”夜更かし”している子を見つけては
憑依を繰り返す憑依人ー。
今日も、いつものように憑依していた彼は
”あること”に気付きー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
妹と同居しているOL・花凛に憑依した力哉は、
いつものように、数分間、軽く欲望を楽しんだあと、
そのまま花凛の身体で寝ようとしていたー。
力哉の妹・美彩のような悲劇を繰り返したくないー。
その一心で、力哉は夜更かししている子に憑依しては
”寝る”ということを繰り返していたー。
がー…
変な物音が聞こえた花凛は、寝るのを一旦後回しにして、
そっと、部屋から出ると、
物音がする方向へと向かっていくー。
「ー何の音だー?」
小声で呟く花凛ー。
花凛の妹で、大学に通っている香菜は、既にとっくに寝ているー。
そうなればーー…
誰かが家に入って来たのかもしれないー
「ーーくそっー……」
花凛は表情を歪めるー。
もし、”空き巣”だったらー。
正直、花凛の身体で戦う自信はないー。
そもそも、力哉自身、戦うとか、そういうことは得意じゃないし、
花凛の身体になっている今は、尚更力もなくなっているだろうからー、
もしもヤバい感じの空き巣でも入って来ていたら、終わりだー。
力哉自身は、”花凛”の身体を捨てればどうにでもなるけれど、
それでは、この花凛が大変な目に遭ってしまうー。
元々”妹のように死んでしまう子を減らしたい”という想いで
憑依を繰り返している力哉からしてみれば、
花凛の身体を捨てて逃げる、という選択肢はなかったー。
やがてー、物音がする方向に向かっていくとー、
物音は花凛と同居している妹・女子大生の香菜の部屋から
聞こえてきていることが分かったー。
「ーーー…???」
耳を澄ませると、香菜が喘ぐような声を上げているのが
聞こえて来たー
”へへっ…やべぇ…コイツの身体も最高だぜ!へへへへっ♡”
そんな、香菜の言葉も聞こえて来るー
「ー!?」
花凛に憑依している力哉は表情を歪めるー。
”コイツの身体も最高ー”
そんなことを、自分で言うはずがないー。
”知らなければ”香菜が何を言っているのか理解できず
戸惑うかもしれないー。
けれど、花凛に憑依している力哉は、
自分自身も”憑依薬”を使ってこうして憑依を繰り返している人間ー。
だからこそ、香菜の”言葉”の意味をすぐに理解してしまったー。
花凛の妹・”香菜”は、別の誰かに憑依されているー、とー。
部屋の扉を開けて、
「ーな、なにをしてるのー?」と、姉・花凛のフリをしながら
そう言葉を口にする力哉ー。
するとーー、
バニーガールの格好をして、乱れ切った姿の妹・香菜が
「えっ!?!?あっ!?!?!?」と、慌てた様子を見せるー。
「ーーーーべ、べ、べ、べ、別にー
わ、わたしだって、こうー、こういうことしたい日だってあるし!」
バニーガール姿の香菜はそう言葉を口にすると、
「ーーき、今日のことは絶対に誰にも言わないでね!
わたしにも絶対に!」と、そんな言葉を口にしてから立ち上がるー。
どうやら、姉の花凛も憑依されているとは思っていないようで、
正気に戻ったあとの香菜に”今日のこと”を花凛が話すのを
恐れている様子だったー。
が、それを聞いた花凛に憑依している力哉は言ったー。
「ー”憑依”ー」
とー。
「ー!」
バニーガール姿の妹・香菜が表情を歪めるー。
「ーー”憑依”してるんだろ?
ーーー俺もだー」
と、花凛に憑依している力哉がそう言うと、
香菜はしばらく沈黙すると、
「んだよー。”お仲間”かー」と、そう言葉を口にしてから
ドサッとベッドに座って、足を組み始めるー。
”夜更かししている子”を寝かせるために、
憑依を繰り返している力哉ー。
何も知らずに、今日は姉妹で暮らしているOLの姉・花凛に憑依して
花凛を寝かせようとしていたー。
が、”偶然”同じタイミングで、
別の”憑依人”が妹の香菜に憑依してお楽しみをしていたのだー。
「ーーへへへー
お前も”夜中”に憑依してお楽しみかー?」
バニーガール姿の香菜は胸を揉みながらニヤニヤと笑うー。
が、花凛に憑依している力哉は、
少し表情を歪めて「お楽しみはほどほどにー、な」と、そう言葉を口にすると、
「もう遅いし、この子たちは寝かせよう」と、そう言葉を続けたー。
がー、バニーガール姿の妹・香菜は笑いながら
「寝かせるぅ?おいおい、何言ってんだよー。まだ夜は長いぜ?
お楽しみはこれからだろ?」と、
太腿を撫で回すように触りながら笑うー。
「ー憑依ってすげぇよなー
こういう大人しい子に、こんな過激な姿をさせるのも
自由なんだからー」
邪悪な笑みを浮かべる香菜ー。
「ーそうだー。せっかくだし、姉妹でレズろうぜー?
