<入れ替わり>貧しい夫婦と裕福な百合の花(中編)

貧しい中年の夫婦と、
お金持ちの百合カップルが入れ替わってしまったー!

入れ替わりに巻き込まれた4人の運命は…!?

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美桜(天音)と、由梨(俊之)は、
入れ替わった相手の女子高生2人組がいる病室へと
足を運んでいたー。

病室に入ると、
天音(美桜)と、俊之(由梨)が、
二人に気付いて、ぺこりと頭を下げるー。

「ーほ、本当に”俺”が目の前にいるー」
由梨(俊之)がそう言うと、
美桜(天音)は、ツインテールを揺らしながら
「ーすごいでしょ?わたしも最初はびっくりしちゃった」と、
小声でそんな言葉を口にしたー

「ーーあ、あのー”わたし”の身体もー
 意識が戻ったんですかー?」
俊之の身体で、由梨がそう言葉を口にすると、
緊張した様子の由梨(俊之)は「あ、はいー…
つい先ほど、意識を取り戻しましてー」と、
敬語でそう言葉を口にしたー。

「ーちょっと、何かしこまってるのよー」
美桜(天音)が、ぺしっと、由梨(俊之)の肩を叩くと、
「いや、だって俺みたいな中年のおっさんと入れ替わるなんて
 このぐらいの年の子からしたら地獄みたいなもんだろー?」と、
不安そうにそう言葉を口にするー。

「ーそ、そんなことないんじゃないかしらー?」
美桜(天音)は、見た目は女子高生なのに、おばさんのような
話し方でそう返すと、
「ーーあぁ、ごめんねー。由梨ちゃんの身体もさっき、無事に
 意識を取り戻したのよー」と、
そんな言葉を、二人に対してそう言葉を口にするー。

「ーーあははー何だかすごいー…
 わたしが目の前にいるのもそうだし、
 由梨、全然いつもと様子が違うし~!」
天音(美桜)がそう言葉を口にするー。

俊之の妻・天音の身体で、
明るく元気そうな喋り方をする美桜を見て、
由梨(俊之)は、違和感と
何とも言えないドキドキを感じたー。

”妻じゃない妻が目の前にいる”
そんな感じだー。

「ーー美桜ー、面白がってる場合じゃないでしょー?」
俊之(由梨)がそう言葉を口にすると、
「ーーあのー」と、俊之(由梨)が、
由梨(俊之)のほうを見つめながら、口を開いたー

「ーわたしの身体で、変な事したりしてないですよねー?」
とー。

「ーーえっ…」
由梨(俊之)は一瞬動揺したような表情を浮かべると、
「ーし、し、してないですしー
 するつもりなんてないですからー安心して下さいー」と、
そんな表情を浮かべるー。

”やっぱ、おっさんと入れ替わるなんて嫌だよなぁ”と、
そんなことを内心で思う由梨(俊之)ー

俊之(由梨)は
「ー念のためー、見張っておいてもらえますか?」と、
不安そうに、美桜(天音)のほうを見つめるー

「あらあらーでも、そうよねー
 不安な年頃だもんねー」
美桜(天音)は、美桜の身体でおばさんのような反応をすると、
「わたしが、ちゃんと見張っておくから安心して」と、そう言葉を口にするー。

「お、俺はー変なことなんて絶対しないから大丈夫だよー」
小声で由梨(俊之)がそう言うと、
美桜(天音)が「でも、由梨ちゃんが不安がってるんだから、仕方ないでしょ」と、
諭すような口調で言葉を口にするー。

4人はどうやら”事故”の際に入れ替わってしまった様子だったー。
このあとどうするのか、色々と4人で話し合いはしたものの、
やはり、”答え”は出ないー。

困惑の表情を浮かべながら4人は話し合いを続けるー。

けれど、元に戻る方法は見つからずー、
”入れ替わりのことなんて言っても信じて貰えないよー”と嘆く
天音になったツインテールの美桜と、
”親に心配をかけたくないのでー”
と、そう言葉を口にする俊之になった由梨ー

最終的に4人は”それぞれのフリ”をして、
元に戻ることができるまでの間、
入れ替わった相手のフリをしつつ、過ごすことになったー。

そしてー、
”退院”を翌日に控えたその日ー

美桜になった天音が
ツインテールを揺らしながら、
由梨になった俊之のところにやってきたー。

「ーねぇねぇー
 そういえば今、わたしたちって”女同士”よねー?」
美桜(天音)が、そう言葉を口にしながら笑みを浮かべるー

ツインテールの可愛らしい容姿には似合わない、
なんだか、大人の妖艶な雰囲気を感じつつ、
由梨(俊之)は「い、いやー、あ、天音ー何考えてるー?」と、
困惑した様子で言葉を口にするー。

