<入れ替わり>リア充とクリぼっち①~負の感情~

クリスマスー…。

”リア充”な女子と、
”クリぼっち”な男子が入れ替わってしまったー…。

クリスマスイブの当日に入れ替わってしまった
二人の運命はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーへっ!な~にがクリスマスだ!」

クリスマスイブ当日ー。
教室内で不満を口にしていたのは
今年も”クリぼっち”の田沼 光夫(たぬま みつお)ー。

「ま~た始まったぜー」
そんな光夫の親友・岡田 輝也(おかだ てるや)は、
呆れ顔でそう言葉を口にすると、
「ー別にいいじゃねぇかー。
 大体、ミツ、お前、最後にクリぼっちじゃなかったのいつだよー?
 俺なんてもう、6年もクリぼっちなんだぜ?」
と、そう言葉を口にするー。

”ミツ”とは、光夫のあだ名だー。

「ーーー出た出たー…
 ”彼女がいるのが当たり前”みたいな言い方ー」
光夫は不貞腐れた様子でそう言葉を口にすると、
「”最後にクリぼっちじゃなかったのいつだよ”じゃねーよ!
 生まれてからずっとクリぼっちだよ!」
と、そう言葉を発したー

「ーーあ、あぁ……そっかー」
輝也が心底申し訳なさそうに言うのを見て、
光夫は「そ、その憐みの目もなんかムカつくー!」と、
そう叫ぶー。

「ークリスマスなんてものに浮かれやがって!
 大体、クリスマスなんてばか騒ぎするだけのイベントだろ?
 ヘラヘラしながらチキンとか、ケーキとか買いやがってさー
 ケーキ屋とか、チキン屋の罠に簡単に引っかかってやんの!

 馬鹿みたいだよなぁ~」

光夫がそう言うと、
輝也は周囲の視線を気にしながら
「おいっ!そういう態度が余計にクリぼっちになる原因だぞ!」
と、そう言葉を口にしながら”ってか、チキン屋ってなんだよ”と、
小声で言葉を口にするー。

「ーーへっ、クリスマスも、クリスマスに浮かれてる奴らも
 みんな爆発すればいいのにー」
光夫がニヤニヤしながら言うと、
輝也は呆れ顔で、
「ーお前、クリスマスに親でも殺されたのかー?」と、
そんな言葉を口にしつつ、さらに、
「っていうか、ケーキとか食ったりもしないのかよ?」と、
そう言うと、
「しないしないー。俺は毎年クリスマスにシャケしか食べないからな」と、
光夫はそんな言葉を口にするー。

「はぁ???」
輝也が、”意味分かんねぇ”と思いながら首を横に振ると、
そんな会話を聞いていた男子生徒の一人・滝口 学(たきぐち まなぶ)が
少し離れた場所で「賑やかだなぁ…」と、少し気まずそうに笑うー。

「ーーふふーそうだねー」
横にいた学の彼女・北原 愛美(きたはら あみ)が、
苦笑いしながらそう言葉を口にするー。

愛美は、”クリぼっち”な光夫からすれば”大嫌い”なタイプのリア充だー。

真面目で優しい性格で、
男女問わず人気者ー、
幼馴染の彼氏・学もいて、クリスマスも毎年楽しんでいるー。
そんな子だー。

「ーーーあ、それで今日は放課後、南口のケーキ屋の前で
 待ち合わせでいいんだったっけー?」
彼氏の学がそう確認すると、
「うん!一緒に選びたいしー」と、愛美は嬉しそうに頷くー。

今日は、彼氏の学と共に、愛美の家で
クリスマスのひと時を過ごすことになっているー。

幼馴染であるために、
愛美の親も、学のことは小さい頃から知っていて、
娘と学が付き合い始めたことも、歓迎してくれていたー。

「ーーわかったー。
 僕、放課後、生徒会の話し合いが少しあるから、
 少し遅れると思うケド、終わったらすぐに向かうよ」
学がそう言うと、愛美は「うん!待ってる」と、
穏やかに微笑んだー。

”クリぼっち”の光夫と、
”クリスマスを楽しむ”愛美ー。

二人のクリスマスは全く違うクリスマスで
それが交わることはないはずだったー。

しかしー…
交わることのないはずの、
二人のクリスマスが
予期せぬ形で交わることになるー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ただいま」
帰宅した光夫が、そう言葉を口にすると、
妹の雅(みやび)が、不満そうに近付いて来たー

「ちょっと!冷蔵庫のシャケと納豆ー、
 あれなんなの!?」
とー。

「ーへへ 今日はクリスマスだしー」
光夫がそう言うと、雅は不思議そうに表情を歪めるー。

「ーーー雅も、ケーキ屋とかチキン屋の罠にはまって
 金を無駄遣いするのやめた方がいいぜー」
そう言いながら、冷蔵庫から納豆のカップを一つ取り出すと、
妹の雅は「ーそういうこと言ってるからモテないのよ!」と、
不満そうに叫ぶー

