”極悪人”の男が、悪事をこなすために
女性警官に憑依したー。
しかしー、その憑依は”予想外”の方向へと
向かって行くー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーへへっ…」
数々の悪事をこなす犯罪組織・アビスに所属する男ー、
海藤 幸雄(かいとう ゆきお)は、笑みを浮かべていたー。
「ーー本当にいいんですかいー?」
幸雄が、少し驚いた様子でそう言葉を口にすると、
犯罪組織アビスの現首領・魔崎(まざき)は、
笑みを浮かべたー。
「ーあぁ、お前の”極悪な所業”は、
俺の耳にもちゃんと入っているー」
魔崎のその言葉に、笑みを浮かべる幸雄ー。
海藤 幸雄は、
犯罪組織アビスの”下っ端”だったー。
アビスの現幹部の一人である黒森 龍夜(くろもり りゅうや)にすら
”月に一度会えるかどうか分からない”ぐらいの下っ端で、
アビスに何年も所属しているものの、
”リーダー”に会ったのはこれが2度目だったー。
と、言っても、以前会った時はまだリーダーは別の男で
魔崎と直接会うのは初めてー、そんな有様だったー。
が、幸雄はとにかく極悪非道な男で、
あらゆる犯罪に手を染め、何の躊躇もせずに悪事を働くことから
リーダーの魔崎の目に留まったのだろうかー。
今日、呼び出されて、
そして”特別な仕事”を頼まれていたー。
それがー、刑事に憑依して
”警察内部の情報を探る”という仕事だったー。
「ーこの仕事は、”少しでも良心を持つような”人間には任せられないー
お前のような、クズにこそふさわしい仕事だー」
魔崎はそう言うと、
「ーー勘違いするなよー?”クズ”は誉め言葉だー」と、そう付け加えるー。
「へへっーありがとうございますー」
ニヤニヤする幸雄ー。
魔崎はそんな幸雄に対して指示をするー。
「ターゲットはこの女だー」
そう言いながら、モニターに表示したのは、
最近、犯罪組織アビスを探っている女性警察官の
花沢 茉莉(はなざわ まり)という女だったー。
「ーーー…へ…へへへー
俺が女にー」
ニヤニヤしながら、幸雄は興奮した様子を隠さずに笑うー。
「ーその方が、お前が喜ぶと思ってなー。
より、仕事のやる気も出るだろう?」
魔崎が笑いながら言うと、
幸雄は「へへへへーさすが魔崎さんーよく分かってらっしゃる」と、
ニヤニヤしながら頷くー。
「ーー上手く情報を引き出し続けることができれば
お前を幹部クラスに引き上げてやるー。
ーーー俺の期待を裏切るなよ?」
魔崎はそう言葉を口にすると、幸雄の肩をポンポンと叩いてから
そのまま立ち去っていくー。
「ーへへっ…へへへへへー」
幸雄は、ニヤニヤしながら頭を下げると、
早速”憑依”を実行に移したー。
指定された”憑依対象”である、花沢 茉莉に憑依するために、
茉莉が最近マークしている、”アビス”系列の事務所の周りに
足を運ぶー。
「ーへへ…あれが俺の新しい身体かーへへっ」
下品な笑みを浮かべる幸雄ー。
花沢 茉莉は、小さい頃から正義感が強くー、
学校時代も学級委員や生徒会を歴任、
とても優等生だったようだー。
「ーークククーまぁ、その”優等生”な人生も
俺に憑依されたら終わりだぜー。
存分にその身体をしゃぶりつくしてやるー」
ケラケラと笑う幸雄ー。
幸雄は物陰に隠れながら、茉莉に近付くと、
躊躇することなく、憑依薬を口にして、
そのまま背後から茉莉に近付いたー。
「ーー!」
茉莉が、背後から近づく幸雄に気付くー。
「ー誰!?」
茉莉がそう言葉を口にすると、
幸雄は「あぁ、いやー、へへへー」と、
ニヤニヤしながら茉莉を見つめるー。
明らかに”俺は不審者です”と言っているようなー、
そんな振る舞いだー。
が、不審者だと思われようと、
犯罪者扱いされようと、幸雄にとっては
どうでもよかったー。
どうせーー
今からその身体を奪うのだからー。
「ーへへーその身体、貰うぜー」
幸雄は隠す気もなく、そう言葉を口にすると、
そのまま茉莉にキスをするー
「ー!?!?!???」
驚く茉莉ー。
しかし、既に時は遅く、幸雄によって憑依されてしまい、
茉莉は、今までの表情を嘘のように崩して
下品な笑みを浮かべたー。
「ーへへっ…やべぇ…これが憑依かー…
”アビス”がこういうの使ってるのは知ってたけどー
へへっ、まさか俺が本当に憑依できるなんてー」
茉莉の身体でそう言葉を口にすると、
茉莉の顔で下品な笑みを浮かべながら、
蟹股になって、胸を揉み始める
「ひひひっ…へへっ…うひひひひひひひ♡」
”任務”も忘れて、しばらく茉莉の身体で、
下品に胸を揉み続ける幸雄ー。
