことではない」
ビショップはそう言うと、鋭い目を絵梨花の方に向けるー。
「抜け出せないってどういうことだー…?」
絵梨花がそう言い放つと、ビショップは言うー。
”言葉の通りだ”
とー。
「ーーお前は他人の人生を奪う決意をして、”力”を使ったー
もう、抜け出すことはできない」
ビショップはそう言うと、
絵梨花は「そ、そんなー」と、呆然と言葉を口にするー。
「ークク…まぁ安心しろー。
今はまだそういう感情が強くても
やがてお前は”欲望”に身を委ねるー
その女の身体を楽しみー、貪りつくすようになるー」
ビショップのその言葉に、
絵梨花は「そ、そんなはずあるかー!」と、そう声を荒げるー。
「ーー…今に分かるー
人間とは、そういうものだー」
ビショップはそう言葉を口にすると、
そのまま姿をゆっくりと消していくー。
「お、おいっ!待て!」
絵梨花はそう叫んだものの、
濡れてしまった服を見つめながら
「あぁ、くそっ!」と、不満そうに言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絵梨花として、どうしていいか分からないまま、
龍平は翌日も家の中に留まっていたー。
絵梨花の”記憶”は読むことは出来ずー、
仕事にも行くことが出来ずに、
”体調不良”を理由に休みの連絡を入れるー。
啓介からの連絡も無視して、
絵梨花は家の中でなんとか、元に戻ろうとー、
それを試みていたー。
だがー、思い知らされたー。
あの覆面の男の言う通りー、
元に戻ることはできない、ということをー。
「ーーくそっー…」
そう言葉を口にしながら、
絵梨花は頭を抱え込むー。
やがてーー、
絵梨花の部屋の中に結婚に関する雑誌を見つけると、
しばらくそれを見つめていたものの、
やがて声を上げながら、絵梨花はそれを怒りに任せて放り投げたー。
「はぁ…はぁ…こんなことになったのもー
絵梨花と啓介のせいだー。
なんでー…なんで結婚なんかー」
頭を抱えて、目に涙を浮かべる絵梨花ー。
そして、「もういいーー」と、そう言葉を口にすると、
絵梨花の胸を揉み始めるー
怒りに任せてー、欲望に身を投じ始める絵梨花に憑依した龍平ー
「なんだよこれーすげぇ気持ちいい…
へへっ…へへへへへ♡」
絵梨花の表情から怒りが消えていくー
やがて、欲望に満ち溢れた下品な笑みを浮かべ始めると、
絵梨花はそのまま服を引きちぎるようにして脱ぎ始めて、
絵梨花の身体が絶頂を迎えるまで、ひたすらに身体を弄び始めたー。
「ーーーぁ♡ へへ…♡」
あまりの気持ち良さにうっとりとした表情のまま
乱れた姿を晒す絵梨花ー。
それでも、ゾクゾクした感情が止まらずに、
また絵梨花の身体で欲望と快感を味わっていくー。
絵梨花が滅茶苦茶に乱れるまでお楽しみを一人、続けると、
荒い息を吐き出しながら、絵梨花の部屋に飾られていた
”仲良し三人組”の写真を見つめるー。
絵梨花と龍平と、啓介の三人がそこには映っているー。
とても楽しそうな三人の笑顔ー。
分かっているー。
絵梨花と啓介は、龍平のことを雑に扱ったわけでも
裏切ったわけでもないー。
付き合い始めた時も、結婚を決めた時も
コソコソ隠れるわけではなく、ちゃんと伝えて来たし、
その後も対応が変わったわけではないー。
男2人と、女1人ー。
その組み合わせである以上ー、
全員独身かー、それぞれ別の相手を見つけるかー
そういうことでない限りー
”これ”は起きるー。
絵梨花が二人と結婚することはできないのだー。
だから、この組み合わせの中で”結婚”することになれば、
必ず、一人は”余る”ー。
「ーーーくそっ!!くそくそくそくそくそくそくそ!!」
絵梨花の身体のまま、龍平は何度も何度も壁を殴りつけると、
そのまま頭を抱えてしゃがみ込んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「龍平と連絡が取れないんだー…」
絵梨花の家にやってきた啓介が心底心配そうな表情で
言葉を口にするー。
当たり前だー。
啓介が探している”龍平”は今、絵梨花の身体を乗っ取って
絵梨花の中にいるのだからー
「ーーーー」
絵梨花が表情を歪めるー。
昨日の夜、絵梨花の身体でお楽しみを繰り返したあと、
散々、怒りに身を任せて暴れたー。
そのせいで、部屋の中は滅茶苦茶ー。
「ーー絵梨花ー…?」
困惑の表情を浮かべる啓介ー。
「ーり、龍平のことなんてどうでもいいんでしょ」
絵梨花は不貞腐れた様子でそう言葉を口にすると、
啓介は「えっ…ちょ、な、何かあったのかー?」と
荒れ果てた部屋を見つめるー。
「ー整理整頓してただけ」
絵梨花はそれだけ言うと、
啓介は「ーーそ、そうなのかー?」と、
困惑した表情を浮かべるー。
そして、再び「龍平の家にも行ってみたんだけど、
返事がないし、連絡もつかないんだー絵梨花、何か聞いてないかー?」と
心底心配そうな表情で、啓介はそう言葉を口にするー。
「ーー龍平ー何かに巻き込まれてなきゃいいけどー…
アイツに何かあったら、俺ー」
啓介が心底不安そうな表情を口にしながら、
そう呟くー。
「ーーーーー」
絵梨花は不機嫌そうに目を逸らすー。
”今更、そんな風に心配されても遅いんだよー”
不満が爆発しそうになるー。
元々、啓介が龍平のことを大事に思っているのは十分に知っているー。
龍平も啓介、そして絵梨花のことを大事に思っていたからだー
だからこそー
”僕はー…僕はただー…”
表情を歪めながら、龍平のことをなおも心配する啓介に対して
「うるさい!!!」と、声を荒げる絵梨花ー。
「え、絵梨花ー…???」
事情が分からず困惑する啓介ー。
”そうだー
啓介と、絵梨花が付き合ったりなんかするからー
結婚なんかするからこうなったんだー”
絵梨花に憑依している龍平は怒りのままに
そんなことを考えると、
「全部、啓介たちのせいだ!」と、声を荒げるー。
「ーえ…ど、どういうー?
え、絵梨花が龍平に何かしたのかー?」
啓介は的外れのことを口にするー
実際には、”その逆”ー。
龍平が絵梨花に憑依したというのにー。
「ーーいいから、いいから出てって!
結婚も中止!恋人関係も終わり!」
絵梨花が啓介を押して家から追い出そうとしながら
そう言い放つと、啓介は「えっ…えぇっ!?」と、
困惑した様子で声を上げるー。
「え、絵梨花!な、なにがあったんだよ!?
り、龍平はー!?」
戸惑いながらそんな言葉を口にして叫ぶ啓介ー。
けれどー、
そんな啓介の言葉にも耳を貸さずに、
絵梨花はそのまま啓介を追い出して
家の鍵を閉めたー。
絵梨花のフリをすることは出来ず、
会社に行くこともできないまま
時間ばかりが過ぎていくー。
このままでは、絵梨花は会社をクビになってしまうー。
「ーーーー僕はー…僕はー…!」
絵梨花の身体で今日も欲望を楽しんでいた龍平は
自分でもどうしたらいいか分からない、という表情を浮かべながら
静かにそう言葉を口にしたー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
ずっと仲良しだった三人組の崩壊…
次回が最終回デス~!
今日もお読み下さりありがとうございました~~!

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