<憑依>お兄ちゃんが憑依で好き放題しているのを知ってしまった②~不安~

妹を大事にする兄ー。

そんな兄と仲良しな妹ー。

しかしある日、妹は
兄が憑依薬で好き放題していることを知ってしまって…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーひ、憑依薬ー…」
麻里奈は兄・竜聖の部屋で”憑依薬”と書かれた箱を
見つけてしまったー。

そして、その中には説明書らしきものが入っているー。

「ーーー」
そこには、”他人の身体を乗っ取ることができる”と、
確かにそう書かれていたー。

「ーー…お、お兄ちゃんーー」
呆然とした表情を浮かべる麻里奈ー。

同じ文化祭実行委員として働く佳代から見せられた
”憑依薬”のサイトー。

その佳代がそのサイトを”解析”して、勝手に見ていた
購入者リストの中に、
”兄の名前”があるのを偶然見つけてしまった麻里奈は
”そんなことあるわけないよねー”と、思いつつも
不安になり、兄・竜聖の部屋を探してみたところー、
見つけてしまったのだー。

「ーーー…う、ううんー…
 憑依なんて実際にできるはずないしー…
 そ、それにお兄ちゃんは人の身体を勝手に使うなんてこと
 絶対にするはずがないしー」
麻里奈は自分に言い聞かせるかのように、
そう言葉を口にすると、兄・竜聖の部屋の時計を見つめるー。

「ーそろそろ行かなきゃー」
これ以上、家にいると遅刻してしまうー。
そう思った麻里奈は、慌てて兄の部屋を元通りにすると
そのまま学校に向かって歩き始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーえへへへへー
 あ~~~…いいー
 こんな顔もできるんだなぁ~…」

その日の夜ー。
竜聖は同じクラスの女子生徒・克美(かつみ)に
憑依して”お楽しみ”をしていたー。

いつも教室の端っこで静かに読書をしているような
大人しいタイプの子だー。

そんな克美に憑依して、トレードマークの眼鏡を
雑に外すと、
「メガネを外した顔の方が、可愛い気がするなぁ…」と、
ニヤニヤと笑うー。

克美が普段、こんな風にニヤニヤすることもないために
そんな姿を見ても、ゾクゾクしてしまうー。

「ーーへへっー
 眼鏡をかけてる方が可愛い子もいるけどー…
 この顔の場合は、眼鏡を外した方がー

 いやー、普段眼鏡をずっとかけてるから
 ギャップでそう感じるだけかなー?」

克美の身体でそんな言葉を口にすると、
普段の克美が絶対にしないような
挑発的なポーズをしたり、悪い笑みを浮かべてみたり、
不機嫌そうな態度を取ってみたりしながら、
欲望の時間を楽しむー。

「ーーへへっー
 うわぁ…すごい悪そうな顔ー…
 すっごいなぁ…」
語学力を失って、そんな言葉を口にすると、
ニヤニヤしながら克美は
「ー髪型も変えてみるか」と、そう言葉を口にしたー。

がーーーー
その頃ー…

”家”では、妹の麻里奈が、
兄・竜聖の部屋を訪れていたー。

「ーーーー…」
麻里奈は、”お兄ちゃん”と、何度か
竜聖のことを呼び、その身体を揺さぶっていたー。

が、兄・竜聖の身体は今は”抜け殻”の状態ー。

起きる気配はないー。

「~~~~~~…」
麻里奈は心底悲しそうにしながら、兄・竜聖を見つめるー。

普段、麻里奈が兄・竜聖の部屋に勝手に入って来ることはないし、
仮に”憑依”していて抜け殻になっている最中に入って来たとしても
”寝ている”ように見えれば、麻里奈はそのまま出て行くー。

両親もそうだー。

そんな家族のパターンを知っていたからこそ、
竜聖はベッドで寝ているような態勢になってから憑依薬を飲み、
お楽しみをしていたー。

万が一、お楽しみの最中に家族が入っていても
”もう寝てるよ”と、いう雰囲気を出すことで、
疑われないようにする…、そんな狙いがあったー。

がー…
佳代に見せられた憑依薬購入者リストに兄の名前があったことで、
それを心配した麻里奈は、部屋に入ってきて、
”憑依中”の兄・竜聖に声をかけてしまったー。

「ーー…どうして、起きないのー…?」
麻里奈は、”抜け殻”の竜聖の身体を見つめながら
困惑の表情を浮かべるー。

「ーーーーーー……」
”お兄ちゃん”は、本当に誰かに憑依しているのー?