へへー。
こいつも、”お姉ちゃん”も憑依されてるんだからー、
好き放題できるだろ?」
ニヤニヤしながら、バニーガール姿のまま
身体を密着させてくる香菜ー。
そんな香菜にドキッとしながらも、花凛に憑依している力哉は
「いや、もう0時過ぎてるしー、この子たちのためにも、寝かせようー」と、
そう言い放つー。
「ーーーはぁ?
さっきから寝る寝る言ってー…何なんだよ?」
香菜は不満そうにしながら、部屋に置いてあったガムを噛み始めるー。
どうやら、香菜に憑依している男は、
事前に香菜の部屋にコスプレの衣装など、色々なものを
何らかの方法で持ち込んでいるようだー。
「ーーーー」
花凛に憑依している力哉は、少し考えてから、
「ーー俺は、夜更かししている子を寝かせるために憑依してるんだー
もちろんーちょっとは楽しませてもらうけどー」と、
そう言葉を口にした上で、かつて”大切な人”が、
死んだことも口にするー。
がー、香菜に憑依している男は、それを聞いて笑ったー
「ーんだよ、そんな下らねぇことのために憑依してるのかよ!?
へへっ…はははははっ!」
ゲラゲラ笑う香菜ー。
すると、香菜は、姉・花凛を見つめながら言ったー。
「俺はなー”深夜”に憑依した方がバレにくいから、
深夜に憑依してるんだよー」
とー。
「ー深夜なら、周りにも気づかれにくいし、
本人にも”寝落ち”と思わせやすいー
例えばコイツが大学に言ってる時間帯に憑依したら
周囲も”香菜ちゃん、いつもと違うね”とか言い出すだろうし、
コイツだって、”あれ?わたし、大学にいたはずなのにー”ってなるだろ?」
香菜は自分を指差しながら笑うー。
「だから、夜中に憑依して好き放題楽しんでるんだよー」
ニヤニヤしながら、そう呟く香菜ー。
そんな香菜に対して、姉・花凛に憑依している力哉は
「そ、そんなー…そんなことー」と、そう言葉を口にするー。
「乗っ取ってる俺たちはいいー
でも、この子たちの身体は”寝てると思ってる時間帯”にも
起きてることで、負担がかかってる状態なんだぞ!?」
花凛はそう叫ぶー。
花凛に憑依している”力哉”の身体は抜け殻の状態ー。
力哉がこうして、花凛の身体で過ごしていても、
力哉の”身体”は寝ている状態であるため、
体力は回復しているー。
香菜に憑依している男の方も、同じはずだー。
が、乗っ取られている花凛と香菜は、
意識を失っているにも関わらず、”身体”は動いている状態で
あるために、身体は睡眠を取れていないー。
そのため、花凛と香菜の身体には、このまま使い続けていれば
大きな負担がかかるー。
「ーへへーなんだよー
お前だって他人の身体に勝手に憑依してるくせに
ヒーローきどりなこと、言うんじゃねぇよ」
香菜はニヤニヤしながら、そう言葉を口にすると、
そのまま胸を揉み始めるー。
「ーーへへへへー
ほら、お前も自分の揉めよー。
いっしょに楽しもうぜ?ーー
”お姉ちゃん”ー」
香菜はニヤニヤしながら、そう呟くと、
花凛のほうを見つめながら気持ちよさそうに胸を揉むー。
その様子にゴクリ、と唾を飲み込む花凛ー
花凛に憑依した力哉は、目の前にいる香菜の姿を見て、
ドキドキしてしまうー。
「ーーーへへへ 興奮してるのを隠さなくたって分かるぜー?」
妹・香菜に憑依している男はニヤニヤと笑いながら言うー。
彼ー、前野 秀介(まえの しゅうすけ)はー、
力哉と同じく”深夜”を狙って、寝ない子に憑依している男ー。
先程、力哉に語った通り、
”深夜の方が本人に違和感を抱かれにくいこと”と、
”周囲が異変に気付きにくいこと”を理由として、
”夜更かししている子”に憑依しているー。
寝ている子に直接憑依しないのは、
”寝ている最中の憑依”は、強引に身体を起こすために
妙に眠いままだったり、体調が悪くなったりして、
存分に楽しめないことが以前、何度かあったためだー。
それ以降、秀介は”夜更かししている子”に憑依しているー。
少し前にも女子大生の香苗や、
彼氏と電話をしている最中だった百恵に憑依して、
好き放題お楽しみをしていたのも、この秀介だー。
”欲望”のためだけに深夜に憑依を繰り返す男・秀介と、
最初は欲望のためだったけれど、やがて
妹のように命を落とす子を減らしたいと思い、
夜更かししている子を寝かせるために憑依を繰り返す男・力哉ー。
同じ、”深夜に憑依しているもの同士”が対峙したー。
がー、やがて
姉・花凛に憑依している力哉は
「ーーーー俺は、お前の邪魔をしないー。
だから、お前も俺の邪魔をしないでくれー」と、
そう言葉を口にするー。
「あん?」
妹・香菜が不満そうに言うー。
「ー俺は、この子の身体で寝るー。
俺は、お前が楽しむのを邪魔しないから、
だから、お前も俺が寝るのを邪魔しないでくれ」
姉・花凛の身体でそう宣言すると、
香菜に憑依している秀介は
「んだよー。憑依してすることが”寝る”ことかよー