やがてー、身体が気持ちよくなってきたところで
「っと、いけねぇーまずは魔崎さんに報告だー」と、
そう言葉を口にすると、茉莉に憑依する前に
自分自身が持っていたスマホを手に、
魔崎から教えられた連絡先に連絡を入れたー。
”ークククーその声で電話してきた、ということは
憑依に成功したということだなー”
魔崎は満足そうにそう言葉を口にすると、
”ーしばらくはその女のフリをして、アビス対策班の情報を
収集して貰いたい”と、それだけ言葉を口にしたー。
「ーーー…へへへー
でも、魔崎さんー俺に女刑事のフリなんてー」
と、そう言葉を口にする茉莉に憑依した幸雄ー。
”ーあぁ、分かっているー。仲間と落ち合えー。
その女の記憶ーーーまでは引き出せないが、
普段の振る舞いを自然と引き出せるようにすることはできるー”
魔崎のその言葉に、茉莉は「へへーそりゃすげぇですねー」と、
ニヤニヤしながら、合流場所を確認すると、
茉莉はリーダー・魔崎との連絡を終えて、
そのまま指定された場所へと向かい始めたー。
「ーーーーーー」
指定された場所にやって来ると、
誰もいなかったために、茉莉は待っている間に
自分の足を服の上から触ったりー、
胸を揉んだりー、髪のニオイを嗅いだりして
下品な笑みを浮かべるー。
「ーあ~~~…スーツの上からでも分かるいい身体つきー
エロい格好したら最高だろうなー」
そんなことを口にしていると、
背後から現れたのは、鋭い目つきのいかにも
強そうな雰囲気の男だったー。
犯罪組織アビスの現幹部・黒森 龍夜だー。
下っ端の幸雄は、その龍夜の風貌を見ただけで
気圧されてしまうー
「ーーお前が、海藤 幸雄だなー?
ボスからお前に”思考流入薬”を注射するように
指示を受けてここに来たー。」
龍夜がそう言うと、
茉莉に憑依している幸雄はヘラヘラ笑いながらー、
「ーーへ、へへへー思わずチビりそうになりましたぜー」と、
茉莉の顔で、だらしのない笑みを浮かべるー。
「ーーー腕を出せ」
”全く冗談の通じない男”として恐れられている
龍夜は、茉莉の態度にも動じず、注射をするために
腕を出すように促すー。
「ーへ…へへー分かりましたよー」
茉莉はそれだけ言うと、腕をまくると、
「へへー綺麗な腕だなぁ」と、そのまま腕に見とれるような
振る舞いを見せるー。
がー、そんな反応をも無視して、容赦なく注射器を打ち込んだ
龍夜は言うー。
「この注射は、乗っ取った身体から、
”普段の思考”を読み取るための薬を注入するための
試作段階の薬だー。
これで、お前は1時間もすればその女が”普段だったら”
どんな反応をするか、自然と流れ込んでくるようになるー。
その通りに振る舞うか、
あえて別の振る舞いをするかはお前の判断だがー、
これを潜入に役立てろ」
龍夜はそれだけ言うと、そのまま背を向けて歩き出すー。
茉莉は「へへー。ありがとうございますー」と、
それだけ言葉を口にすると、
「ところでーこれは”試作段階”ってー?」と、
そう質問をするー。
「ーあぁ そうだー
副作用が出て死んだら諦めろ」
龍夜は、全く容赦なくそう言うと、そのまま闇の中へと姿を消したー。
「ーーーへ…へへへへー…」
犯罪組織アビスの幹部・龍夜に気圧されながらも、
茉莉に憑依した幸雄は苦笑いすると、
そのままゆっくりと歩き始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーはいー今日も特に異常はありませんでしたー」
”アビス対策班”の本部に戻った茉莉は、
対策班の班長である、宮根(みやね)班長に対して
そう報告したー。
「ーそうかー花沢ー。
あまり無理はするなよー?」
宮根班長のその言葉に、茉莉は「はいー」と、
そう言葉を口にすると、
内心で”へへーこいつはすげぇ”と、笑みを浮かべたー。
”普段なら茉莉がどんな反応をするか”
それが、脳から流れ込んでくるのだー。
アビスの幹部・龍夜を経由して打ち込まれた注射の効果は
想像以上に絶大だったー。
”これなら、俺でも問題なくこの女のフリができるぜー”
そう思いつつ、一瞬ニヤッとしてしまったような気がして
落ち着かない様子でいると、
茉莉と同じくアビス対策班に所属する捜査官・石島 暁人(いしじま あきと)が、
言葉を掛けてきたー。
「ーお疲れー。まだうちに来たばかりであまり慣れてないとは思うけどー、
班長の言う通り、無理はするなよ」
と、そう言葉を口にする暁人ー。
「ありがとうございますー
でも、アビスを叩き潰すためですから」
茉莉の身体で、明るい笑顔を浮かべながらそう答えると、幸雄は、