そんな不安を抱いてしまう麻里奈ー。

お兄ちゃんが誰かの身体を勝手に使っているー
そんなこと信じたくないー。

でもー…

麻里奈はふと、兄・竜聖が”くすぐられることに弱い”ことを
思い出すー。
小さい頃、よくお互いに悪ふざけをしている時に、
兄・竜聖をくすぐってギブアップさせたことが何度もあったー。

「ーーー」
麻里奈は”抜け殻”の竜聖をくすぐってみようと、身体に触れるー。

これでも”起きなければー”
麻里奈は、そんな風に思いながら、
「お兄ちゃんー…」と名前を呼びつつー、
兄・竜聖をくすぐりはじめるー。

くすぐれば、お兄ちゃんはきっと”いつものように”笑い出すー。
お兄ちゃんはきっと、笑ってくれるー。

そんな希望を抱きながら、麻里奈は兄・竜聖の身体をくすぐったー。

けれどー、
兄・竜聖は、反応することはなかったー。

そんな残酷な結果に、
麻里奈は目に涙を浮かべながら、
今は”中身”が空っぽの兄・竜聖に対して
「お兄ちゃん…誰かに憑依してるのー?」と、そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーっと…ちょっと遊びすぎちゃったかなー」
すっかり乱れた格好で、
クラスメイト・克美に憑依している竜聖は
笑みを浮かべるー。

「ーーちゃんと片付けておかないとー」
乱れた格好のまま部屋の”後片付け”をする克美ー

「あ~…明日から、姿を見るたびに
 今日のこと思い出しちゃいそうだなぁ…
 大人しい顔しておいて、なんかすごかったしー…へへー

 あんなエロイ声が出るなんて…えへへー」

”お楽しみ”の最中のことを思い出しながら
克美は下品な笑みを浮かべるー。

もう一度、克美の身体で”お楽しみ”をしたいと思ってしまいそうに
なりながらも、
「これ以上ヤッたら、遅くなっちゃうしー、
 ここまでだなー」と、何とか欲望を自制すると、
そのまま後片付けを終えて、克美をベッドに寝かせたー。

”寝落ちしていた”と思わせるために、
竜聖は解放するときのタイミングや状況も上手く調整しているー。

一応、彼なりに計算はしているのだー。

ただ、まだ高校生である故か、
”憑依薬の箱や説明書”を引き出しにしまってあるとは言え、
探せば見つかってしまう場所に置いたままになっているなど、
少し浅はかな一面があるのも確かではあったー。

その結果ーーー

「ーーーーえっ…!?」
克美の身体から抜け出し、自分の身体に戻った竜聖は困惑するー。

憑依する際には、幽体離脱してその場所まで
向かう必要があるものの、
”憑依を解除”した時には、自分の身体に一瞬にして戻るー…

そのため、”自分の部屋”の状況を知ることなく、
竜聖は自分の部屋へと、飛んで戻ってきたー。

がー…

「ーーーま……ま、麻里奈ー…!?」
目を覚ますと同時にー、
竜聖は自分の部屋に妹の麻里奈がいてー、
しかも、その麻里奈が泣いていることに気付いたー

「ーーお兄ちゃんー…」
麻里奈が涙目で、竜聖の方を見つめるー。

「ーーえ…ご、ごめんー
 な、何かあったのかー?」
意識を取り戻したばかりの竜聖が、
泣いている麻里奈を見て、慌ててそう言葉を口にすると、
麻里奈は言葉を続けたー。

「ーー”文化祭”のことで聞きたいことがあったからー
 お兄ちゃんの部屋に来たのにー
 呼んでも起きないからー」
とー。

麻里奈なりに”部屋に来た口実”に文化祭実行委員である立場を
利用して、そう説明したー。

「ーー…ご、ご、ごめん!
 な、なんか熟睡してたみたいでー
 大丈夫ー大丈夫だからー
 心配かけてごめんなー」

竜聖は慌てた様子で謝罪の言葉を口にすると、
すぐに「そ、それで相談ってー?」と、
いつものように優しい笑顔を浮かべるー。

もちろんー、竜聖自身も
”憑依から戻ってきたら、妹がすぐ側で涙目になっていた”
という状況に”憑依を悟られたかもしれない”という不安を感じていたー。

が、それ以上に妹想いな竜聖は、
妹が泣きながら自分のことを待っていたことに、
申し訳なさを感じて、すぐに相談に乗ろうとしたー。

「ーーーーーー…」
麻里奈は悲しそうな表情を浮かべたまま、
少しの間、何かを躊躇するような素振りを見せたー。

そしてー、ようやく意を決したのか、
麻里奈は、兄・竜聖に対して”本当に聞きたいこと”を
口にしたー。

「ーーーお兄ちゃんーー…誰かに”憑依”してたのー?」
とー

「ーー!?!?!?!?!?」
竜聖は、麻里奈のそんな言葉に真っ青になりながら、
「ひ、ひ、ひ、憑依ー…???な、な、なんだそれー!?」と、
とぼけるような言葉を口にするー。