「ーーー今のわたしたちなら、”百合”ってことになるのかなーって」
美桜(天音)のそんな言葉に、
「お、おいおいおいおいおいー」と、由梨(俊之)が
慌ててそれを拒むような言葉を口にすると、
美桜(天音)は少しだけ笑ってから、
「ふふー冗談よ冗談ー本気にしないで」と、
冗談めいた口調で言葉を口にしたー。

「ーーそれにしてもー…」
ふと、由梨(俊之)が少しだけ不安そうに言葉を口にするー。

「ーあの子たち、よく”このまま”お互いのフリして
 生活するってことに納得したなー…?
 高校生ぐらいの子が、俺たちみたいな中年になったらー

 ーーーあ、いや、天音の悪口じゃないんだけどー

 ーー普通、イヤじゃないかなってー」

由梨(俊之)がそこまで言葉を口にすると、
美桜(天音)は「それもそうねぇ~…」と言いながらも
「まぁ、あの子たちもいいって言ってるんだし、
 しばらくの間、せっかくの若い身体を堪能しましょ?」と、
そんな言葉を口にしたー。

一方ー、
天音になった美桜と、俊之になった由梨は
「明日から、”一緒に暮らせる”ってことだよねー?」と、
嬉しそうに、天音(美桜)が言葉を口にしていたー。

”美桜と由梨”は、
バスの中で天音が察した通り、
本当に、お互いが好きで”女同士だけど付き合っている”
事実上のカップルだったー。

親にも周囲にもそのことを隠しながら、
百合な日々を送っていたふたりー。

二人はー
”中年の夫婦”と入れ替わったことで、
”二人一緒に暮らせる”ということを喜んでいたー。

もちろん、美桜と由梨からすれば遥かに年上で、
”中年”とも言える年齢の天音・俊之の二人になってしまうのは
彼女たちにとって”イヤなこと”だったー。

最初、入れ替わった事実を知った時には、
美桜になった天音に対して
”えっ…は、早く元に戻してくださいー”などと
不満も口にしたぐらいだー。

けれどー、
美桜になった天音から、”二人は夫婦”だと聞かされて、
天音(美桜)も、俊之(由梨)も態度を変えたー。

「わたしたち、一緒に暮らせるー!?」
とー。

その結果ー、
天音(美桜)と俊之(由梨)の二人は、
”親にも心配をかけたくないからー”と、
元に戻る方法が見つかるまでの間、このまま”入れ替わったフリ”をすることを
受け入れたのだー。

「ーえへへへー誰にも邪魔されないで、色々できるね!」
天音(美桜)が嬉しそうに笑うと、
俊之(由梨)は、少し困惑したような表情を浮かべながら、
「ーでも、わたしの身体、おじさんだよー?」と、
そう言葉を口にすると、
天音(美桜)は「わたしだっておばさんだし!それに中身は由梨だし!!」と、
嬉しそうにそんな言葉を口にしたー。

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”お金持ちの女子高生”になった貧しい中年の夫婦と、
”貧しい中年の夫婦”になった百合なカップルー。

その、新しい生活が始まったー。

「ーーあらぁ…すごいわねぇー」
美桜(天音)は”美桜の家”で、そもそも美桜の部屋も
広いことに驚きながら、そう言葉を口にするー。

美桜はいつも髪型はツインテールにしていたものの、
天音自身が”この年でツインテールは面倒臭いわー”と、
髪型をツインテールではなくしていたー。

親からは「珍しいねー」と、言われたものの
「ーたまにはねー!」と、そう答えて誤魔化しておいたー。

「ーーあらーかわいいー」
美桜(天音)は、”美桜”の彼女である”由梨”と一緒に
仲良さそうに写っている写真を見つめると
ご機嫌そうに微笑むー。

明日はー、”由梨(俊之)”の家に行くことになっているー。

「ーふふー女の子同士になったからー
 今までよりもっともっと楽しめそうねー」
美桜(天音)はそう言葉を口にすると、
学生の頃から好きな”百合”なお話のことを
頭の中に想像しながら、
”美桜と由梨の身体”で楽しむ姿を妄想してしまいー、
一人でニヤニヤしてしまうー。

ふと、そのニヤニヤした”美桜”の顔が姿見に映って、
「あらあらーこんな顔させちゃいけないわー」と
正気を取り戻すと、深呼吸してから
「お楽しみは、明日にとっておきましょ」と、そう言葉を口にしたー。