「へいへいー」
光夫はそれだけ言うと、自分の部屋に入り、
納豆のカップを手にするー。

光夫は毎年、クリスマスに”納豆”を食べるようにしているー。

クリスマスと言う世間ではキラキラしたやつらが多い日に、
あえて臭い納豆を食べることで、
それを汚しているような、そんな気分になれるからだー。

そしてーー

納豆を勢いよく、憎しみを込めてかき混ぜ始める光夫ー。

「浮かれている馬鹿どもめ!」
納豆を光夫から見て”浮かれている馬鹿ども”に見立てながら
憎しみを込めてかき混ぜていくー。

そんな、”ストレス発散”を、光夫はいつも楽しんでいたー。

そして、夜には毎年シャケを食べるー。
誰かが、シャケを喰えと言っていた気がするからだー。

「ーーー」
納豆をかき混ぜながら、ふと、スマホの通知音が鳴ったことに気付き、
光夫はスマホの方を見つめるー。

すると、そこにはーー

”クリぼっちのあなたにー
 リア充を体験することができる夢のアプリ”と、
そう書かれた通知が表示されていたー。

「ーはっーくだらねぇ」
スマホの通知を押しながら、光夫はそう呟くと、
そのまま納豆をかき混ぜるー。

しかしー…

”本アプリはクリぼっちの中から選ばれた方にのみお送りしています”

”身近なリア充と入れ替わって、夢のクリスマス生活を”

”「体験する」をタップしてすると
 その方とあなたの身体が入れ替わります”

などと、そんな風に書かれているのを見て、
光夫は納豆をかき混ぜる手を止めたー。

「ーーー…リア充と入れ替わるー…
 そんなバカなことあるわけないだろ」

光夫はそう言葉を口にしながら”体験する”というボタンを
見つめるー。

「身近なリア充…ねぇ」
光夫はそう呟くと、
クラスメイトの滝口 学のことを
頭に思い浮かべるー。

幼馴染の彼女がいて、毎日楽しそうな学。
容姿もそれなりにイケメンだし、
ああいうのを、リア充と言うのだろうー。

”体験するを押すと、身近なリア充と身体が入れ替わります”
と、そう書かれているのを改めて見つめると、
光夫は”やれやれ”という様子で首を横に振るー。

そんなことあり得ないー。
あるはずが、ないー。

がーーーー

「ーーもしホントに滝口と入れ替わったら、
 俺がー北原さんとクリスマスを過ごすってことかー」

光夫は、クラスメイトの愛美のことを思い出しながら、
そう言葉を口にすると、
ゴクリ、と唾を飲み込むー。

「ーーも、もちろん、リア充になりたいわけじゃないけどな!
 こういうくだらないアプリがー

 そう、”どうせ嘘”のアプリが嘘かどうかを確かめるだけだからな!」

自分に言い聞かせるようにして、
そんな言葉を何度か口にすると、
手を震わせながら光夫は”体験する”というボタンを
そのまま、押したーーー

「ーーーーーー」

シーン、と静まり返った状態の部屋の中ー…
特に、何も起きる様子はないー。

「ーへへっ!ほ~ら、こういうのは嘘だって決まってーー」
そこまで言いかけると、直後、スマホが謎の光を放ち始めたー。

「ーえっ…!?えっ!?えっ!?えっ!?」
スマホの光に慌て始める光夫ー。

しかし、すぐに
「あ~、ボタンを押すとスマホを光らせて焦らせるやつかー?
 俺にはそんな子供騙し通用しなーー」

と、そう言いかけたところで、光夫は今までに感じたことのない
”魂が抜けるような感覚”を味わってそのまま失神してしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーーー」

その直後ーーーー
光夫はハッとした様子で目を覚ましたー。

「ーーーえっ…!?」
光夫は、驚いたような表情を浮かべながら
周囲を見渡すー。

光に包まれた光夫はーー…
ワープしてしまったーー…

…わけではなく、見慣れた自分の部屋の中にいた。

しかし、その様子は何だかおかしい。
不思議そうに周囲をキョロキョロ見回した光夫は
やがて、”ここどこ…?”と、不思議そうに、
そんな言葉を口にする。

ーそこは”自分の部屋”であるはずなのに、
傍から見れば完全におかしな言葉ー。

「ーー……ーーー…なんか…え…声も変ー」
やがて、光夫は”自分の声”がおかしいと気付くー。

そして、さらにはーー

「ーーな…何これ…!?な、納豆ー!?!?!?」
光夫自身が”クリスマスに必ず食べる”ことにしている納豆ー。

今度はそれを見て驚きの声を上げると、
「な、なんで納豆なんかー…」と呟くー。

その驚きは、やがて納豆から
”自分の身体”へと変化していくー。

光夫は、自分の身体を見て、
驚いて声を上げたー。

それもそのはずー。
光夫自身が使った”リア充と入れ替わるアプリ”は本物だったー。

光夫は、”身近なリア充”と入れ替わってしまい、
今、ここにいる光夫は、
”入れ替わって中身が別人となった”光夫だったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーー!!!!!!!!!」