「ーーー…お兄ちゃんー…お願い、正直に答えてー」
麻里奈が悲しそうに言葉を口にするー。

「ーーい、いや、ま、ま、待ってくれー
 ”憑依”なんて、わ、わ、訳が分からないよ!」
竜聖は視線を泳がせながら、明らかに挙動不審な態度を
取りつつ、そう言葉を口にするー。

「ーーーーー本当?」
麻里奈が涙目のまま、その視線を竜聖に向けて来るー。

竜聖は、心をズキズキと痛めながら
「ひ、ひ、憑依なんて分からないし、
 そ、そんなことできるわけないしー
 も、もしもできるんだとしても、絶対ー、俺はしないからー」と、
そう”嘘”をついたー。

「ーーー…」
麻里奈は目から涙をこぼすと、
「ーよかったー…お兄ちゃんが…誰かを傷つけてるなんてー…
 わたしー…絶対に信じたくないからー」と、そう言葉を吐き出したー。

「ーー…だ、大丈夫ー。心配かけてごめんなー。
 俺は大丈夫だからー。
 憑依なんて、知らないからー」

竜聖はそれだけ言葉を口にすると、
麻里奈は悲しそうな表情のまま、静かに頷いたー。

文化祭の相談を少しだけして、
麻里奈はそのまま部屋から立ち去っていくー。

一人残された竜聖は、青ざめたまま、引き出しの中の
憑依薬を確認するー。

憑依薬は1回につき、一口飲めばよいだけで、
約100回分、容器に入っているー。

まだまだ、憑依は存分に楽しむことができるだけの
量は残されているー。

「ーーーーー」
がー、麻里奈の悲しそうな顔を見た竜聖は、
震えながら、憑依薬の容器を見つめていたー。

「ーーくそっ…俺は…俺はどうすればー…」
例え、麻里奈に気付かれようとも、
麻里奈に憑依して口封じをしよう…などという
邪悪な考えは竜聖にはないー。

妹の麻里奈に憑依するつもりは絶対にないし、
これからも当然、それをするつもりはないー。

「ー俺は…俺はー、ただー」
”憑依薬”を偶然手に入れて、
その力に魅了されてしまった竜聖ー。

クラスメイトや先生、バイト先の人間ー
色々な人間にこれまで憑依してきたー。

が、誰かの人生を破壊するようなことはしたことはないし、
憑依した人間の身体でそのまま命を絶つようなことも
当然したことはないー。

「俺は…ただーー」
ただ、自分はちょっと楽しみたいだけだと、竜聖は
一人、そう言葉を口にするー。

妹・麻里奈のことを考えれば、憑依薬は今すぐ破棄してー、
2度と誰にも憑依しないと誓うのが、
正しい選択なのだとは、竜聖は分かっているー。

けれどー…
”他の人間の身体を乗っ取った時のあの快感”を
思い出してしまうと、どうしても竜聖には
憑依薬を処分することはできなかったー。

そしてー…
その日以降もー
時間帯をさらに夜遅くー…
”深夜”にずらして、竜聖は憑依を続けてしまったー

この日も、バイト先の先輩に憑依して、
その先輩の部屋の中で好き放題、お楽しみをしたー。

「ーーーお兄ちゃんー…」
がー…麻里奈は”お兄ちゃん”が、深夜に時間帯をずらして
憑依を楽しんでいることに、気付いてしまっていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー今日は母さんも父さんも帰りが遅くなるってさー。」

そんなある日ー
先に学校から帰宅していた竜聖が、麻里奈に対して
そう言葉を口にすると、
麻里奈は「あ、うんー。朝聞いたよー」と、
穏やかに言葉を口にするー。

「ー晩御飯は何が食べたいー?」
竜聖がそう確認すると、麻里奈は「え~お兄ちゃんにお任せ~!」と、
笑いながら部屋の方に向かっていくー。

「ははー…え~っと、じゃあ、何にしようかな~」
竜聖がそんな言葉を口にしながら、冷蔵庫の食材を確認したり
”何か頼むかなぁ”と、そんなことを考えていると、
やがて、妹の麻里奈が2階から降りて来たー。

「ーーん?何か食べたいもの、浮かんだかー?」
竜聖が笑いながらそう言葉を口にするー。

がー、麻里奈は竜聖の方を見つめながら
ニヤッと笑ったー

「ー?」
竜聖が、不安そうに表情を曇らせるー。

すると、麻里奈の口から信じられない言葉が
発されたー。

「ーー…お前、”憑依薬”持ってんだろー?
 だったら、すぐに状況を理解できるはずだー」

「ーーま、麻里奈ー…?」
震えながら竜聖が麻里奈を見つめると、
麻里奈は言葉を続けたー

「お前の妹の身体は頂いたー」
とー。

③へ続く

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コメント

次回が最終回デス~!☆

気付かれてしまっただけではなく、
憑依まで…?

どんな結末を迎えるのかは、明日のお楽しみデス~!!!

今日もありがとうございました~!☆!

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