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由梨になった俊之は、同じく”お金持ちの子の家”に
驚いていたー。

美桜の家よりもさらに規模が大きめの由梨の家ー。
が、両親はどちらも仕事で忙しく、
由梨の家には、お手伝いさんが数名いるだけで、
由梨が基本的に一人だったー。

「~~~~~~~」
由梨(俊之)は、鏡に由梨の姿が映ったのを見て、
戸惑いの表情を浮かべるー。

「ーーー」
由梨の身体でHなことをしようー、などとは積極的には思わないもののー
やっぱり若い子の身体と入れ替わっているー、という状況は
俊之にとっては刺激的で、ついドキドキしてしまったー

”お嬢様ー…お風呂の用意ができましたー”
そんな使用人の声が聞こえて、由梨(俊之)は
「えっ!あっ!はい!」と、変な声で返事をしてしまうー。

「ーお、お、お風呂ー…」
由梨(俊之)は顔を赤らめるー。

入院中にも入浴は経験したものの、
”由梨の家”で、のんびりとお風呂に入るとなると、
ドキドキがさらに強まってしまうー。

「ーーはぁ…やっぱ俺みたいな人間が
 この子の身体を使ってちゃいけない気がするー」
由梨(俊之)は、そんな戸惑いの表情を浮かべながらも
渋々とお風呂に向かう準備をするのだったー。

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一方ー、天音になった美桜と、
俊之になった由梨は、身体自体が”夫婦”になったことで、
二人で同じ屋根の下の生活を満喫していたー。

「ーえへへへーずっと一緒にいられるなんて、嬉しいね!」
天音(美桜)が、天音の身体でツインテールにして、
そう微笑むー。

俊之(由梨)は「ね、ねぇー、そのおばさんの身体で
ツインテールはきつくないー?」と、苦笑いしながら
ツッコミを入れると、
「ーだって~この方が落ち着くんだもん」と、
天音(美桜)は、”中年”である天音の身体で、
無邪気に笑って見せるー。

「ーーー~~~~~~~…」
俊之(由梨)は、少しだけ笑うと、
天音(美桜)は「あ~でも、由梨は流石に無理だね~」と、
そう言葉を口にしながら笑うー。

”由梨”の今の身体は”俊之”の身体ー。
流石に、中年のおじさんの身体でツインテールとか、
そういう髪型にするのは無理があるー。

「ーわたし、別にツインテールにはしないしー」
元々、ツインテールにはほとんどしていなかった由梨が
そう言葉を口にすると、
「ーねぇねぇねぇ、早速なんだけどー」と、
天音(美桜)は嬉しそうにそう言葉を口にするー。

「ー今のわたしたちって男女だよね!」
そう言い放つ天音(美桜)

「ーう、うんーまぁ…」
少し気まずそうに、俊之(由梨)がそう答えるー。

「ーーじゃあさ、早速、してみようよ!えへへへー」
天音(美桜)は、大好きな由梨とHなことをしたくて
たまらないのか、そんな言葉をニコニコしながら口にするー。

「ーーーーーーちょ、ちょっと待ってー」
俊之(由梨)は困惑したような表情を浮かべながら
そう言葉を口にすると、
天音(美桜)は「え~?嫌なの?」と、少し拗ねたような様子で言うー。

「そ、そ、そうじゃなくてー
 美桜はー、ほらー、”女”のままだからいいけどー
 わたしは一応ー、相手おっさんでもーこうー…そのー

 ーー男の人の身体だから、心の準備がー」

俊之(由梨)は顔を赤らめながら、
恥ずかしそうにそんな言葉を振り絞ると、
天音(美桜)は「あははー!由梨ってばー!」と、笑いながら
「わたしたち、今さら恥ずかしがるような間柄じゃないでしょ!」と、
そんな言葉を口にして、容赦なく天音の身体で、
俊之になった由梨にキスをするのだったー。

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その翌日ー

美桜になった天音は、ドキドキしながら、
”由梨”の家にやってきていたー。

今日は、”由梨”の両親は留守ー。

その間に、美桜になった天音は、
由梨になった俊之と共にーーー

”百合”を楽しもうとしていたー

「この子たち、カップルだったみたいだし、
 中身のわたしたちも夫婦なんだからー問題ないわよねー?」
美桜(天音)はそう呟くと、嬉しそうに
由梨の家のインターホンを鳴らしたー。

<後編>へ続く

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コメント

入れ替わった4人が
どんな風になっていくのか、また次回も
楽しみにしていて下さいネ~!!

(※火曜日の作品は予約投稿の都合上、また続きは来週デス…★)!

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