”あ~あ…魔崎さんに逆らうなんてー、叩き潰されるのはお前らだぞー”と、
内心でそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
茉莉を乗っ取った幸雄は、仕事を終えて
そのまま帰路につくー。
「んーー?」
”家に帰ったら、この女の身体で存分に遊び尽くすかー”
そんな風に思っていた茉莉ー。
が、ふと、道端で泣きじゃくっている子供が視界に入ったー
「ケッーガキがー」
あざ笑うようにして言葉を口にする茉莉ー。
しかしー、その言葉と同時に、
心臓のあたりがズキッと軽い痛みを発したー。
「ーーーー…あ?」
不満そうに言葉を口にする茉莉ー。
身体が拒絶反応でも起こしたのだろうかー。
そしてーーー
幹部の龍夜を介して投与した”試薬”の効果で、
茉莉だったらどうするか、が、頭の中に浮かんでくるー。
案の定ー、
茉莉は、泣いている子供に声をかけて、
親切にその子供を助けてあげるー
そんな行動を起こすようだったー。
「ーーおい!ガキ!」
がー、茉莉に憑依している幸雄は”あえて”
本来の茉莉だったら取るはずの行動とは全く違う行動を取り始めるー。
「ーそんな場所でギャーギャー泣いてるんじゃねぇ!うるせぇぞ!」
茉莉が出したこともないような声ー、
浮かべたこともないであろう恐ろしい表情でそう言葉を口にすると、
その子供は怯えた様子でさらに泣き始めるー。
「ーーケッーーへへへへ」
茉莉は、子供が怯えているのを見て、満足そうに
笑みを浮かべると、そのまま、
アビス対策班の本部で事前に確認しておいた
茉莉の家に帰宅ー、
帰宅すると同時に茉莉の身体を楽しみ始めるー
「ーへへへへっ♡ 今日は存分に楽しませてもらうぜー」
茉莉に憑依している幸雄は、
今、この瞬間は、犯罪組織アビスのメンバーとしての任務よりも、
自分の欲望を満たすことを最優先して、
嬉しそうに胸を揉み始めるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
茉莉は”アビス対策班”で、対策班の情報を探ると、
早速それを”犯罪組織アビス”側に伝え始めるー。
”なるほどー”
リーダーの魔崎がそう言葉を口にするー。
「ーただ、”捜査官”たちもグループ分けされていて、
この女はー…え~B班に所属してるようなんですけど、
他にもいくつか班があって、異なる班同士の情報は
遮断されていて、分からねぇ状態ですー」
茉莉の身体でそう報告すると、
魔崎は”分かったー。とりあえずお前と同じB班に所属する
メンバーの情報だけでもこちらに送ってもらおう”と、
そう言葉を口にするー。
「ーへへー分かりましたー」
茉莉はニヤニヤしながら、そう返事をすると
早速言われた通りにデータを送信するー。
茉莉が所属する”B班”に所属している他3名の
捜査官のデータをアビス本部に送信すると、
茉莉は不気味な笑みを浮かべたー。
がーー
その帰り道ーーー
”昨日”と同じ場所で、また、昨日の子供が泣いているのが見えたー。
「ーーーんだよーまたお前かよクソガキー」
茉莉の身体で、平気でそんな言葉を口にする幸雄ー。
今日も、昨日と同じようにそれを無視して立ち去ろうとするー。
しかしーーーー
「チッ」と舌打ちをすると、
茉莉は何を考えたのか、その子供のところまで戻って行き、
「何かあったのかー?」と、そんな言葉を口にしたー。
茉莉に憑依した”幸雄”は、まだ気づいていないー。
自分が茉莉の身体を支配したのと同時に、
自分自身も”茉莉に”支配され始めているということをー。
<中編>へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
以前書いた”正義に目覚めた犯罪者”(他者変身モノ)と、
憑依版のようなものを見てみたい!というご意見を
以前いただいていたので書いて見ました~!!
(※正義に目覚めた犯罪者の続編ということではありません~~★)
毎週火曜日の作品だけ、予約投稿の都合上、
続きはまた来週になってしまいますが、
楽しみにしていて下さいネ~~!

コメント
まったく予想出来ない展開ですネ…!★
宮根班長の事だから…今回も…
感想ありがとうございます~!★
なんだかイヤな予感がするのデス…!
イヤな予感がしますネ…
宮根班長は部下も簡単に…
宮根班長は戦国武将だったら…かなりの地位になりそうですネ!★
来週の火曜日が待ち遠しいのデス!☆
ありがとうございます~!★
時代が違っていたら…確かに大変ですネ~~!!
来週の火曜日までのんびり待っててくださいネ~!!