つまんねぇ野郎だぜ」と、不満そうに吐き捨てるー。
「ー何とでも言え。約束だぞ?いいなー?」
花凛はそう言うと、そのまま部屋の外に出ていくー。
「ーーー…わかったよー」
香菜は不満そうにしながらも、
ケッ、と舌打ちをすると、そのままため息を吐き出したー。
「仕方ねぇ。一人でコイツの身体を楽しみつくすかー」
香菜は邪悪な笑みを浮かべると、静かにそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
部屋に戻った花凛に憑依している力哉は、ベッドに横たわると、
いつものように”憑依したまま”寝るのではなくー、
花凛の身体からそのまま幽体離脱したー。
そしてーー
その状態で、香菜の部屋へと向かうー。
香菜に憑依している秀介は早速香菜の身体を
嬉しそうに楽しんでいて、
香菜は喘ぎ声を上げながら、幸せそうな表情を浮かべているー。
”ーーーーー”
そんな、”香菜”を霊体の状態で見つめながら
”他人の妹とは言え、放っておけない”と、
そう心の中で思ったー。
若くして命を落とした妹・美彩ー。
そんな”妹”がいたからこそー、
同じ”妹”という立場である香菜を放っておけなかったのかもしれないー。
狂ったように笑いながら、
欲望の限りを尽くしている”憑依された”香菜ー。
その優しそうな顔は極限まで欲にゆがみ、
乱れ切っているー。
「ーーーー…俺だって、他人に憑依してるから、
お前のことは言えねぇけどー…」
力哉はそう言葉を口にしながら、
憑依されている香菜のほうを見つめるとー、
「ーもう、そろそろいいだろー?」と、
香菜に憑依している男・秀介を止めるべく、
自身が上から憑依する形で、香菜を助けようとしたー。
香菜に憑依する力哉ー。
「ーーぁ!?!?!?!?!?」
香菜がビクンと震えるー。
そして、香菜の身体を、秀介のさらに上から乗っとるとーー
直後ーー、
今まで感じたことのない感触を覚えたー。
「ーーえっ…?!!」
下着姿のまま、その場で嘔吐してしまう香菜ー。
「ーーな…?」
身体から急激に力が抜けていき、身体が痙攣し始めるー。
”な、なんだ…や、やばいー”
憑依した力哉はすぐに身体から抜け出そうとするー。
”ーーおい、テメェ!な、なにをした!?”
先に憑依していた秀介の声も聞こえて来るー。
「ーーぁ… ぁ…」
そうこうしているうちに、香菜が白目を剥いてピクピクと痙攣し、
口からは泡を噴き出しているー
”ーーーや、やばいーな、何で”
力哉が、慌てて香菜の身体を動かそうとするも、
身体が言う事を聞かず、抜け出すこともできないー。
”ーーテメェまさか、この女に俺の上から憑依しやがったのか!?”
秀介が叫ぶー。
力哉は、戸惑いながら、今まで感じたことのない苦しみに驚きながら、
香菜の身体を何とか動かそうとするー。
が、香菜はピクピクしたまま動かないー。
”強い拒絶反応”ー。
二人が使っていた憑依薬は
”二人同時に同じ人間に憑依すること”を想定していないー。
憑依される側の身体が、
一人だけならともかく、2人同時に憑依してくることによって、
それに耐えきれずに、激しい拒否反応を起こし、
発作状態となり、そしてー”壊れて”しまったー
「ーーーーーーぁ…」
目を見開いたまま、動かなくなってしまう香菜ー
”そ、そんな、お、お、俺はーー…”
この子を守るために、後から憑依した力哉は、そう言葉を振り絞ろうとするもー
その直後ーーーー
もう一人の憑依人・秀介と共にその意識は途切れーー
”消えて”しまったー。
憑依した状態で、その相手が死んでしまうとー、
自分たちもーーー…
この日、憑依されたひとりの哀れな被害者とー、
深夜に憑依を繰り返していた2人の憑依人ー、
三人の人間が、この世から消えてしまったのだったー。
翌朝ー、
妹が、乱れ切った姿で息絶えているのを見た姉・花凛は
状況が分からず、ただ悲鳴を上げることしかできなかったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
まさかのバッドエンドに…☆
お読み下さりありがとうございました~!!
ちなみに、①の冒頭で憑依を繰り返していたのは、
①の途中から登場した力哉ではなく、秀介のほうデス~!!☆
コメント
①の冒頭の憑依は秀介だったんですネ!★
バッドエンドで消えましたネ!!
無名さんのカラダに憑依してエチエチでかわいいバニーガールになっちゃうのデス~v(o´ з`o)♪笑
姿見の鏡にキスしないのでご安心を笑
できるだけ短時間、憑依なのデス…できるだけ…笑
感想ありがとうございます~~!
悪い人も一緒に消えたので、
完全なバッドエンドではないのかも…デス?☆笑
What a tragedy!!!!!!!!
印象に残る作品になれてよかったです~!
また楽しんでくださいネ~!!