”リア充”と入れ替わるー。
そんなアプリを偽物だと決めつけていた光夫は
実際に”いる場所”が変わったことで驚きの表情を浮かべるー。

周囲を見渡しながら、驚きの表情を浮かべるー

”ま、まさか滝口と本当に入れ替わっちゃうなんてー”

クラスメイトの滝口 学ー
光夫からすれば、嫌いな”リア充”だー。

がー、学になったとなれば、
クラスの中でもトップクラスに可愛い北原 愛美と
クリスマスを楽しむことができるー。

リア充は爆発すべしー。
そう考えている光夫であったものの、
本当に入れ替わることができたのであればー…

”へへー…滝口ー、お前の代わりに俺がリア充ごっこしておいてやるよー”
そう思いながら、光夫は入れ替わった身体で、
ニヤニヤと笑みを浮かべ始めるー。

がー、その時だったー

「ーーー愛美…?」
そんな、声がしたー

「ーーーえ…?」
入れ替わった光夫が少し表情を歪めながら
声がしたほうを見つめるとー、
そこにはー、クラスメイトのリア充な男子・学の姿があったー

「ーーえっ…お、俺、滝口になったんじゃー…?」
そんな言葉を口にしてしまうと同時に、光夫は
自分の口から”女”の声が出たことに気付き、
慌ててドキッとして口元を塞ぐー。

「ーー…あ、愛美…???」
彼氏の学が、困惑した様子で目の前にいる彼女、”愛美”を見つめるー

”ーーえ…?な、な、な、なんだこれー!?”
光夫は、自分の身体を見下ろすと、
そこには、サンタの衣装を着た”女”の身体が見えたー。

”ーえ……???う、嘘だろー?
 滝口じゃなくて、北原さんと入れ替わったのかー?俺ー…”

何故だか、根拠もなく
”身近なリア充と入れ替わる”と見た光夫は
クラスメイトの滝口 学と入れ替わると、そう思い込んでいたー。

だが、実際に入れ替わったのは滝口 学ではなく、
その彼女である北原 愛美の方だったのだー

「う…う… え… えへ…」
愛美になったことに気付き、だらしない笑みを浮かべる愛美(光夫)ー

「ーーー…だ…大丈夫かー…?」
彼氏の学は、突然様子がおかしくなった愛美(光夫)を見て
困惑の表情を浮かべると、
愛美(光夫)は”ーーマジかー俺が女にーへへへへ”と、
そんなことを考えると、
”へへへへー…リア充を爆発させる大チャンスだ”と、
笑みを浮かべるー。

そして、愛美の身体で光夫は言葉を発したー

「ーーークリスマスってさー……
 馬鹿みたいだよねー」

とー。

「ーーえ?」
学は、突然の愛美(光夫)の言葉に混乱するー。

「ーーだってさ、滝口ーーいや、ううんー…学もそう思わないー?
 こんな風にさ、サンタの格好とかしちゃってさー、
 浮かれちゃってー へへー」

愛美(光夫)が、自分が着ているサンタの衣装を触りながらそう言うと、
「ケーキとかチキンとか、み~んな思考停止で食べてー」と、
机に並んだケーキとチキンを指差しながら笑うー

「あ…愛美ー…????」
突然豹変した”愛美”を前に、彼氏の学は只々混乱するー。

”へへへへーせっかくだし、リア充のクリスマスを滅茶苦茶にしてやるぞー”
愛美になった光夫は改めて、心の中でそう言葉を口にすると、
「ークリスマスと言えばさ~…やっぱ”納豆”だよ」
と、彼氏の学に向かって、そんな言葉を口にしたー。

②へ続く

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コメント

メリークリスマスデス~!★
今年のクリスマスのお話は入れ替わりモノにしました~!★

クリスマスに何か予定がある皆様も、
特に予定はない皆様も、
体調を崩さないように、過ごしてくださいネ~!!

いつも、火曜日のお話は(火曜日だけ予約投稿の都合上)、
続きは来週~…!という形にしていますが、
今週はクリスマスシフトで上手く調整したので、
続きは明日、そのまま続けて書いていきます~!
楽しんでくださいネ~!!

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